由緒正しい伝統的な書体!カリグラフィーのアンシャル体について
カリグラフィーには様々な書体があります。その中でも丸みを帯びた形が人気なのがアンシャル体。アンシャル体は非常に古い歴史を持っていて、カリグラフィーではぜひ身につけておきたい書体のひとつです。今回はカリグラフィーのアンシャル体についてご紹介します。
01アンシャル体とは?
カリグラフィーの書体の中には、非常に古い歴史を持ったものがありますが、アンシャル体もそのひとつ。
アンシャル体が使われるようになるまで一般的だったのはローマンキャピタル体やラスティック体。四世紀ごろからキリスト教関連の写本に使用されるようになりました。
というのも、それまで使われていたローマンキャピタル体は硬い石に彫ることを目的にした書体。また、ラスティック体は書籍などに用いられていました。
これらの書体は一文字書くだけでも非常に時間がかかるもの。その当時のローマは、キリスト教が公認された時代。宗教関連の書籍を書き写した「写本」に対する需要が急増していました。
そこで、羊皮紙などの紙にできるだけスムーズに、かつスピーディに描ける書体としてアンシャル体が誕生しました。
その後、さらに早く的確に書ける書体として、「ハーフアンシャル体」という書体が生まれるなど、アンシャル体はカリグラフィーの中でも非常に重要な文字とされています。
02アンシャル体の特徴
アンシャル体の特徴は、何と言っても文字の形。アンシャル体は丸みを持ったシンプルな書体で、「丸み大文字体」と訳されることもあります。
アンシャル体が「大文字体」と言われるのは、大文字と小文字の区別がないことによるもの。
この当時の書体にはまだ大文字と小文字という区別はなく、ほとんどの文字は現代の小文字のサイズ。
またもともとのアンシャル体では単語を区切ることはありませんでしたが、やがて時代が進むとアンシャル体でも単語で区切ることが行われるようになりました。
このアンシャル体は現代にも使われる小文字の原型になったとも言われています。
なお、アンシャル体の場合、m、n、uなどの幅は広めで、nはNと書くことでrやsと区別する、縦長の文字の幅は狭いといった特徴もあります。
03アンシャル体の書き方
アンシャル体はシンプルで丸っこく、簡単そうに見えますが、実際に書くときには実はかなりの技術が必要。では美しいアンシャル体を描くときにはどのような点に注意すればよいのでしょうか。
3-1ペン先の角度が30度
カリグラフィーの基本となることが多いのがイタリック体やゴシック体です。そのため、初心者はこれらの書体からスタートするのが一般的。
しかし、アンシャル体はこれらの書体とは大きく異なっています。
イタリック体やゴシック体の場合、ペン先の角度は45度。それに対して、アンシャル体を書くときにはペン先の角度は30度になります。
つまり、45度の角度と比べた場合、15度以上ペン先を寝かせる必要があるということ。
これまで、45度の角度に慣れている人にとって、この15度の開きはかなり大きな違いになります。
実際に30度にペン先を寝かせて書いてみるとわかるように、垂直線がより太くなり、水平線は逆に細くなります。
アンシャル体を学ぶときは、まずペン先の角度を寝かせるということを身につけることが必要になります。
3-2基本形「I」と「O」
アンシャル体はイタリック体のように文字が傾斜することも、ゴシック体のようにはっきりした書体でもありません。
といっても、基本練習が重要になるのはどの書体でも変わりません。
アンティル体の書体の基本形となるのが「I」と「O」。このふたつの文字の書き方を身につけると、他のアルファベットが書きやすくなるため、アンティル体を学ぶときにはまずこのふたつの文字を徹底的に練習することがおすすめです。
まず「I」を書く場合、ウエストラインにペンを下ろしますが、このときもペン先の角度は30度。しっかり角度を決め手左斜めに下ろして、角を作ります。このときに出来た角は文字全体のバランスを決定するため非常に十お湯。
その後、Xハイトの範囲に収まるように、垂直のラインを引きます。
ちなみに、アンシャル体はは通所の小文字と同じように、ほとんどの文字はXハイトの範囲に収まります。逆に言えば、Xハイトの範囲に収めることがアンシャル体を描くときに重要。
アンシャル体独特の丸みを出そうとした場合、Xハイトからはみ出してしまうこともあるため、しっかりと範囲を守れるように注意しましょう。ここで意識したいのは文字の高さをペン幅の四倍で書くということ。
一方、「O」はほぼ正確な円に近い形です。
といっても、一度にすべての円を描くわけではなく、左側の半円から半分ずつ円を描いていきます。このとき、Xハイトの上を少し開けて書き始めると円が大きくなりすぎるのを防ぐことができます。
