心理カウンセラーの給料・年収・収入は?職種ごとの年収と必要な資格紹介!稼げる?
「心理カウンセラー」とは、実は資格がなくても名乗れる職業です。
しかし実際に心理関係の仕事に就くのであれば、資格を持っていた方が圧倒的に信頼度が上がります。
心理カウンセラーの給料や年収は、働く職場や雇用方法によって大きく変わるものです。
そこで今回は、心理カウンセラーの代表的な資格である「臨床心理士」「公認心理師」の2つの平均的な収入と、「正社員」「非常勤」で働いた場合の職種別収入、また独立して自分でカウンセリングルームを開いた場合の収入をご紹介します。
それと合わせて、おすすめの資格もご紹介しますので、これから資格取得を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
- 目次
- 1. 心理カウンセラーの給料の実態
- 1-1. 平均年収はいくら?
- 1-2. 経験年数による給料の変化
- 1-3. 勤務形態別の収入比較
- 2. 心理カウンセラーの収入に影響する要因
- 2-1. 資格と専門性の重要性
- 2-2. 勤務先による給料の違い
- 2-3. 地域差と需要の関係
- 3. 心理カウンセラーの収入アップ方法【3選】
- 3-1. 専門資格の取得
- 3-2. 経験とスキルの向上
- 3-3. ネットワーク構築と紹介の活用
- 4. 副業やフリーランスでの収入増加策
- 4-1. オンラインカウンセリングの導入
- 4-2. セミナーや講演会の開催
- 4-3. 執筆活動やメディア出演
- 5. 心理カウンセラーのキャリアアップ戦略
- 5-1. 専門分野の確立
- 5-2. 継続的な学習と研究
- 5-3. 管理職やスーパーバイザーへの昇進
- 6. 心理カウンセラーの給料・年収・収入は勤務先による
- 7. 「正社員」の心理カウンセラーの給与・年収
- 7-1. 医療機関
- 7-2. 司法機関
- 7-3. 福祉施設
- 7-4. EAP専門会社
- 8. 「非常勤」の心理カウンセラーの給与・年収
- 8-1. 教育機関
- 8-2. 一般企業
- 9. 心理カウンセラーの開業
- 9-1. ステップアップとして開業ができる
- 9-2. 相談所を開設、またはネットで相談室の開設
- 9-3. 収入は不安定だけど頑張るほどに収入が上がる
- 10. 心理カウンセラーを「開業」した場合の給与・年収
- 11. まとめ
01心理カウンセラーの給料の実態
しかし、その給料や収入の実態については、あまり知られていないかもしれません。
この記事では、心理カウンセラーの給料について、平均年収や経験年数による変化、さらには勤務形態別の収入比較など、詳しく解説します。
心理カウンセラーを目指している方や、すでにこの職業に就いている方にとって、参考になる情報をお届けします。
1-1平均年収はいくら?
