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DVの種類と被害者への影響を徹底解説

ドメスティックバイオレンス(DV)は、多くの家庭や親密な関係において深刻な問題となっています。
被害者に対する暴力行為は身体的、精神的、性的、経済的な面で多岐にわたり、被害者の生活全般に深刻な影響を及ぼします。

本記事では、DVの主な種類について具体的な例を挙げながら、その影響を徹底的に解説します。
DVの各形態を理解し、被害者支援の重要性を認識することは、社会全体でDV問題に対処するための第一歩です。
深刻な社会問題になっているDV。実はDVには様々な種類があります。また、最近ではDVに被害者にもいくつかの共通する特徴があることも分かってきました。今回はDVの種類や被害者の特徴などについてご紹介します。

ひとつだけじゃない!DVの種類と被害者の特徴
目次

01ドメスティックバイオレンスとは

ドメスティックバイオレンス(DV)は、多くの家庭や親密な関係において深刻な問題となっています。
ここでは、ドメスティックバイオレンスの基本的な定義とその背景、そして親密な関係における暴力の実態について詳しく解説していきます。

1-1家庭内暴力の定義とその背景

DVとは、家庭内や親密なパートナー間で発生する暴力行為を意味します。
これは、身体的、精神的、性的、経済的な暴力を含み、被害者に深刻な影響を及ぼします。
DVは単なる一度きりの暴力ではなく、繰り返し行われることが多く、被害者は長期間にわたって苦しむことも多いです。
家庭内暴力の背景には、多くの要因が絡んでいます。
社会的な要因としては、性別に対する固定観念やジェンダー不平等が挙げられます。
例えば、男性が支配的であるべきという誤った信念が、暴力を正当化することがあります。
また、経済的なストレスやアルコール・薬物の乱用もDVの発生リスクを高める要因です。
さらに、家庭内で暴力を目撃して育った子供は、自らも暴力的な行動を取る傾向が強まることが指摘されています。

1-2親密な関係における暴力の実態

親密な関係における暴力は、被害者の生活全般にわたって大きな影響を及ぼします。
ここでは、親密な関係における暴力の具体的な実態について掘り下げて解説します。

1-2-1身体的暴力

身体的暴力は、DVの中でも最も目に見える形で現れます。
これは、殴る、蹴る、押し倒すなどの直接的な暴力行為のことです。
これらの行為は、被害者に対して深刻な身体的損傷を引き起こし、場合によっては命を奪うこともあります。
身体的暴力は、被害者に恐怖と支配を与えるための手段として用いられます。

1-2-2精神的暴力

精神的暴力は、言葉や行動によって被害者の心を傷つける行為を指します。
例えば、侮辱、脅迫、監視、孤立させることなどです。
精神的暴力は、被害者の自尊心を低下させ、自信を奪い、感情的に操ることを目的としています。
このような行為は、長期間にわたり被害者の精神的健康に深刻な影響を与えます。

1-2-3性的暴力

性的暴力は、被害者の意に反して性的行為を強要することです。
これは、配偶者やパートナーによる強制的な性行為、性的な脅迫、性的な嫌がらせなどが含まれます。
性的暴力は、被害者の身体的・精神的な健康に深刻なダメージを与え、長期的なトラウマを引き起こすことがあります。

1-2-4経済的暴力

経済的暴力は、被害者の経済的な自立を妨げる行為を指します。
例えば、被害者の収入を管理し、自由に使えないようにする、仕事を辞めさせる、経済的な制裁を加えるなどです。
経済的暴力は、被害者が経済的に依存することで、加害者から逃れられないようにするための手段として使用されます。
親密な関係における暴力は、被害者の生活全般にわたって大きな影響を及ぼします。
DVの被害者は、身体的な傷害だけでなく、精神的なトラウマや経済的な困窮にも苦しむことが多いです。
DVに対する社会的な認識を深め、被害者支援のための取り組みを強化することが重要です。

