キャンドルとろうそくの違いとは?原料や効果、用途の違い!
ハンドクラフトとしても人気のキャンドル。ところで「キャンドル」と「ろうそく」の違いをご存じでしょうか。単に「キャンドル」を日本語にすると「ろうそく」だと考えがちですが、じつはキャンドルとろうそくには大きな違いがあります。キャンドルとろうそくの歴史や違い、あまり知られていない素材などについて解説します。知っているとキャンドル作りがもっと楽しくなるかも?
- 目次
- 1. キャンドルとろうそくの基本概要
- 1-1. キャンドルとろうそくの役割と目的
- 1-2. キャンドルの役割とその広がり
- 1-3. ろうそくの伝統的な役割
- 1-4. それぞれの素材と歴史的背景
- 1-5. キャンドルの素材とその進化
- 1-6. ろうそくの素材とその歴史
- 1-7. 日常生活での役割
- 1-8. キャンドルの現代生活での使い方
- 1-9. ろうそくの役割
- 2. 原材料の特徴
- 2-1. キャンドルの原材料
- 2-2. 植物由来のキャンドルの特性と利点
- 2-3. パラフィン由来のキャンドルの効果と影響
- 2-4. ろうそくの原材料
- 2-5. 動物性ろうの特性と燃焼の特徴
- 2-6. 植物性ろうの特徴とその魅力
- 3. 燃焼特性と環境への影響
- 3-1. キャンドルとろうそくの燃焼時間の比較
- 3-2. キャンドルの燃焼時間
- 3-3. ろうそくの燃焼時間
- 3-4. 炎の揺らぎと光の性質 – キャンドルとろうそくの違い
- 3-5. キャンドルの炎と光の特徴
- 3-6. ろうそくの炎と光の特徴
- 3-7. 燃焼中の煙と臭いの発生メカニズム
- 3-8. キャンドルの煙と臭い
- 3-9. ろうそくの煙と臭い
- 3-10. 燃焼時のCO2排出量と環境への配慮
- 3-11. キャンドルのCO2排出量
- 3-12. ろうそくのCO2排出量と環境への配慮
- 4. 使用用途による違い
- 4-1. キャンドルの用途
- 4-2. キャンドルの役割とインテリアアイテムとしての魅力
- 4-3. 宗教儀式におけるろうそくの役割
- 4-4. 伝統的な場面でのろうそくの使い方
- 4-5. 香りとデザインの多様性 – キャンドルとろうそくの魅力
- 4-6. キャンドルにおける香りのバリエーション
- 4-7. ろうそくの自然な香りの特徴
- 5. キャンドルとろうそくの歴史
- 5-1. 世界で最初のキャンドル
- 5-2. 欧米のキャンドルの歴史
- 5-3. 日本のキャンドルの歴史
- 6. キャンドルとろうそくの違い
- 7. 石油由来以外のワックスを使ったキャンドル
- 8. まとめ
01キャンドルとろうそくの基本概要
1-1キャンドルとろうそくの役割と目的
キャンドルとろうそくは、昔から生活の中で重要な役割を果たしてきました。 その役割は、単に光を提供するだけにとどまらず、宗教儀式、インテリア、アロマテラピーなど、多岐にわたっています。 キャンドルは特に装飾や癒しの要素を持ち、ろうそくは伝統や宗教的な場面で使われることが多いです。
キャンドルの役割とその広がり
キャンドルは、現代の生活において、光源としてだけでなく、インテリアの一部としての役割が強まっています。 さまざまな色や形状のキャンドルは、空間の雰囲気を演出するために使われ、特にアロマキャンドルは、リラックス効果や香りによる癒しを提供するものとして人気があります。 また、誕生日やクリスマスといった祝祭日には、特別な意味を持つキャンドルが使用されることも一般的です。
ろうそくの伝統的な役割
ろうそくは、歴史的に宗教や儀式で重要な役割を果たしてきました。 特に、日本では仏教や神道の儀式において、ろうそくの灯火が神聖な意味を持ちます。 静かで落ち着いた光は、祈りや瞑想の際に安らぎを与え、精神的な集中を促します。 また、ろうそくのシンプルで素朴なデザインは、伝統的な日本家屋や祭壇の一部として欠かせない存在です。
1-1それぞれの素材と歴史的背景
キャンドルとろうそくは、使われる素材によってその特性が大きく異なります。 それぞれの素材は、歴史的な背景とともに発展し、地域や時代によって選ばれる原料が異なることが多くあります。