心理カウンセラーの平均年収は、一般的に300万円から500万円程度と言われています。
しかし、この数字は様々な要因によって大きく変動することがあります。
例えば、勤務先の規模や地域、専門分野、資格の有無などが影響を与える可能性が高いです。
大手企業や医療機関に勤務する心理カウンセラーの場合、年収が500万円を超えることも珍しくありません。
一方で、NPOや小規模なカウンセリングセンターで働く場合は、300万円程度の年収になることもあります。
また、フリーランスとして活動する心理カウンセラーの場合、収入の幅はさらに広がります。
クライアントの数や料金設定によっては、年収1000万円以上を稼ぐ人もいれば、100万円程度の収入にとどまる人もいます。
1-2経験年数による給料の変化
心理カウンセラーの給料は、経験年数によっても大きく変化します。
一般的に、経験を積むほど収入が増加する傾向にあります。
新人カウンセラーの場合、年収は200万円から300万円程度から始まることが多いでしょう。
しかし、3年から5年程度の経験を積むと、年収は400万円から500万円程度に上昇する可能性があります。
さらに、10年以上のキャリアを持つベテランカウンセラーになると、年収600万円から800万円、あるいはそれ以上を稼ぐ人も少なくありません。
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、個人の能力や実績、勤務先の方針などによって大きく異なる場合があります。
経験年数が増えるにつれて、専門性や技術が向上し、より複雑なケースを扱えるようになります。
また、クライアントからの信頼も厚くなり、リピーターや紹介が増えることで、収入アップにつながることも多いです。
1-3勤務形態別の収入比較
心理カウンセラーの収入は、勤務形態によっても大きく異なります。
主な勤務形態としては、常勤、非常勤、フリーランスの3つが挙げられます。
常勤カウンセラーの場合、安定した月給制の収入が得られます。
大手企業や医療機関で働く場合、年収400万円から600万円程度が一般的です。
福利厚生も充実していることが多く、安定した生活を送りやすいでしょう。
非常勤カウンセラーは、時給制や日給制で働くことが多く、収入は勤務時間や日数によって変動します。
時給は2000円から5000円程度が一般的で、週3日程度の勤務で年収200万円から300万円程度になることが多いです。
フリーランスカウンセラーの収入は、最も幅が広いと言えるでしょう。
クライアントの数や料金設定、働き方によって大きく異なります。
セッション1回あたり5000円から2万円程度の料金設定が一般的ですが、高度な専門性を持つカウンセラーの場合、さらに高額な料金設定も可能です。
フリーランスの場合、年収100万円程度の人から1000万円以上稼ぐ人まで、非常に幅広い収入分布があります。
ただし、集客や経営の能力も求められるため、安定した高収入を得るには、カウンセリングスキルだけでなく、ビジネススキルも必要です。
以上のように、心理カウンセラーの給料は、平均年収、経験年数、勤務形態によって大きく異なります。
自分に合った働き方を選択し、スキルアップを続けることで、収入アップの可能性が広がるでしょう。
02心理カウンセラーの収入に影響する要因
ここでは、主に3つの要因に焦点を当てて解説していきます。
これらの要因を理解することで、自身のキャリアプランを立てる際の参考になるでしょう。
2-1資格と専門性の重要性
心理カウンセラーとして高い収入を得るためには、資格と専門性が非常に重要です。
基本的な心理カウンセラーの資格を取得するだけでなく、さらに専門的な資格や知識を身につけることで、より高い報酬を得られる可能性が高まります。
例えば、公認心理師や臨床心理士といった国家資格を取得することで、信頼性と専門性が認められ、より高い給与を期待できます。
また、特定の分野(例:児童心理、犯罪心理学、産業カウンセリングなど)に特化した専門知識を持つことで、その分野での需要が高まり、収入アップにつながることがあります。
継続的な学習や研修への参加も重要です。
最新の心理療法技術や研究成果を学び、実践に活かすことで、クライアントからの信頼を得やすくなり、結果として収入の向上につながる可能性があります。
2-2勤務先による給料の違い
