保育士資格の取得方法・難易度・受験資格・勉強法を徹底解説!
「保育士資格って、どうすれば取得できるの?」
「子どもが大好きだから保育士になりたいけど、社会人でも保育士になれる?」
保育園不足と言われる今、「保育士資格」は注目されている資格の一つです。
「保育士資格」は、大学や短大・専門学校で保育を学んだ人がなる職業だと思う人が多いかもしれませんが、実は社会人でも「保育士資格」を取得できます。
「保育士資格」を取得する方法は、2つあります。
一つは大学や短大・専門学校に通って、卒業と同時に資格取得する方法です。
もう一つは、保育士試験を受ける方法です。
保育士試験は難関試験ですが、取得後は更新の必要もなく、一生役に立ちます。
ここでは、教育スクールとして、20,000人以上のさまざまな資格保有者を輩出した「諒設計アーキテクトラーニング」が、保育士試験について詳しく解説していきます。
1. 「保育士資格」と「幼稚園教諭」との違い
保育士の資格は、正式名称もそのまま「保育士資格」といい、現在は国家資格となっています。
保育士不足ともいわれており、資格を持っていれば就職もしやすく、ブランクがあっても復職しやすい職種です。
では、似たような仕事である「幼稚園教諭」とは、どんな違いがあるのでしょうか?
保育士資格 | 幼稚園教諭 | |
---|---|---|
管轄省庁 | 厚生労働省 | 文部科学省 |
資格 | 保育士資格 (更新の必要なし) |
幼稚園教諭免許状 (更新の必要あり) |
職場 | 保育園 / 乳児院 / 児童養護施設 / 認定こども園 など | 幼稚園・認定こども園 |
保育対象 | 0歳〜小学校就学前 | 3歳〜小学校就学前 |
保育(教育)時間 | 8時間〜11時間 | 4時間 |
仕事内容 |
・乳児 / 幼児の保育 ・乳児 / 幼児の生活習慣を養う |
・義務教育やその後の教育の基礎を養う ・適切な環境で心身の発達を助ける |
収入 |
月収:約24.5万円 年収(ボーナス含め):約363万円 |
月収:約24.4万円 年収(ボーナス含め):約367万円 |
収入面では、どちらもほとんど変わりません。
ただし、仕事内容には大きな違いがあります。
それは、保育園は生活の場であり、幼稚園は教育の場である大前提があるためです。
また、保育園が仕事をもつ親向けに長時間保育し長期休みもないのに対し、幼稚園は短時間で小・中学校同様の長期のお休みがあるのも、大きな違いです。
1-1幼稚園と保育園の特徴を併せもつ「認定こども園」とは
「保育士資格」の職場の一つに、「認定こども園」があります。
近年、幼稚園や保育園だけでなく、「認定こども園」の名称を耳にする機会が増えました。
「認定こども園」の特徴は、「幼稚園・保育園両方の機能を備えている」点です。
つまり、保育と教育をひとくくりにして、すべての子育て家庭を対象に受け入れを行う場所が、「認定こども園」なのです。
とはいえ、もともと保育園だった園と幼稚園だった園とでは若干の差があるため、「認定こども園」は以下4つのタイプに分けられています。
- 幼保連携型
- 幼稚園的機能と保育所的機能の、両方の機能をあわせ持つ単一の施設として、「認定こども園」の機能を果たすタイプ。
- 幼稚園型
- 認可幼稚園が、保育が必要な子どものための保育時間を確保するなど、保育所的な機能を備えて「認定こども園」としての機能を果たすタイプ
- 保育所型
- 認可保育所が、保育が必要な子ども以外の子どもも受け入れるなど、幼稚園的な機能を備えることで「認定こども園」としての機能を果たすタイプ
- 地方裁量型
- 幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、「認定こども園」として必要な機能を果たすタイプ
こちらのタイプにより、それぞれ必要な職員資格が決められています。
- 幼保連携型
-
・保育教諭を配置。(施行から10年間は、一定の経過措置あり。)
※保育教諭とは、「幼稚園教諭」免許状・「保育士資格」の両方を有している、幼保連携型認定こども園で保育にあたる職員の総称。
- その他の認定こども園
-
・満3歳~:「幼稚園教諭」、「保育士資格」ともに保持が望ましい。
・満3歳未満:「保育士資格」が必要
