心理カウンセラーになるには？資格の種類や仕事内容、将来性を解説

1-1心理カウンセラーの仕事内容

心理カウンセラーは、人々が抱える悩みや心理的な問題の解決を支える専門家です。心理学の知識やカウンセリングの技法を活かして相談者の悩みに向き合い、傾聴と対話を通して問題解決へと導いていきます。なお、カウンセリングでは、悩みに対して解決策を提示するようなことはしません。相手の心に寄り添いながら、相談者自身が問題解決の糸口に気付けるようにサポートしていきます。心理カウンセラー資格はこちら

1-2心理カウンセラーが求められている場所

心理カウンセラーは、医療や教育、産業、福祉など、多くの現場で求められている存在です。カウンセリングの対象は、病院やクリニックなどの医療現場では患者やその家族、学校などの教育現場では児童やその保護者といったように、世代や性別を問いません。また、民間のカウンセリングサロンや、一般企業において社員のメンタルヘルス対策に携わる心理カウンセラーもいます。

2-1専門的な知識

心理カウンセラーとして活動する上で必須とされるのが、専門的な心理学の知識とカウンセリングスキルです。心理カウンセラーが行うカウンセリングは、単なる悩み相談ではありません。専門知識がない状態でカウンセリングを行うと、相談者に対して適切な対応ができないばかりか、かえって相手の心理状況を悪化させてしまう可能性があります。

2-2傾聴力

カウンセリングの基本は、傾聴です。傾聴とは、相手の気持ちに共感しながら、話に深く丁寧に耳を傾けること。相談者の中には、悩みを打ち明けるまで時間がかかったり、言葉に詰まってしまったりする人も少なくありません。相手の話し方や表情、仕草などにも気を配り、じっくり話を聞く傾聴力が求められます。

2-3コミュニケーション能力

心理カウンセラーにはコミュニケーション能力も重要です。といっても話が上手でなければならないというわけではありません。心理カウンセラーは相手の気持ちを引き出す職業ですので、話しやすい雰囲気づくりや態度と言った点も大切です。

2-4精神力の強さ

カウンセリングに訪れるのは、多くが心にストレスや悩みを抱えた人たちです。場合によっては、聞いているだけでつらい気持ちになるような、重い内容の話もあるかもしれません。しかし、そのたびに感情移入したり動揺したりしていては、心理カウンセラーとして冷静な判断は難しいものです。相手の話に共感しつつも同時に冷静さを保つ、精神力の強さが求められます。

2-5論理的思考

心理カウンセラーは論理的な思考の持ち主である必要があります。単なる思い付きや感情論ではなく、どうすれば相手の問題を解決できるかといった論理的な考え方が求められます。ほかにも、心理カウンセラーには誠実さや包容力、観察力なども必要です。

3-1公認心理師

公認心理師は、心理カウンセラーの中で唯一の国家資格です。更新の必要はなく、一度取得すれば一生保有できる資格です。
実施は、一般財団法人日本心理研修センターで、合格後に登録を申請し、完了した時点で公認心理師に認定されます。なお公認心理師は、民間資格と区別するために公認心理師の資格保有者以外は、心理師と名乗ることはできません。
大学院卒業が受験資格となるなど、ハードルは高く、2022年度の合格率は48.3％でした。

3-2臨床心理士

臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が認定する資格です。5年ごとの更新が義務付けられています。臨床心理士は、カウンセリングや心理テストなどのスキルを身に付けた心理学のスペシャリストとも呼ばれ、地域社会での人的援助に関するコーディネーション能力やコンサルティング能力も求められます。
資格を取得するには、協会指定の大学院を修了する、臨床心理士の要請を行う専門職大学院を修了する、医師免許を取得し二年以上の心理臨床経験が必要など、非常に高いハードルが設けられていますが、臨床心理士を取得することで活躍の場は広がりでしょう。
なお合格基準は公表されていませんが、多くの心理カウンセラー資格の中でも認知度が高いため、挑戦しておきたい資格のひとつです。