心理カウンセラーの給料は、勤務先によって大きく異なります。
一般的に、以下のような勤務先が考えられます。
1. 医療機関(病院、クリニックなど)
2. 教育機関(学校、大学など)
3. 企業(EAP:従業員支援プログラム)
4. 公的機関(児童相談所、福祉施設など)
5. 私設カウンセリングオフィス
医療機関や大手企業で働く場合、比較的安定した給与体系が期待できます。
一方、私設カウンセリングオフィスを開業する場合は、初期投資や集客の努力が必要ですが、長期的には高収入を得られる可能性があります。
また、フリーランスとして複数の機関と契約を結ぶことで、収入の安定性と柔軟性を両立させることも可能です。
ただし、この場合は自己管理能力や営業スキルも求められます。
2-3地域差と需要の関係
心理カウンセラーの収入は、地域によっても大きく異なります。
一般的に、都市部では心理カウンセリングへの需要が高く、それに伴って給料も高くなる傾向です。
特に東京や大阪などの大都市圏では、企業や医療機関からの需要が多く、比較的高い収入を期待できます。
一方、地方では需要が限られている場合もありますが、逆に競争が少ないため、地域に根ざした信頼関係を築くことで安定した収入を得られる可能性が高いです。
また、オンラインカウンセリングの普及により、地理的な制約が緩和されつつあるため、地方在住でも都市部の顧客にサービスを提供できるようになってきています。
需要と供給のバランスも重要です。
特定の地域や分野で心理カウンセラーが不足している場合、その需要に応えることで高い報酬を得られる可能性があります。
例えば、産業カウンセリングの需要が高い地域や、学校カウンセラーが不足している地域などがあります。
以上、心理カウンセラーの収入に影響する3つの主要な要因について解説しました。
資格と専門性を高め、適切な勤務先を選択し、地域の需要を見極めることで、収入アップの可能性が広がります。
心理カウンセラーとしてのキャリアを考える際は、これらの要因を総合的に検討し、自分に合った戦略を立てることが重要です。
03心理カウンセラーの収入アップ方法【3選】
ここでは、実践的で効果的な7つの方法をご紹介します。
これらの方法を組み合わせることで、より大きな収入アップの可能性が広がります。
3-1専門資格の取得
心理カウンセラーとして収入を増やすための重要な方法の一つが、専門資格の取得です。
心理学やカウンセリングに関連する資格を取得することで、自身の専門性や信頼性を高めることができます。
例えば、公認心理師や臨床心理士といった国家資格は、クライアントからの信頼を得やすく、より高い報酬を得られる可能性が高まります。
また、特定の分野に特化した資格を取得することも効果的です。
例えば、産業カウンセラーや学校心理士、アディクション専門カウンセラーなどの資格があります。
これらの資格を持つことで、特定の分野での需要に応えられるようになり、専門性を活かした高収入の機会が増えるでしょう。
資格取得には時間と費用がかかりますが、長期的な視点で見れば、収入アップにつながる有効な投資です。
自身のキャリアプランに合わせて、適切な資格を選択し、計画的に取得を目指すことをおすすめします。
3-2経験とスキルの向上
心理カウンセラーとして収入を増やすためには、経験を積みながらスキルを向上させることが不可欠です。
クライアントとの面談を重ねることで、様々なケースに対応する能力が磨かれ、より効果的なカウンセリングが提供できるようになります。
スキル向上のためには、継続的な学習も重要です。
最新の心理療法やカウンセリング技法について学ぶことで、クライアントにより良いサービスを提供できるようになります。
セミナーやワークショップへの参加、専門書の読書、オンライン講座の受講など、様々な方法で学びを深めることができます。
また、スーパービジョンを受けることも効果的です。
経験豊富なカウンセラーからの指導を受けることで、自身の課題や改善点を明確にし、より質の高いカウンセリングを提供できるようになります。
これらの努力が、結果として高い評価や報酬につながっていくのです。
3-3ネットワーク構築と紹介の活用
心理カウンセラーとして収入を増やすための重要な方法の一つが、ネットワークの構築と紹介の活用です。
同業者や関連分野の専門家とのつながりを持つことで、新たな仕事の機会や情報を得ることができます。