つまり、経過措置などはあるものの、どの「認定こども園」でも働けるようにするには、「保育士資格」・「幼稚園教諭」共に必要だということです。
大学や短大では、両方学べ、卒業と同時に資格を取得できることもあります。
これから進学を考えている人は、それらをふまえて進学先を考えるといいでしょう。
2. 「保育士資格」の取得方法
このように、「保育士資格」は保育園以外の施設でも必要な、需要の多い資格です。
「保育士資格」の取得方法は、2種類あります。
-
厚生労働省指定の保育士養成学校(大学・短大・専門学校など)で、所定のカリキュラムを履修し卒業する
(卒業と同時に資格取得となる) - 保育士試験に合格する
一般的に知られているのは、指定の学校を卒業する方法でしょう。
しかし、保育士試験に合格することで、社会人として働いている人や保育士とはまったく関連のない学校を出た人でも、「保育士資格」を取得することもできるのです。
では、「保育士資格」について、もう少し詳しく見ていきましょう。
3. 難関!「保育士資格」の難易度・受験資格
厚生労働省発表の保育士試験の実施状況(令和元年度)によると、令和1年(平成31年)の保育士試験は、
-
前期受験者数:36,640名
合格者数:5,169人
合格率:約14% -
後期受験者数:36,626名
合格者数:12,009人
合格率:約33%
となっています。
合格率も低く、かなり狭き門といえますね。
日程 | 年2回(前期・後期) |
---|---|
試験内容 |
【筆記試験】筆記9科目 保育原理 教育原理 社会的養護 子ども家庭福祉 社会福祉 保育の心理学 子どもの保健 子どもの食と栄養 保育実習理論 【実技試験】保育実習実技 音楽に関する技術 造形に関する技術 言語に関する技術 3つの中から2つ選択 ※筆記試験の全科目に合格しなければ、実技試験を受けら れません。 |
筆記試験で一部の科目のみ合格した場合、その試験科目に関しては、合格した年を含めて3年間の有効期限があります。
有効期限内であれば、その科目に関しては受験を免除されます。
※有効期限については、最長5年まで延長できる特例制度があります。
※令和3年の試験では特例措置として、「平成28年」及び「平成29年」の合格科目の免除期間を延長申請することができます。
実技試験について具体的には、
- 音楽
- 幼児に歌って聴かせることを想定して、ピアノ・ギター・アコーディオンのいずれかで、課題曲2曲を弾き歌いする。
- 造形
- 試験当日提示される問題文の一場面を、色鉛筆を使い絵画で表現する
- 言語
- 事前に示される課題の物語の中から一つを選択し、3歳児クラスの子どもに「3分間」で集中して聴けるようなお話をする。
となっています。
筆記試験が9科目もあり広範囲なので、バランスよく試験対策をする必要があります。
3-1受験資格
保育士試験は年齢関係なく受験可能ですが、受験資格については細かな規定があります。
- 大学・短期大学卒業の人は…
- 学校教育法による大学および短期大学を卒業した人
- 大学在学中の人は…
-
以下の①か②を満たす人
①学校教育法による大学に2年以上在学し、かつ62単位以上修得
②学校教育法による大学に2年以上在学し、かつ年度中に62単位以上修得
- 大学中途退学の人は…
- 学校教育法による大学に2年以上在学し、かつ62単位以上修得した人
- 短期大学在学中の人は…
- 学校教育法による短期大学の最終学年に在学し、年度中に卒業予定の人
- 専門学校を卒業の人は…
-
以下の①②③のいずれかを満たす人
①学校教育法に基づいた専修学校で、修業年限2年以上の専門課程である
②平成3年3月31日以前に高等学校を卒業
③平成8年3月31日以前に高等学校の保育科を卒業
- 専門学校在学中の人は…
-
以下の①②③のいずれかを満たす人
①学校教育法に基づいた専修学校で、修業年限2年以上の専門課程であり、年度中に卒業予定
②平成3年3月31日以前に高等学校を卒業
③平成8年3月31日以前に高等学校の保育科を卒業
- 高等学校卒業の人は…
-
以下の①②③のいずれかを満たす人
①平成3年3月31日以前に高等学校を卒業
②平成8年3月31日以前に高等学校の保育科を卒業
③平成3年4月1日以降に高等学校を卒業、もしくは平成8年4月1日以降に高等学校の保育科を卒業し、2年以上かつ2,880時間以上児童等の保護または援護の勤務経験