キャンドルの素材とその進化
キャンドルは、主に植物性油脂やパラフィンワックスを原料としています。 パラフィンワックスは石油から作られるため、比較的安価で製造が容易です。 しかし、環境への配慮が進む中で、自然素材を使用したキャンドルも注目されています。 植物由来のワックスや大豆ワックスなどは、燃焼時に有害物質を排出しないため、エコフレンドリーな選択肢として人気があります。
ろうそくの素材とその歴史
ろうそくは、古くから動物性や植物性のろうを主な素材として使用してきました。 特に、蜜蝋(みつろう)や鯨油が使われていた時代もあり、これらの天然素材は、非常に高品質であるとされていました。 日本では、伝統的な和ろうそくは、ハゼの実から抽出される植物性のろうを使用して作られます。
1-1日常生活での役割
素材や製造方法により、日常生活での使われ方が異なります。 現代では、キャンドルはインテリアアイテムやリラクゼーションの手段として、ろうそくはより伝統的で宗教的な用途に使われることが多いです。 ここでは、それぞれの日常生活での具体的な役割について掘り下げます。
キャンドルの現代生活での使い方
キャンドルは、インテリアとしての役割が非常に強く、特にアロマキャンドルは癒しや安らぎを求める人々に愛されています。 また、結婚式やパーティーといったイベントでも、キャンドルがテーブルや会場を華やかに彩ります。 さらに、停電時の緊急用としても、キャンドルは実用的で便利です。
ろうそくの役割
仏教や神道の儀式において重要な役割を担っています。ろうそくの静かな炎は、神聖な空間を演出し、祈りや瞑想の際に用いられます。 家庭でも、仏壇にろうそくを灯す習慣は広く浸透しており、先祖を敬う場面で使われることが多いです。 また、日本の伝統的な祭りや儀式でも、ろうそくが象徴的な意味を持っています。
01原材料の特徴
1-1キャンドルの原材料
キャンドルの原材料には、主に植物油やパラフィンが使用され、それぞれが異なる特性を持っています。 燃焼時間や煙の発生量、香りの持続性などに直接的な影響を与え、キャンドルの使用シーンや消費者の好みによって選ばれることが多いです。 植物由来の材料とパラフィンの違いとその利点について解説していきます。
植物由来のキャンドルの特性と利点
近年環境への配慮が求められる中で注目を集めています。 特に大豆ワックスやヤシ油などの植物由来の材料は、再生可能であり、燃焼時に有害物質をほとんど発生させないことが特徴です。 このため、自然環境に優しい選択肢として、多くの人に支持されています。 また、燃焼温度が低いため、より長時間にわたって燃える傾向があります。 さらに、アロマキャンドルとして、精油と混ぜて香りを楽しめる点も大きな魅力です。 植物由来のキャンドルは、エコフレンドリーなライフスタイルを志向する人々にとって、理想的な選択肢と言えるでしょう。
パラフィン由来のキャンドルの効果と影響
パラフィンは、石油精製の副産物として得られるワックスであり、その手頃な価格と加工のしやすさから、広く使用されている材料です。 燃焼時に安定した明るい炎を放ち、装飾やイベントで使用されることが多いです。 また、パラフィンは高温で燃えるため、炎が大きく、視覚的なインパクトが強いという特徴もあります。 しかし、燃焼時に微量の有害物質が生じることがあるため、環境や健康に敏感な人々にとっては注意が必要です。 それでも、パラフィンの低コストと豊富な供給源は、依然として多くの消費者に支持され続けています。
1-1ろうそくの原材料
ろうそくに使用される材料は、動物性や植物性のろうが主流です。 これらの材料は、宗教的な儀式や伝統的な用途において選ばれることが多く、それぞれが持つ独自の性質により、使用シーンが異なります。 動物性ろうと植物性ろうの使い分けは、燃焼の安定性や香り、環境への影響に大きく関連してきます。 次に、それぞれの特徴について解説します。
動物性ろうの特性と燃焼の特徴
