建築模型の製作に用いる道具と素材について
建築模型は手先の器用な人の趣味として人気の高いもの。さらに副業や在宅ワークとしても活用できることから注目を集めています。それでは建築模型を作るときにはどのような道具が必要なのでしょうか。今回は建築模型の製作に用いる道具と素材についてご紹介します。
- 目次
01建築模型の基本道具
建築模型というと、専門的なものや特殊な道具が必要と考えがち。しかし実際には、基本的な道具の数はそれほど多くはありません。
1-1カッターナイフ、カッティングマット
建築模型を作る場合に、まず必要なのがカッターナイフ。カッターナイフは材料をカットするために用いられます。
カッターナイフには様々な種類がありますが、出来れば刃先が小さく、滑り止めのグリップがついているものが使いやすく便利です。
カッターナイフには模型作り専用のものや、大きな刃で素材を切断するペーパーカッター、「チョッパー」と呼ばれるものなど様々なタイプがありますが、最初は家庭用のもので十分。
もしさらに精密な模型を作りたいという場合には、自分の使いやすいものを少しずつ揃えていくとよいでしょう。
また、カッターナイフだけでなく、カッティングマットもあると便利。カッティングマットはカッターの刃で作業中に机を傷付けるのを防ぐことができるのはもちろん、カッターの刃を保護して切れ味を長持ちすることができます。
もしカッティングマットがないという場合には、やや使いにくくはなりますが、新聞や雑誌などを敷くことでも代用できます。
1-2定規
カッターと同じく、模型作りに欠かせないのが定規です。定規はサイズを計るときにはもちろん、素材をまっすぐにカットするときにも必要になるもの。
こちらも市販のものでも代用できますが、カッターの刃を当てると削れてしまうこともあるため、金属製のものがあると便利。さらに模型専用の定規もあり、揃えておくと作業をスムーズに進めることができます。
1-3ピンセット
模型作りは細かいパーツを取り扱うことが多いもの。そんなときに活躍するのがピンセットです。
こちらも家庭にあるものでも構いませんが、模型作りを始め細かい作業をすることが多いという方は、逆作用のものを使うのがおすすめ。
逆作用のピンセットは通常のものとは逆に、力を入れると先が開き、力を抜くと閉じるという構造になっているため、長期間ピンセットで物をつまんでいても手が疲れることがありません。
02建築模型の材料
道具が揃えば、次に必要になるのが材料です。建築模型では、「製作材料」「接着剤」「カラー材料」の三種類が必要です。
2-1製作材料
建築模型の製作材料は、どんな素材で模型を作るかということ。素材はどのようなものでも構いませんが、スチレンボード、木材などの素材が使われることが多いようです。
2-2接着剤
建築模型では素材を張り合わせるときに接着剤が使用されます。
接着剤にも様々なタイプがありますが、重要なのは乾きやすいかどうか、そして素材を溶かしてしまわないかということです。特に美しさが大切な建築模型では、乾いたあとの状態も重要。
そのため、建築模型では模型用に作られたスチレンボンド(スチボンド)や、スプレーボンドなどが用いられます。
また、いきなり接着剤を使用すると失敗したときに取り返しがつかなくなってしまうため、仮止め用のマスキングテープなども用意しておくのがよいでしょう。
2-3カラー材料
建築模型用の素材は白ベースが一般的。そのため、色を付けてキレイに仕上げたいという場合には、素材とは別のカラー材料を使う必要があります。
カラー材料はどのような模型の見た目にしたいかによって使い分けるのが一般的。素材感も重要になるため、色数の多い色紙やカラーパウダーなどがおすすめです。
03建築模型でよく使われる素材
建築模型を作る場合には道具よりもどんな素材を使うかが重要になります。では建築模型ではどのような素材が使われるのでしょうか。また、それぞれの素材にはどのような特徴があるのでしょうか
3-1スチレンボード
建築模型の素材として、もっとも多く用いられるのがスチレンボードです。スチレンボードは柔らかい素材を紙でコーティングした素材で、カットするのも簡単。
厚みも様々なバリエーションがあり、土台や壁、屋根、建物など、模型のタイプによって使い分けることもできます。
また、スチレンボードには「曲げやすい」というメリットも。スチレンボードは、表面の紙を外して薬品を塗布すると簡単に曲げることができます。
最初に建築模型を作るというときには、まずスチレンボードを使用するのがよいでしょう。
3-2紙類
意外に思えるかもしれませんが、建築模型で人気のある素材が「紙」。紙というと頼りない印象を持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には厚みによって強度もあり、重ねて貼り合わせるといった使い方もできるもの。さらに軽いため、素材の重さで模型が潰れる心配もありません。