3-3メンタル士心理カウンセラー®

メンタル士心理カウンセラー®は、日本メディカル心理セラピー協会（JAAMP）の認定資格です。心理学の基礎知識や症状別の治療方法を十分に理解し、カウンセラーとして活動するレベルに至っているとされた人へ認定されます。
メンタル士心理カウンセラー®の認定試験は、誰でも受験可能。受験料は1万円で、在宅受験形式です。合格基準は70％以上の正答率と定められています。
なお、メンタル士心理カウンセラー®は、諒設計アーキテクトラーニングの通信講座で学ぶことができ、資格取得後はカウンセラーとして活躍したり、カルチャースクールなどで講師活動を行ったりすることも可能です。メンタル士心理カウンセラー資格は、何歳からでも取得可能です。中卒や高卒の方でも受験可能です。

3-4メンタル心理インストラクター

メンタル心理インストラクターは、日本インストラクター技術協会の認定資格です。
カウンセリングという相談援助知識やカウンセリングに関わる倫理などを十分に理解し、規定のレベルまで達した人へ認定されます。
メンタル心理インストラクターの認定試験は、誰でも受験可能。受験料は1万円で、在宅受験形式です。合格基準は70％以上の正答率と定められています。
なお、メンタル心理インストラクターは、諒設計アーキテクトラーニングの通信講座で学ぶことができ、資格取得後は心理カウンセラーとしてさまざまな場所で活躍することができます。過去問などはありませんが試験問題は簡単です。

3-5子供心理カウンセラー®

子供心理カウンセラー®は、日本インストラクター技術協会の認定資格です。
子どもの心の発達や成長、家族との関係、社会との関係など、子どもの人格や性格の形成にかかわる知識を有し、適切なアドバイスやカウンセリングを行うための知識を有したことを証明する資格です。お腹の中の赤ちゃんから乳児期、幼児期、学童期、思春期など、成長に応じた親や周囲との子どもとの関りとその関りが与える影響、子どもが見せるしぐさから見る心理、子どもの悩みや問題への接し方など、子どもの成長と発達の段階に合わせて適切なアドバイスや助言ができる知識や技術が必要です。資格取得後は、子ども心理アドバイザーとしてカルチャースクールや親子教室、学校での相談員などとして活躍の場が広がります。
子供心理カウンセラーの認定試験は、誰でも受験可能。受験料は1万円で、在宅受験形式です。合格基準は70％以上の正答率と定められています。

関連講座

• 子供心理カウンセラー資格取得検定通信講座

3-6行動心理カウンセラー®

行動心理カウンセラー®は、日本メディカル心理セラピー協会の認定資格です。
人の行動から相手の気持ちを読み解く学問である行動心理学についての基本的な知識を有していることが認定される資格です。 行動心理の基礎知識から歴史、行動心理学から考える仕事やプライベートにおけるコミュニケーションに関する知識を有していることも証明されます。
行動心理カウンセラー®の認定試験は、誰でも受験可能。受験料は1万円で、在宅受験形式です。合格基準は70％以上の正答率と定められています。

関連講座

• 行動心理カウンセラー®資格取得検定通信講座

3-7福祉心理カウンセラー

福祉心理カウンセラーは、日本メディカル心理セラピー協会の認定資格です。
福祉に関する知識、また心理学の基礎知識、様々なストレスから起きる症状を理解しており、カウンセラーとして活動するレベルに至っているとされた方へ認定される資格です。
福祉心理カウンセラーの認定試験は、誰でも受験可能。受験料は1万円で、在宅受験形式です。合格基準は70％以上の正答率と定められています。
なお、メンタル心理インストラクターは、諒設計アーキテクトラーニングの通信講座で学ぶことができ、資格取得後は心理カウンセラーとしてさまざまな場所で活躍することができます。

関連講座

• 福祉心理カウンセラー資格取得検定通信講座

3-8プロフェッショナル心理カウンセラー

プロフェッショナル心理カウンセラーは、一般社団法人全国心理業連合会の認定資格です。国家資格レベルの上級、心理カウンセラーのベースラインである一般の2種類があります。
高い技術を要していることを証明できる資格として、「カウンセリングスキル」「カウンセリング実習」「プロフェッショナル適性」の3つの分野の専門性を、身につけているかどうかが問われます。認定教育機関において、上級の場合は合計1,280時間、一般は246時間の履修が必要です。