動物性ろう、特に蜜蝋(みつろう)や鯨油から作られるろうは、古くから高品質なろうそくの材料として使用されてきました。 蜜蝋は、蜂蜜の副産物であり、燃焼時にほのかに甘い香りを漂わせることが特徴です。 また、その炎は温かみがあり、安定して燃えるため、宗教儀式や瞑想の場でよく使用されます。 蜜蝋は天然の材料であり、石油系の材料に比べて環境への影響が少ないため、エコフレンドリーな選択肢としても注目されています。 さらに、燃焼時間が長く、煙がほとんど出ないため、清潔な空気を保つことができるという利点があります。 一方で、蜜蝋は比較的高価であるため、一般的な日常用途よりも特別な場面で使用されることが多いです。
植物性ろうの特徴とその魅力
植物性ろうとして代表的なのが、ハゼの実から採れる和ろうです。 日本の伝統的なろうそくに使用されるこの植物性ろうは、炎が穏やかで、ろうが垂れにくいという特徴を持っています。 特に和ろうそくは、仏壇や神社での使用が多く、落ち着いた雰囲気を演出します。 植物性ろうは、動物性ろうに比べてさらに環境への影響が少なく、持続可能な素材として評価されています。 また、燃焼時に発生する香りも自然であり、香り付きのろうそくを避けたい場合には最適な選択肢です。 さらに、植物性ろうは比較的加工がしやすく、形状やデザインのバリエーションを豊富に展開できるため、伝統的なろうそくとモダンなデザインの融合も可能です。
01燃焼特性と環境への影響
1-1キャンドルとろうそくの燃焼時間の比較
キャンドルとろうそくの燃焼時間は、素材やサイズによって異なります。 燃焼時間は、ユーザーがその用途に応じて選ぶ上で重要な要素です。 それぞれの燃焼時間の違いを比較し、その影響について解説します。
キャンドルの燃焼時間
キャンドルは、その素材によって燃焼時間が大きく異なります。 特に、パラフィンキャンドルは高温で燃焼するため、短時間で大きな光を放ちますが、燃え尽きるまでの時間は比較的短いです。 一方、植物由来のキャンドルは低温でゆっくり燃焼するため、長時間にわたって楽しむことができます。 特に大豆ワックスを使ったキャンドルは、環境に優しく、かつ持続的な燃焼が特徴です。
ろうそくの燃焼時間
ろうそくも素材によって燃焼時間が異なります。 蜜蝋(みつろう)や和ろうそくは、自然素材でありながら、非常に長い燃焼時間を持つことで知られています。 特に蜜蝋は、燃焼時間が長く、炎も安定しているため、宗教儀式や静かな時間を過ごす場面でよく使われます。 和ろうそくも、穏やかな燃焼で長時間の使用が可能です。
1-1炎の揺らぎと光の性質 – キャンドルとろうそくの違い
キャンドルとろうそくの炎は、それぞれ異なる性質を持っています。 炎の揺らぎや光の質は、空間の雰囲気を大きく左右します。 それぞれの炎がどのように異なり、その特徴がどのように表れるかを見ていきましょう。
キャンドルの炎と光の特徴
キャンドルの炎は、特にパラフィンキャンドルにおいて、明るく揺らぎやすいのが特徴です。 パーティーやインテリアとしてキャンドルが好まれる理由の一つに、この「揺らぐ炎」の美しさがあります。 炎がゆらゆらと揺れることで、リラックス効果や癒しをもたらすとされています。 また、アロマキャンドルでは、この揺らぎと香りが相まって、より深いリラックス感を演出します。
ろうそくの炎と光の特徴
ろうそくの炎は、キャンドルに比べて安定しており、静かな光を放ちます。 特に蜜蝋や和ろうそくの炎は、落ち着いた安定感があり、儀式や瞑想の場でその特性が生かされます。 光も柔らかく、空間全体に穏やかな光を広げるため、静かな時間を過ごしたいときには最適です。 揺らぎの少ない炎は、集中力を高める効果もあります。
1-1燃焼中の煙と臭いの発生メカニズム
キャンドルやろうそくの燃焼中に発生する煙や臭いは、使用される素材や添加物によって異なります。 特に室内での使用では、煙や臭いの問題が大きな関心事となります。 ここでは、それぞれの燃焼時に発生する煙や臭いの違いについて詳しく解説します。
キャンドルの煙と臭い
パラフィンキャンドルは、燃焼時に微量の有害物質を含んだ煙を発生させることがあります。 特に換気が不十分な場合には、煙がこもりやすくなるため、適切な換気が推奨されます。 一方、植物由来のキャンドルは、燃焼時に煙や有害物質の発生が少なく、比較的クリーンな燃焼が特徴です。 アロマキャンドルの場合、香りが強く出るものもありますが、これも素材によって品質が異なります。
