実用ボールペン字資格の種類と取得メリットとは?
取得方法も解説!
「実用ボールペン字資格ってどんなもの?」
「実用ボールペン字の資格があるとどういうときに役立つの?」
パソコン入力が多くなってきた今、なぜあえてボールペン字資格取得を目指したり、ボールペン字を習う人が多いのでしょうか?
それは、大切な時ほど手書きが重視され、書いた文字が人に見られるからです。
文字がうまくかけずに、人前で恥ずかしい思いをしたことがある方もいるのではないでしょうか。
ボールペン字の資格取得には、実は知られていないメリットがあります。
特に、公的な資格は認知度も高く、さまざまな優遇もあります。
ここでは、ボールペン字資格取得のメリットと、資格取得の方法をご紹介します。
1. 実用ボールペン字に資格があるの?
最初に実用ボールペン字は今とても人気があり、耳にすることも多いのではないでしょうか?
実用ボールペン字を練習することで得られるものは、美文字だけではありません。
実はいくつかの検定があり、種類によっては持っていると、さまざまな優遇がある資格もあります。
ここでは4つのボールペン字試験や検定を詳しく解説します。
1-1一般財団法人日本書写技能検定協会「硬筆書写技能検定」
「硬筆書写技能検定」は唯一、文部科学省後援の検定試験です。
文字を書くだけでなく文字の筆順や漢字の字体・文字の歴史など、理論的な問題も出されるため、ただ字が上手というだけでは取得できない資格です。
受験資格は特に定められておらず、誰でも受験できます。
検定用教材の販売もしているため、独学での受験も可能です。
協会主催で有料の地区講習会(東京・大阪・名古屋・福岡)において、実技の解説や添削を受けられます。
また、年1回3日間の日程で行われる東京夏季大講習会でも、講師からみっちりと指導してもらうチャンスがあります。
難易度の高い級を目指す方は、一度試してみてもいいかもしれません。
主催団体 | 一般財団法人日本書写技能検定協会 |
---|---|
受験資格 | 特になし |
検定日 | 年3回 |
検定料 |
1級:6,500円 準1級:5,000円 2級:3,500円 準2級:3,000円 3級:2,500円 4級:1,500円 5級:1,200円 6級:900円 |
受験会場 | 全国48か所(令和2年度第3回の場合) |
1~6級まで、全部で8つの級が設定されており、どの級からでも受けられます。
それぞれのレベルを確認し、自分に合った級を選択しましょう。
各級のレベルと合格点は、以下になります。
レベル | 検定時間 | 合格点 | |
---|---|---|---|
1級 | 大学生・一般社会人程度 | 90分 |
実技 535点以上(600点満点) 理論 315点以上(400点満点) |
準1級 | 高校生・大学生・一般社会人程度 | 90分 |
実技 515点以上(600点満点) 理論 305点以上(400点満点) |
2級 | 高校生・大学生・一般社会人程度 時間) | 90分 |
実技 475点以上(600点満点) 理論 295点以上(400点満点) |
準2級 | 高校生・大学生・一般社会人程度 | 90分 |
実技 445点以上(600点満点) 理論 285点以上(400点満点) |
3級 | 中学・高校生程度 | 70分 |
実技 415点以上(600点満点) 理論 275点以上(400点満点) |
4級 | 中学・高校生程度 | 60分 | 実技・理論合わせて460点以上(700点満点) |
5級 | 小学3年生以上程度 | 50分 | 実技・理論合わせて295点以上(500点満点) |
6級 | 小学1〜3年生くらいまでの低学年程度 | 30分 | 実技 235点以上(400点満点) |
1~3級の場合、実技・理論別々に合否判定が出ます。
片方のみ合格した場合、次回受験時に合格した科目は免除される「準登録制度」があります。
1-2公益財団法人日本書道教育学会「全国ペン硬筆検定試験」
公益財団法人日本書道教育学会の「全国ペン硬筆検定試験」は、昭和56年から実施されている歴史ある試験です。
最高位の師範から司教・助教の資格を取得できる「資格認定試験」と、学習を始めたばかりの人向けの「実力認定試験」の2種類からなります。
実力認定試験では不合格はなく、成績により上級・中級・初級に認定されます。
主催団体 | 公益財団法人日本書道教育学会 |
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受験資格 |
文部科学省認定書道またはペン習字通信 教育講座受講生・同修了生、本会会員、書学院在学生・同卒業生、一般の書道またはペン習字学習者。 ただし、資格認定試験は18歳以上。 |
検定日 | 師範・司教:年1回(5月)、助教:年2回(5・11月) |
検定料 |
師範:14,500円 司教:10,500円 助教:8,000円 級位:3,500円 |
受験会場 | 師範以外は自宅での通信試験 |
受験資格に、一般の書道またはペン習字学習者とあり、一般の方でも受験できます。
依頼すれば過去問の郵送もしてもらえるため、それを基に練習するのも一つの方法です。
しかし、公益財団法人日本書道教育学会には、「ペン習字基礎講座」「ペン習字教育講座」という文部科学省認定の通信教育があります。
級位を取得するには、その講座を受講するのが一番の近道といえるでしょう。
試験は、実技・理論の両方が行われます。
さらに、最高位の師範は面接試験も追加され、厳しい審査が行われます。
合格点目安 | |
---|---|
師範 | – |
司教 | 通信教育「ペン習字教育講座」の受講生及び修了生で平均80点前後 |
助教 | 通信教育「ペン習字教育講座」の受講生及び修了生で平均77点前後 時間) |
上級 | 8割前後 |
中級 | 6割前後 |
初級 | 4割前後 |
「資格認定」で資格を取得すると、有料で免許状の交付を受けられます。
