羊毛やフェルト作品は洗濯していいの?耐水性や注意点、対処法!
羊毛やフェルト製品は、温かくて柔らかい風合いが魅力的ですが、そのデリケートさから洗濯方法に特別な注意が必要です。
特に水に濡れると、縮みや形の変化が発生しやすいため、適切なケアが求められます。
羊毛やフェルトの作品は独特の温かい質感が人気。でもちょっと気になるのがお手入れです。羊毛やフェルトは洗濯できないというイメージがありますが、実際にはどうなのでしょうか。もしうっかり洗濯をした場合、羊毛やフェルト作品は大丈夫なのでしょうか。今回は羊毛やフェルト作品の洗濯についてご紹介します。

- 目次
01羊毛の特性と水への反応
1-1羊毛素材の吸湿性と耐水性
羊毛は非常に吸湿性に優れた素材であり、湿気を効率よく取り込み、その特性がさまざまな用途で役立っています。 しかし、この吸湿性が高いという性質が、水に対する耐性にも影響を与えています。 適度な湿気を取り込むことで快適さを保てる一方、過剰な水分を吸収すると、製品の形状や風合いに悪影響を与えることがあります。 具体的に、少量の水と多量の水での羊毛の反応にはどのような違いがあるのか見ていきましょう。
少量の水での影響と耐性
少量の水に対して、羊毛は一定の耐性を持っています。 例えば、少しの汗や湿気、軽い雨にさらされた場合、羊毛はその吸湿性によって湿気を吸収し、特に目立ったダメージを受けることはありません。 このため、羊毛はアウトドアや日常的な使用にも適しており、湿度の調整や温度の保持にも役立つ素材として知られています。 さらに、羊毛には撥水効果もあるため、少量の水であれば表面で弾き、内部に浸透しないことが多いです。 例えば、軽い水滴や霧雨などは羊毛にほとんど影響を与えず、乾燥させれば元の状態に戻ります。 しかし、長時間水にさらされると次第に吸収が進み、風合いが変化する可能性があります。
多量の水にさらされた場合のリスク
一方、羊毛が多量の水にさらされた場合、その耐性は限界を迎えます。 多量の水を吸収すると、羊毛は重くなり、繊維が膨張して縮む傾向があります。 この縮みが、羊毛製品の大きなリスクとなるのです。 例えば、誤って羊毛製の衣類を洗濯機で洗ったり、長時間水に浸したりした場合、縮みや変形が起こりやすくなります。 さらに、羊毛が多量の水分を含むと、繊維同士が絡まり、フェルト化と呼ばれる状態に陥ることがあります。 フェルト化が進むと、元の柔らかい質感が失われ、硬くなってしまうため、製品の使用感や見た目に大きな影響を及ぼします。 こうしたリスクを避けるため、羊毛製品を取り扱う際には水分に対して慎重な管理が必要です。 また、乾燥のプロセスでも注意が必要です。多量の水を吸った羊毛を放置すると、カビや臭いの原因にもなりかねません。 しっかりと形を整え、直射日光を避けながら陰干しすることが推奨されます。
01フェルトの特性と洗濯に対する耐久性
1-1フェルト化による羊毛の水洗い耐性
フェルト化された羊毛は、通常の羊毛と比べると水に対して少し強い性質を持っています。 これは、フェルト化の過程で羊毛繊維が圧縮され、繊維同士が絡み合ってより密な構造になるためです。 この構造により、フェルトはある程度の水に対して耐性を持つようになります。 フェルト化が進んだ羊毛は、少々の水に濡れても縮みにくく、形状が安定しているため、日常的な使用に適した素材として知られています。 しかし、フェルトはあくまで羊毛を元にして作られたものであり、強い水流や長時間の浸水には弱い傾向があります。 フェルト製品を洗濯する際は、適切な方法を選ぶことで、素材を長持ちさせ、変形や損傷を防ぐことが可能です。 洗濯機での取り扱い方法や手洗いとの比較について詳しく解説していきます。
洗濯機での取り扱いとその注意点
フェルト製品を洗濯機で洗うことは可能ですが、いくつかの注意点を守る必要があります。 まず、洗濯機を使用する場合は、「手洗いモード」や「デリケートモード」など、柔らかい水流に設定することが重要です。 これにより、フェルト製品が洗濯中に過度に揺れたり圧力を受けたりするのを防ぎ、形状の崩れや繊維の摩耗を最小限に抑えられます。 さらに、洗濯機を使用する際には、できるだけ短時間で洗濯を終えることが理想です。 フェルトは水分を含むと重くなり、繊維が引っ張られて伸びやすくなります。 長時間の洗濯や強いスピン脱水は避け、脱水も軽く済ませることで、製品が縮むリスクを減らすことができます。 また、洗剤についても注意が必要です。 中性洗剤やウール専用の洗剤を使用し、洗剤の量は少なめにすることが推奨されます。 洗濯後は、形を整えた状態で陰干しすることで、フェルトの縮みや変形を防ぐことができます。 直射日光は繊維にダメージを与える可能性があるため、避けた方が良いでしょう。
手洗いと洗濯機使用時の比較
