VMD ってなに?VMDの基本と効果について
現在では、売り場づくりの基本とも言われる「VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)」。言葉を聞いたことがあるという方は多くても、はっきりした意味や具体的な施策についてはまだまだ分からないということも多いかもしれません。今回はVMDの基本と効果についてご紹介します。
- 目次
01VMDとは?
ショップの店頭で取り入れられることが多いVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)。それでは、そもそもVMDとはどのようなものなのでしょうか。
VMDとは、視覚的な効果を意味する「ビジュアル」と、商品開発や販売、販促といった商品計画全般を意味する「マーチャンダイジング」を組み合わせた言葉。
簡単に言えば、「消費者の視覚に訴えかけることで、購買意欲を上げるマーケティング手法」ということになります。
そのため、VMDを理解するためには、まず「マーチャンダイジング」の基本を知っておくことが必要です。
「マーチャンダイジング」は、商品をどのように販売するのか、そのための計画を立案、実行するということ。
消費者が商品を購入するためには、求めているものを適切な価格とタイミングで提供するということが必要です。そのための計画がマーチャンダイジング。
仮に豊富な商品が並んでいても、必要なものがない、価格が高すぎるという場合には、購買に結びつくことはありません。
それを適正な形に導くのが「マーチャンダイジング」の基本です。
そしてVMDは、このマーチャンダイジングを視覚化、商品の魅力を最大限にアピールすることで購買意欲をアップさせる手法です。
VMDでは、「見やすく」「選びやすく」「買いやすい」売り場を作るということが重要とされています。
02VMDとディスプレイ(DP)の違い
ビジュアルに訴える売り場づくりというと、「ディスプレイ(DP)」のことだと考える方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、実は厳密に言えば、VMDとDPは必ずしも同じものではありません。
そもそもディスプレイとは、売り場の陳列や装飾そのもののこと。ディスプレイは、販売する商品の魅力を高め、魅力的に見せることを目的としています。
一方、VMDはビジュアルの面から消費者にアピールし、商品購入を導くための戦略。
消費者をどのようにショップに導き、商品の購入に結びつけるかということが最終的な目的となります。つまり、ディスプレイはVMDの手段のひとつということ。
ディスプレイでは、「商品を美しく見せる」「きれいに並べる」ことが重要ですが、VMDでは、どのように商品に興味を持ってもらい、手に取って購買に結びつくのかが重視されます。
つまり、VMDは商品の販売計画に基づいて、店内の装飾などを行い、ユーザーに訴求するという販売の流れ全体のことだと考えればよいでしょう。
03VMDに必要な要素
VMDはディスプレイを含めた全体の販売計画のこと。それでは、VMDにはどのような要素を取り入れることが必要なのでしょうか。
3-1基本要素のことをMPという
VMDの基本的な要素は「マーチャンダイズプレゼンテーション(MP)」と呼ばれています。これは生物学や心理学に基づく理論のひとつで、「どうすればユーザーに対して訴求できるか」についてVMDを細分化して戦略を立てるためのポイントと考えることができます。
MPは大きく「VP(ビジュアル・プレゼンテーション)」「PP(ポイント・プレゼンテーション)」「IP(アイテム・プレゼンテーション)」の三種類に分けることができます。
「VP(ビジュアル・プレゼンテーション)」とは、ショップや店舗のコンセプトを視覚的に表現するもの。「お店の顔」としての役割があり、最初にユーザーの注意を引くという目的で用いられます。
一方、「PP(ポイント・プレゼンテーション)」はショップの商品の中でも、特に販売したい商品のこと。季節商品や新商品など、目立たせたい商品の設置に使われます。また、商品の中でも特に強調したいものを示す「ポイント・オブ・バーチェス」と呼ばれることもあります。
さらに「IP(アイテム・プレゼンテーション)」は、アイテム別の商品展開だと考えればよいでしょう。デザインやサイズなどのバリエーションを見やすくレイアウトすることで、主力商品の購買に結びつける役割があります。
04VMDの基本
効果的なVMDを行うためには、それぞれの目的に応じたポイントを押さえることが必要です。
4-1VP(ビジュアル・プレゼンテーション)
すでに説明したように、VPは「お店の顔」。ユーザーに対して、ショップの存在に気づいてもらい、お店の中に導くという役割があります。
そのときに必要となるのが、ユーザーに気づいてもらうためのテクニックです。
