コーヒー豆の名産・産地といえば？それぞれの特性や地域の違いを解説

7-1世界第2位のコーヒー生産国

ベトナムのコーヒー栽培は、フランス植民地時代に導入されましたが、その後の戦乱を経て大規模に発展したのが1990年代以降のことです。
現在ではカフェインレベルの高いロブスタ種が主流で、総生産量の約97%を占めています。
ロブスタ種はアラビカ種に比べて低コストで大量生産が可能なため、ベトナムのコーヒー業界には好都合です。
特に、強めの苦味と香りが特徴的で、インスタントコーヒーやコーヒーミックスに多く使用されています。
一方、高品質なアラビカ種の生産も徐々に増えつつあり、消費者の嗜好の多様化に対応しています。
アラビカ種のうち特に注目されているのが、ダクラク地方で栽培されるカントリーコーヒーです。
酸味と甘味のバランスに優れ、ゆっくりと味わうのに適した上質な1杯を提供します。
このように、量産性に優れたロブスタ種と、高品質なアラビカ種の両輪で、ベトナムのコーヒー業界は発展を遂げてきたのです。
今後も独自の風味特性を活かしながら、消費者ニーズに応えていくことが期待されるでしょう。

7-2ロブスタ種が主体

ロブスタ種は、アラビカ種に比べてより高温多湿な気候に適応しやすく、病害虫にも強い特徴があります。
ベトナムの熱帯モンスーン気候はまさにロブスタ種に適しており、大規模な生産が可能になっています。
また、ロブスタ種はアラビカ種に比べて収穫量が多く、単位面積当たりの収量が高いという利点もあり、これにより、限られた農地を有効活用しつつ、大量生産体制を構築することができます。
そのため、ベトナムのコーヒー産業では、主にロブスタ種の生産に注力してきました。
ロブスタ種は、強い苦味と高いカフェイン含有量が特徴で、インスタントコーヒーやコーヒーミックスなどの大量消費市場向けに適しています。
一方で、近年では高品質なアラビカ種の生産も徐々に増えつつあり、消費者の嗜好の多様化に合わせ、スペシャルティコーヒー市場への参入も進んでいます。
このように、ベトナムのコーヒー業界は、大量生産に適したロブスタ種を主体としつつ、高品質アラビカ種への取り組みも並行して行っているのが現状です。

7-3深いコクと香ばしい風味

ベトナムのコーヒー栽培は、フランス植民地時代に導入されました。
当時は主にアラビカ種が栽培されていましたが、その後の戦乱を経て、より耐病性が高く大量生産しやすいロブスタ種が主流となりました。
ロブスタ種は、高いカフェイン含有量と強い苦味が特徴です。
この特性を活かし、ベトナムではロブスタ種を中心にコーヒー生産が行われてきました。
ロブスタ種は、深いコクと重厚な風味を生み出します。
また、焙煎の際にもしっかりと香ばしさが出てくるため、コーヒーの魅力を最大限に引き出すことができます。
近年では、高品質なアラビカ種の生産も増加傾向にあり、消費者の嗜好の多様化に合わせて、スペシャルティコーヒーの需要も高まっています。
しかし、ベトナムのコーヒーを語る上で、やはりロブスタ種の深いコクと香ばしい風味は欠かせません。
このユニークな風味特性は、ベトナムのコーヒー文化を形成してきた大きな要因の1つといえるでしょう。

7-4インスタントコーヒーの主原料として重宝される

ロブスタ種は、アラビカ種と比較してカフェイン含有量が高く、苦味も強めです。
また、収穫量が多く、大規模な生産が可能というメリットもあり、これらの特性がインスタントコーヒー向けに適しているのです。
インスタントコーヒーは一般的に濃縮された液体状態で提供されるため、強めの苦味と高いカフェイン含有量が望ましい。
ベトナムのロブスタ種コーヒーはまさに このニーズにマッチしています。
さらに、ベトナムでは大規模な生産体制が整っているため、コストパフォーマンスも高く、インスタントコーヒーの主要原料として世界的に需要が高まっています。
近年では、高品質なアラビカ種コーヒーの生産も徐々に増えつつありますが、それでも多くのインスタントコーヒーブランドがベトナムのロブスタ種を使用し続けているのが現状です。
つまり、ベトナムのコーヒー豆は、インスタントコーヒー市場において欠かせない原料として、重要な位置を占めているのです。

08メキシコのコーヒー豆