フェルト製品を手洗いする場合と洗濯機で洗う場合では、それぞれにメリットとデメリットがあります。 手洗いは、最もフェルト製品に優しい方法とされています。 ぬるま湯を使い、製品を軽く押し洗いすることで、繊維を傷めることなく汚れを落とせます。 特にデリケートなフェルト製品や形状を保ちたい場合には、手洗いが最適です。 手洗いでは、フェルトが水分を吸いすぎないように注意しながら洗うことが重要です。 水温も高すぎないように設定し、強くこすったり絞ったりしないようにします。 また、手洗いの際には、洗濯機を使った場合と同様に、中性洗剤やウール専用の洗剤を使用するのが最良です。 一方、洗濯機を使用する場合は、時間と手間が省けるという点で利便性が高いです。 しかし、繊細なフェルト製品には適していない場合があり、強い水流や長時間の洗濯で形が崩れる可能性があります。 比較的厚手のフェルト製品や日常使いのアイテムに限って、洗濯機を利用するのが良いでしょう。
01羊毛製品を適切に洗うためのポイント
1-1手洗い時の注意事項
羊毛製品は、できるだけ手洗いで優しく洗うことが推奨されています。 機械洗いは、羊毛の繊維を傷つける可能性が高いため、縮みやフェルト化といったダメージを避けるためには、手洗いが最適です。 手洗いの際には、特に温度や洗剤の選択、洗い方に注意を払う必要があります。 これから、具体的な手洗い方法とその際の注意点について見ていきます。
適切な洗剤の選び方
羊毛製品を洗う際に最も重要なポイントのひとつが、使用する洗剤の選び方です。 羊毛は非常にデリケートな素材であり、アルカリ性の強い洗剤や漂白剤を使用すると、繊維が傷んでしまう可能性があります。 そのため、羊毛専用の洗剤や中性洗剤を使用することが基本となります。 羊毛専用洗剤は、羊毛繊維に優しい成分が含まれており、繊維を守りながら汚れを効果的に落とすことができます。 市販の中性洗剤を使用する場合でも、少量に抑えるようにしましょう。 洗剤の過剰使用は、繊維に残留しやすく、結果として羊毛の風合いを損なう原因となるため、控えめに使うことが大切です。 また、洗剤を溶かす際には、ぬるま湯を使用することが重要です。 高温の水は羊毛を縮ませる原因となるため、洗濯水の温度には十分注意しましょう。 理想的な水温は30度前後です。この温度帯は、羊毛繊維にダメージを与えることなく、汚れを効果的に落とすことができます。
洗濯後の形状保持と乾燥方法
手洗いを終えた羊毛製品は、次に乾燥の段階で正しい方法を選ばないと、縮みや変形の原因となります。 まず、手洗い後は羊毛が水分を含んで非常に重くなっているため、無理に絞らず、タオルなどを使って軽く水気を取ることが大切です。 強く絞ると、繊維が傷んでしまい、風合いが変わってしまいます。 タオルで包み込むようにして、余分な水分を吸い取らせるのが理想的です。 次に、乾燥方法にも注意が必要です。 羊毛製品は、直射日光を避け、風通しの良い場所で陰干しすることが推奨されます。 直射日光に当てると、色あせや繊維の劣化が進む可能性があるため、なるべく日陰で干すようにしましょう。 また、ハンガーにかけて干すのではなく、平らな場所に置いて乾かすことが望ましいです。 ハンガーにかけてしまうと、重さで製品が伸びてしまい、形が崩れることがあります。 さらに、乾燥中に羊毛製品の形状を整えることも重要です。 特に、セーターやカーディガンなどの衣類の場合、肩や袖部分の形を整えながら干すことで、仕上がりが美しくなります。 乾燥中に何度か形を整えることで、製品が元の形を保ったまま乾燥し、縮みや変形を防ぐことができます。
01フェルト製品の洗濯方法と注意点
1-1洗濯機を使用する場合のコツ
フェルト製品を洗濯機で洗う場合、いくつかの重要なポイントを押さえておくことで、製品の縮みや変形を防ぎつつ、清潔に保つことが可能です。 まず、洗濯機を使用する際には、フェルトの繊維が絡み合って硬くなる「フェルト化」を防ぐため、非常に慎重な設定が必要です。 洗濯時に注意すべきコツについて見ていきましょう。
短時間の洗濯と適切な水流の設定
洗濯機でフェルト製品を洗う際の最も重要なコツのひとつは、洗濯時間を短く保つことです。 長時間の洗濯はフェルトに不必要な負担をかけ、繊維が絡み合うことで製品が縮んだり、硬くなったりする原因となります。 そのため、洗濯機を使用する際には、短い洗濯時間を設定し、できるだけ早く洗濯を終わらせるようにしましょう。 さらに、水流の強さにも注意が必要です。強い水流はフェルトにダメージを与えやすいため、洗濯機の設定では「手洗いモード」や「デリケートモード」を選び、弱めの水流に調整します。 これにより、製品が摩擦や圧力を受けすぎるのを防ぎ、形状を保ちながら洗うことができます。 特に、薄手のフェルト製品や繊細なデザインが施されている場合は、強い水流によるダメージが顕著になるため、注意が必要です。 このように、洗濯時間と水流の強さを適切に設定することで、フェルト製品のダメージを最小限に抑えられますが、洗濯後のケアも非常に重要です。
洗濯後の形を整えるための方法