ろうそくの煙と臭い
蜜蝋や和ろうそくの燃焼は、非常にクリーンで、ほとんど煙が発生しません。 また、燃焼時に放つ香りもほのかなもので、自然な甘さを持つ蜜蝋は、香りが強すぎず心地よいものです。 これにより、ろうそくは特に静かな空間や瞑想の場で好まれ、空気を汚さない清潔な燃焼が可能です。
1-1燃焼時のCO2排出量と環境への配慮
キャンドルやろうそくの燃焼時に排出される二酸化炭素(CO2)の量は、環境への影響を考える際に重要なポイントです。 特に、持続可能な素材の使用や、排出量の少ない製品の選択が環境保護につながります。 キャンドルとろうそくの燃焼時のCO2排出量と、環境に与える影響を比較していきます。
キャンドルのCO2排出量
パラフィンキャンドルは石油由来のため、燃焼時に二酸化炭素を排出します。 特に、大量に使用する場合には、環境負荷が懸念されます。 一方で、植物由来のキャンドル、特に大豆ワックスやヤシ油を使用したものは、燃焼時のCO2排出量が少なく、環境に優しい選択肢として注目されています。 これらの製品は、持続可能な資源を使用しているため、環境に優しい生活を送ることが可能です。
ろうそくのCO2排出量と環境への配慮
ろうそく、特に蜜蝋や和ろうそくは、天然素材を使用しているため、燃焼時のCO2排出量が非常に少ないのが特徴です。 これらの素材は再生可能であり、環境への負担が少ないことから、環境に配慮した選択肢として高く評価されています。 また、和ろうそくの伝統的な製造方法は、持続可能な素材の使用を重視しているため、現代の環境保護の観点からも注目されています。
01使用用途による違い
1-1キャンドルの用途
キャンドルは、現代のライフスタイルにおいて装飾的なアイテムとして非常に人気が高まっています。 単なる光源としての役割を超え、リラクゼーションや空間デザインの一部として活用されることが一般的です。
キャンドルの役割とインテリアアイテムとしての魅力
キャンドルは、その柔らかな光と香りが空間に温かみを与えるため、インテリアとしても非常に人気があります。 特にアロマキャンドルは、ストレス解消やリラクゼーションのために使われることが多く、香りによって心身をリフレッシュさせる効果があります。 さまざまな色やデザインのキャンドルが販売されており、シンプルなものから豪華なものまで、選択肢は非常に豊富です。 また、特別なイベントやパーティーでの装飾としても、キャンドルは独特の雰囲気を演出する重要なアイテムとなっています。
1-1 ろうそくの用途
ろうそくは、古くから宗教儀式や伝統的な場面で重要な役割を果たしてきました。 その静かな炎と落ち着いた雰囲気は、神聖な場にぴったりの光源です。 ろうそくがどのように宗教的・伝統的な用途で使用されるのか解説していきます。
宗教儀式におけるろうそくの役割
仏教やキリスト教、神道など、多くの宗教儀式では、ろうそくが重要な象徴とされています。 例えば、仏壇や祭壇に置かれるろうそくの光は、故人や神聖な存在に捧げる祈りの象徴です。 ろうそくの炎は、穏やかで安定しており、瞑想や祈りの時間に安らぎと集中を与えます。 日本の和ろうそくは特に、宗教的な儀式に使われることが多く、その自然な炎が静寂な雰囲気を作り出します。
伝統的な場面でのろうそくの使い方
宗教儀式に限らず、ろうそくは結婚式や葬儀、年中行事など、さまざまな伝統的な場面でも使用されます。 例えば、日本の夏の風物詩である「送り火」では、故人の魂を見送るためにろうそくの灯火が使われます。 ろうそくは、シンプルでありながら深い意味を持つアイテムとして、現代でも重要な役割を果たしています。
1-1香りとデザインの多様性 – キャンドルとろうそくの魅力
キャンドルとろうそくは、その香りやデザインの面でも大きく異なります。 特にキャンドルは、香りのバリエーションが豊富で、デザイン性も高いため、空間の雰囲気づくりに大きく貢献します。 一方、ろうそくは、自然な香りとシンプルなデザインが特徴で、伝統的な美しさを持っています。
キャンドルにおける香りのバリエーション