スチレンボードに比べるとリーズナブルな価格なのもうれしいポイントです。
建築模型に使う紙には、灰色のグレイボード、クラフトペーパーのような風合いの黄ボール、パルプを使用したゴールデンボードなどがあります。
特におすすめなのがケント紙。ケント紙は紙の中でも一般的な存在ですが、折り曲げたり、他の紙と組み合わせたりと応用範囲も広い素材。
色もキレイな白なので、模型の仕上げに使われることもあります。
3-3木材
木の風合いを強調させたり、ナチュラルな雰囲気を出したりといった場合、建築模型にも木材が使われることがあります。木材を使った建築模型は完成のイメージが分かりやすく温かみが出るため、人気の素材。
木材の中でも、建築模型にはバルサ材が用いられることがありますが、バルサ材は折れやすく、表面にざらつきがあるというのが難点。一方、同じように使われることが多いのがシナノキですが、こちらは手触りがよく、仕上がりも美しくなります。
ただし、シナノキはバルサ材よりも高価な素材。そのため、予算や出来上がりのイメージによって使い分けるのがよいでしょう。
これら以外の素材が用いられることもありますが、木材を使用する場合はカットしやすいかどうかも重要。
見た目がよくても切りにくい素材を使うとカットするときに力が入ってしまい、指をケガしてしまうこともあります。
3-4スタイロフォーム
大規模な模型などを作るときに使われるのがスタイロフォームです。スタイロフォームは発泡スチロールの一種で、固さがありつつカットしやすいという特徴があります。そのため、土台作りに使われることもありますが、地塗りが必要なため作業に時間がかかります。
3-5ミュージアムボード
高級感のある模型を作りたいという場合、ミュージアムボードがおすすめです。切り口が黒いのが特徴で、仕上げの必要もありません。ただし扱いにくいので、小規模な模型に使うのがよいでしょう。
3-6アクリル
透明感のあるアクリルは美しい模型を作りたいという場合にはもっとも適しています。ただし、価格が非常に高く、レーザーカッターがなければカットできないのが難点です。
04まとめ
建築模型を作るときには様々な道具や素材が用いられるもの。ただし、最初からすべての道具を揃える必要はありません。興味があるという方は、手に入りやすい道具だけを準備して、まずひとつ作ってみるというのはいかがでしょうか。
この講座は!プロの監修を受けています!
講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
小林裕貴 先生
小林建築模型運営
1995年生まれ。福岡県出身。建築専門学校を卒業後、建築模型の世界へ。福岡を拠点に全国から模型製作の受注を受けている。
80,000人以上が受講申し込みしている諒設計アーキテクトラーニングの通信講座
あなたも早速受講して、資格を取得しましょう!
Copyright © 2021 RYO SEKKEI ARCHITECT LEARNING SCHOOL All rights reserved.
1-1カッターナイフ、カッティングマット
建築模型を作る場合に、まず必要なのがカッターナイフ。カッターナイフは材料をカットするために用いられます。
カッターナイフには様々な種類がありますが、出来れば刃先が小さく、滑り止めのグリップがついているものが使いやすく便利です。
カッターナイフには模型作り専用のものや、大きな刃で素材を切断するペーパーカッター、「チョッパー」と呼ばれるものなど様々なタイプがありますが、最初は家庭用のもので十分。
もしさらに精密な模型を作りたいという場合には、自分の使いやすいものを少しずつ揃えていくとよいでしょう。
また、カッターナイフだけでなく、カッティングマットもあると便利。カッティングマットはカッターの刃で作業中に机を傷付けるのを防ぐことができるのはもちろん、カッターの刃を保護して切れ味を長持ちすることができます。
もしカッティングマットがないという場合には、やや使いにくくはなりますが、新聞や雑誌などを敷くことでも代用できます。
1-2定規
カッターと同じく、模型作りに欠かせないのが定規です。定規はサイズを計るときにはもちろん、素材をまっすぐにカットするときにも必要になるもの。
こちらも市販のものでも代用できますが、カッターの刃を当てると削れてしまうこともあるため、金属製のものがあると便利。さらに模型専用の定規もあり、揃えておくと作業をスムーズに進めることができます。
1-3ピンセット
模型作りは細かいパーツを取り扱うことが多いもの。そんなときに活躍するのがピンセットです。
こちらも家庭にあるものでも構いませんが、模型作りを始め細かい作業をすることが多いという方は、逆作用のものを使うのがおすすめ。
逆作用のピンセットは通常のものとは逆に、力を入れると先が開き、力を抜くと閉じるという構造になっているため、長期間ピンセットで物をつまんでいても手が疲れることがありません。
