占いのバーナム効果とは？簡単で有効な心理テクニックを解説

1-1バーナム効果を使っているもの

バーナム効果は性格診断や占いなどで、色々な人に当てはまりそうな結果を告げられた時に効果を感じます。
たとえその結果がランダムに誰かに送ったものであったとしても、自分のことであるかのように受け取ってしまうのです。
日常では、どのようなものに使われているのでしょうか。

おみくじ

おみくじには、吉凶様々な事柄が印刷されています。
「待ち人来たる」では、待ち人が誰であると明確に書かれていないため、おみくじを受け取った人は様々な事柄を思い浮かべるでしょう。
たとえば片思い中の人は、憧れの人を思い浮かべます。
友人と疎遠になり心痛めている人は、その友人を思い出すかもしれません。
このように、誰にでも当てはまりそうな忠告が書かれており、受け取った側が自分なりに解釈していくのです。
おみくじには箱に入れて自分で引くタイプ、自動販売機にようにお金を入れると出て来るタイプなどがあります。

ネットの占い

様々なサイトで、タロットカードやオラクルカードが並べられ、その中から一枚選んで吉凶を選ぶ占いサービスが提供されています。
受け取った側が「当たった」と感じるような言葉を書かれていることが多いです。
ランダムに番号や答えを抽出しているのですが、当てはまる人が多いため「的中した」と思わせることができます。

血液型占いなど

血液型占いは4種類と血液型自体が少ないため、多くの人々に当てはまりそうな言葉を書かれている傾向があります。
たとえばA型は日本人の40％に該当するため、一般的な日本人の特徴を性格として描写されることが多いでしょう。
子供の頃に自分の血液型を間違えて覚えていた人が、後になって違う血液型と判明した時、少しの戸惑いの後にしっくりするのも、これが原因かもしれません。

心理テスト

様々な心理テストでも、おみくじや占いと同様に、どの結果でも「言われたらそんな気がする」と思い込める要素があります。
もちろんこれは遊びの心理テストのことであり、精神科医な専門家が用いるテストとは異なります。
医学のプロが用いているものは、しっかりとした臨床結果により導かれたものですので、バーナム効果とは無関係です。

予言や予知

曖昧な表現で未来を予測する人もいます。
未来を明確に見ることは誰しも難しいものですが、当てはまりそうな言葉や、聞いている側が心配していることならば、興味を示してもらえるからです。
的中したように感じることもありますが、全く外れることもあるようです。
しかし予知や予言は、一つのエンタメとして楽しむならば、非常に面白いものと言えるかもしれません。

1-2プラシーボ効果との違いとは

バーナム効果は誰でも当てはまることを信じ込むことです。
一方でプラシーボ効果は、薬など体に関する実際には効果のないものを、思い込みにより「効いた」と感じる心理的な効果と言えます。
医療が発展した現代では様々な優れた医薬品が開発されましたが、百年以上前はそうではありませんでした。
実際には全く役に立たない治療法でも正しいと思って用い、使用された側も効果を実感して改善したように見えたことがあるかもしれません。
しかし医学の発展により、それらの治療法のうちのいくつかは、実際には効果が無く「あくまでも心理的なもの」と判明したようです。

2-1演出として必要

占い師は様々な技術からすぐに答えが分かることがあります。
しかしすぐに答えることにより、相談者は物足りなさを感じるかもしれません。
バーナム効果を用いた心理テクニックによる会話をすることにより、占い師との密接なコミュニケーションや神秘性の演出が可能となるでしょう。

ネガティブな演出ばかりをしない

バーナム効果により当てはまり、占いや診断結果が当たったかのように感じて信じることは、よくあります。
ポジティブな結果ならば、それはプラス思考に繋がるため、良い結果となるでしょう。
しかし否定的な言葉の場合、相手を落ち込ませるかもしれません。
もしバーナム効果を用いる場合、できるだけ鑑定した相手を傷つけないような言葉を選ぶといいでしょう。

2-2バーナム効果が必要なケース例

心理テクニックであるバーナム効果が、占い鑑定や相談で役に立つこともあります。
それは結果が凶となった時などです。
事実を告げてしまうと、鑑定した側はとても嫌な気持ちになり、落ち込んでしまうでしょう。
もちろん正しい鑑定結果を知りたいと思う人も多いでしょうが、実際に言われたら「せめて言い方に気をつけてほしい」と反発することもあります。
開運法があるものも存在しますが、中にはどうしようもないことがあることもあります。
このような場合、誰にでも当てはまる言葉でポジティブな要素を付け加えるのもいいかもしれません。
また、打ち解けるまでの雑談として、軽く話す程度は問題ないでしょう。