左側を書いたら同様に右側の円を書き、それぞれの線がしっかりつなげます。このとき、やや左に傾くようにするとバランスを取りやすくなります。「O」は非常に簡単そうに見えますが、実はかなり難易度が高め。
ただし「O」はその他の文字の中でも応用する技術が含まれているため、しっかり身につけておくと他の文字が書きやすくなります。
アンシャル体ではh、k、lなどはペン幅の二つ分上から書き始めることになっていますが、それ以外の文字は四つが基本。
アンシャル体を描くときにはペン幅が基準になりますが、これは昔、それぞれ異なるペンを使っていたため、統一する基準が必要だったから。
アンシャル体以外の書体でも便利に使うことができるため、ペン幅の感覚はぜひ身につけておきましょう。
04アンシャル体の注意ポイント
簡単そうに見えるアンシャル体は、実際に書いてみるととても難しいもの。
ではアンシャル体を上手に描くときにはどのようなポイントがあるのでしょうか。
まず、アンシャル体を書くときにはしっかりペン先を意識すること。すでに説明したように、アンシャル体はイタリック体やゴシック体とは異なり、ペン先が寝かせ気味になります。慣れないうちはついついペン先が起きてしまいますがその状態ではしっかりと太さと細さをコントロールすることができなくなり、失敗してしまうことも少なくありません。
また、アンシャル体を描くときに多い失敗が横に広がりすぎてしまうこと。
アンシャル体は丸みが特徴なので、字を丸くしようとすると、どうしても横長の文字になってしまいます。
確かに横長の文字にすると、丸みを帯びた印象を与えることができますが、実際は文字の並びのバランスが悪くなってしまいます。
もしどうしても文章のバランスが取れなくなってしまうときには、いくつかの文字によってバランスを取ることができます。
たとえば、Nの横線は長く伸ばしても構わないとされているため、ここでバランスを取ることも可能。
ただし、それでもあまりに伸ばしすぎたり身近過ぎたりするとどうしておかしくなってしまうもの。
やはりひとつひとつの文字をしっかり書くことが重要です。
アルファベットの文字にはそれぞれポイントがあるため、文字が見本通りに書けているかどうか、しっかり確認しながら練習しましょう。
05まとめ
独特の丸みを持ったアンシャル体は様々な場面に似合う魅力的な書体です。最初は上手く書けなくても、練習を重ねることで必ず上達することができるもの。アンシャル体を身につけると、さらにカリグラフィーの可能性が広がります。
アンシャル体が使われるようになるまで一般的だったのはローマンキャピタル体やラスティック体。四世紀ごろからキリスト教関連の写本に使用されるようになりました。
というのも、それまで使われていたローマンキャピタル体は硬い石に彫ることを目的にした書体。また、ラスティック体は書籍などに用いられていました。
これらの書体は一文字書くだけでも非常に時間がかかるもの。その当時のローマは、キリスト教が公認された時代。宗教関連の書籍を書き写した「写本」に対する需要が急増していました。
そこで、羊皮紙などの紙にできるだけスムーズに、かつスピーディに描ける書体としてアンシャル体が誕生しました。
その後、さらに早く的確に書ける書体として、「ハーフアンシャル体」という書体が生まれるなど、アンシャル体はカリグラフィーの中でも非常に重要な文字とされています。
アンシャル体が「大文字体」と言われるのは、大文字と小文字の区別がないことによるもの。
この当時の書体にはまだ大文字と小文字という区別はなく、ほとんどの文字は現代の小文字のサイズ。
またもともとのアンシャル体では単語を区切ることはありませんでしたが、やがて時代が進むとアンシャル体でも単語で区切ることが行われるようになりました。
このアンシャル体は現代にも使われる小文字の原型になったとも言われています。
なお、アンシャル体の場合、m、n、uなどの幅は広めで、nはNと書くことでrやsと区別する、縦長の文字の幅は狭いといった特徴もあります。
03アンシャル体の書き方
アンシャル体はシンプルで丸っこく、簡単そうに見えますが、実際に書くときには実はかなりの技術が必要。では美しいアンシャル体を描くときにはどのような点に注意すればよいのでしょうか。
3-1ペン先の角度が30度
カリグラフィーの基本となることが多いのがイタリック体やゴシック体です。そのため、初心者はこれらの書体からスタートするのが一般的。
しかし、アンシャル体はこれらの書体とは大きく異なっています。
イタリック体やゴシック体の場合、ペン先の角度は45度。それに対して、アンシャル体を書くときにはペン先の角度は30度になります。