02建築模型の材料
道具が揃えば、次に必要になるのが材料です。建築模型では、「製作材料」「接着剤」「カラー材料」の三種類が必要です。
2-1製作材料
建築模型の製作材料は、どんな素材で模型を作るかということ。素材はどのようなものでも構いませんが、スチレンボード、木材などの素材が使われることが多いようです。
2-2接着剤
建築模型では素材を張り合わせるときに接着剤が使用されます。
接着剤にも様々なタイプがありますが、重要なのは乾きやすいかどうか、そして素材を溶かしてしまわないかということです。特に美しさが大切な建築模型では、乾いたあとの状態も重要。
そのため、建築模型では模型用に作られたスチレンボンド(スチボンド)や、スプレーボンドなどが用いられます。
また、いきなり接着剤を使用すると失敗したときに取り返しがつかなくなってしまうため、仮止め用のマスキングテープなども用意しておくのがよいでしょう。
2-3カラー材料
建築模型用の素材は白ベースが一般的。そのため、色を付けてキレイに仕上げたいという場合には、素材とは別のカラー材料を使う必要があります。
カラー材料はどのような模型の見た目にしたいかによって使い分けるのが一般的。素材感も重要になるため、色数の多い色紙やカラーパウダーなどがおすすめです。
03建築模型でよく使われる素材
建築模型を作る場合には道具よりもどんな素材を使うかが重要になります。では建築模型ではどのような素材が使われるのでしょうか。また、それぞれの素材にはどのような特徴があるのでしょうか
3-1スチレンボード
建築模型の素材として、もっとも多く用いられるのがスチレンボードです。スチレンボードは柔らかい素材を紙でコーティングした素材で、カットするのも簡単。
厚みも様々なバリエーションがあり、土台や壁、屋根、建物など、模型のタイプによって使い分けることもできます。
また、スチレンボードには「曲げやすい」というメリットも。スチレンボードは、表面の紙を外して薬品を塗布すると簡単に曲げることができます。
最初に建築模型を作るというときには、まずスチレンボードを使用するのがよいでしょう。
3-2紙類
意外に思えるかもしれませんが、建築模型で人気のある素材が「紙」。紙というと頼りない印象を持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には厚みによって強度もあり、重ねて貼り合わせるといった使い方もできるもの。さらに軽いため、素材の重さで模型が潰れる心配もありません。
スチレンボードに比べるとリーズナブルな価格なのもうれしいポイントです。
建築模型に使う紙には、灰色のグレイボード、クラフトペーパーのような風合いの黄ボール、パルプを使用したゴールデンボードなどがあります。
特におすすめなのがケント紙。ケント紙は紙の中でも一般的な存在ですが、折り曲げたり、他の紙と組み合わせたりと応用範囲も広い素材。
色もキレイな白なので、模型の仕上げに使われることもあります。
3-3木材
木の風合いを強調させたり、ナチュラルな雰囲気を出したりといった場合、建築模型にも木材が使われることがあります。木材を使った建築模型は完成のイメージが分かりやすく温かみが出るため、人気の素材。
木材の中でも、建築模型にはバルサ材が用いられることがありますが、バルサ材は折れやすく、表面にざらつきがあるというのが難点。一方、同じように使われることが多いのがシナノキですが、こちらは手触りがよく、仕上がりも美しくなります。
ただし、シナノキはバルサ材よりも高価な素材。そのため、予算や出来上がりのイメージによって使い分けるのがよいでしょう。
これら以外の素材が用いられることもありますが、木材を使用する場合はカットしやすいかどうかも重要。
見た目がよくても切りにくい素材を使うとカットするときに力が入ってしまい、指をケガしてしまうこともあります。
3-4スタイロフォーム
大規模な模型などを作るときに使われるのがスタイロフォームです。スタイロフォームは発泡スチロールの一種で、固さがありつつカットしやすいという特徴があります。そのため、土台作りに使われることもありますが、地塗りが必要なため作業に時間がかかります。
3-5ミュージアムボード
高級感のある模型を作りたいという場合、ミュージアムボードがおすすめです。切り口が黒いのが特徴で、仕上げの必要もありません。ただし扱いにくいので、小規模な模型に使うのがよいでしょう。
3-6アクリル
透明感のあるアクリルは美しい模型を作りたいという場合にはもっとも適しています。ただし、価格が非常に高く、レーザーカッターがなければカットできないのが難点です。
04まとめ
建築模型を作るときには様々な道具や素材が用いられるもの。ただし、最初からすべての道具を揃える必要はありません。興味があるという方は、手に入りやすい道具だけを準備して、まずひとつ作ってみるというのはいかがでしょうか。
この講座は!プロの監修を受けています!