フェルト製品を洗濯機で洗った後、乾燥過程でも正しい方法を守ることが不可欠です。 フェルトは水分を吸収しやすく、洗濯後は非常に重くなります。 そのため、乾燥の際に製品の形状を維持するためには、いくつかの重要なステップがあります。 まず、洗濯後に強く絞らないように注意が必要です。 フェルトを絞ると、繊維が引き伸ばされて形が崩れたり、縮みが発生したりすることがあります。 代わりに、洗濯機で軽い脱水を行うか、タオルでフェルト製品を包み込むようにして、水分をやさしく押し出す方法が理想的です。 これにより、余分な水分を取り除きつつ、繊維へのダメージを最小限に抑えられます。 乾燥時には必ず平らな場所に置いて干すようにしてください。 ハンガーにかけて乾かすと、重みで製品が伸びてしまい、形が変わる原因になります。 平らな表面に置いて乾かすことで、製品の形状を保ち、縮みや伸びを防ぐことができます。 また、直射日光を避け、風通しの良い日陰で乾燥させることが重要です。 直射日光は、フェルト繊維を硬化させるだけでなく、色褪せの原因にもなるため、乾燥場所には十分注意を払いましょう。 さらに、乾燥中にフェルト製品の形を手で整えることも効果的です。 特に角や縁の部分は、洗濯後に形が崩れやすいため、手でやさしく押しながら形状を整え、元の状態に近づけるようにします。 これにより、乾燥後も製品の美しさを維持できるでしょう。 洗濯後のケアは、フェルト製品を長持ちさせるために非常に重要な工程です。 正しい乾燥方法を守ることで、製品の質感や形状を保ち、愛用のフェルト製品を長期間使用することが可能になります。
01洗濯時の注意点と頻度
1-1洗剤の選び方と使用の注意
羊毛製品の洗濯において、使用する洗剤の種類は非常に重要です。 羊毛は動物繊維であり、他の合成繊維や植物繊維とは異なるケアが求められます。 特に洗剤の成分には注意を払い、繊維を傷めず、製品の美しさを保つための適切な洗剤を選ぶことが大切です。
漂白剤や酵素入り洗剤のリスク
羊毛製品を洗濯する際、漂白剤や酵素入りの洗剤は避けるべきです。 漂白剤は、強力な化学成分を含んでおり、羊毛繊維を劣化させる可能性があります。 羊毛は、繊細なタンパク質でできており、漂白剤がこれに直接作用すると、繊維が弱まり、製品が脆くなってしまうことがあります。 特に色付きの羊毛製品に漂白剤を使用すると、色褪せや斑点が発生することもあるため、使用は厳禁です。 また、酵素入りの洗剤も羊毛には適していません。 酵素は一般的に、タンパク質を分解するために使用されますが、羊毛自体がタンパク質でできているため、酵素入り洗剤を使用すると、羊毛繊維が破壊される可能性があります。 結果として、製品が縮んだり、触感が硬くなったりする恐れがあるため、酵素成分を含まない中性洗剤や、羊毛専用の洗剤を選ぶことが推奨されます。 中性洗剤は、羊毛繊維に優しく作用し、必要最低限の成分で汚れを落とすことができます。 また、ウール専用の洗剤は、羊毛の自然な油分を保ちながら洗うため、柔らかさと風合いを維持するのに有効です。 洗剤を選ぶ際には、成分表示を確認し、適切なものを選ぶことが大切です。
羊毛製品の洗濯頻度について
羊毛製品の洗濯頻度についても、注意深く考える必要があります。 頻繁に洗濯を行うと、繊維に負担がかかり、製品が劣化しやすくなります。 羊毛は自然な抗菌性や防臭性を備えているため、頻繁に洗濯する必要がない場合が多いです。 むしろ、使用後に風通しの良い場所で陰干しするだけで、清潔さを保つことが可能です。 具体的な洗濯頻度は、製品の使用状況によって異なります。 例えば、セーターやカーディガンのような衣類は、数回の着用後に洗濯すれば十分です。 日常的に着用する場合でも、1シーズンに数回の洗濯にとどめるのが理想的です。 逆に、スカーフや手袋のようなアイテムは、皮膚に直接触れるため、もう少し頻繁に洗う必要があるかもしれません。 ただし、洗濯頻度が少ない場合でも、汚れが目立ち始めたら早めにケアすることが重要です。 汚れが繊維に長時間付着していると、洗濯しても落としにくくなるため、適切なタイミングでのケアが必要です。 軽い汚れであれば、部分洗いを行い、全体の洗濯を避けることもできます。 羊毛製品の洗濯は、頻度を抑えることがポイントです。 あまり頻繁に洗わず、必要最小限のケアを心がけることで、羊毛製品を長く美しい状態で保つことができます。
01フェルト作品の水濡れ対策
1-1水洗い可能な場合の判断基準
フェルト作品が必ずしも洗濯できないわけではありませんが、その判断には慎重さが求められます。 フェルトの種類や形状、仕上がりによって、洗濯可能かどうかが異なるため、以下のポイントを基に適切な判断を行うことが重要です。
硬い製品とやわらかい製品の対応策