02ドメスティックバイオレンスの種類

ドメスティックバイオレンス(DV)は、被害者の生活に深刻な影響を及ぼす多面的な問題です。
ここでは、DVの主な種類について詳しく解説し、それぞれの具体例と影響について解説していきます。
DVは身体的、精神的、性的、経済的な虐待として現れ、被害者に対する多大な苦痛とトラウマを引き起こします。
それぞれの形態を理解することは、DVの被害を予防し、支援するための重要な第一歩です。

2-1身体的虐待の具体例とその影響

身体的虐待は、DVの中で最も明確に認識される形態です。
これは、被害者に直接的な身体的損傷を与える行為を指し、殴る、蹴る、押し倒す、叩くなどの行為です。
加害者は力を用いて被害者を制圧し、支配下に置こうとします。
具体的な例としては、加害者が被害者の顔や体を殴り、骨折や打撲傷を負わせることがあります。
また、窒息や溺れさせるといった命を脅かす行為も対象です。
これらの行為は、被害者に対して深刻な身体的損傷をもたらし、場合によっては命を奪うことさえあります。
身体的虐待の影響は、単に身体的な損傷にとどまりません。
被害者は、持続的な痛みや後遺症に苦しむだけでなく、心身の健康を損なう可能性が高まります。
また、身体的虐待は心理的なトラウマを引き起こし、被害者が日常生活を送る上での障害となります。
被害者は、自分が常に危険にさらされていると感じ、不安や恐怖に支配されることが多いです。

2-2精神的虐待がもたらす心理的ダメージ

精神的虐待は、言葉や行動を通じて被害者の心を傷つける行為を指します。
これは、侮辱、脅迫、監視、孤立させるといった行為です。
精神的虐待は、被害者の自尊心を低下させ、自己価値感を損なうことを目的としています。
具体的な例として、加害者が被害者を継続的に批判し、価値を感じさせないようにすることがあります。
また、被害者の行動を監視し、自由を奪うことで、被害者を孤立させることも多いです。
さらに、加害者は被害者に対して脅迫や威嚇を行い、恐怖心を植え付けることがあります。
精神的虐待の影響は、被害者の心理的健康に深刻なダメージを与えます。
被害者は、不安、うつ、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの精神疾患を患うリスクが高まります。
精神的虐待は、被害者が自己価値感を失い、自信を持てなくなる原因です。
また、被害者は人間関係を築く上での困難に直面し、社会的な孤立感を深めることがあります。

2-3性的暴力の被害とその深刻さ

性的暴力は、被害者の意に反して性的行為を強要する行為を指します。
これは、配偶者やパートナーによる強制的な性行為、性的な脅迫、性的な嫌がらせなどです。
性的暴力は、被害者の身体的・精神的な健康に深刻なダメージを与えます。
具体的な例として、加害者が被害者に対して無理やり性行為を強要することなどです。
また、性的な行為を拒否した場合に、加害者が被害者を脅迫することも含まれます。
さらに、加害者が被害者の身体に対して不適切な触れ方をするなど、性的な嫌がらせも性的暴力の一形態です。
性的暴力の影響は、被害者に対して深刻なトラウマを引き起こします。
被害者は、性的なトラウマからくる恐怖や不安に悩まされることが多く、性的な関係に対する恐怖心を持つようになります。
また、性的暴力は被害者の身体的健康にも影響を及ぼし、性病や不妊症などのリスクを高めます。
性的暴力の被害者は、社会的なスティグマと戦わなければならず、サポートを求めることが難しくなることも多いです。

2-4経済的支配の実態と影響

経済的支配は、被害者の経済的な自立を妨げる行為を指します。
これは、被害者の収入を管理し、自由に使えないようにする、仕事を辞めさせる、経済的な制裁を加えるなどの行為です。
経済的支配は、被害者が経済的に依存することで、加害者から逃れられないようにするための手段として使用されます。
具体的な例として、加害者が被害者の銀行口座を管理し、被害者が自由にお金を使えないようにすることがあります。
また、加害者が被害者に仕事を辞めさせ、収入源を奪うことで経済的に依存させることも含まれます。
さらに、加害者が被害者に対して経済的な制裁を加え、必要な生活費を与えないことも経済的支配の一形態です。
経済的支配の影響は、被害者の生活全般にわたります。
被害者は、経済的な不安に直面し、自立するための資源を持たないことが多いです。
経済的支配は、被害者が加害者から逃れられない要因となり、DVの連鎖を断ち切ることを困難にします。
経済的な困窮は、被害者の精神的な健康にも悪影響を及ぼし、ストレスや不安を増大させることがあります。