そのためには販売する商品のディスプレイとは別に、大きく分かりやすい展示スペースを設けるといった手法が用いられます。
また、単に気づいてもらうだけでなく、ユーザーを店舗や売り場に近づいてもらうことも必要。
そのため、目立つショウウインドウやお店のコンセプトを分かりやすく表現したエリアなどを人の視線が集まりやすい場所や動線の近く、入口の近くなどに設ける必要があります。
4-2PP(ポイント・プレゼンテーション)
VPの目的がショップに近づいてもらうことなら、PPの目的はやってきたユーザーの足を留めさせること。
じっくりとディスプレイや陳列棚を見てもらうことで、どのような新商品が販売されているか、ショップの主力商品はどのようなものなのかというのをユーザーに知ってもらうことが目的となります。
PPで使用されるのが、柱まわりや壁面といった、目線に入りやすい位置にある棚。周囲を装飾品などで囲むことで、視線や注意を奪われず、しっかり商品を見ることができる場所が理想です。
そのため、PPのためにはある程度のスペースを確保することが必要。
もしそのスペースがないという場合、あえて周囲の空間に商品を置かないことで空白のスペースを作るという方法もあります。
周囲に商品を置かないというとスペースの無駄遣いに思えるかもしれませんが、わざと空白を作ることで、中心の商品を目立たせるだけでなく、遠くから見ても「なにがあるのだろう?」と、ユーザーの興味を引くことにつながります。
4-3IP(アイテム・プレゼンテーション)
ユーザーに対して、ショップに気づいてもらい、お店の棚に立ち止まってもらった後は、商品を手に取ってもらうことが必要になります。
IPでは、ディスプレイされたアイテムが重要になります。といっても、アイテムを並べるだけでなく、ユーザーの購買意欲を喚起して、「欲しい!」と思わせることが必要。
そのため、陳列する商品を色やサイズ、デザインなどの要素ごとにグラデーションを作るという手法が用いられることがあります。
これは「買うか買わないか」という選択ではなく、「どの色を買うか」「どのサイズを買うか」といった形に消費者の心理を誘導するひとつのテクニック。
その他にも、PPを見て商品に関心を持ったユーザーの視線を商品の棚に誘導し、すぐに手に取ってもらうようにするといった手法が用いられます。そのため、棚やハンガーラックなどを使用するとより高い効果を得ることができるとも言われています。
05まとめ
VMDは単なる売り場の装飾ではなく、消費者の行動喚起につながる様々な工夫が必要なもの。実際の店舗設計に役立てるためには、しっかりとした知識を身につけることが重要になります。
この講座は!プロの監修を受けています!
講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
StudioAndante 先生
大阪市出身。家具売場の販売員として勤務する傍ら夜間専門学校に入学し、建築士資格を取得。
百貨店建装部・設計事務所・工務店勤務等を経て空間デザイン事務所「スタジオアンダンテ/竹ノ内美代子インテリアデザイン事務所」を設立。
70,000人以上が受講申し込みしている諒設計アーキテクトラーニングの通信講座
あなたも早速受講して、資格を取得しましょう!
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Copyright © 2021 RYO SEKKEI ARCHITECT LEARNING SCHOOL All rights reserved.
VMDとは、視覚的な効果を意味する「ビジュアル」と、商品開発や販売、販促といった商品計画全般を意味する「マーチャンダイジング」を組み合わせた言葉。
簡単に言えば、「消費者の視覚に訴えかけることで、購買意欲を上げるマーケティング手法」ということになります。
そのため、VMDを理解するためには、まず「マーチャンダイジング」の基本を知っておくことが必要です。
「マーチャンダイジング」は、商品をどのように販売するのか、そのための計画を立案、実行するということ。
消費者が商品を購入するためには、求めているものを適切な価格とタイミングで提供するということが必要です。そのための計画がマーチャンダイジング。
仮に豊富な商品が並んでいても、必要なものがない、価格が高すぎるという場合には、購買に結びつくことはありません。
それを適正な形に導くのが「マーチャンダイジング」の基本です。
そしてVMDは、このマーチャンダイジングを視覚化、商品の魅力を最大限にアピールすることで購買意欲をアップさせる手法です。
VMDでは、「見やすく」「選びやすく」「買いやすい」売り場を作るということが重要とされています。
02VMDとディスプレイ(DP)の違い
ビジュアルに訴える売り場づくりというと、「ディスプレイ(DP)」のことだと考える方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、実は厳密に言えば、VMDとDPは必ずしも同じものではありません。