キャンドルの魅力の一つは、その豊富な香りのバリエーションにあります。 アロマキャンドルは、リラクゼーションやストレス解消のために多く使用されており、ラベンダー、ローズ、シトラスなど、さまざまな精油が使われています。 それぞれの香りが持つ効果は異なり、例えばラベンダーはリラックス効果、シトラスは気分をリフレッシュさせるのに効果的です。 さらに、季節ごとの限定の香りや、特別なイベント用の香り付きキャンドルも販売されており、消費者のニーズに合わせた多彩な選択肢が提供されています。
ろうそくの自然な香りの特徴
一方、ろうそくの香りはキャンドルほどバリエーションが多くありませんが、その自然な香りが魅力です。 特に蜜蝋(みつろう)を使用したろうそくは、燃焼時にほのかな甘い香りを放ちます。 この香りは人工的なものではなく、自然素材から生まれるものなので、癒しや安心感を与えられます。 また、和ろうそくは、香りが控えめであるため、仏壇や祭壇に置かれる際にも邪魔にならず、神聖な空間を守る役割を果たします。 香りの強さが抑えられているため、静かな儀式の場に最適です。
01キャンドルとろうそくの歴史
意外に知られていないキャンドルとろうそくの歴史について、ご紹介しましょう。
1-1世界で最初のキャンドル
キャンドルの歴史はかなり古く、最初に使われ始めたのは紀元前3~4世紀ごろだったと言われています。最初のキャンドルはミツバチの分泌物である「蜜ろう」を原料として作られました。蜜ろうはミツバチの分泌物で、巣の原料にもなるもの。加工も簡単だったため、エジプトやギリシア、ローマ、中国などで幅広くキャンドルの原料として作られました。
1-2欧米のキャンドルの歴史
9世紀ごろになると、ヨーロッパでは蜜ろうだけでなく、獣由来の油、獣脂が主なキャンドルの原料になりました。蜜ろうはキャンドルの原料としては燃えやすく、火をつけると甘い香りもするため非常に優秀なものでした。しかし蜜ろうは原料としては非常に高価で、貴族階級や教会、寺院など使われるだけでなかなか庶民の手には届きませんでした。その点、獣脂は何度も芯を切らなければならないという手間や、煙が多く、不快な臭いがあるといった欠点はあるものの、非常に安価で、庶民にとってはありがたい存在でした。
その後、アメリカではシロヤマモモの実である米ベリーから取れたベイベリー・ワックスが誕生。このワックスはいい香りがするだけでなく、煙も少ないため、手作りのベイベリーろうそくが照明として使われるようになりました。やがてオイルランプの時代になるとろうそくの消費量は減少しましたが、代わりに石油から作られたパラフィンワックスが誕生。このパラフィンワックスは現在も使用され、流通している多くのキャンドルに用いられています。
1-3日本のキャンドルの歴史
日本にキャンドルが伝わったのは6世紀ごろ。仏教の伝来とともに中国から伝えられたと言われています。その当時は中国からの輸入に頼っていましたが、やがて国産の「松脂ろうそく」が使われるようになります。これはぬかと松脂を笹の葉に包んだ珍しいものでしたが、燃焼時間が非常に短いことが欠点でした。
やがて室町時代になると「木ろうそく」が誕生します。これはウルシやハゼノキなどから取れる木蝋で出来たろうそくで、やがてこれが発展、江戸時代にはウルシやハゼノキの栽培が盛んになり、各地でろうそくが作られるようになります。その頃のロウソクの芯にはモロコシやアシの茎が利用されていたそうですが、やがて紙製の芯が使われるようになりました。
ただし、この時代のろうそくは非常に高価なぜいたく品という扱い。庶民の日常の明かりはなたね油などを使用する行灯が中心でした。
02キャンドルとろうそくの違い
キャンドルもろうそくも同じものだと思いがちですが、実は材料や製造方法、炎や煙の上がり方など、まったく異なったものです。
まず、もっとも大きな違いは原料です。ろうそくが木蝋など植物性の素材が使われるのに対して、一般的なキャンドルは石油由来のパラフィンが使われます。そのため、機械による大量生産が可能で価格も安価。しかしろうそくは芯に加熱して溶かした木蝋を少しずつつけていきます。この作業は何十回も行わなければならず、すべては手作業。さらに表面を何度も整え、滑らかにしていくという作業を行うため、価格は非常に高価になります。