例えば、医療機関や教育機関、企業の人事部門などとの連携を築くことで、定期的なクライアントの紹介を受けられる可能性が高まります。
また、他のカウンセラーとの交流を通じて、自身の専門外のケースを紹介し合うなど、互恵的な関係を築くことが可能です。
さらに、既存のクライアントからの紹介も重要です。
質の高いカウンセリングを提供し、クライアントの信頼を得ることで、口コミでの紹介につながります。
これは新規クライアントの獲得コストを抑えつつ、安定した収入源を確保する効果的な方法です。
ネットワーク構築のためには、業界のイベントや勉強会への参加、SNSの活用なども有効です。
積極的に交流の機会を持ち、自身の専門性や強みをアピールすることで、より多くの仕事の機会を得ることができるでしょう。
以上、心理カウンセラーの収入アップ方法として、専門資格の取得、経験とスキルの向上、ネットワーク構築と紹介の活用について詳しく解説しました。
これらの方法を実践することで、心理カウンセラーとしてのキャリアを充実させながら、収入アップを実現できるでしょう。
継続的な努力と自己投資が、長期的な成功につながる鍵となります。
04副業やフリーランスでの収入増加策
これらの活動は、単に収入を増やすだけでなく、自身のスキルアップやネットワーク拡大にもつながる可能性があります。
ここでは、心理カウンセラーが取り組める副業やフリーランスでの収入増加策について、具体的な方法をいくつかご紹介します。
4-1オンラインカウンセリングの導入
近年、特に注目を集めているのがオンラインカウンセリングです。
インターネットを通じて行うカウンセリングは、場所や時間の制約が少なく、クライアントにとっても利用しやすいサービスです。
心理カウンセラーにとっても、自宅や好きな場所から仕事ができるという大きなメリットがあります。
オンラインカウンセリングを始めるには、まず信頼性の高いビデオ通話ツールを選択し、安全なオンライン環境を整えることが大切です。
また、対面でのカウンセリングとは異なる点もあるため、オンラインでのコミュニケーションスキルを磨くことも重要です。
料金設定は、対面カウンセリングよりもやや低めに設定することで、多くのクライアントを獲得しやすくなるでしょう。
4-2セミナーや講演会の開催
心理カウンセラーとしての専門知識や経験を活かし、セミナーや講演会を開催することも収入増加の有効な手段です。
ストレス管理、コミュニケーションスキル、自己啓発など、幅広いテーマで講演を行うことができます。
セミナーや講演会を成功させるためには、まず魅力的なテーマ設定が重要です。
参加者のニーズに合わせたコンテンツを用意し、分かりやすく、かつ実践的な内容を心がけましょう。
また、SNSやウェブサイトを活用して効果的に宣伝することで、参加者を増やすことができます。
初めは小規模なセミナーから始め、徐々に規模を拡大していくのがおすすめです。
リピーターを増やすことで、安定した収入源となる可能性も高まります。
また、オンラインセミナーの開催も検討してみましょう。
場所の制約がなくなり、より多くの参加者を集めることができるかもしれません。
4-3執筆活動やメディア出演
心理学や心の健康に関する知識を活かし、執筆活動やメディア出演も収入増加の手段として有効です。
書籍やウェブメディアへの寄稿、専門誌への記事執筆など、様々な形で自身の知識や経験を発信できます。
執筆活動を始めるには、まず自分の得意分野や独自の視点を明確にすることが大切です。
それらを活かした企画書を作成し、出版社やウェブメディアに積極的にアプローチしてみましょう。
継続的な執筆依頼を受けるためには、締め切りを守り、質の高い記事を提供し続けることが重要です。
メディア出演については、地域のラジオやテレビ番組への出演から始めるのがよいでしょう。
専門家としての意見を求められる機会も増えてくるはずです。メディア出演を通じて知名度が上がれば、カウンセリングの依頼も増える可能性があります。
これらの活動は、直接的な収入増加だけでなく、心理カウンセラーとしての認知度向上にもつながります。
結果として、本業のカウンセリング業務の拡大にも寄与する可能性が高いです。
以上、副業やフリーランスでの収入増加策として、オンラインカウンセリングの導入、セミナーや講演会の開催、執筆活動やメディア出演について紹介しました。