そもそもディスプレイとは、売り場の陳列や装飾そのもののこと。ディスプレイは、販売する商品の魅力を高め、魅力的に見せることを目的としています。
一方、VMDはビジュアルの面から消費者にアピールし、商品購入を導くための戦略。
消費者をどのようにショップに導き、商品の購入に結びつけるかということが最終的な目的となります。つまり、ディスプレイはVMDの手段のひとつということ。
ディスプレイでは、「商品を美しく見せる」「きれいに並べる」ことが重要ですが、VMDでは、どのように商品に興味を持ってもらい、手に取って購買に結びつくのかが重視されます。
つまり、VMDは商品の販売計画に基づいて、店内の装飾などを行い、ユーザーに訴求するという販売の流れ全体のことだと考えればよいでしょう。
03VMDに必要な要素
VMDはディスプレイを含めた全体の販売計画のこと。それでは、VMDにはどのような要素を取り入れることが必要なのでしょうか。
3-1基本要素のことをMPという
VMDの基本的な要素は「マーチャンダイズプレゼンテーション(MP)」と呼ばれています。これは生物学や心理学に基づく理論のひとつで、「どうすればユーザーに対して訴求できるか」についてVMDを細分化して戦略を立てるためのポイントと考えることができます。
MPは大きく「VP(ビジュアル・プレゼンテーション)」「PP(ポイント・プレゼンテーション)」「IP(アイテム・プレゼンテーション)」の三種類に分けることができます。
「VP(ビジュアル・プレゼンテーション)」とは、ショップや店舗のコンセプトを視覚的に表現するもの。「お店の顔」としての役割があり、最初にユーザーの注意を引くという目的で用いられます。
一方、「PP(ポイント・プレゼンテーション)」はショップの商品の中でも、特に販売したい商品のこと。季節商品や新商品など、目立たせたい商品の設置に使われます。また、商品の中でも特に強調したいものを示す「ポイント・オブ・バーチェス」と呼ばれることもあります。
さらに「IP(アイテム・プレゼンテーション)」は、アイテム別の商品展開だと考えればよいでしょう。デザインやサイズなどのバリエーションを見やすくレイアウトすることで、主力商品の購買に結びつける役割があります。
04VMDの基本
効果的なVMDを行うためには、それぞれの目的に応じたポイントを押さえることが必要です。
4-1VP(ビジュアル・プレゼンテーション)
すでに説明したように、VPは「お店の顔」。ユーザーに対して、ショップの存在に気づいてもらい、お店の中に導くという役割があります。
そのときに必要となるのが、ユーザーに気づいてもらうためのテクニックです。
そのためには販売する商品のディスプレイとは別に、大きく分かりやすい展示スペースを設けるといった手法が用いられます。
また、単に気づいてもらうだけでなく、ユーザーを店舗や売り場に近づいてもらうことも必要。
そのため、目立つショウウインドウやお店のコンセプトを分かりやすく表現したエリアなどを人の視線が集まりやすい場所や動線の近く、入口の近くなどに設ける必要があります。
4-2PP(ポイント・プレゼンテーション)
VPの目的がショップに近づいてもらうことなら、PPの目的はやってきたユーザーの足を留めさせること。
じっくりとディスプレイや陳列棚を見てもらうことで、どのような新商品が販売されているか、ショップの主力商品はどのようなものなのかというのをユーザーに知ってもらうことが目的となります。
PPで使用されるのが、柱まわりや壁面といった、目線に入りやすい位置にある棚。周囲を装飾品などで囲むことで、視線や注意を奪われず、しっかり商品を見ることができる場所が理想です。
そのため、PPのためにはある程度のスペースを確保することが必要。
もしそのスペースがないという場合、あえて周囲の空間に商品を置かないことで空白のスペースを作るという方法もあります。
周囲に商品を置かないというとスペースの無駄遣いに思えるかもしれませんが、わざと空白を作ることで、中心の商品を目立たせるだけでなく、遠くから見ても「なにがあるのだろう?」と、ユーザーの興味を引くことにつながります。
4-3IP(アイテム・プレゼンテーション)
ユーザーに対して、ショップに気づいてもらい、お店の棚に立ち止まってもらった後は、商品を手に取ってもらうことが必要になります。
IPでは、ディスプレイされたアイテムが重要になります。といっても、アイテムを並べるだけでなく、ユーザーの購買意欲を喚起して、「欲しい!」と思わせることが必要。
そのため、陳列する商品を色やサイズ、デザインなどの要素ごとにグラデーションを作るという手法が用いられることがあります。
これは「買うか買わないか」という選択ではなく、「どの色を買うか」「どのサイズを買うか」といった形に消費者の心理を誘導するひとつのテクニック。