フェルト作品には、硬く圧縮された製品と柔らかく仕上げられた製品があります。 硬いフェルト作品、例えばコースターやバッグなどは、比較的水濡れや洗濯に耐えやすいと言えます。 こうした硬い製品は、フェルトがしっかりと圧縮されているため、形状が安定しており、多少の水洗いにも耐えられることが多いです。 硬い製品を洗う際には、手洗いでぬるま湯を使い、優しく押し洗いする方法が適しています。 強くこすったり、もみ洗いをしたりすると、繊維が摩耗して見た目が悪くなる可能性があるため、慎重に扱うことが重要です。 また、乾燥時には形を整えた状態で平らに置いて乾かすことが推奨されます。 一方、やわらかいフェルト作品は、水に非常に敏感です。 やわらかいフェルトは、繊維同士が比較的ゆるく絡み合っているため、洗濯や水濡れによって形が崩れたり、縮んだりしやすいです。 やわらかいフェルト作品の場合は、極力水濡れを避け、汚れが気になる場合には部分的なクリーニングを行うのが良いでしょう。 水を含んだ場合は、優しく押し出すようにして水分を取り除き、乾燥時にも型崩れしないように注意が必要です。
羊毛フェルトの縮みを防ぐ方法
羊毛フェルト作品が水に濡れると、繊維が水分を吸収して膨張し、その後の乾燥過程で縮むことがあります。 これを防ぐためには、いくつかのポイントを守ることが重要です。 まず、洗濯の際には必ずぬるま湯を使用します。 熱いお湯を使うと、繊維が急激に反応して縮んでしまうため、温度管理は非常に大切です。 また、羊毛専用の中性洗剤を使用することで、繊維を傷めずに優しく洗うことができます。 洗剤を直接フェルトに付けず、あらかじめ水に溶かしてから使用することで、ムラなく洗い上げることが可能です。 次に、洗濯後の処置が重要です。 フェルト作品は、洗濯後に形を整えてから乾燥させることで、縮みを防ぐことができます。 水分を含んだフェルトは非常に柔らかくなっているため、乾燥前に慎重に形状を整え、元の形を保つように注意します。 乾燥は平らな場所で行い、ハンガーに吊るすと重みで伸びてしまうため、避けた方が良いです。 さらに、直射日光を避け、風通しの良い場所で陰干しすることが理想的です。 直射日光に当てると、繊維が硬くなったり、色褪せが進行したりするため、優しく自然に乾かすことが推奨されます。 これにより、羊毛フェルトの縮みや形崩れを最小限に抑えられます。
01羊毛の耐水性
羊毛といえば洗濯できないもの。そう考えてはいませんか?実は「羊毛は洗濯できない」というイメージには、羊毛の特徴が関係しています。
1-1羊毛は少量の水ならはじく性質がある
羊毛には、水をはじく「撥水性」という性質があります。これは羊毛についている「ラノリン」という油と関係しています。羊毛はこのラノリンに表面を覆われていますが、ラノリンはロウソクのロウに近い物質で、羊の身体を雨や乾燥、汚れなどから守る役割を持っています。
このラノリンのおかげで、羊毛は少々の水が掛かってもそれをはじくことができます。
1-2多量の水にぬれると縮んでしまう
羊毛は水だけでなく、汚れを寄せ付けない性質があり、さらに湿度などを吸い込んでくれるため、衣類などに用いられてきました。
ただし、この撥水性にも限度があります。もし羊毛の限度を超えた水がかかったり、多量の水にぬれたりした場合、羊毛は撥水しきれなかった吸い込んでしまいます。
その結果、羊毛は水にぬれると、繊維が縮んでしまいます。
02フェルト化した羊毛の水濡れに対する性質
少々の水なら耐えられるのが羊毛の特徴。では、フェルト化した羊毛の場合にはどのような性質を持っているのでしょうか。
2-1羊毛と同様に少量の水をはじく
フェルト化とは、羊毛の繊維同士が絡まって固くしまった状態になること。
といっても、フェルト化しただけで羊毛の性質がまったく変わるわけではありません。もしフェルト化した羊毛であっても撥水性は失われず、少量の水であれば撥水することができます。
2-2長時間浸したり水の量が多ければぬれる
ニードルの先に施されたぎざぎざの加工によって羊毛の繊維が絡み、フェルト化を進めるのが羊毛フェルト。
しかし、羊毛をフェルト化させるには、フェルティングニードルを使う以外にも方法があります。それが水を使う方法。羊毛を水に濡らして表面をこすり合わせることで、羊毛をフェルト化させることができます。
これはフェルト作品を作るときにも使われる方法で、滑りをよくするため、水に石けんなどを加えるのが一般的です。
ただし、石けんを加えなくても、ある程度フェルト化を進めることができます。
フェルトが長時間水につかったり、多量の水が掛かった場合にも同じことが起こります。
羊毛は縮み、繊維同士が絡みあってフェルト化が進み、その結果、羊毛全体が小さくなってしまいます。
これが羊毛が水洗いできない理由。
ただし、すでにフェルト化したものであれば、それ以上フェルト化が進まないこともあります。そのため、しっかり固められた羊毛であれば、水洗いは可能。
逆にフェルト化していても密度が低い場合、羊毛は大きく縮んでしまい、水洗いはできないということになります。
03うっかり羊毛フェルト作品を洗濯してしまったら?