03DV 被害者の共通点

ドメスティックバイオレンス(DV)の被害者は、様々な背景や状況に置かれていますが、共通して見られる特徴や傾向があります。
これらの共通点を理解することは、DVの予防や被害者支援に役立ちます。
ここでは、DV被害者に見られる強い正義感、劣等感が被害者を引き止める理由、そして社会的孤立がもたらす影響について詳しく解説していきます。

3-1被害者に見られる強い正義感

DV被害者の中には、非常に強い正義感を持っている人が多いことが知られています。
彼らは、自分が直面している不当な状況を正そうとする強い意志を持っているため、DVの問題を解決しようとする一方で、その過程でさらなる苦しみを受けることも少なくありません。
この正義感は、しばしば被害者が加害者を理解し、助けようとする姿勢にもつながります。
被害者は、加害者が変わることを信じ、何度もチャンスを与えることがあります。
しかし、現実には加害者の行動が改善されることは少なく、結果的に被害者がさらに深い傷を負うことが多いです。
このような状況は、被害者にとって非常に混乱を招き、自己否定感を増幅させる原因となります。
正義感が強い被害者は、DVのサイクルから抜け出すことが難しくなることがあります。
彼らは問題を解決しようとするあまり、自己犠牲的になりがちで、自分の安全や幸福を後回しにすることがあります。
これは、被害者が長期間にわたってDVの被害を受け続ける一因です。

3-2劣等感が被害者を引き止める理由

DV被害者の多くは、深い劣等感を抱いています。
これらの劣等感は、被害者が自分自身を低く評価し、自信を失う原因となります。
この自己評価の低さは、被害者がDVの状況から抜け出すことを妨げる大きな要因です。
劣等感は、被害者が自分自身を価値のない存在だと感じる原因となります。
被害者は、自分がDVの被害を受けているのは自分のせいだと感じることが多く、自己嫌悪に陥ります。
このような感情は、被害者が加害者の支配下にとどまり続ける原因です。
被害者は、DVから逃れたいと感じながらも、自分にはそれを実現する力がないと感じるため、行動を起こすことができません。
さらに、劣等感は被害者が支援を求めることを難しくします。
被害者は、自分が助けを求める価値がないと感じたり、他人に迷惑をかけたくないと感じることが多いです。
このため、被害者は孤立し、状況が悪化することが多く、劣等感は、被害者がDVのサイクルから抜け出すための大きな障壁となります。

3-3社会的孤立がもたらす影響

社会的孤立は、DV被害者にとって非常に深刻な問題です。
孤立することで、被害者は支援を受ける機会を失い、DVの状況から抜け出すことが難しくなります。
社会的孤立は、被害者の精神的・感情的な健康にも大きな影響を及ぼします。
孤立は、加害者が被害者をコントロールするための戦略として使用されることが多いです。
加害者は、被害者を家族や友人から遠ざけることで、被害者が助けを求めることを防ぎます。
被害者が孤立することで、加害者は支配力を強化し、被害者が状況を変えるためのリソースや支援を持たないようにします。
社会的孤立の影響は、被害者の精神的健康に深刻なダメージを与えます。
被害者は孤独感や絶望感を感じることが多く、うつ病や不安障害を患う可能性が高いです。
また、孤立することで被害者は自分の状況を正常に評価することが難しくなり、DVのサイクルから抜け出すための現実的な解決策を見つけることが困難になります。
孤立を解消するためには、被害者が信頼できる支援ネットワークを構築することが重要です。
家族や友人、支援団体とのつながりを強化し、被害者が孤立しないようにサポートすることが必要です。
また、社会全体でDVに対する理解を深め、被害者が安心して支援を求められる環境を整えることも重要です。

04なぜDVから抜け出せないのか?