4-1これからも活躍の場は広がっていく

現代社会では、ストレスやメンタルヘルスの問題が深刻化していることから、心の健康への関心が高まっており、心理カウンセリングを受ける人も増加しています。医療・福祉現場や教育現場でも、心理カウンセラーの専門知識や技術が求められるケースが増えているのが現状です。
また、近年はオンラインカウンセリングが普及しつつあり、場所や時間に縛られることなくカウンセリングを受けられるようになっています。そのため、心理カウンセラーの活躍の場は、これからもますます広がっていくと考えられているのです。

4-1抱える悩みが多様化している

現代はストレス社会と呼ばれるほど、多くの人が心に何らかのストレスを抱えているといわれています。その背景には、高度な情報化やグローバル化、仕事における競争やプレッシャー、家庭や人間関係といった影響が考えられ、抱える悩みも多様化しています。
また、カウンセリング自体もカウンセラーのもとへ足を運ばなくてもできる、ビデオ通話やチャット、メールといったツールを使ったオンラインカウンセリングも登場していることから、昔より抵抗感なくカウンセリングを受けることが可能です。

4-1企業内のカウンセリングルームも増えている

企業にとって、従業員がストレスやメンタルの問題を抱えていると、パフォーマンスや生産性の低下を招きかねないため、従業員のメンタルヘルス対策は重要な課題です。ストレスを放置することでメンタル不調を引き起こし、休職や退職につながるケースもあります。そのため近年では、社内にカウンセリングルームを設ける企業も増加しているのです。今後は、一般企業でカウンセリングを行う心理カウンセラーも増えていくと考えられます。

1-1心理カウンセラー資格とは何か

心理カウンセラー資格は、心理学の知識と技術を用いて、人々の心の問題に対応する専門家としての能力を証明するものです。
この資格は、様々な団体や機関によって認定されており、取得には一定の学習と実践経験が必要となります。
心理カウンセラー資格には、国家資格と民間資格の2種類があります。
国家資格としては、公認心理師があり、これは2017年に創設された比較的新しい資格です。
一方、民間資格は多岐にわたり、日本カウンセリング学会認定カウンセラーや産業カウンセラーなど、専門分野や対象者によって様々な資格が存在します。
これらの資格は、カウンセリングの基本的な理論や技法、倫理、そして実践的なスキルを身につけていることを証明します。
資格取得のプロセスは、通常、講義や演習、実習などを含む包括的なトレーニングプログラムを修了することが求められます。

1-2資格取得のメリット

心理カウンセラー資格を取得することには、多くのメリットがあります。
まず、専門的な知識とスキルを身につけることができ、クライアントに対してより質の高いサポートを提供できるようになります。
資格を取得することで、専門性と信頼性を示す重要な指標となり、クライアントや雇用主からの信頼を得やすいです。
また、資格取得によって、キャリアの選択肢が広がります。
医療機関、教育機関、企業の人事部門など、様々な分野で活躍の場が広がり、より専門的な役割を担えます。
さらに、フリーランスとして独立する際にも、資格は大きな強みです。
継続的な学習と成長の機会も資格取得のメリットの一つです。
多くの資格では、定期的な更新が必要とされ、最新の研究や技術を学ぶ機会が提供されます。
これにより、常に自己研鑽を続け、専門性を高めていけます。

1-3心理カウンセラーの需要と将来性

心理カウンセラーの需要は、近年急速に高まっています。
現代社会におけるストレスの増加や、メンタルヘルスへの意識の向上により、心理的サポートを求める人々が増えているのです。
職場でのメンタルヘルスケアの重要性が認識されるようになり、企業内カウンセラーの需要も増加しています。
また、学校や教育機関でも、生徒や学生のメンタルヘルスサポートの必要性が高まっており、スクールカウンセラーの役割が重要視されています。
さらに、高齢化社会の進展に伴い、高齢者や介護者へのメンタルケアの需要も増加傾向です。
これらの社会的ニーズに応えるため、心理カウンセラーの活躍の場は今後さらに広がっていくと予想されます。
テクノロジーの発展により、オンラインカウンセリングなど新しい形態のサービスも登場しており、心理カウンセラーの働き方も多様化しています。
このような変化に適応し、新しい技術やアプローチを取り入れていくことで、心理カウンセラーとしてのキャリアの可能性はさらに広がっていくでしょう。
以上のように、心理カウンセラー資格は、専門的なスキルと知識を証明し、キャリアの可能性を広げる重要なツールです。
社会のニーズの変化に応じて、心理カウンセラーの役割はますます重要になっていくと考えられます。
資格取得を目指す方々にとって、これらの点を理解し、自身のキャリアプランに活かしていくことが大切です。