その他にも、PPを見て商品に関心を持ったユーザーの視線を商品の棚に誘導し、すぐに手に取ってもらうようにするといった手法が用いられます。そのため、棚やハンガーラックなどを使用するとより高い効果を得ることができるとも言われています。
05まとめ
VMDは単なる売り場の装飾ではなく、消費者の行動喚起につながる様々な工夫が必要なもの。実際の店舗設計に役立てるためには、しっかりとした知識を身につけることが重要になります。
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大阪市出身。家具売場の販売員として勤務する傍ら夜間専門学校に入学し、建築士資格を取得。
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しかし、実は厳密に言えば、VMDとDPは必ずしも同じものではありません。
そもそもディスプレイとは、売り場の陳列や装飾そのもののこと。ディスプレイは、販売する商品の魅力を高め、魅力的に見せることを目的としています。
一方、VMDはビジュアルの面から消費者にアピールし、商品購入を導くための戦略。
消費者をどのようにショップに導き、商品の購入に結びつけるかということが最終的な目的となります。つまり、ディスプレイはVMDの手段のひとつということ。
ディスプレイでは、「商品を美しく見せる」「きれいに並べる」ことが重要ですが、VMDでは、どのように商品に興味を持ってもらい、手に取って購買に結びつくのかが重視されます。
つまり、VMDは商品の販売計画に基づいて、店内の装飾などを行い、ユーザーに訴求するという販売の流れ全体のことだと考えればよいでしょう。
03VMDに必要な要素
VMDはディスプレイを含めた全体の販売計画のこと。それでは、VMDにはどのような要素を取り入れることが必要なのでしょうか。
3-1基本要素のことをMPという
VMDの基本的な要素は「マーチャンダイズプレゼンテーション(MP)」と呼ばれています。これは生物学や心理学に基づく理論のひとつで、「どうすればユーザーに対して訴求できるか」についてVMDを細分化して戦略を立てるためのポイントと考えることができます。
MPは大きく「VP(ビジュアル・プレゼンテーション)」「PP(ポイント・プレゼンテーション)」「IP(アイテム・プレゼンテーション)」の三種類に分けることができます。
「VP(ビジュアル・プレゼンテーション)」とは、ショップや店舗のコンセプトを視覚的に表現するもの。「お店の顔」としての役割があり、最初にユーザーの注意を引くという目的で用いられます。
一方、「PP(ポイント・プレゼンテーション)」はショップの商品の中でも、特に販売したい商品のこと。季節商品や新商品など、目立たせたい商品の設置に使われます。また、商品の中でも特に強調したいものを示す「ポイント・オブ・バーチェス」と呼ばれることもあります。
さらに「IP(アイテム・プレゼンテーション)」は、アイテム別の商品展開だと考えればよいでしょう。デザインやサイズなどのバリエーションを見やすくレイアウトすることで、主力商品の購買に結びつける役割があります。
04VMDの基本
効果的なVMDを行うためには、それぞれの目的に応じたポイントを押さえることが必要です。
4-1VP(ビジュアル・プレゼンテーション)
すでに説明したように、VPは「お店の顔」。ユーザーに対して、ショップの存在に気づいてもらい、お店の中に導くという役割があります。
そのときに必要となるのが、ユーザーに気づいてもらうためのテクニックです。
そのためには販売する商品のディスプレイとは別に、大きく分かりやすい展示スペースを設けるといった手法が用いられます。
また、単に気づいてもらうだけでなく、ユーザーを店舗や売り場に近づいてもらうことも必要。
そのため、目立つショウウインドウやお店のコンセプトを分かりやすく表現したエリアなどを人の視線が集まりやすい場所や動線の近く、入口の近くなどに設ける必要があります。
4-2PP(ポイント・プレゼンテーション)
VPの目的がショップに近づいてもらうことなら、PPの目的はやってきたユーザーの足を留めさせること。
じっくりとディスプレイや陳列棚を見てもらうことで、どのような新商品が販売されているか、ショップの主力商品はどのようなものなのかというのをユーザーに知ってもらうことが目的となります。
PPで使用されるのが、柱まわりや壁面といった、目線に入りやすい位置にある棚。周囲を装飾品などで囲むことで、視線や注意を奪われず、しっかり商品を見ることができる場所が理想です。
そのため、PPのためにはある程度のスペースを確保することが必要。
もしそのスペースがないという場合、あえて周囲の空間に商品を置かないことで空白のスペースを作るという方法もあります。