ドメスティックバイオレンス(DV)は、被害者にとって深刻な問題ですが、その深刻さにもかかわらず、多くの被害者がDVの状況から抜け出すことができません。
ここでは、被害者がDVから抜け出せない理由について詳しく解説します。
具体的には、自覚の欠如とその背景、感覚の麻痺とその影響、恐怖に支配される心、そして世間体とその圧力について解説していきます。

4-1自覚の欠如とその背景

多くのDV被害者は、自分が被害を受けていることに気づいていないことがあります。
この自覚の欠如は、DVの問題を解決する上で大きな障害となります。
被害者は、暴力を「普通のこと」や「家庭内の問題」として認識してしまうことが多いです。

4-1-1自覚の欠如の要因

自覚の欠如の背景には、いくつかの要因があります。
まず、加害者が巧妙に行動することです。
加害者は被害者に対して、暴力が「愛の表現」や「必要な教育」として正当化されるように仕向けます。
被害者はその結果、暴力を異常とは認識せず、自分が悪いから暴力を受けるのだと考えてしまいます。
また、社会的な固定観念も自覚の欠如に寄与します。
特に女性に対する「忍耐強い妻」「家庭を守る母親」というステレオタイプが、被害者が暴力を受け入れる理由となることが多いです。
このような固定観念は、被害者が自分の状況を客観的に見つめ直すことを難しくします。

4-2感覚の麻痺とその影響

長期間にわたるDVは、被害者の感覚を麻痺させることがあります。
この感覚の麻痺は、被害者が暴力を正常に評価できなくなる原因となり、DVのサイクルから抜け出すことをさらに困難にします。

4-2-1感覚の麻痺のプロセス

感覚の麻痺は、繰り返される暴力の結果として生じます。
被害者は、日常的に暴力を受けることで、それが「普通のこと」として受け入れてしまうのです。
この過程で、被害者の痛みや恐怖に対する感覚が鈍くなり、暴力を認識する力が低下します。
また、感覚の麻痺は心理的な防衛機制としても機能します。
被害者は、絶え間ない恐怖や不安に対処するために、感情を麻痺させることがあります。
これにより、被害者は一時的に心の安定を保つことができるものの、長期的には暴力を受け入れる状態が固定化されてしまうのです。

4-3恐怖に支配される心

DV被害者の多くは、加害者に対する強い恐怖心を抱いています。
この恐怖心は、被害者がDVから抜け出すことを妨げる大きな要因となります。
被害者は、加害者の報復を恐れ、状況を変えるための行動を起こすことができません。

4-3-1恐怖の根源

恐怖心の根源には、加害者の支配的な行動があります。
加害者は、被害者に対して暴力だけでなく、脅迫や威圧を行うことが多いです。
例えば、「逃げたらもっと酷い目に遭わせる」「家族や友人に危害を加える」といった脅しが、被害者の心に深く刻まれます。
さらに、加害者は被害者の生活全般をコントロールすることで、恐怖心を増幅させます。
経済的な支配や社会的な孤立を通じて、被害者が逃げるためのリソースやサポートを奪います。
これにより、被害者はますます加害者に依存することになり、恐怖心が強化されるのです。

4-4世間体とその圧力

世間体や社会的な圧力も、DV被害者が状況から抜け出せない一因です。
特に、家族やコミュニティの目が厳しい環境では、被害者は「恥をかきたくない」「家庭を壊したくない」という思いから、DVの問題を外部に明かすことができません。

4-4-1社会的な圧力の影響

社会的な圧力は、被害者が支援を求めることを難しくします。
例えば、離婚や別居がタブー視される社会では、被害者は「家庭を守るために我慢すべき」と考えがちです。
また、周囲からの非難や偏見を恐れるあまり、被害者はDVの被害を隠し続けることがあります。
さらに、文化的な要因も影響します。
特定の文化圏では、家族の問題は家庭内で解決すべきという価値観が根強く、外部の介入を拒む風潮があります。
これにより、被害者は孤立し、DVから逃れるための手段を見つけることが困難になってしまうのです。