これらの方法を組み合わせることで、心理カウンセラーとしての収入を効果的に増やすことができるでしょう。
ただし、本業のカウンセリング業務とのバランスを取ることを忘れずに、自身の状況に合わせて無理のない範囲で取り組むことが大切です。
05心理カウンセラーのキャリアアップ戦略
しかし、具体的にどのような戦略を立てればよいのか悩む方も少なくありません。
ここでは、心理カウンセラーのキャリアアップに効果的な3つの戦略について詳しく解説していきます。
これらの戦略を実践することで、あなたのキャリアがより充実したものになることでしょう。
5-1専門分野の確立
心理カウンセラーとしてキャリアアップを図る上で、まず重要なのが専門分野の確立です。
心理学の領域は非常に広範囲にわたるため、特定の分野に特化することで、その分野のエキスパートとしての地位を確立できます。
例えば、児童心理、家族療法、うつ病治療、トラウマケアなど、自分の興味や適性に合った分野を選び、そこに焦点を当てて研鑽を積んでいくことが大切です。
専門性を高めることで、クライアントからの信頼も厚くなり、より高度な案件を担当する機会も増えていくでしょう。
また、専門分野を確立することで、その分野に特化したセミナーや講演会の講師として活動する機会も増えます。
これは副収入を得る良い機会となるだけでなく、自身の知名度向上にもつながります。
5-2継続的な学習と研究
心理学の分野は日々進化しており、新しい理論や技法が次々と生まれています。
そのため、キャリアアップを目指す心理カウンセラーにとって、継続的な学習と研究は欠かせません。
最新の研究論文を読んだり、専門的なワークショップや学会に参加したりすることで、常に最新の知識とスキルを身につけることができます。
また、自ら研究を行い、学術誌に論文を投稿することも、専門家としての評価を高める上で効果的です。
さらに、関連する資格の取得も重要です。
例えば、臨床心理士や公認心理師などの上位資格を取得することで、より高度な業務を任されるようになり、収入アップにもつながります。
5-3管理職やスーパーバイザーへの昇進
キャリアアップの一つの形として、管理職やスーパーバイザーへの昇進があります。
これは単に収入面での向上だけでなく、より大きな責任を持ち、組織全体に貢献する機会を得ることを意味します。
管理職になるためには、カウンセリングスキルだけでなく、リーダーシップやマネジメント能力も必要です。
そのため、心理学以外の分野、例えば経営学やコミュニケーション論なども学ぶことが有効です。
また、スーパーバイザーとして若手カウンセラーの指導・育成に携わることも、キャリアアップの重要な選択肢です。
スーパーバイザーになることで、自身の経験や知識を次世代に伝えるとともに、指導を通じて自身のスキルも磨くことができます。
以上、心理カウンセラーのキャリアアップ戦略について3つのポイントを解説しました。
これらの戦略を組み合わせて実践することで、より充実したキャリアを築くことができるでしょう。
ただし、最も大切なのは、常にクライアントの幸せを第一に考え、自身の成長がクライアントへのより良いサポートにつながるという意識を持ち続けることです。
キャリアアップを目指しながらも、心理カウンセラーとしての本質的な使命を忘れないようにしましょう。
03心理カウンセラーの給料・年収・収入は勤務先による
当然正社員で雇用される人の方が収入は高くなり、非常勤の人はいくつかの現場を掛け持ちして生計を立てている人もいるのが現状です。
「心理カウンセラー」の中には1か所でじっくり仕事をしたい人もいれば、プライベートも楽しみながら働きたい、副業として働きたいという人もいるでしょう。
比較的正社員として採用されやすい職場、非常勤として採用されやすい職場があります。自分のライフスタイルに合った仕事が見つかるといいですね。
ここからは「正社員」「非常勤」それぞれで雇用されやすい職業に分けて、給与・年収をご紹介していきます。
04「正社員」の心理カウンセラーの給与・年収
それぞれの業種で求められる資格とあわせて確認してみましょう。
4-1医療機関
心理関連の仕事で多いのはやはり医療機関です。
医療機関で勤務する場合の月収は20~30万、年収はおよそ300~400万円程度です。