キャンドルとろうそくは、芯の素材も異なっています。キャンドルの芯は基本的には糸が用いられます。こちらも安価で、特殊な編み方をするため、燃えるにしたがって糸がほぐれていくため、芯を詰める必要がありません。非常に便利で使いやすいものですが、その反面、炎が小さく、消えやすいのも特徴です。一方のろうそくは、タタミなどに使われるい草の中でも、その髄から取れる「燈芯」を使用しています。一般的なろうそくは、竹の串に和紙を巻き付け、その上に燈芯を巻き付けていきます。そのため、糸を使ったキャンドルに比べてに比べて太く大きな炎が立ち、消えにくいのが特徴です。さらに複数の素材を使うこと芯に空気の流れが生まれ、ろうそくの炎が揺らめくことで起きる変化を楽しむことができます。
ろうそくのもうひとつの特徴は、木蝋やい草の髄など、すべての原材料で植物性の素材が使用されているということです。そのため、煙が少なく、燃えるときにもかすかな木蝋のにおいがするだけ。さらにロウソクの場合、火をつけるとろうそくのロウは液体となり、芯に吸い上げられますが、煙とともに蒸発してしまうため、ロウが垂れたりこぼれたりといったこともありません。もちろんススが発生することも少なく、空気を汚したり、何度も換気をしなければならないといった手間もありません。
03石油由来以外のワックスを使ったキャンドル
一般的なキャンドルの素材には石油由来のワックスが使われています。石油由来のワックスは、大量生産ができるため非常に安価に手に入りますが、どうしても燃やしたときには独特の臭いがするのが欠点。それだけでなく、ススの量も多いため天井や壁などを汚してしまうこともあります。さらに一度ロウをこぼしてしまうと、なかなか拭き取るのも難しいものです。
しかし、キャンドルの中には石油由来のパラフィンだけでなく、その他の素材で作られているものもあります。たとえば「ソイキャンドル」は大豆の植物油が原料のワックスを使って作られたキャンドルです。ソイキャンドルの特徴は、ワックスの融点が低いということ。そのため、火をつけるとパラフィンワックスのように真ん中だけがへこむことなく、キャンドル全体が均等に溶けていきます。全体に火があたりやすいため、燃焼時間も長く、パラフィンキャンドルに比べるとススも出にくいというメリットもあります。ソイキャンドルの場合、大豆が原料なので、口に入れても安心なので、小さな子どもやペットがいるという家庭にも最適です。100%のソイキャンドルは、燃焼させることで空気を浄化させる効果もあると言われています。
植物由来の原料としては、ヤシの葉から作られる「パームワックス」も人気があります。これも植物由来であるため、臭いが気にならないだけでなく、キャンドルにしたときに天然のクリスタルのような模様ができることが特徴で、ハンドメイドでキャンドルを作る方には根強い人気があります。
そのほかにも、米ぬかからできた「ライスワックス」や、ひまわりの種子から取れる「サンフラワーワックス」など、植物性のワックスの種類は意外に豊富なのです。
動物性のワックスの代表は何といっても「蜜ろう」。「ビーズワックス」とも呼ばれる蜜ろうは、ろうそくの歴史そのものと言える存在で、燃焼するときにハチミツの香りもするため、消臭効果も期待できます。天然のものは淡いオレンジ色をしていて、その美しい素朴な色も人気の秘密となっています。
01まとめ
キャンドルとろうそくは、歴史的・文化的な違いを反映しながら、それぞれ異なる用途で発展してきました。
欧米ではキャンドルがインテリアやアロマテラピーで活躍し、日本では宗教儀式や伝統的な場面でろうそくが重要視されています。
現代では、両者とも環境や持続可能性にも配慮した選択肢が増え、生活スタイルや価値観に応じた使い方が広がっています。
それぞれの特性を理解して活用することで、より豊かな生活が実現できるでしょう。
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間白まあや 先生
アロマキャンドル講師
1985年生まれ。銀座のエステサロンでセラピストとして活躍した経験を活かし、現在はフリーで活動中。アロマキャンドルなど、アロマクラフトのワークショップの主催もしています。
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1-1世界で最初のキャンドル