羊毛フェルトで作ったアクセサリーなどをポケットに入れたままうっかり洗濯してしまった!もしそんな場合には、羊毛フェルトはどうなってしまうのでしょうか。
3-1コースターなど硬いものなら大丈夫
すでに説明したように、羊毛フェルトが洗濯に耐えられるかどうかは羊毛フェルトの密度に関係しています。
もしコースターのように、しっかり針を刺して密度を高くしたものであれば、洗濯しても問題ありません。
もちろん、固さが足りない場合や、洗濯したあとに早く乾かそうとして乾燥機やドライヤーを使った場合、急速に水分が乾燥することで羊毛フェルトが縮んでしまうことはありますが、水分を取って陰干しをして乾燥させれば、また問題なく使用することができます。ただし、羊毛は繊維が絡んでいる状態で、通常の布とは異なり伸縮性が低いのが特徴。伸縮性が低いということは、引っ張る力に弱いということ。
そのため、洗濯機に入れてしまうと、他の洗濯物に絡まって無理に引っ張られることで、破れたりちぎれたりすることが考えられます。
そのため、できるだけ洗濯機の使用は避けたほうがよいでしょう。
3-2硬いマスコット
それでは、コースターのようにしっかりと羊毛を固めたマスコットの場合にはどうでしょうか。
もしニードルを刺してきちんと羊毛がフェルト化していれば、洗濯しても見た目の支障はそれほど大きくならないはず。
ただし、この場合には洗濯後の対処も重要になります。
羊毛は水洗いしてしまうと、思ったよりも水分を吸収しやすいもの。そのため、その水分をしっかりと乾かすことが必要です。
まず、うっかり洗濯してしまった場合には、脱水前に取り出すこと。洗濯機の脱水機能は思ったよりも強い力がかかります。そのため、羊毛フェルトに無理な力が加わって型崩れしてしまうことも。
そのため、脱水前に取り出すことが大切です。
羊毛フェルトを取り出したら、柔らかいタオルに包んで、大まかに水分を取り除きましょう。力を入れすぎると羊毛フェルトが変形してしまうため、できるだけソフトに羊毛フェルトをくるむことが重要です。
次に、羊毛フェルトの形を指で整えます。もし羊毛フェルトが乾燥してしまうと、そのままの形で固まってしまうため、少し濡れている状態で形を整えましょう。
ある程度水分がなくなり、形が整ったら風通しのよい場所で陰干しします。
このとき、直射日光には注意。早くしっかり乾かしたいと太陽の当たる場所に置いてしまうと、乾燥が早く進みすぎて、羊毛フェルトが縮んでしまいます。また、日光の紫外線は羊毛の色あせの原因になることも。
そのため、羊毛フェルトを乾かすときには陰干しがおすすめです。
乾かす時間は羊毛フェルトのサイズや気温にもよりますが、二日程度の時間をかけると安心です。
このとき、もし羊毛フェルトの内部に水分が残っていると、それがカビの原因になってしまいます。
羊毛フェルトが乾燥したら、ハサミなどで毛羽立った部分をカットします。このとき、極細のフェルティングニードルで表面を浅く刺しておくと、さらに滑らかな状態を取り戻すことができます。
もしも羊毛フェルトの一か所がへこんでいるなど、目立った型崩れがある場合、その部分に羊毛を足して、成型しなおす方法もあります。
ただし、染色された羊毛フェルトの場合、洗濯をすることで色落ちしてしまうことも。複数の色の羊毛を使っている場合、それぞれの色がにじんでしまうことも考えらえます。
うっかりしたという場合以外には、洗濯機の使用は避けることをおすすめします。
3-3人形などやわらかめの作品
羊毛フェルトの中でももっとも注意しなければならないのは人形などのやわらかめの作品です。
すでに述べたように、羊毛フェルトは撥水性がありますが、多量の水分を含んで乾燥すると、縮んでサイズが小さくなってしまいます。
特に空気を含んで密度の低い柔らかい状態の場合、形の崩れが激しくなります。もしその状態になってしまうと、再び成型することは非常に困難。
そのため、柔らかい作品に関しては、うっかり水濡れしないように注意が必要です。
屋外などに持ち出す場合には、雨に濡れてしまう可能性も考えて防水スプレーなどをかけておいたほうがよいでしょう。
01まとめ
羊毛やフェルト作品はその特性上、適切なケアが必要不可欠です。
少量の水には耐性がありますが、多量の水や不適切な洗濯は縮みやフェルト化を引き起こすリスクがあります。
特に洗濯時には、専用の中性洗剤を使用し、優しく手洗いすることが推奨されます。
フェルト製品についても同様に、洗濯機を使用する際は、短時間の洗濯と適切な水流設定を守ることで、製品の劣化を防ぐことができます。
正しいケアで長く美しさを保ちましょう。
- 通信講座の諒設計アーキテクトラーニング編集部
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1-1羊毛は少量の水ならはじく性質がある
羊毛には、水をはじく「撥水性」という性質があります。これは羊毛についている「ラノリン」という油と関係しています。羊毛はこのラノリンに表面を覆われていますが、ラノリンはロウソクのロウに近い物質で、羊の身体を雨や乾燥、汚れなどから守る役割を持っています。
このラノリンのおかげで、羊毛は少々の水が掛かってもそれをはじくことができます。
1-2多量の水にぬれると縮んでしまう
羊毛は水だけでなく、汚れを寄せ付けない性質があり、さらに湿度などを吸い込んでくれるため、衣類などに用いられてきました。
ただし、この撥水性にも限度があります。もし羊毛の限度を超えた水がかかったり、多量の水にぬれたりした場合、羊毛は撥水しきれなかった吸い込んでしまいます。
その結果、羊毛は水にぬれると、繊維が縮んでしまいます。
02フェルト化した羊毛の水濡れに対する性質
少々の水なら耐えられるのが羊毛の特徴。では、フェルト化した羊毛の場合にはどのような性質を持っているのでしょうか。
2-1羊毛と同様に少量の水をはじく
フェルト化とは、羊毛の繊維同士が絡まって固くしまった状態になること。
といっても、フェルト化しただけで羊毛の性質がまったく変わるわけではありません。もしフェルト化した羊毛であっても撥水性は失われず、少量の水であれば撥水することができます。
2-2長時間浸したり水の量が多ければぬれる
ニードルの先に施されたぎざぎざの加工によって羊毛の繊維が絡み、フェルト化を進めるのが羊毛フェルト。
しかし、羊毛をフェルト化させるには、フェルティングニードルを使う以外にも方法があります。それが水を使う方法。羊毛を水に濡らして表面をこすり合わせることで、羊毛をフェルト化させることができます。
これはフェルト作品を作るときにも使われる方法で、滑りをよくするため、水に石けんなどを加えるのが一般的です。
ただし、石けんを加えなくても、ある程度フェルト化を進めることができます。
フェルトが長時間水につかったり、多量の水が掛かった場合にも同じことが起こります。
羊毛は縮み、繊維同士が絡みあってフェルト化が進み、その結果、羊毛全体が小さくなってしまいます。
これが羊毛が水洗いできない理由。
ただし、すでにフェルト化したものであれば、それ以上フェルト化が進まないこともあります。そのため、しっかり固められた羊毛であれば、水洗いは可能。
逆にフェルト化していても密度が低い場合、羊毛は大きく縮んでしまい、水洗いはできないということになります。
03うっかり羊毛フェルト作品を洗濯してしまったら?