2-1メンタル士心理カウンセラー®資格

メンタル士心理カウンセラー®資格は、メンタルヘルスに関する幅広い知識と技術を習得できる資格です。
ストレスマネジメントやうつ病対策、不安障害への対応など、現代社会で増加している心の問題に対して専門的なアプローチを学びます。
この資格を取得することで、職場や学校、地域社会でのメンタルヘルスケアに貢献できる人材になれます。

2-2チャイルド心理カウンセラー®資格

チャイルド心理カウンセラー®資格は、子どもの心理と発達に特化した専門知識を身につけるための資格です。
子どもの成長過程における心理的な変化や、家族関係、学校生活での問題に対応する技術を学びます。
この資格は、保育園や幼稚園、学校などの教育現場で活躍したい人や、子育て支援に携わりたい人におすすめです。

2-3福祉心理カウンセラー資格

福祉心理カウンセラー資格は、福祉分野における心理的支援に特化した資格です。
高齢者や障がい者、生活困窮者など、さまざまな社会的支援を必要とする人々の心理的ニーズに応えるための知識と技術を習得します。
福祉施設や地域包括支援センターなどでの活動に役立つ資格として注目されています。

2-4夫婦心理カウンセラー®資格

夫婦心理カウンセラー®資格は、夫婦関係や家族関係に関する専門的な知識とカウンセリング技術を学ぶための資格です。
コミュニケーションの改善や葛藤解決、離婚や再婚に関する問題など、夫婦や家族が直面するさまざまな課題に対応する能力を身につけます。
結婚相談所や家族支援センターなどでの活動に適した資格です。

2-5行動心理カウンセラー®資格

行動心理カウンセラー®資格は、行動分析学や認知行動療法などの理論に基づいたアプローチを学ぶ資格です。
クライアントの行動パターンを分析し、望ましい行動変容を促すための技術を習得します。
この資格は、個人の習慣改善や組織の生産性向上など、幅広い分野で活用できます。

2-6アンガーカウンセラー®資格

アンガーカウンセラー®資格は、怒りの感情をコントロールするためのスキルを学び、指導する能力を身につける資格です。
怒りの仕組みや適切な表現方法、ストレス管理技術などを習得し、個人や組織の怒りに関する問題解決をサポートします。
職場でのコンフリクト解決や、家庭内での感情コントロールなど、さまざまな場面で活躍できる資格です。

2-7マインドフルネスセラピスト資格

マインドフルネスセラピスト資格は、瞑想やヨガなどの実践を通じて、心身の健康を促進するための技術を学ぶ資格です。
ストレス軽減や集中力向上、感情制御などの効果が注目されているマインドフルネスの指導法を習得します。
企業研修や健康増進プログラムなど、幅広い分野での活用が期待されています。

2-8エクステリア心理士資格

エクステリア心理士資格は、外見や環境が人の心理に与える影響について学ぶ資格です。
ファッションや美容、インテリアデザインなどの分野と心理学を結びつけ、個人の自己表現や空間づくりをサポートする技術を習得します。
イメージコンサルタントやインテリアデザイナーなど、美的感覚と心理学の知識を融合させた職業に適しています。

2-9音楽療法カウンセラー資格

音楽療法カウンセラー資格は、音楽を用いて心身の健康を促進する技術を学ぶ資格です。
音楽の持つ癒しの効果や感情表現の手段としての活用法を習得し、ストレス軽減や感情調整、認知機能の改善などをサポートします。
高齢者施設や障がい者支援施設、病院などでの活動に適した資格です。

2-10子供心理カウンセラー®資格

子供心理カウンセラー®資格は、子どもの心理と発達に特化した専門知識を身につけるための資格です。
遊戯療法や芸術療法など、子どもの特性に合わせたアプローチ方法を学び、いじめや不登校、発達障害などの問題に対応する能力を養います。
教育現場や児童福祉施設での活動に役立つ資格として注目されています。