利益誘導のための話術はNG

占いをする上で、相手を信用させて利益を得るために心理テクニックを用いることは良くありません。
相談者は真実を知りたがっており、仮にバーナム効果による言葉を織り交ぜたとしても、しっかりと「答え」を告げる必要があります。
ましてや、弱った心を利用して洗脳のように依存させるためにバーナム効果を用いることは、やってはならないことでしょう。
鑑定者が自己の利益のために悪用することは避けるべきです。

3-1バーナム効果により良い雰囲気を演出する

バーナム効果は、占い師が鑑定の際に場を和ませたり、相談してきた人の心をほぐしたりするなど、占い師らしい演出として行うことが可能です。
鑑定時間の始めの頃は、相談者が緊張する傾向があり、なかなか本題に入れないことがあります。
このような時に、バーナム効果で話しやすい雰囲気にするといいでしょう。

3-2顔が見えない時にバーナム効果を役立てる

電話占いやチャット占いのように、相手の表情が見えない時に使用するのもいいかもしれません。
対面鑑定では、情報が少ないため話が続かない時に演出として用いるといいでしょう。

3-3星座など、本人のアイデンティティとして用いる

星座などによる分類された性格やありがちな行動パターンなどを、バーナム効果とともに用いるといいでしょう。
本人にとって、星座や干支などでよく言われている言葉を伝えられることで、良い意味での自己肯定感となることもあります。
たとえば本人が天秤座であるならば、天秤座の美点として誰にでも当てはまりそうなことを言うのもいいでしょう。
《例》「あなたの性格はソフトですが、心の内側には正義感があります」「センスがあり、美しいものを本能的に愛する人です」等。

3-4占いの知識をしっかり学ぶ

占いでバーナム効果を使うにせよ、下地となる知識が不足している状態では効果が薄くなります。
なぜならネット社会の今、多くの人達は検索一つでその情報が正しいか否かを確認することが可能だからです。
「獅子座のあなたは清純で内気で、大変引っ込み思案です」と言われても、占いを少しで知る人は違和感を覚えるでしょう。
なぜなら獅子座のキーワードとは少し異なるからです。
また、バーナム効果を用いる際に肝心の占い用語を間違うような状況では、信憑性が低く感じられ、疑われて拒否反応を示してしまうかもしれません。
もしバーナム効果を用いたいのならば、プロとして最低限の占い知識をマスターしておく必要性があります。
できれば複数の占術を知ることが望ましいでしょう。

正しい占い知識を学ぶために

占い師はバーナム効果を用いて鑑定する際に、誤った情報を告げることで、かえって信用度を下げてしまいます。
できれば占い学校や通信講座などで、プロが監修したカリキュラムにより、基本を学んでおくといいでしょう。
また、通信講座を受講することにより、占いの資格を取得することも可能です。
占い師として自信を付けたい時は、資格取得を目指してみるといいでしょう。
また、占いには「相術」「命術」「卜術」があります。
これらをそれぞれ一つ以上マスターすることで、さらに自信が付くはずです。
代表的な占いを、「相術」「命術」「卜術」それぞれ1つずつご紹介します。
《命術・西洋占星術のお勧め資格》
・西洋占星術士
・ホロスコープ鑑定士
《相術・手相のお勧め資格》
・手相鑑定士
・パームリーディングアドバイザー
《卜術・タロット占いのお勧め資格》
・タロットカード士
・スピリチュアルタロット士

3-5バーナム効果は適度に使う

バーナム効果により占い師としての演出をすることも必要ですが、やりすぎるとかえって信頼性を失うことがあります。
なぜならバーナム効果はあくまで心理テクニックであり、問題の本質に対する答えにはなっていないからです。
このため、ある程度の演出を終えたら、占いの技術を用いてしっかりと問題に対する答えを示す必要があります。
相談する側は誰にでも言えるような言葉を求めているのではなく、疑問に対するYESかNOを知りたいという本音があります。
結果を曖昧にし過ぎないことも重要かもしれません。