羊毛フェルトで作ったアクセサリーなどをポケットに入れたままうっかり洗濯してしまった!もしそんな場合には、羊毛フェルトはどうなってしまうのでしょうか。
3-1コースターなど硬いものなら大丈夫
すでに説明したように、羊毛フェルトが洗濯に耐えられるかどうかは羊毛フェルトの密度に関係しています。
もしコースターのように、しっかり針を刺して密度を高くしたものであれば、洗濯しても問題ありません。
もちろん、固さが足りない場合や、洗濯したあとに早く乾かそうとして乾燥機やドライヤーを使った場合、急速に水分が乾燥することで羊毛フェルトが縮んでしまうことはありますが、水分を取って陰干しをして乾燥させれば、また問題なく使用することができます。ただし、羊毛は繊維が絡んでいる状態で、通常の布とは異なり伸縮性が低いのが特徴。伸縮性が低いということは、引っ張る力に弱いということ。
そのため、洗濯機に入れてしまうと、他の洗濯物に絡まって無理に引っ張られることで、破れたりちぎれたりすることが考えられます。
そのため、できるだけ洗濯機の使用は避けたほうがよいでしょう。
3-2硬いマスコット
それでは、コースターのようにしっかりと羊毛を固めたマスコットの場合にはどうでしょうか。
もしニードルを刺してきちんと羊毛がフェルト化していれば、洗濯しても見た目の支障はそれほど大きくならないはず。
ただし、この場合には洗濯後の対処も重要になります。
羊毛は水洗いしてしまうと、思ったよりも水分を吸収しやすいもの。そのため、その水分をしっかりと乾かすことが必要です。
まず、うっかり洗濯してしまった場合には、脱水前に取り出すこと。洗濯機の脱水機能は思ったよりも強い力がかかります。そのため、羊毛フェルトに無理な力が加わって型崩れしてしまうことも。
そのため、脱水前に取り出すことが大切です。
羊毛フェルトを取り出したら、柔らかいタオルに包んで、大まかに水分を取り除きましょう。力を入れすぎると羊毛フェルトが変形してしまうため、できるだけソフトに羊毛フェルトをくるむことが重要です。
次に、羊毛フェルトの形を指で整えます。もし羊毛フェルトが乾燥してしまうと、そのままの形で固まってしまうため、少し濡れている状態で形を整えましょう。
ある程度水分がなくなり、形が整ったら風通しのよい場所で陰干しします。
このとき、直射日光には注意。早くしっかり乾かしたいと太陽の当たる場所に置いてしまうと、乾燥が早く進みすぎて、羊毛フェルトが縮んでしまいます。また、日光の紫外線は羊毛の色あせの原因になることも。
そのため、羊毛フェルトを乾かすときには陰干しがおすすめです。
乾かす時間は羊毛フェルトのサイズや気温にもよりますが、二日程度の時間をかけると安心です。
このとき、もし羊毛フェルトの内部に水分が残っていると、それがカビの原因になってしまいます。
羊毛フェルトが乾燥したら、ハサミなどで毛羽立った部分をカットします。このとき、極細のフェルティングニードルで表面を浅く刺しておくと、さらに滑らかな状態を取り戻すことができます。
もしも羊毛フェルトの一か所がへこんでいるなど、目立った型崩れがある場合、その部分に羊毛を足して、成型しなおす方法もあります。
ただし、染色された羊毛フェルトの場合、洗濯をすることで色落ちしてしまうことも。複数の色の羊毛を使っている場合、それぞれの色がにじんでしまうことも考えらえます。
うっかりしたという場合以外には、洗濯機の使用は避けることをおすすめします。
3-3人形などやわらかめの作品
羊毛フェルトの中でももっとも注意しなければならないのは人形などのやわらかめの作品です。
すでに述べたように、羊毛フェルトは撥水性がありますが、多量の水分を含んで乾燥すると、縮んでサイズが小さくなってしまいます。
特に空気を含んで密度の低い柔らかい状態の場合、形の崩れが激しくなります。もしその状態になってしまうと、再び成型することは非常に困難。
そのため、柔らかい作品に関しては、うっかり水濡れしないように注意が必要です。
屋外などに持ち出す場合には、雨に濡れてしまう可能性も考えて防水スプレーなどをかけておいたほうがよいでしょう。
01まとめ
羊毛やフェルト作品はその特性上、適切なケアが必要不可欠です。
少量の水には耐性がありますが、多量の水や不適切な洗濯は縮みやフェルト化を引き起こすリスクがあります。
特に洗濯時には、専用の中性洗剤を使用し、優しく手洗いすることが推奨されます。
フェルト製品についても同様に、洗濯機を使用する際は、短時間の洗濯と適切な水流設定を守ることで、製品の劣化を防ぐことができます。
正しいケアで長く美しさを保ちましょう。
- 通信講座の諒設計アーキテクトラーニング編集部
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2-1羊毛と同様に少量の水をはじく
フェルト化とは、羊毛の繊維同士が絡まって固くしまった状態になること。
といっても、フェルト化しただけで羊毛の性質がまったく変わるわけではありません。もしフェルト化した羊毛であっても撥水性は失われず、少量の水であれば撥水することができます。