医療従事者の中では、そこまで高い収入とは言えません。ほとんどの病院で、臨床心理士もしくは公認心理師の資格を必須としています。
ごくまれに心理資格を持っていなくても応募できる求人募集もありますが、その代わりに臨床経験者であることが条件になっています。
《医療機関で有効な資格》
臨床心理士/公認心理師/精神保健福祉士/産業カウンセラー
「精神保健福祉士」は福祉系の国家資格です。精神的な障がいがある方の社会復帰の手伝いや訓練を行います。
「産業カウンセラー」は基本、職場でカウンセリングを行う資格で、一般社団法人日本産業カウンセラー協会認定の民間資格です。
4-2司法機関
刑務所や家庭裁判所などの司法機関でも、心理カウンセラーの需要があります。
これらの場所で働く場合は公務員試験をうけて合格する必要がありますが、採用後は公務員として働いていけるため安定した収入を見込めます。
平均年収は300万円程度からです。
現場では法務技官(心理)や調査官として勤務します。
《司法機関で有効な資格》
臨床心理士/公認心理師 など
4-3福祉施設
障がい者福祉施設や児童発達支援センターなどの福祉施設で働いた場合の収入は、月給で20~35万円、年収で300万円程度から。
心理的なカウンセリングだけでなく、障がい者や子どもたちと深く関わり合っていく仕事です。
《福祉施設で有効な資格》
臨床心理士/公認心理師/精神保健福祉士 など
必ずしも資格を求められるわけではなく、過去に同じような仕事をしていた、大学で心理学を専攻していたといった、経験を重視して採用している施設もあります。
4-4EAP専門会社
EAP(Employee Assistance Program)とは、日本語で「従業員支援プログラム」のことです。
心理カウンセラーによるカウンセリングやストレスチェックなどで、企業内での従業員のメンタルヘルス管理をサポートするのがEAP専門会社です。
給与や年収は企業によって差があり、平均いくらという数字はありません。
《EAP専門会社で有効な資格》
産業カウンセラー/臨床心理士/公認心理師/EAPメンタルヘルスカウンセラー など
「EAPメンタルヘルスカウンセラー」は、特定非営利活動法人EAPメンタルヘルスカウンセリング協会(EMCA®)主催の、EAPやメンタルヘルスのエキスパートと認められる資格です。
資格がない場合でもEAP専門会社でのカウンセラー経験や、心理学専攻で大学院を修了した方などでも採用している企業もあります。
05「非常勤」の心理カウンセラーの給与・年収
5-1教育機関
学校で働く心理カウンセラーは主に「スクールカウンセラー」と呼ばれます。
非常勤のことも多く、その場合は時給が3,000~5,000円程度。
複数の職場を掛け持ちしている人がほとんどです。
年収で考えると200~400万程度。
仕事をどれだけ請け負っているかで、かなり差があります。
《教育機関で有効な資格》
臨床心理士/(公認心理師)
スクールカウンセラーは、臨床心理士の資格を持っている人がほとんどです。
しかしまだまだスクールカウンセラーの人数が十分いるわけではなく、機能がうまく働いているとはいえません。
十分な人員を確保するためにも今後は、国家資格である「公認心理師」もスクールカウンセラーの業務を担うことが予想されます。
5-2一般企業
社員のストレスチェックやメンタルヘルスケアを目的として、近頃は社内にカウンセリングルームを設置する企業も増えてきました。
企業内の心理カウンセラーを「職場カウンセラー」もしくは「社内カウンセラー」などと言います。
常勤でない企業で働く場合は、いくつかの企業を掛け持ちして生計を立てている方もいます。
なかには普段は人事部での業務をしつつ、カウンセリングを行うといった、常勤での雇用があるところも。給与も企業によってかなりばらつきがあります。
《一般企業で有効な資格》
メンタル士心理カウンセラー®/家族心理カウンセラー/行動心理カウンセラー/臨床心理士/公認心理師 など
「メンタル士心理カウンセラー®」は、日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)主催の心理資格です。
心理学の基礎やストレス、その症状や治療法などを学ぶ資格です。
「家族心理カウンセラー」は、日本生活環境支援協会(JLESA)主催の心理資格で、カップルや家族の問題に関する知識を身につけます。