キャンドルの歴史はかなり古く、最初に使われ始めたのは紀元前3~4世紀ごろだったと言われています。最初のキャンドルはミツバチの分泌物である「蜜ろう」を原料として作られました。蜜ろうはミツバチの分泌物で、巣の原料にもなるもの。加工も簡単だったため、エジプトやギリシア、ローマ、中国などで幅広くキャンドルの原料として作られました。
1-2欧米のキャンドルの歴史
9世紀ごろになると、ヨーロッパでは蜜ろうだけでなく、獣由来の油、獣脂が主なキャンドルの原料になりました。蜜ろうはキャンドルの原料としては燃えやすく、火をつけると甘い香りもするため非常に優秀なものでした。しかし蜜ろうは原料としては非常に高価で、貴族階級や教会、寺院など使われるだけでなかなか庶民の手には届きませんでした。その点、獣脂は何度も芯を切らなければならないという手間や、煙が多く、不快な臭いがあるといった欠点はあるものの、非常に安価で、庶民にとってはありがたい存在でした。
その後、アメリカではシロヤマモモの実である米ベリーから取れたベイベリー・ワックスが誕生。このワックスはいい香りがするだけでなく、煙も少ないため、手作りのベイベリーろうそくが照明として使われるようになりました。やがてオイルランプの時代になるとろうそくの消費量は減少しましたが、代わりに石油から作られたパラフィンワックスが誕生。このパラフィンワックスは現在も使用され、流通している多くのキャンドルに用いられています。
1-3日本のキャンドルの歴史
日本にキャンドルが伝わったのは6世紀ごろ。仏教の伝来とともに中国から伝えられたと言われています。その当時は中国からの輸入に頼っていましたが、やがて国産の「松脂ろうそく」が使われるようになります。これはぬかと松脂を笹の葉に包んだ珍しいものでしたが、燃焼時間が非常に短いことが欠点でした。
やがて室町時代になると「木ろうそく」が誕生します。これはウルシやハゼノキなどから取れる木蝋で出来たろうそくで、やがてこれが発展、江戸時代にはウルシやハゼノキの栽培が盛んになり、各地でろうそくが作られるようになります。その頃のロウソクの芯にはモロコシやアシの茎が利用されていたそうですが、やがて紙製の芯が使われるようになりました。
ただし、この時代のろうそくは非常に高価なぜいたく品という扱い。庶民の日常の明かりはなたね油などを使用する行灯が中心でした。
まず、もっとも大きな違いは原料です。ろうそくが木蝋など植物性の素材が使われるのに対して、一般的なキャンドルは石油由来のパラフィンが使われます。そのため、機械による大量生産が可能で価格も安価。しかしろうそくは芯に加熱して溶かした木蝋を少しずつつけていきます。この作業は何十回も行わなければならず、すべては手作業。さらに表面を何度も整え、滑らかにしていくという作業を行うため、価格は非常に高価になります。
キャンドルとろうそくは、芯の素材も異なっています。キャンドルの芯は基本的には糸が用いられます。こちらも安価で、特殊な編み方をするため、燃えるにしたがって糸がほぐれていくため、芯を詰める必要がありません。非常に便利で使いやすいものですが、その反面、炎が小さく、消えやすいのも特徴です。一方のろうそくは、タタミなどに使われるい草の中でも、その髄から取れる「燈芯」を使用しています。一般的なろうそくは、竹の串に和紙を巻き付け、その上に燈芯を巻き付けていきます。そのため、糸を使ったキャンドルに比べてに比べて太く大きな炎が立ち、消えにくいのが特徴です。さらに複数の素材を使うこと芯に空気の流れが生まれ、ろうそくの炎が揺らめくことで起きる変化を楽しむことができます。
ろうそくのもうひとつの特徴は、木蝋やい草の髄など、すべての原材料で植物性の素材が使用されているということです。そのため、煙が少なく、燃えるときにもかすかな木蝋のにおいがするだけ。さらにロウソクの場合、火をつけるとろうそくのロウは液体となり、芯に吸い上げられますが、煙とともに蒸発してしまうため、ロウが垂れたりこぼれたりといったこともありません。もちろんススが発生することも少なく、空気を汚したり、何度も換気をしなければならないといった手間もありません。
03石油由来以外のワックスを使ったキャンドル