2-2長時間浸したり水の量が多ければぬれる
ニードルの先に施されたぎざぎざの加工によって羊毛の繊維が絡み、フェルト化を進めるのが羊毛フェルト。
しかし、羊毛をフェルト化させるには、フェルティングニードルを使う以外にも方法があります。それが水を使う方法。羊毛を水に濡らして表面をこすり合わせることで、羊毛をフェルト化させることができます。
これはフェルト作品を作るときにも使われる方法で、滑りをよくするため、水に石けんなどを加えるのが一般的です。
ただし、石けんを加えなくても、ある程度フェルト化を進めることができます。
フェルトが長時間水につかったり、多量の水が掛かった場合にも同じことが起こります。
羊毛は縮み、繊維同士が絡みあってフェルト化が進み、その結果、羊毛全体が小さくなってしまいます。
これが羊毛が水洗いできない理由。
ただし、すでにフェルト化したものであれば、それ以上フェルト化が進まないこともあります。そのため、しっかり固められた羊毛であれば、水洗いは可能。
逆にフェルト化していても密度が低い場合、羊毛は大きく縮んでしまい、水洗いはできないということになります。
03うっかり羊毛フェルト作品を洗濯してしまったら?
羊毛フェルトで作ったアクセサリーなどをポケットに入れたままうっかり洗濯してしまった!もしそんな場合には、羊毛フェルトはどうなってしまうのでしょうか。
3-1コースターなど硬いものなら大丈夫
すでに説明したように、羊毛フェルトが洗濯に耐えられるかどうかは羊毛フェルトの密度に関係しています。
もしコースターのように、しっかり針を刺して密度を高くしたものであれば、洗濯しても問題ありません。
もちろん、固さが足りない場合や、洗濯したあとに早く乾かそうとして乾燥機やドライヤーを使った場合、急速に水分が乾燥することで羊毛フェルトが縮んでしまうことはありますが、水分を取って陰干しをして乾燥させれば、また問題なく使用することができます。ただし、羊毛は繊維が絡んでいる状態で、通常の布とは異なり伸縮性が低いのが特徴。伸縮性が低いということは、引っ張る力に弱いということ。
そのため、洗濯機に入れてしまうと、他の洗濯物に絡まって無理に引っ張られることで、破れたりちぎれたりすることが考えられます。
そのため、できるだけ洗濯機の使用は避けたほうがよいでしょう。
3-2硬いマスコット
それでは、コースターのようにしっかりと羊毛を固めたマスコットの場合にはどうでしょうか。
もしニードルを刺してきちんと羊毛がフェルト化していれば、洗濯しても見た目の支障はそれほど大きくならないはず。
ただし、この場合には洗濯後の対処も重要になります。
羊毛は水洗いしてしまうと、思ったよりも水分を吸収しやすいもの。そのため、その水分をしっかりと乾かすことが必要です。
まず、うっかり洗濯してしまった場合には、脱水前に取り出すこと。洗濯機の脱水機能は思ったよりも強い力がかかります。そのため、羊毛フェルトに無理な力が加わって型崩れしてしまうことも。
そのため、脱水前に取り出すことが大切です。
羊毛フェルトを取り出したら、柔らかいタオルに包んで、大まかに水分を取り除きましょう。力を入れすぎると羊毛フェルトが変形してしまうため、できるだけソフトに羊毛フェルトをくるむことが重要です。
次に、羊毛フェルトの形を指で整えます。もし羊毛フェルトが乾燥してしまうと、そのままの形で固まってしまうため、少し濡れている状態で形を整えましょう。
ある程度水分がなくなり、形が整ったら風通しのよい場所で陰干しします。
このとき、直射日光には注意。早くしっかり乾かしたいと太陽の当たる場所に置いてしまうと、乾燥が早く進みすぎて、羊毛フェルトが縮んでしまいます。また、日光の紫外線は羊毛の色あせの原因になることも。
そのため、羊毛フェルトを乾かすときには陰干しがおすすめです。
乾かす時間は羊毛フェルトのサイズや気温にもよりますが、二日程度の時間をかけると安心です。
このとき、もし羊毛フェルトの内部に水分が残っていると、それがカビの原因になってしまいます。
羊毛フェルトが乾燥したら、ハサミなどで毛羽立った部分をカットします。このとき、極細のフェルティングニードルで表面を浅く刺しておくと、さらに滑らかな状態を取り戻すことができます。
もしも羊毛フェルトの一か所がへこんでいるなど、目立った型崩れがある場合、その部分に羊毛を足して、成型しなおす方法もあります。
ただし、染色された羊毛フェルトの場合、洗濯をすることで色落ちしてしまうことも。複数の色の羊毛を使っている場合、それぞれの色がにじんでしまうことも考えらえます。
うっかりしたという場合以外には、洗濯機の使用は避けることをおすすめします。
3-3人形などやわらかめの作品
羊毛フェルトの中でももっとも注意しなければならないのは人形などのやわらかめの作品です。
すでに述べたように、羊毛フェルトは撥水性がありますが、多量の水分を含んで乾燥すると、縮んでサイズが小さくなってしまいます。