05DV 被害を受けた場合の対処法

ドメスティックバイオレンス(DV)の被害に遭った場合、適切な対処法を知っておくことは非常に重要です。
被害者が安全を確保し、支援を受けるためには、どのような行動を取るべきかを理解しておく必要があります。
ここでは、DV被害を受けた際の具体的な対処法について、配偶者暴力支援センターや警察への相談、適切な治療の重要性、そしてDVを理由とした離婚の手続きと注意点について詳しく解説します。

5-1配偶者暴力支援センターや警察への相談

DV被害を受けた場合、まず最初に行うべきことは信頼できる機関に相談することです。
配偶者暴力支援センターや警察は、被害者に対して適切な支援と保護を提供するための重要な窓口となります。

5-1-1配偶者暴力支援センターの役割

配偶者暴力支援センターは、DV被害者に対して総合的な支援を提供する機関です。
ここでは、被害者が安心して相談できる環境が整えられており、専門のカウンセラーが被害者の話をじっくりと聞き、必要な支援策を提案します。
具体的には、緊急時の避難場所の提供、カウンセリングサービス、法的支援の手配などが含まれます。
配偶者暴力支援センターに相談することで、被害者は安全を確保しつつ、今後の対応について専門的なアドバイスを受けられます。

5-1-2警察への相談の重要性

警察への相談も非常に重要です。
警察はDV被害者を保護し、加害者に対する法的措置を講じる権限を持っています。
被害者が警察に相談することで、緊急保護命令を取得し、加害者からの接触を防げます。
また、警察に被害を報告することで、加害者の暴力行為に対して法的な制裁を求めることが可能です。
警察に相談する際には、できるだけ具体的な証拠(例えば、傷の写真や暴力の詳細な記録)を提供することが重要です。

5-2適切な治療の重要性

DV被害を受けた場合、身体的な傷だけでなく、心理的なトラウマも深刻です。
そのため、適切な治療を受けることが非常に重要です。

5-2-1身体的な治療

身体的な暴力による傷害は、速やかに医療機関で治療を受ける必要があります。
医師の診断と治療を受けることで、怪我が悪化するのを防ぎ、早期回復を図ることができます。
また、診断書を取得しておくことで、法的手続きにおいて重要な証拠として活用できます。

5-2-2精神的な治療

精神的なトラウマは、被害者に長期的な影響を与えることがあります。
心理カウンセリングや精神科医の治療を受けることで、被害者は精神的な安定を取り戻し、日常生活に復帰するためのサポートを受けられます。
特に、専門のカウンセラーやセラピストと話すことで、トラウマの克服や自己肯定感の回復を図ることができます。
精神的な治療は、被害者が新たな生活を始めるための重要なステップです。

5-3DV を理由とした離婚の手続きと注意点

DV被害を受けた場合、離婚を考えることは避けられない決断かもしれません。
離婚手続きを進める際には、いくつかの重要な注意点があります。

5-3-1法的手続きの理解

離婚手続きを進めるには、まず法的なプロセスを理解することが重要です。
DVを理由とした離婚は、通常の離婚よりも複雑な場合が多いため、専門の弁護士に相談することを強くおすすめします。
弁護士は、被害者の権利を守りつつ、適切な手続きを進めるためのサポートを提供します。

5-3-2証拠の収集

離婚手続きにおいて、DVの証拠を収集しておくことが重要です。
医師の診断書、警察の報告書、写真、録音データなど、DVの被害を証明するための具体的な証拠を準備することで、裁判において有利に働く可能性があります。
証拠がしっかりと揃っていることで、離婚手続きを円滑に進められます。

5-3-3子供の保護

DVが原因で離婚を決断する場合、子供の安全と福祉を最優先に考える必要があります。
子供がDVの被害を目撃したり、直接被害を受けたりしている場合、子供を安全な場所に避難させ、適切な心理的サポートを提供することが重要です。
また、離婚後の親権や養育費についても、専門家のアドバイスを受けながら慎重に決定する必要があります。

01DVとは?