一般的なキャンドルの素材には石油由来のワックスが使われています。石油由来のワックスは、大量生産ができるため非常に安価に手に入りますが、どうしても燃やしたときには独特の臭いがするのが欠点。それだけでなく、ススの量も多いため天井や壁などを汚してしまうこともあります。さらに一度ロウをこぼしてしまうと、なかなか拭き取るのも難しいものです。
しかし、キャンドルの中には石油由来のパラフィンだけでなく、その他の素材で作られているものもあります。たとえば「ソイキャンドル」は大豆の植物油が原料のワックスを使って作られたキャンドルです。ソイキャンドルの特徴は、ワックスの融点が低いということ。そのため、火をつけるとパラフィンワックスのように真ん中だけがへこむことなく、キャンドル全体が均等に溶けていきます。全体に火があたりやすいため、燃焼時間も長く、パラフィンキャンドルに比べるとススも出にくいというメリットもあります。ソイキャンドルの場合、大豆が原料なので、口に入れても安心なので、小さな子どもやペットがいるという家庭にも最適です。100%のソイキャンドルは、燃焼させることで空気を浄化させる効果もあると言われています。
植物由来の原料としては、ヤシの葉から作られる「パームワックス」も人気があります。これも植物由来であるため、臭いが気にならないだけでなく、キャンドルにしたときに天然のクリスタルのような模様ができることが特徴で、ハンドメイドでキャンドルを作る方には根強い人気があります。
そのほかにも、米ぬかからできた「ライスワックス」や、ひまわりの種子から取れる「サンフラワーワックス」など、植物性のワックスの種類は意外に豊富なのです。
動物性のワックスの代表は何といっても「蜜ろう」。「ビーズワックス」とも呼ばれる蜜ろうは、ろうそくの歴史そのものと言える存在で、燃焼するときにハチミツの香りもするため、消臭効果も期待できます。天然のものは淡いオレンジ色をしていて、その美しい素朴な色も人気の秘密となっています。
01まとめ
キャンドルとろうそくは、歴史的・文化的な違いを反映しながら、それぞれ異なる用途で発展してきました。
欧米ではキャンドルがインテリアやアロマテラピーで活躍し、日本では宗教儀式や伝統的な場面でろうそくが重要視されています。
現代では、両者とも環境や持続可能性にも配慮した選択肢が増え、生活スタイルや価値観に応じた使い方が広がっています。
それぞれの特性を理解して活用することで、より豊かな生活が実現できるでしょう。
しかし、キャンドルの中には石油由来のパラフィンだけでなく、その他の素材で作られているものもあります。たとえば「ソイキャンドル」は大豆の植物油が原料のワックスを使って作られたキャンドルです。ソイキャンドルの特徴は、ワックスの融点が低いということ。そのため、火をつけるとパラフィンワックスのように真ん中だけがへこむことなく、キャンドル全体が均等に溶けていきます。全体に火があたりやすいため、燃焼時間も長く、パラフィンキャンドルに比べるとススも出にくいというメリットもあります。ソイキャンドルの場合、大豆が原料なので、口に入れても安心なので、小さな子どもやペットがいるという家庭にも最適です。100%のソイキャンドルは、燃焼させることで空気を浄化させる効果もあると言われています。
植物由来の原料としては、ヤシの葉から作られる「パームワックス」も人気があります。これも植物由来であるため、臭いが気にならないだけでなく、キャンドルにしたときに天然のクリスタルのような模様ができることが特徴で、ハンドメイドでキャンドルを作る方には根強い人気があります。
そのほかにも、米ぬかからできた「ライスワックス」や、ひまわりの種子から取れる「サンフラワーワックス」など、植物性のワックスの種類は意外に豊富なのです。
動物性のワックスの代表は何といっても「蜜ろう」。「ビーズワックス」とも呼ばれる蜜ろうは、ろうそくの歴史そのものと言える存在で、燃焼するときにハチミツの香りもするため、消臭効果も期待できます。天然のものは淡いオレンジ色をしていて、その美しい素朴な色も人気の秘密となっています。
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