特に空気を含んで密度の低い柔らかい状態の場合、形の崩れが激しくなります。もしその状態になってしまうと、再び成型することは非常に困難。
そのため、柔らかい作品に関しては、うっかり水濡れしないように注意が必要です。
屋外などに持ち出す場合には、雨に濡れてしまう可能性も考えて防水スプレーなどをかけておいたほうがよいでしょう。
01まとめ
羊毛やフェルト作品はその特性上、適切なケアが必要不可欠です。
少量の水には耐性がありますが、多量の水や不適切な洗濯は縮みやフェルト化を引き起こすリスクがあります。
特に洗濯時には、専用の中性洗剤を使用し、優しく手洗いすることが推奨されます。
フェルト製品についても同様に、洗濯機を使用する際は、短時間の洗濯と適切な水流設定を守ることで、製品の劣化を防ぐことができます。
正しいケアで長く美しさを保ちましょう。
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3-1コースターなど硬いものなら大丈夫
すでに説明したように、羊毛フェルトが洗濯に耐えられるかどうかは羊毛フェルトの密度に関係しています。
もしコースターのように、しっかり針を刺して密度を高くしたものであれば、洗濯しても問題ありません。
もちろん、固さが足りない場合や、洗濯したあとに早く乾かそうとして乾燥機やドライヤーを使った場合、急速に水分が乾燥することで羊毛フェルトが縮んでしまうことはありますが、水分を取って陰干しをして乾燥させれば、また問題なく使用することができます。ただし、羊毛は繊維が絡んでいる状態で、通常の布とは異なり伸縮性が低いのが特徴。伸縮性が低いということは、引っ張る力に弱いということ。
そのため、洗濯機に入れてしまうと、他の洗濯物に絡まって無理に引っ張られることで、破れたりちぎれたりすることが考えられます。
そのため、できるだけ洗濯機の使用は避けたほうがよいでしょう。
3-2硬いマスコット
それでは、コースターのようにしっかりと羊毛を固めたマスコットの場合にはどうでしょうか。
もしニードルを刺してきちんと羊毛がフェルト化していれば、洗濯しても見た目の支障はそれほど大きくならないはず。
ただし、この場合には洗濯後の対処も重要になります。
羊毛は水洗いしてしまうと、思ったよりも水分を吸収しやすいもの。そのため、その水分をしっかりと乾かすことが必要です。
まず、うっかり洗濯してしまった場合には、脱水前に取り出すこと。洗濯機の脱水機能は思ったよりも強い力がかかります。そのため、羊毛フェルトに無理な力が加わって型崩れしてしまうことも。
そのため、脱水前に取り出すことが大切です。
羊毛フェルトを取り出したら、柔らかいタオルに包んで、大まかに水分を取り除きましょう。力を入れすぎると羊毛フェルトが変形してしまうため、できるだけソフトに羊毛フェルトをくるむことが重要です。
次に、羊毛フェルトの形を指で整えます。もし羊毛フェルトが乾燥してしまうと、そのままの形で固まってしまうため、少し濡れている状態で形を整えましょう。
ある程度水分がなくなり、形が整ったら風通しのよい場所で陰干しします。
このとき、直射日光には注意。早くしっかり乾かしたいと太陽の当たる場所に置いてしまうと、乾燥が早く進みすぎて、羊毛フェルトが縮んでしまいます。また、日光の紫外線は羊毛の色あせの原因になることも。
そのため、羊毛フェルトを乾かすときには陰干しがおすすめです。
乾かす時間は羊毛フェルトのサイズや気温にもよりますが、二日程度の時間をかけると安心です。
このとき、もし羊毛フェルトの内部に水分が残っていると、それがカビの原因になってしまいます。
羊毛フェルトが乾燥したら、ハサミなどで毛羽立った部分をカットします。このとき、極細のフェルティングニードルで表面を浅く刺しておくと、さらに滑らかな状態を取り戻すことができます。
もしも羊毛フェルトの一か所がへこんでいるなど、目立った型崩れがある場合、その部分に羊毛を足して、成型しなおす方法もあります。
ただし、染色された羊毛フェルトの場合、洗濯をすることで色落ちしてしまうことも。複数の色の羊毛を使っている場合、それぞれの色がにじんでしまうことも考えらえます。
うっかりしたという場合以外には、洗濯機の使用は避けることをおすすめします。
3-3人形などやわらかめの作品
羊毛フェルトの中でももっとも注意しなければならないのは人形などのやわらかめの作品です。
すでに述べたように、羊毛フェルトは撥水性がありますが、多量の水分を含んで乾燥すると、縮んでサイズが小さくなってしまいます。
特に空気を含んで密度の低い柔らかい状態の場合、形の崩れが激しくなります。もしその状態になってしまうと、再び成型することは非常に困難。
そのため、柔らかい作品に関しては、うっかり水濡れしないように注意が必要です。
屋外などに持ち出す場合には、雨に濡れてしまう可能性も考えて防水スプレーなどをかけておいたほうがよいでしょう。
01まとめ
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