2-11アンガーコントロール士資格

アンガーコントロール士資格は、怒りの感情をコントロールするための技術を学び、指導する能力を身につける資格です。
怒りのメカニズムや適切な表現方法、ストレス管理技術などを習得し、個人や組織の怒りに関する問題解決をサポートします。
職場でのコンフリクト解決や、家庭内での感情コントロールなど、さまざまな場面で活躍できる資格です。

2-12瞑想インストラクター資格

瞑想インストラクター資格は、瞑想の理論と実践を学び、指導する能力を身につける資格です。
ストレス軽減や集中力向上、自己洞察などの効果が注目されている瞑想の指導法を習得します。
ヨガスタジオやウェルネスセンター、企業研修など、心身の健康増進を目的とした場面で活躍できる資格です。

2-13行動主義心理アドバイザー®資格

行動主義心理アドバイザー®資格は、行動分析学や認知行動療法などの理論に基づいたアプローチを学ぶ資格です。
クライアントの行動パターンを分析し、望ましい行動変容を促すための技術を習得します。
この資格は、個人の習慣改善や組織の生産性向上など、幅広い分野で活用できます。
特に、ビジネス領域でのコーチングやコンサルティングに適した資格として注目されています。

3-1自分の興味や適性を考える

心理カウンセラー資格を選ぶ際に最も重要なのは、自分自身の興味や適性を十分に考慮することです。
心理学の分野は非常に広範囲にわたるため、自分が特に関心を持っている領域や得意とする分野を見極めることが大切です。
例えば、子どもの心理に興味がある場合は、児童心理カウンセラーや学校カウンセラーの資格が適しているかもしれません。
一方で、ビジネスの場面での人間関係や組織心理に関心がある場合は、産業カウンセラーやキャリアコンサルタントの資格が魅力的に感じられるでしょう。
また、自分の性格や強みを客観的に分析することも重要です。
例えば、共感力が高く、人の話を傾聴することが得意な人は、カウンセリングの基本的なスキルを既に持っているかもしれません。
一方で、論理的思考が得意な人は、認知行動療法などの特定のアプローチに向いているかもしれません。
自分の興味や適性を深く掘り下げることで、より自分に合った資格を見つけることができ、将来的にも満足度の高いキャリアを築けるでしょう。

3-2キャリアプランとの整合性

心理カウンセラー資格を選ぶ際には、自分のキャリアプランとの整合性を考慮することが非常に重要です。
将来どのような場所で、どのような人々を対象にカウンセリングを行いたいのか、明確なビジョンを持つことが大切です。
例えば、医療機関で働きたい場合は、臨床心理士や公認心理師などの国家資格が必要になるでしょう。
これらの資格は取得に時間と労力がかかりますが、医療現場での信頼性が高く、幅広い活躍の場があります。
一方、企業内でのカウンセリングや人材育成に携わりたい場合は、産業カウンセラーやキャリアコンサルタントの資格が適しているかもしれません。
これらの資格は、ビジネス環境での心理的サポートに特化しています。
また、フリーランスとして独立開業を目指す場合は、NLP プラクティショナーやコーチング資格など、より専門的で独自性のある資格を選ぶのも一つの選択肢です。
これらの資格は、特定のアプローチや技法に特化しており、差別化を図りやすいという利点があります。
キャリアプランと資格の整合性を考えることで、長期的な視点で自分の成長と目標達成を支援する資格を選べます。

3-3資格の認知度と信頼性

心理カウンセラー資格を選ぶ際には、その資格の認知度と信頼性も重要な判断基準となります。
一般的に、国家資格や公的機関が認定する資格は、社会的な認知度が高く、信頼性も確保されています。
例えば、公認心理師は国家資格であり、医療、教育、福祉など幅広い分野で活躍できる資格として高い認知度を持っています。
同様に、臨床心理士も日本臨床心理士資格認定協会が認定する資格で、長年にわたり心理専門職の代表的な資格として認知されてきました。
一方で、民間団体が認定する資格の中にも、業界内で高い評価を受けているものがあります。
例えば、日本産業カウンセラー協会が認定する産業カウンセラーは、企業内での心理的サポートの専門家として広く認知されています。
資格の認知度と信頼性を判断する際には、その資格を取得している人数や、資格取得者の就職状況、さらには資格を認定している団体の歴史や実績なども参考になるでしょう。
また、実際にその資格を持つ人々の声を聞いたり、関連する業界の動向を調査したりすることも有効です。
ただし、認知度や信頼性だけでなく、自分の興味や適性、キャリアプランとのバランスを取ることが大切です。
時には、まだ認知度は高くなくても、将来性のある新しい分野の資格を選ぶことも、長期的には有益な選択となる可能性があります。
以上の点を総合的に考慮しながら、自分に最適な心理カウンセラー資格を選んでいくことが重要です。
資格取得は長い道のりになることもありますが、自分に合った資格を選ぶことで、より充実したキャリアを築くことができるでしょう。