3-6相談相手だけの特別な情報を入れると良い

バーナム効果では、ホロスコープの特徴やアスペクトの吉凶などを織り交ぜて、相談者だけに話していることだと印象づけることも必要です。
また相談者だけの情報を取り入れることにより、バーナム効果による効果を大きくすることができます。

4-1相談者の満足が得られやすい

バーナム効果による「当たった」という事実が積み重なることで、相談する側の「話して良かった」という気持ちに繋がります。
鑑定結果だけを告げられてしまっても、お客様は「当たった」演出が少ないことで「本当に信じられるのか？」と疑問になることもあるでしょう。
このような不安を和らげる効果があります。

4-2お客様とのコミュニケーションとなる

占いで「結果を聞きたいのですか？はい、成就します」と言われて数秒で終わると、相談者は物足りなさを感じるでしょう。
本題に入る前に色々な雑談や軽い鑑定をすることで、話のキャッチボールを楽しむことができるはずです。
また楽しい雰囲気で長く話すことにより、占い師に対しての親近感が増すことができます。

4-3理解者となりお客様の「深い悩み」を聞き出せる

バーナム効果などの「当たった」という心地よい気持ちが、相談者の緊張をほぐして、占い師を信じてみようという心境へと移行します。
つまり、バーナム効果により心を開かせるのです。
その結果、相談する側は「自分を分かってくれる人にしか言えない悩み」を吐き出しやすくなるでしょう。
なぜなら、人は複数の悩みを抱えていることが多く、本当の悩みは言いにくい傾向があるからです。
最初に質問する事柄は、ある程度言いやすい質問かもしれません。
たとえば鑑定の事柄が仕事であったとしても、背景に不倫の苦しみがある場合、心を打ち明けたいと思わない時は口を閉ざすこともあります。
バーナム効果を用いて親密なコミュニケーションを行うことで、「本当は聞きたかったこと」をやっと言えるかもしれないのです。

4-4アドバイスを適切に伝える手段となる

鑑定の結果がどうしても否定的なものになってしまいそうな時、バーナム効果をクッションにすることができます。
傷つけない、否定的な項目を多くしないことにより、相手は理解者として受け止めてくれるようになるでしょう。
しかしバーナム効果の話術を用いない状態で、いきなりネガティブな結果を告げると、せっかくのアドバイスも心に届かないかもしれません。
改善すべき点や、こうしたら良いというヒントも、信頼関係がない状態では有効にならないことがあるのです。
バーナム効果を用いた会話で心を和ませ、親近感や受け入れられている感覚を与えることにより、忠告に耳を傾けてくれるようになるでしょう。

5-1傾聴による心理的な効果とは

傾聴とは、相手の話にそっと耳を傾け、心で寄り添う行為です。
相槌を打ったり、頷いたりして「真剣にあなたの声に耳を傾けていますよ」と態度で伝えることも必要でしょう。
また、傾聴をして相手の思いを聞き出すことにより、バーナム効果により与えた信頼性が、安心感へと変化していきます。

5-2心理的な障壁を崩す効果

バーナム効果と聞くと、「適当な話をして占いの時間を稼ぐ行為なのでは？」と不信感を抱く人もいます。
占いは「吉凶の結果を伝える」だけではありません。
中にはすぐに吉凶が分かることを「怖い」と感じる人もいます。
まだ心構えができていないため、いきなり吉凶をはっきり言う占い師を恐れることがあるのです。
この時に、なんとなく当たっていることを言われると、ホッとすることができます。
なぜなら自分が本当に知りたいことにYES・NOを言われる前の、心の準備ができるからです。
バーナム効果により「なんとなく当たっている」と思わせることで、心理的な拒否感を取り払う効果が期待できるでしょう。

5-3他の心理テクニックと組み合わせて使うことも可能

傾聴をする以外にも、占いで活用できる様々な心理テクニックがあります。
たとえば「コールドリーディング」や「イエスセット」などが挙げられるでしょう。
これらと上手く組み合わせ使うことにより、占いの信憑性を高め、リラックスさせる効果を与えられるかもしれません。
また相談者と占い師が共感しあうことが出来るようになり、よりお互いを理解した上で鑑定をすることが可能となるのです。

01バーナム効果とは？

02占いで使われるバーナム効果

03バーナム効果の例文

04バーナム効果による心理の変化

05バーナム効果を使うときの注意点

06まとめ