夫婦や家族、親子関係専門のカウンセラーとして活動できます。
「行動心理カウンセラー」は、メンタル士心理カウンセラー®同様に、日本メディカル心理セラピー協会(JAAMP)が主催している資格です。
行動心理学の基礎を身につけ、施設や企業内で行動心理カウンセラーとして働く道が開けます。
03心理カウンセラーの開業
3-1ステップアップとして開業ができる
心理カウンセラーはもともと高い専門知識が必要ですが、さらに経験を積み、知識や技術を身につけることで、独立・開業することができます。
その場合、自分の相談所などを設立して個人的にクライアントを募りカウンセリングを行うだけでなく、恋愛や結婚、就職といった特定の専門分野を設けてメディアに出演したり、本を出版したりするといった様々な可能性が開けるという特徴があります。
3-2相談所を開設、またはネットで相談室の開設
心理カウンセラーが独立する場合、最初は大きく二つの方法に分けることができます。
まずひとつは、実際に相談所を開設するということ。
その場合、事務所などを借り、内装を整えるといった経費が必要になるため、開設の資金は多く必要になりますが、実際に事務所を構えていることで信用がアップし、多くのクライアントを獲得することができます。
心理カウンセラーとして独立・開業するもうひとつの方法はネットで相談室を開設するという方法です。
この方法の場合、初期費用がほとんど必要ないというのが大きな魅力。
さらに、相談は面接ではなくメールが中心となるため、自分の好きな時間に働けるといったメリットもあります。
3-3収入は不安定だけど頑張るほどに収入が上がる
独立・開業した場合、クライアントがいなければ収入はゼロということになります。
しかし、逆にクライアントが増加した場合、その相談料はすべて自分の収入となるため、人によっては年収が1000万円を超えることもあります。
心理カウンセラーとしての独立・開業は頑張れば頑張るほど収入をアップさせることができるといえるでしょう。
06心理カウンセラーを「開業」した場合の給与・年収
何年かの経験を積んだ後で、独立し開業する人もいます。元手がそれほど必要ないこともあり、比較的開業しやすい職種です。
個人で開業する場合、方法としては
・カウンセリングルームを開設する
・オンラインでカウンセリングする
・電話話し相手サービスを行う
・スクールで心理学関連の講座の講師になる
といった方法があります。
カウンセリングルームでは、1回1時間弱のカウンセリングで5,000円~10,000円程度が相場です。
電話話し相手サービスは時給800円~1,800円程度で行っている場合が多いようです。
電話話し相手サービスのサイトに登録した場合は収入の一部がサイト運営者にわたる仕組みになっています。個人で開業した場合はすべての売り上げが自分の手元に入ってきます。
何の経験もなく最初から独立開業することもできますが、すぐに仕事が軌道に乗るとは限りません。最初の収入がほとんど見込めない場合もあるでしょう。
ただ努力や戦略によって、高収入を得られる可能性も十分あります。
《個人開業で求められる資格》
メンタル士心理カウンセラー®/家族心理カウンセラー/行動心理カウンセラー/臨床心理士/公認心理師 など
臨床心理士や公認心理師はもちろん、民間の心理カウンセラーでも比較的開業しやすいでしょう。
06まとめ
平均年収は300万円から500万円程度ですが、勤務先や経験年数、専門性によって大きく変動します。
経験を積むほど収入は増加し、10年以上のキャリアで600万円以上を稼ぐ人も少なくありません。
勤務形態別では、常勤が安定収入、非常勤は変動制、フリーランスは幅広い収入分布があります。
収入アップの秘訣として、専門資格の取得、経験とスキルの向上、ネットワーク構築が挙げられます。
副業やフリーランスでは、オンラインカウンセリング、セミナー開催、執筆活動などが効果的です。
キャリアアップには専門分野の確立や継続的な学習が重要です。
心理カウンセラーの収入は、努力次第で大きく向上する可能性があります。
この講座は!プロの監修を受けています!
1992年生まれ。静岡市出身。精神科クリニック勤務と学校のスクールカウンセラーを兼任しており、普段はカウンセリングや知能検査を実施している。
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