4-1学習方法（通学・通信・オンライン）

心理カウンセラー資格の取得には、主に3つの学習方法があります。
それぞれの特徴について解説します。
1.通学
通学での学習は、直接講師から指導を受けられる点が大きな魅力です。
実際に教室に通うことで、他の受講生とのコミュニケーションも取れ、モチベーションの維持にも役立ちます。
また、実践的なロールプレイングなども行いやすく、カウンセリングスキルを身につけるのに適しています。
ただし、通学には時間的・地理的な制約があります。
仕事や家事との両立が難しい場合もあるでしょう。
また、通学にかかる交通費なども考慮する必要があります。
2.通信
通信教育は、自分のペースで学習を進められる点が最大の利点です。
教材を自宅で学習し、レポートを提出するという形式が一般的です。
時間や場所の制約が少ないため、仕事や家事と両立しやすいのが特徴です。
一方で、自己管理能力が求められます。
また、実践的なスキルを身につけるには、別途実習などに参加する必要があるかもしれません。
3.オンライン
オンライン学習は、通信教育の利点と通学の利点を兼ね備えた方法と言えます。
自宅で学習できる便利さがありながら、オンラインでのライブ講義や質問セッションなどを通じて、講師や他の受講生とのインタラクションも可能です。
ただし、安定したインターネット環境が必要であり、対面でのコミュニケーションに比べると、やはり制限があることは否めません。

4-2必要な学習期間と費用

心理カウンセラー資格の取得に必要な学習期間と費用は、資格の種類や学習方法によって大きく異なります。
・学習期間
一般的に、基礎的な資格であれば3ヶ月から半年程度で取得可能なものもあります。
一方、より専門的な資格になると、1年から3年程度の学習期間が必要になることもあります。
例えば、公認心理師の場合は、大学で心理学を専攻し、その後大学院で2年間学ぶ必要があります。
・費用
費用も資格によって大きく異なります。
民間の資格で比較的短期間で取得できるものであれば、10万円から30万円程度で取得できるものもあります。
一方、より高度な資格や、長期の学習が必要な資格の場合は、100万円を超える場合もあります。
また、学習方法によっても費用は様々です。
一般的に、通学が最も高額で、通信やオンラインの方が比較的安価です。
ただし、教材費や受験料、実習費用なども考慮する必要があります。

4-3資格試験の概要と合格率

心理カウンセラー資格の試験は、資格によって形式や難易度が異なります。
ここでは、一般的な試験の概要と合格率について説明します。
・試験の概要
多くの心理カウンセラー資格の試験は、筆記試験と実技試験の2段階で構成されています。
1.筆記試験
心理学の基礎知識や、カウンセリング理論、倫理などについての問題が出題されます。
多肢選択式や記述式など、資格によって形式は異なります。
2.実技試験
実際のカウンセリング場面を想定したロールプレイングや、事例検討などが行われます。
コミュニケーション能力や問題解決能力が評価されます。
・合格率
合格率は資格によって大きく異なります。
一般的に、民間の資格は比較的合格率が高く、70%から90%程度の合格率のものも多くあります。
一方、国家資格やより専門的な資格になると、合格率は低くなる傾向があります。
例えば、公認心理師の場合、2021年の合格率は約60%でした。
また、臨床心理士の場合は、さらに厳しく、例年30%前後の合格率となっています。
合格率が高いからといって簡単な資格というわけではありません。
それぞれの資格に求められる知識やスキルをしっかりと身につけ、十分な準備をすることが合格への近道となります。
以上、心理カウンセラー資格の取得方法について、学習方法、必要な学習期間と費用、そして資格試験の概要と合格率を解説しました。
自分の目標や生活スタイルに合わせて、最適な取得方法を選んでいくことが大切です。