最近ではよく耳にするようになったDV。そもそもDVとはどのようなものなのでしょうか。

1-1ドメスティックバイオレンスの略

DVとは「ドメスティックバイオレンス」のことです。「ドメスティック」は「家庭内の」、「バイオレンス」とは「暴力」の意味。つまりDVとは「家庭内の暴力」ということになります。

1-2配偶者や親密な男女間に発生する暴力

しかし、DVは単に家庭内で発生する暴力というわけではありません。配偶者はもちろん、親密な関係にある男女の間でもDVは発生します。
また、ひとくちに暴力と言ってもその内容も様々です。さらに暴力というと、女性が被害者で男性が加害者というイメージがあります。実際にDVの被害を受けている人の多くは女性ですが、中には女性が加害者で男性が被害者というケースもあります。
DVの特徴は、多くが家庭内という密室で起きること。そのため、表面化しにくく、分かりにくいという問題があります。
さらにDVは一度だけということはほとんどなく、反復的に繰り返され、一定以上の期間続くという特徴があります。

02DVの種類

DVは配偶者や親しい男女の間で起きる暴力のことですが、暴力といっても様々な種類があります。

2-1身体的暴力

身体的暴力とは、殴る・蹴るなど、肉体に直接与えられる暴力のことです。いわゆる「暴力」といったときには、この身体的暴力を指すことが多く、いわゆる「DV」といったときには、身体的暴力を指していることもあります。
この身体的な暴力の場合、証拠がケガとなって残ることから発覚することも多いのですが、中には洋服で隠れる場所や、跡が残らない程度に暴行を加えるといったケースもあります。また、階段から突き落とすなど、事故を装うケースもあります。
身体的暴力の場合、程度が軽いからと見過ごされることもありますが、ケガの軽重は問題ではなく、あくまでも暴力をふるった事実が重要になります。

2-2精神的暴力

DVの中には、肉体的なものではない精神的な暴力も含まれます。
この精神的な暴力の代表的なものが言葉の暴力で、相手に対してひどいことを言う、暴言を吐くといったものの他、無視するなども精神的な暴力とさせています。
また、精神的な暴力の場合、相手を過度に束縛する、自由な外出を認めない、自宅に軟禁するといったものもあります。
精神的暴力は痕跡が残りにくいため、裁判などになった場合には被害者の主張が認められにくいという問題もあります。

2-3性的暴力

性的な暴力とは、性行為の強要や暴力的な性行為を指しています。また、子どもができない、妊娠中絶を強要するといった暴力も性暴力に含まれています。
この性的な暴力は、第三者の介入が難しく、被害者も誰かに相談することが難しいため、対処が遅れることが多く問題となっています。

2-4経済的暴力

暴力の中には、お金を渡さない、勝手に貯金を使う、借金を作るといった経済的な暴力もあります。経済的暴力は相手よりも優位な立場に立つために行われ、モラルハラスメントの一種でもあります。この経済的暴力には、精神的暴力などと組み合わせてより一層被害者を苦しめることもあります。

03DV被害者の特徴は?

実はDVの被害者には共通する特徴があります。

3-1正義感が強い

DV被害者の中には、「自分が暴力の原因を作っている」と考えてしまう人が少なくありません。いわば正義感が強く、完璧主義者と言えるタイプです。

3-2劣等感が強い

DVは暴力をふるうことで相手よりも上に立とう、相手を支配しようという行動です。そのため、コンプレックスや劣等感が強い人の場合、自分の欠点を指摘されると、すぐに相手の言うことに従ってしまうこともあります。

3-3まわりに頼れるひとがいない

DVの被害者の中には、周囲に頼れる人がいないというケースが少なくありません。そのため、どうしても加害者に頼らざるを得ず、結果としてDVがひどくなってしまうこともあります。
■DVから抜け出せない原因とは?
DVの被害者に対して「逃げだせばいい」という意見がありますが、実は安易に逃げ出すことができないのには理由があります。

3-4DVされている自覚がない

DV被害者の中で多いのが「DVの被害にあっている自覚がない」という人です。「DVが起きるのは自分が悪い」「相手は自分を正しい方向に導いてくれる」という間違った考えに陥ってしまう

3-5感覚が麻痺している

長期間DVを受けていると、それが常態化してしまい、感覚がマヒしてしまうことがあります。そうなると、逃げ出すよりも現在の状態に耐えるほうがいいという考えにとらわれてしまいます。

3-6世間体を気にする

DVの被害を受ける人の中には、世間体を気にして逃げ出せないという人も少なくありません。特に最初に相談した相手に「多少のことは我慢するべき」などと間違ったアドバイスを受けてしまうと、どうしても暴力から逃げられれなくなってしまいます。

04DVを受けたら?

