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ピラティスセラピスト

ピラティスの呼吸法とは?胸式呼吸と腹式呼吸の使い分け!

ピラティスの効果を最大限に引き出すためには、正しい呼吸法の習得が欠かせません。
ピラティスで特に重要なのが胸式呼吸ですが、ヨガで広く用いられる腹式呼吸との使い分けも効果的です。
ピラティスで重要となるのがエクササイズ中の呼吸です。この呼吸法をしっかりと身につけることがピラティスのエクササイズ効果をアップさせるポイント。では、ピラティスの呼吸方法とはどのようなものなのでしょうか。今回はピラティスの呼吸法と、注意すべきポイントについてご紹介します。

胸式呼吸のコツとは?ピラティスの呼吸法について
目次

01ピラティスにおける呼吸法の基本概念

ピラティスは、身体と心を調和させるエクササイズであり、呼吸法はその中心的な要素です。
特に胸式呼吸は、ピラティスの動作と深く結びついており、正確に理解し実践することで、トレーニングの効果を最大限に引き出せます。

ここでは、胸式呼吸の特徴と重要性、ヨガとの違いにも触れながら、ピラティスにおける呼吸法の基本的な概念理解について解説していきます。

1-1胸式呼吸の特徴と重要性

胸式呼吸は、ピラティスで特に重視される呼吸法であり、身体の特定の筋肉群を意識的に活性化するために用いられます。
この呼吸法は、横隔膜を上下に動かしながら、肋骨を広げることで行われます。

次に、胸式呼吸の具体的な役割と効果について詳しく見ていきましょう。

胸式呼吸の役割と効果

胸式呼吸は、ピラティスのエクササイズにおいて特定の筋肉をターゲットにし、体幹の安定性を高める役割を果たします。
横隔膜を上下させることで、胸郭が拡張され、肺に効率的に酸素が取り込まれます。

この酸素の供給は、筋肉に新鮮なエネルギーを提供し、疲労を軽減します。
また、胸式呼吸は、エクササイズ中の姿勢を維持するのに重要な役割を果たし、身体全体のコントロールを高めるのに有効です。

ピラティスにおける呼吸法の重要性

ピラティスでの呼吸法は、単なる呼吸動作以上のものであり、身体と心の調和を促進する鍵となります。
胸式呼吸を正しく行うことで、エクササイズの一貫性と集中力が向上し、全体的なパフォーマンスが向上します。

また、呼吸に意識を向けることで、ストレスの軽減やリラクゼーション効果も得られます。
これにより、ピラティスを通じて得られる健康効果がさらに強化されるのです。

1-2ヨガとの呼吸法の違いを理解する

ピラティスとヨガは、どちらも身体と心を結びつけるエクササイズですが、その呼吸法には明確な違いがあります。
ピラティスでは胸式呼吸が主流であるのに対し、ヨガでは腹式呼吸が一般的です。

この違いを理解することは、それぞれのエクササイズの目的や効果を最大限に活かすために重要です。
ここでは、ピラティスとヨガの呼吸法の違いと、それぞれの呼吸法が体に与える影響について詳しく見ていきましょう。

ピラティスの胸式呼吸とヨガの腹式呼吸の違い

ピラティスの胸式呼吸とヨガの腹式呼吸は、呼吸の仕方や体への作用が異なります。
胸式呼吸は、肋骨を広げることで呼吸を行い、肺の上部に酸素を取り込むことを重視します。

一方、ヨガの腹式呼吸は、腹部を膨らませることで横隔膜を下げ、肺の下部に酸素を送り込むことが目的です。
これにより、ピラティスでは体幹の安定性を高め、ヨガではリラクゼーションを促進する効果が得られます。

それぞれの呼吸法が体に与える影響

ピラティスの胸式呼吸は、体幹を安定させると同時に、姿勢を整える効果があります。
これにより、特に背中や腰の筋肉が強化され、エクササイズ中の怪我のリスクが軽減されます。
また、酸素の取り込みが効率的に行われるため、筋肉の疲労回復にも有効です。

一方、ヨガの腹式呼吸は、心を落ち着かせる効果があり、ストレスの軽減や精神的な安定をもたらします。
腹式呼吸により、内臓がマッサージされることで、消化機能の向上や内臓脂肪の燃焼効果も期待できます。

これにより、ヨガはリラックスやメンタルヘルスの向上に寄与するエクササイズとして広く知られています。

このように、ピラティスとヨガの呼吸法は、それぞれ異なる目的と効果を持っており、どちらの呼吸法を選ぶかは、個々のエクササイズの目的や身体の状態に応じて適切に選択することが重要です。

02胸式呼吸の正しい方法と実践のポイント

胸式呼吸は、ピラティスにおいて体幹を安定させるために非常に重要な役割を果たします。
正しい方法で実践することで、エクササイズの効果を最大限に引き出せます。

胸式呼吸の具体的なやり方と、それを実践する際のポイントについて詳しく解説します。

2-1胸式呼吸の具体的なやり方

胸式呼吸を正しく行うためには、呼吸の際に使用する筋肉や動きについて理解することが重要です。
胸式呼吸では、横隔膜と肋骨を意識して呼吸を行います。

ここでは、まず横隔膜を活用した呼吸法の実践方法、次に肋骨を意識した呼吸の取り方について詳しく解説していきます。

横隔膜を活用した呼吸法の実践

胸式呼吸の基本は、横隔膜を効果的に使うことにあります。
横隔膜は胸腔と腹腔を隔てる筋肉であり、呼吸を助ける重要な役割を担っています。

胸式呼吸を行う際には、吸う時に横隔膜を下げ、肺に空気を取り込みます。
この際、腹部ではなく胸部が広がることを意識してください。

呼吸を深くするために、横隔膜をしっかりと上下に動かすことが求められます。
これにより、酸素の取り込みが効率的に行われ、身体全体に新鮮な酸素が供給されます。

肋骨を意識した呼吸の取り方

胸式呼吸のもう一つの重要なポイントは、肋骨を広げることです。
呼吸を吸う際に、肋骨を外側に広げるように意識することで、肺の容量を最大限に引き出せます。

肋骨の動きに意識を集中させることで、呼吸が浅くなるのを防ぎ、より効果的な酸素供給が可能です。
特に、背中側の肋骨まで意識を向け、全方位に肋骨を広げることを目指しましょう。