- 中学校卒業の人は…
- 5年以上かつ7,200時間以上児童等の保護または援護の勤務経験
- 勤務経験の場合は・・
-
【高等学校を卒業し、以下の①②③全てを満たす人】
①勤務期間2年以上
②総勤務時間数2,880時間以上
③児童等の保護または援護に従事
【高等学校を卒業しておらず、以下の①②③全てを満たす人】
①勤務期間5年以上
②総勤務時間数7,200時間以上
③児童等の保護または援護に従事
など、他にもさまざまな受験資格があります。
自分が該当するか分からない場合は、保育士試験を実施する「全国保育士養成協議会」へ問い合せしてみましょう。
3-2一部免除になるケース
「幼稚園教諭」免許を持っていても、「保育士資格」を取得するには、保育士試験を受験しなければなりません。
ただし、「保育の心理学」「教育原理(社会的養護は要受験)」「実技試験」は免除されます。
また、指定保育士養成施設で対応する教科目を修得した場合は、筆記試験科目が免除されます。
社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士いずれかの資格がある場合、免除申請をすることにより、筆記試験科目の「社会的養護」・「子ども家庭福祉」・「社会福祉」が免除されます。
4. 保育士試験の勉強方法
保育士試験の勉強方法は、3パターンあります。
- 独学
- スクールに通う
- 通信教育
それぞれメリット・デメリットがあり、自分の生活状況では無理な方法もあるでしょう。
自分に一番合った勉強方法を選びましょう。
4-1独学
保育士試験は受験者も多く、人気のある資格なので、市販のテキストが数多く出ています。
問題集とテキストを合わせても、1万円以下でそろえることも可能です。
ただし、出題範囲の変更などこまめに確認して、すべて自分で対応していかなければなりません。
- メリット
-
・費用を抑えられる
・自分のペースで進められる
- デメリット
-
・実技試験対策が難しい
・モチベーションを維持するのが大変
・最新情報を自分で確認しなければならない
現在仕事をしていて通学が難しい方や、費用をできるだけ抑えたい方に向いています。
4-2スクールに通学
試験対策を行っている講座を受講するのも、一つの方法です。
すべての試験対策を行う講座もあれば、苦手な分野だけを集中的に受講したり模擬試験のみ受けられるなど、さまざまな選択肢があるスクールが目立ちます。
- メリット
-
・最新の情報を入手できる
・実技試験対策も可能
- デメリット
-
・受講費用が高額
・時間の融通が利きにくい
最近は、パソコン配信やDVDで受講できたり、好きな時間の講座を選択できるなど、デメリットをなくす工夫をしているスクールもあります。
確実に合格を目指したい方、一人ではモチベーションを維持するのが心配な方におすすめです。
4-3通信教育
保育士試験は、通信教育もかなり充実しています。
最新情報は逐一知らされ、受講費も通学するほど高額にはなりません。
独学・通学のデメリットをなくし、メリットを生かしたものが通信教育といえます。
通信教育も独学同様、基本は個人で学ぶものなので、モチベーションを保つのが大変と感じる方もいるでしょう。
しかし通信教育では、質問できるサービスや添削問題など、随所にやる気をアップさせる仕掛けがあります。
その分独学に比べると、モチベーションを維持しやすいといえます。
- メリット
-
・最新情報が手に入る
・自分のペースで進められる
・通学より安価
- デメリット
- ・通学と比べると、モチベーションの維持が難しい
「諒設計アーキテクトラーニング」でも、保育士資格講座を開講しています。
通信講座のわかりやすさや品質評価でも定評を頂いている「諒設計アーキテクトラーニング」では、手厚いサポートで保育士資格取得をお手伝いいたします。
5. まとめ
「保育士資格」は、幼稚園教諭免許と違い更新の必要がなく、一度取得すれば一生通用する資格です。
保育士不足でもある今、子どもと関わりたいとお考えの方は、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?
「諒設計アーキテクトラーニング」でも、その夢を実現させるお手伝いをいたします。
ご興味のある方は、まずは資料請求からぜひご依頼ください。