講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
小林裕貴 先生
小林建築模型運営
1995年生まれ。福岡県出身。建築専門学校を卒業後、建築模型の世界へ。福岡を拠点に全国から模型製作の受注を受けている。
80,000人以上が受講申し込みしている諒設計アーキテクトラーニングの通信講座
あなたも早速受講して、資格を取得しましょう!
2-1製作材料
建築模型の製作材料は、どんな素材で模型を作るかということ。素材はどのようなものでも構いませんが、スチレンボード、木材などの素材が使われることが多いようです。
2-2接着剤
建築模型では素材を張り合わせるときに接着剤が使用されます。
接着剤にも様々なタイプがありますが、重要なのは乾きやすいかどうか、そして素材を溶かしてしまわないかということです。特に美しさが大切な建築模型では、乾いたあとの状態も重要。
そのため、建築模型では模型用に作られたスチレンボンド(スチボンド)や、スプレーボンドなどが用いられます。
また、いきなり接着剤を使用すると失敗したときに取り返しがつかなくなってしまうため、仮止め用のマスキングテープなども用意しておくのがよいでしょう。
2-3カラー材料
建築模型用の素材は白ベースが一般的。そのため、色を付けてキレイに仕上げたいという場合には、素材とは別のカラー材料を使う必要があります。
カラー材料はどのような模型の見た目にしたいかによって使い分けるのが一般的。素材感も重要になるため、色数の多い色紙やカラーパウダーなどがおすすめです。
03建築模型でよく使われる素材
建築模型を作る場合には道具よりもどんな素材を使うかが重要になります。では建築模型ではどのような素材が使われるのでしょうか。また、それぞれの素材にはどのような特徴があるのでしょうか
3-1スチレンボード
建築模型の素材として、もっとも多く用いられるのがスチレンボードです。スチレンボードは柔らかい素材を紙でコーティングした素材で、カットするのも簡単。
厚みも様々なバリエーションがあり、土台や壁、屋根、建物など、模型のタイプによって使い分けることもできます。
また、スチレンボードには「曲げやすい」というメリットも。スチレンボードは、表面の紙を外して薬品を塗布すると簡単に曲げることができます。
最初に建築模型を作るというときには、まずスチレンボードを使用するのがよいでしょう。
3-2紙類
意外に思えるかもしれませんが、建築模型で人気のある素材が「紙」。紙というと頼りない印象を持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には厚みによって強度もあり、重ねて貼り合わせるといった使い方もできるもの。さらに軽いため、素材の重さで模型が潰れる心配もありません。
スチレンボードに比べるとリーズナブルな価格なのもうれしいポイントです。
建築模型に使う紙には、灰色のグレイボード、クラフトペーパーのような風合いの黄ボール、パルプを使用したゴールデンボードなどがあります。
特におすすめなのがケント紙。ケント紙は紙の中でも一般的な存在ですが、折り曲げたり、他の紙と組み合わせたりと応用範囲も広い素材。
色もキレイな白なので、模型の仕上げに使われることもあります。
3-3木材
木の風合いを強調させたり、ナチュラルな雰囲気を出したりといった場合、建築模型にも木材が使われることがあります。木材を使った建築模型は完成のイメージが分かりやすく温かみが出るため、人気の素材。
木材の中でも、建築模型にはバルサ材が用いられることがありますが、バルサ材は折れやすく、表面にざらつきがあるというのが難点。一方、同じように使われることが多いのがシナノキですが、こちらは手触りがよく、仕上がりも美しくなります。
ただし、シナノキはバルサ材よりも高価な素材。そのため、予算や出来上がりのイメージによって使い分けるのがよいでしょう。
これら以外の素材が用いられることもありますが、木材を使用する場合はカットしやすいかどうかも重要。
見た目がよくても切りにくい素材を使うとカットするときに力が入ってしまい、指をケガしてしまうこともあります。
3-4スタイロフォーム
大規模な模型などを作るときに使われるのがスタイロフォームです。スタイロフォームは発泡スチロールの一種で、固さがありつつカットしやすいという特徴があります。そのため、土台作りに使われることもありますが、地塗りが必要なため作業に時間がかかります。
3-5ミュージアムボード
高級感のある模型を作りたいという場合、ミュージアムボードがおすすめです。切り口が黒いのが特徴で、仕上げの必要もありません。ただし扱いにくいので、小規模な模型に使うのがよいでしょう。
3-6アクリル
透明感のあるアクリルは美しい模型を作りたいという場合にはもっとも適しています。ただし、価格が非常に高く、レーザーカッターがなければカットできないのが難点です。
04まとめ
建築模型を作るときには様々な道具や素材が用いられるもの。ただし、最初からすべての道具を揃える必要はありません。興味があるという方は、手に入りやすい道具だけを準備して、まずひとつ作ってみるというのはいかがでしょうか。
この講座は!プロの監修を受けています!