つまり、45度の角度と比べた場合、15度以上ペン先を寝かせる必要があるということ。
これまで、45度の角度に慣れている人にとって、この15度の開きはかなり大きな違いになります。
実際に30度にペン先を寝かせて書いてみるとわかるように、垂直線がより太くなり、水平線は逆に細くなります。
アンシャル体を学ぶときは、まずペン先の角度を寝かせるということを身につけることが必要になります。
3-2基本形「I」と「O」
アンシャル体はイタリック体のように文字が傾斜することも、ゴシック体のようにはっきりした書体でもありません。
といっても、基本練習が重要になるのはどの書体でも変わりません。
アンティル体の書体の基本形となるのが「I」と「O」。このふたつの文字の書き方を身につけると、他のアルファベットが書きやすくなるため、アンティル体を学ぶときにはまずこのふたつの文字を徹底的に練習することがおすすめです。
まず「I」を書く場合、ウエストラインにペンを下ろしますが、このときもペン先の角度は30度。しっかり角度を決め手左斜めに下ろして、角を作ります。このときに出来た角は文字全体のバランスを決定するため非常に十お湯。
その後、Xハイトの範囲に収まるように、垂直のラインを引きます。
ちなみに、アンシャル体はは通所の小文字と同じように、ほとんどの文字はXハイトの範囲に収まります。逆に言えば、Xハイトの範囲に収めることがアンシャル体を描くときに重要。
アンシャル体独特の丸みを出そうとした場合、Xハイトからはみ出してしまうこともあるため、しっかりと範囲を守れるように注意しましょう。ここで意識したいのは文字の高さをペン幅の四倍で書くということ。
一方、「O」はほぼ正確な円に近い形です。
といっても、一度にすべての円を描くわけではなく、左側の半円から半分ずつ円を描いていきます。このとき、Xハイトの上を少し開けて書き始めると円が大きくなりすぎるのを防ぐことができます。
左側を書いたら同様に右側の円を書き、それぞれの線がしっかりつなげます。このとき、やや左に傾くようにするとバランスを取りやすくなります。「O」は非常に簡単そうに見えますが、実はかなり難易度が高め。
ただし「O」はその他の文字の中でも応用する技術が含まれているため、しっかり身につけておくと他の文字が書きやすくなります。
アンシャル体ではh、k、lなどはペン幅の二つ分上から書き始めることになっていますが、それ以外の文字は四つが基本。
アンシャル体を描くときにはペン幅が基準になりますが、これは昔、それぞれ異なるペンを使っていたため、統一する基準が必要だったから。
アンシャル体以外の書体でも便利に使うことができるため、ペン幅の感覚はぜひ身につけておきましょう。
04アンシャル体の注意ポイント
簡単そうに見えるアンシャル体は、実際に書いてみるととても難しいもの。
ではアンシャル体を上手に描くときにはどのようなポイントがあるのでしょうか。
まず、アンシャル体を書くときにはしっかりペン先を意識すること。すでに説明したように、アンシャル体はイタリック体やゴシック体とは異なり、ペン先が寝かせ気味になります。慣れないうちはついついペン先が起きてしまいますがその状態ではしっかりと太さと細さをコントロールすることができなくなり、失敗してしまうことも少なくありません。
また、アンシャル体を描くときに多い失敗が横に広がりすぎてしまうこと。
アンシャル体は丸みが特徴なので、字を丸くしようとすると、どうしても横長の文字になってしまいます。
確かに横長の文字にすると、丸みを帯びた印象を与えることができますが、実際は文字の並びのバランスが悪くなってしまいます。
もしどうしても文章のバランスが取れなくなってしまうときには、いくつかの文字によってバランスを取ることができます。
たとえば、Nの横線は長く伸ばしても構わないとされているため、ここでバランスを取ることも可能。
ただし、それでもあまりに伸ばしすぎたり身近過ぎたりするとどうしておかしくなってしまうもの。
やはりひとつひとつの文字をしっかり書くことが重要です。
アルファベットの文字にはそれぞれポイントがあるため、文字が見本通りに書けているかどうか、しっかり確認しながら練習しましょう。
05まとめ
独特の丸みを持ったアンシャル体は様々な場面に似合う魅力的な書体です。最初は上手く書けなくても、練習を重ねることで必ず上達することができるもの。アンシャル体を身につけると、さらにカリグラフィーの可能性が広がります。
3-1ペン先の角度が30度
カリグラフィーの基本となることが多いのがイタリック体やゴシック体です。そのため、初心者はこれらの書体からスタートするのが一般的。