将来的に指導者として教室を持ちたいと考える人は、取得するといいでしょう。
また、通信教育を受講し師範・司教・助教に合格した人は、「生涯学習インストラクター」の資格取得のチャンスがあります。
「生涯学習インストラクター」の資格を取得すると、都道府県または市区町村の主催する学習会・公開講座等で指導補助ができたり、その他さまざまな学習会や活動への支援活動を行えるようになります。
このように「全国ペン硬筆検定試験」は、上位の資格を取得することで、仕事の幅が広がる試験です。
1-3日本書道協会技能認定制度「実用ボールペン字」
日本書道協会
5級から設定されており、順に受験できます。
最終段位は、9段です。
主催団体 | 日本書道協会 |
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受験資格 | 特になし |
検定日 | 随時 |
検定料 | 5級:3,000円(税込) |
試験会場 | 自宅 |
受験資格も特になく、決まった試験日もないため、自分のペースで受験ができます。
- ①
最初の級(5級)の課題のお手本・申請用紙を、ホームページからダウンロード - ②
提出用紙に清書できたら、日本書道協会へ郵送 - ③
合格すると、認定証が郵送される - ④
5級の免許料を振り込む - ⑤
次の課題が送られてくる
もし不合格だった場合は、認定証の代わりに、再チャレンジ用課題が送られてきます。
締切はなく、自分が満足いくまで練習して提出できるため、あせらず取り組めます。
ユーキャンの通信教育を受講していなくても、誰でも受けられる試験なので、腕試ししてみるのもいいかもしれません。
1-4日本ペン習字研究会(日ペン)「段級位認定」
日ペンの美子ちゃんで有名な、日本ペン習字研究会で認定される段級位です。
正式な名称はありませんが、日ペンのボールペン習字講座の課題を提出することで、級位・段位・師範位に認定されます。
新規10級からスタートし、最終的には師範まで取得できます。
主催団体 | 日本ペン習字研究会 |
---|---|
受験資格 | 特になし |
検定日 | 随時 |
検定料 | 講座受講中は3回まで無料 |
試験会場 | 自宅 |
講座終了後も「ペンの光」を購読することで、課題を提出し続けられます。
師範位まで取得することで、指導者への道も開けます。
2. 実用ボールペン字資格が役立つのはこんな時
ご紹介した4つの資格の中でも唯一、文部科学省後援の検定である「硬筆書写技能検定」は、取得するとさまざまなメリットがあります。
ここでは、そのメリットについてご紹介します。
2-1特定の大学・短大・高等学校・各種専門学校で入試優遇・単位認定がある
特定の大学や高校・専修学校の入試でも、点数が加算されたり、合否判定で優遇されることがあります。
また、「増加単位認定校」に指定されている高校では、2級に合格すると「書道Ⅰ」に1単位増加単位として認定されます。同様に、大学・短大・専修学校でも単位認定する学校があり、持っていて損はない資格です。
このように、高校入試からでも優遇措置があるため、若いうちからボールペン字に慣れておくのもおすすめです。
2-2指導者になれる
1級合格者は、希望すれば指導者証を交付してもらえます。
ペン字教室の指導者として、教室の開設ができます。
ボールペン字を学ぶことで、仕事の幅が広がるのは夢がありますね。
2-3履歴書に記載できる
硬筆書写技能検定は、通信教育で取得できる級位とは違い認知度もあるため、履歴書の資格欄に「文部科学省後援 硬筆書写技能検定〇級合格」の記載ができます。
たとえ記載しなくても、履歴書の文字の美しさは、それだけでアピールになります。
3. 実用ボールペン字資格の取り方
実用ボールペン字の資格は、教室に通うことでも、もちろん取得できます。
しかし、近くに教室がない方もいるでしょう。
そのような場合は、以下の方法で取得を目指せます。
3-1歯科 教材を購入して独学で取得
ボールペン字の練習書籍は、数多く販売されています。
ひとつの試験専用の書籍や、過去問題集の販売がされているものもあります。
文字の上達だけでなく、最終的に受験をするのであれば、専用書籍で練習するのがよいでしょう。
独学の場合は、専用書籍を利用したとしても、比較的安価で済ませられます。
ただし、誰かに添削してもらえるわけではなく自己判断で練習していくしかないため、資格取得のタイミングが分かりにくいかもしれません。
3-2通信教育で取得
通信教育の最大のメリットは、プロに添削してもらえることです。
客観的な視点で判断してもらえることで、より実力を身につけられます。
また、添削課題を行うことで、モチベーションを保ち続けることもできるでしょう。
「諒設計アーキテクトラーニング」でも、オリジナルのボールペン字講座を開講しています。
自宅に居ながら確実な実力を身につけられる講座で、資格取得を後押しします。
効率的に資格取得を目指したい方は、ぜひご検討ください。
4. 資格がなくても実用ボールペン字は一生の財産
履歴書や各種手続きの書類など、いまだに手書きの書類は多くあります。
そんないざというとき恥ずかしい思いをしないために、実用ボールペン字を学んでおくという方もいます。
もし、資格を取得しないとしても、実用ボールペン字を学ぶことは一生の財産となるでしょう。
じっくりと自分のペースで学ぶこともできるため、取り組みやすい内容ともいえます。
その人の心を表すとも言われる「文字」を、自信をもって人前で書けるよう、練習してみるのもいいのではないでしょうか。
5. まとめ
実用ボールペン字の資格は複数ありますが、履歴書の資格欄への記載や指導者を目指す方は、認知度もある「硬筆書写技能検定」がおすすめです。
実用ボールペン字を学ぶことで、資格を取らないまでもいざというときに困らない、美しい文字を書く力を身につけられます。
人前でも自信をもって文字を書けるようになりたい方は、実用ボールペン字を学んでみてはいかがでしょうか?