講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
小林裕貴 先生
小林建築模型運営
1995年生まれ。福岡県出身。建築専門学校を卒業後、建築模型の世界へ。福岡を拠点に全国から模型製作の受注を受けている。
80,000人以上が受講申し込みしている諒設計アーキテクトラーニングの通信講座
あなたも早速受講して、資格を取得しましょう!
3-1スチレンボード
建築模型の素材として、もっとも多く用いられるのがスチレンボードです。スチレンボードは柔らかい素材を紙でコーティングした素材で、カットするのも簡単。
厚みも様々なバリエーションがあり、土台や壁、屋根、建物など、模型のタイプによって使い分けることもできます。
また、スチレンボードには「曲げやすい」というメリットも。スチレンボードは、表面の紙を外して薬品を塗布すると簡単に曲げることができます。
最初に建築模型を作るというときには、まずスチレンボードを使用するのがよいでしょう。
3-2紙類
意外に思えるかもしれませんが、建築模型で人気のある素材が「紙」。紙というと頼りない印象を持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には厚みによって強度もあり、重ねて貼り合わせるといった使い方もできるもの。さらに軽いため、素材の重さで模型が潰れる心配もありません。
スチレンボードに比べるとリーズナブルな価格なのもうれしいポイントです。
建築模型に使う紙には、灰色のグレイボード、クラフトペーパーのような風合いの黄ボール、パルプを使用したゴールデンボードなどがあります。
特におすすめなのがケント紙。ケント紙は紙の中でも一般的な存在ですが、折り曲げたり、他の紙と組み合わせたりと応用範囲も広い素材。
色もキレイな白なので、模型の仕上げに使われることもあります。
3-3木材
木の風合いを強調させたり、ナチュラルな雰囲気を出したりといった場合、建築模型にも木材が使われることがあります。木材を使った建築模型は完成のイメージが分かりやすく温かみが出るため、人気の素材。
木材の中でも、建築模型にはバルサ材が用いられることがありますが、バルサ材は折れやすく、表面にざらつきがあるというのが難点。一方、同じように使われることが多いのがシナノキですが、こちらは手触りがよく、仕上がりも美しくなります。
ただし、シナノキはバルサ材よりも高価な素材。そのため、予算や出来上がりのイメージによって使い分けるのがよいでしょう。
これら以外の素材が用いられることもありますが、木材を使用する場合はカットしやすいかどうかも重要。
見た目がよくても切りにくい素材を使うとカットするときに力が入ってしまい、指をケガしてしまうこともあります。
3-4スタイロフォーム
大規模な模型などを作るときに使われるのがスタイロフォームです。スタイロフォームは発泡スチロールの一種で、固さがありつつカットしやすいという特徴があります。そのため、土台作りに使われることもありますが、地塗りが必要なため作業に時間がかかります。
3-5ミュージアムボード
高級感のある模型を作りたいという場合、ミュージアムボードがおすすめです。切り口が黒いのが特徴で、仕上げの必要もありません。ただし扱いにくいので、小規模な模型に使うのがよいでしょう。
3-6アクリル
透明感のあるアクリルは美しい模型を作りたいという場合にはもっとも適しています。ただし、価格が非常に高く、レーザーカッターがなければカットできないのが難点です。