しかし、アンシャル体はこれらの書体とは大きく異なっています。
イタリック体やゴシック体の場合、ペン先の角度は45度。それに対して、アンシャル体を書くときにはペン先の角度は30度になります。
つまり、45度の角度と比べた場合、15度以上ペン先を寝かせる必要があるということ。
これまで、45度の角度に慣れている人にとって、この15度の開きはかなり大きな違いになります。
実際に30度にペン先を寝かせて書いてみるとわかるように、垂直線がより太くなり、水平線は逆に細くなります。
アンシャル体を学ぶときは、まずペン先の角度を寝かせるということを身につけることが必要になります。
3-2基本形「I」と「O」
アンシャル体はイタリック体のように文字が傾斜することも、ゴシック体のようにはっきりした書体でもありません。
といっても、基本練習が重要になるのはどの書体でも変わりません。
アンティル体の書体の基本形となるのが「I」と「O」。このふたつの文字の書き方を身につけると、他のアルファベットが書きやすくなるため、アンティル体を学ぶときにはまずこのふたつの文字を徹底的に練習することがおすすめです。
まず「I」を書く場合、ウエストラインにペンを下ろしますが、このときもペン先の角度は30度。しっかり角度を決め手左斜めに下ろして、角を作ります。このときに出来た角は文字全体のバランスを決定するため非常に十お湯。
その後、Xハイトの範囲に収まるように、垂直のラインを引きます。
ちなみに、アンシャル体はは通所の小文字と同じように、ほとんどの文字はXハイトの範囲に収まります。逆に言えば、Xハイトの範囲に収めることがアンシャル体を描くときに重要。
アンシャル体独特の丸みを出そうとした場合、Xハイトからはみ出してしまうこともあるため、しっかりと範囲を守れるように注意しましょう。ここで意識したいのは文字の高さをペン幅の四倍で書くということ。
一方、「O」はほぼ正確な円に近い形です。
といっても、一度にすべての円を描くわけではなく、左側の半円から半分ずつ円を描いていきます。このとき、Xハイトの上を少し開けて書き始めると円が大きくなりすぎるのを防ぐことができます。
左側を書いたら同様に右側の円を書き、それぞれの線がしっかりつなげます。このとき、やや左に傾くようにするとバランスを取りやすくなります。「O」は非常に簡単そうに見えますが、実はかなり難易度が高め。
ただし「O」はその他の文字の中でも応用する技術が含まれているため、しっかり身につけておくと他の文字が書きやすくなります。
アンシャル体ではh、k、lなどはペン幅の二つ分上から書き始めることになっていますが、それ以外の文字は四つが基本。
アンシャル体を描くときにはペン幅が基準になりますが、これは昔、それぞれ異なるペンを使っていたため、統一する基準が必要だったから。
アンシャル体以外の書体でも便利に使うことができるため、ペン幅の感覚はぜひ身につけておきましょう。
ではアンシャル体を上手に描くときにはどのようなポイントがあるのでしょうか。
まず、アンシャル体を書くときにはしっかりペン先を意識すること。すでに説明したように、アンシャル体はイタリック体やゴシック体とは異なり、ペン先が寝かせ気味になります。慣れないうちはついついペン先が起きてしまいますがその状態ではしっかりと太さと細さをコントロールすることができなくなり、失敗してしまうことも少なくありません。
また、アンシャル体を描くときに多い失敗が横に広がりすぎてしまうこと。
アンシャル体は丸みが特徴なので、字を丸くしようとすると、どうしても横長の文字になってしまいます。
確かに横長の文字にすると、丸みを帯びた印象を与えることができますが、実際は文字の並びのバランスが悪くなってしまいます。
もしどうしても文章のバランスが取れなくなってしまうときには、いくつかの文字によってバランスを取ることができます。
たとえば、Nの横線は長く伸ばしても構わないとされているため、ここでバランスを取ることも可能。
ただし、それでもあまりに伸ばしすぎたり身近過ぎたりするとどうしておかしくなってしまうもの。
やはりひとつひとつの文字をしっかり書くことが重要です。
アルファベットの文字にはそれぞれポイントがあるため、文字が見本通りに書けているかどうか、しっかり確認しながら練習しましょう。
05まとめ
独特の丸みを持ったアンシャル体は様々な場面に似合う魅力的な書体です。最初は上手く書けなくても、練習を重ねることで必ず上達することができるもの。アンシャル体を身につけると、さらにカリグラフィーの可能性が広がります。
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