他人事ではないDVの問題。もしDVを受けたらどう対処するのがよいのでしょうか。

4-1配偶者暴力支援センターや警察署に相談

もしDVを受けてしまった場合、まず地域の配偶者暴力支援センターや警察署に相談しましょう。
配偶者暴力支援センターはDV防止法によって規定された専門の機関で、各都道府県や市区町村に接地されています。配偶者暴力支援センターは緊急時の安全確保や被害者のカウンセリング、自立支援といった総合的な対策を行ってくれるだけでなく、警察よりも敷居が低いということが特徴。
まず自分の地域のどこに配偶者暴力支援センターがあるかを調べておくとよいでしょう。

4-2然るべき治療をうける

DVの被害者は暴力を受けることによって、いわゆる心的外傷後ストレス障害(PTSD)に陥りやすいという傾向があります。
このPTSDの症状は精神的なストレスが心のダメージとなるもので、時間が経ってからでも強い恐怖を感じるのが特徴です。DVを受けたときのことを思い出す、不安や緊張が解けない、眠れないといったものが代表的な症状ですが、それ以外にも幻覚や自傷行為などが起きることもあります。
そのため、DV被害を受けたときにはしかるべき治療を受けることが必要になります。

05DVが原因の離婚について

DVを行うパートナーと常に一緒にいると、やがては大きな危険に見舞われることがあります。そんなときには離婚を視野に入れて考える必要があります。

5-1深刻の場合は離婚を視野にいれる

DVによる離婚の場合、加害者が合意しないということもあります。この場合、裁判所に離婚調停を求めることになります。
調停が不調に終わった場合、裁判が行われますが、その場合には法テラスなどに相談するとよいでしょう。

5-2離婚の慰謝料相場

DVが原因となる離婚の場合、身体的DV・精神的DVの場合と性的虐待の場合では慰謝料が異なります。
身体的・精神的な暴力が原因の場合、慰謝料は50万円から300万円、性的な暴力が原因の場合には、0から100万円が相場と言われています。
金額には非常に差があるように思えますが、これはDVの被害によって慰謝料の額が異なることが理由です。
裁判では、DVの回数や期間、苦痛の程度、被害の状況などが重要になるため、しっかりとした証拠としてメモや録音、診断書などを保存しておくことが必要です。

06まとめ

ドメスティックバイオレンス(DV)は、家庭や親密な関係における深刻な問題であり、身体的、精神的、性的、経済的な多岐にわたる暴力行為を含みます。
被害者はこれらの暴力によって深刻な身体的損傷や精神的トラウマ、経済的困窮に苦しみます。
社会的な固定観念やジェンダー不平等、経済的ストレスなどがDVの背景にあり、被害者は自覚の欠如や恐怖心、世間体の圧力により状況から抜け出せないことが多いです。
DVの種類とその影響を理解し、被害者が適切な支援を受けられる環境を整えることが重要です。DVには加害者と被害者の間での様々な出来事が原因になるといわれています。しかし、どちらにしても少しでも早く現在の状況から脱出することが重要だといえるでしょう。もしDVに悩んでいる方は、専門機関に相談することをおすすめします。

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古山あかり 先生
夫婦心理・家族心理講師
千葉県出身。東北大学大学院博士前期課程修了。臨床心理士と公認心理師の資格を持ち、首都圏公立学校のスクールカウンセラーや不妊カウンセリング、司法関係に携わる。神奈川県緊急支援対策チームスーパーバイザー。東京都千代田区でカウンセリングルーム「Hanacel」を運営。

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