周囲に商品を置かないというとスペースの無駄遣いに思えるかもしれませんが、わざと空白を作ることで、中心の商品を目立たせるだけでなく、遠くから見ても「なにがあるのだろう?」と、ユーザーの興味を引くことにつながります。
4-3IP(アイテム・プレゼンテーション)
ユーザーに対して、ショップに気づいてもらい、お店の棚に立ち止まってもらった後は、商品を手に取ってもらうことが必要になります。
IPでは、ディスプレイされたアイテムが重要になります。といっても、アイテムを並べるだけでなく、ユーザーの購買意欲を喚起して、「欲しい!」と思わせることが必要。
そのため、陳列する商品を色やサイズ、デザインなどの要素ごとにグラデーションを作るという手法が用いられることがあります。
これは「買うか買わないか」という選択ではなく、「どの色を買うか」「どのサイズを買うか」といった形に消費者の心理を誘導するひとつのテクニック。
その他にも、PPを見て商品に関心を持ったユーザーの視線を商品の棚に誘導し、すぐに手に取ってもらうようにするといった手法が用いられます。そのため、棚やハンガーラックなどを使用するとより高い効果を得ることができるとも言われています。
05まとめ
VMDは単なる売り場の装飾ではなく、消費者の行動喚起につながる様々な工夫が必要なもの。実際の店舗設計に役立てるためには、しっかりとした知識を身につけることが重要になります。
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大阪市出身。家具売場の販売員として勤務する傍ら夜間専門学校に入学し、建築士資格を取得。
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MPは大きく「VP(ビジュアル・プレゼンテーション)」「PP(ポイント・プレゼンテーション)」「IP(アイテム・プレゼンテーション)」の三種類に分けることができます。
「VP(ビジュアル・プレゼンテーション)」とは、ショップや店舗のコンセプトを視覚的に表現するもの。「お店の顔」としての役割があり、最初にユーザーの注意を引くという目的で用いられます。
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そのときに必要となるのが、ユーザーに気づいてもらうためのテクニックです。
そのためには販売する商品のディスプレイとは別に、大きく分かりやすい展示スペースを設けるといった手法が用いられます。
また、単に気づいてもらうだけでなく、ユーザーを店舗や売り場に近づいてもらうことも必要。
そのため、目立つショウウインドウやお店のコンセプトを分かりやすく表現したエリアなどを人の視線が集まりやすい場所や動線の近く、入口の近くなどに設ける必要があります。
4-2PP(ポイント・プレゼンテーション)
VPの目的がショップに近づいてもらうことなら、PPの目的はやってきたユーザーの足を留めさせること。
じっくりとディスプレイや陳列棚を見てもらうことで、どのような新商品が販売されているか、ショップの主力商品はどのようなものなのかというのをユーザーに知ってもらうことが目的となります。
PPで使用されるのが、柱まわりや壁面といった、目線に入りやすい位置にある棚。周囲を装飾品などで囲むことで、視線や注意を奪われず、しっかり商品を見ることができる場所が理想です。
そのため、PPのためにはある程度のスペースを確保することが必要。
もしそのスペースがないという場合、あえて周囲の空間に商品を置かないことで空白のスペースを作るという方法もあります。
周囲に商品を置かないというとスペースの無駄遣いに思えるかもしれませんが、わざと空白を作ることで、中心の商品を目立たせるだけでなく、遠くから見ても「なにがあるのだろう?」と、ユーザーの興味を引くことにつながります。
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ユーザーに対して、ショップに気づいてもらい、お店の棚に立ち止まってもらった後は、商品を手に取ってもらうことが必要になります。
IPでは、ディスプレイされたアイテムが重要になります。といっても、アイテムを並べるだけでなく、ユーザーの購買意欲を喚起して、「欲しい!」と思わせることが必要。
そのため、陳列する商品を色やサイズ、デザインなどの要素ごとにグラデーションを作るという手法が用いられることがあります。
これは「買うか買わないか」という選択ではなく、「どの色を買うか」「どのサイズを買うか」といった形に消費者の心理を誘導するひとつのテクニック。
その他にも、PPを見て商品に関心を持ったユーザーの視線を商品の棚に誘導し、すぐに手に取ってもらうようにするといった手法が用いられます。そのため、棚やハンガーラックなどを使用するとより高い効果を得ることができるとも言われています。
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