この方法を習得することで、より安定した体幹と効果的なピラティスの動作が実現します。

2-2呼吸のコントロールと意識するべきポイント

胸式呼吸をマスターするためには、呼吸のリズムやコントロールが重要です。
また、正確に呼吸を行うためには、身体の感覚に敏感になる必要があります。

ここでは、吸う時間と吐く時間のバランスの取り方や、練習時に手を使って確認する方法について詳しく解説します。

吸う時間と吐く時間のバランス

呼吸のコントロールには、吸う時間と吐く時間のバランスを意識することが不可欠です。
一般的に、吸う時間よりも吐く時間を長く取ることが推奨されます。

例えば、3秒間吸ったら、6秒間かけてゆっくりと吐き出すようにします。
これにより、体内の酸素と二酸化炭素のバランスが整い、心拍数が安定します。

また、吐く時間を長くすることで、よりリラックスした状態を保つことが可能です。
これを意識して行うことで、ピラティスのエクササイズ中により深い集中力を発揮できます。

手で確認しながらの練習方法

胸式呼吸を正確に行うためには、自分の呼吸がどのように行われているかを常に確認することが重要です。
そのために、手を使って自分の胸や肋骨に触れ、呼吸の動きを確認しながら練習する方法があります。

例えば、片手を胸に、もう片方の手を腹部に置いて呼吸を行います。
この時、胸が広がり、腹部が動かないことを意識してください。

手の感覚を通じて、自分の呼吸が正確に行われているかを確認できます。
この方法は、特に初心者にとって有効であり、胸式呼吸をしっかりと身につけるための基本的なステップとなります。

これらのポイントを意識して練習することで、胸式呼吸をマスターし、ピラティスの効果を最大限に引き出せるでしょう。

03ピラティスにおける呼吸法の難しさと克服法

ピラティスは身体の動きと呼吸を統合するエクササイズですが、その中でも特に胸式呼吸は初心者にとって難しい要素の一つです。
多くの人が普段の生活で腹式呼吸を行っているため、胸式呼吸への切り替えには慣れが必要です。

ここでは、初心者が胸式呼吸を習得する際に直面する難しさと、それを克服するための実践的なアドバイスについて詳しく解説します。

3-1初心者にとっての胸式呼吸の難易度

胸式呼吸は、ピラティスの基礎を形成する重要な要素ですが、初めての人には難しく感じることが少なくありません。
胸式呼吸を正しく行うには、肋骨や横隔膜を意識的に使う必要があり、普段の呼吸習慣からの変化を伴います。

初心者が直面する課題と、スムーズに胸式呼吸を習得するためのステップについて詳しく見ていきましょう。

慣れていない人が直面する課題

胸式呼吸に慣れていない人が直面する主な課題は、胸部の動きに集中することが難しい点です。
通常の呼吸では、腹部が主に動き、胸部はあまり動かないため、意識して肋骨を広げることが必要になります。

また、呼吸の深さやリズムを調整することも難しく、無意識に浅い呼吸になってしまうことが多いです。
これらの課題に対処するためには、まずは自分の呼吸パターンを認識し、胸式呼吸に必要な筋肉を意識的に使うことが重要です。

呼吸法をスムーズに身につけるためのステップ

胸式呼吸をスムーズに身につけるためには、段階的なアプローチが効果的です。
最初のステップとして、横隔膜と肋骨の動きを感じる練習から始めましょう。

鏡の前で、吸う際に胸部が広がることを確認し、手で肋骨の動きを感じ取れます。
また、深呼吸をする際に、ゆっくりと時間をかけて吸い、吐く時間を長くすることで、胸式呼吸のリズムを体に覚えさせます。

このように、意識的な練習を繰り返すことで、次第に自然な胸式呼吸が身につくでしょう。

3-2呼吸法のマスターに向けた実践的なアドバイス

胸式呼吸を習得するためには、単に呼吸を深くするだけでなく、呼吸のリズムと身体の動きを連動させることが重要です。
ピラティスのエクササイズ中に、正確な呼吸法を維持することで、トレーニングの効果を最大限に引き出せます。

ここでは、呼吸のリズムと身体の連動性に焦点を当てたアドバイスと、意識を高めるためのトレーニング方法について詳しく解説します。

呼吸のリズムと身体の連動性

胸式呼吸をマスターするためには、呼吸のリズムと身体の動きを連動させることが不可欠です。
ピラティスのエクササイズでは、吸う際に身体を伸ばし、吐く際に身体を縮める動作が多く取り入れられています。

この動きと呼吸を連動させることで、体幹の安定性が向上し、動きがスムーズになります。
例えば、背骨を伸ばす動作では吸うことで肋骨を広げ、背骨を丸める動作では吐くことで腹部を引き締めるように意識します。

このように、動作と呼吸を一致させる練習を繰り返すことで、自然と胸式呼吸を体に馴染ませることが可能です。

意識を高めるための呼吸トレーニング

胸式呼吸をさらに深めるためには、意識的な呼吸トレーニングが有効です。
まず、静かな環境で目を閉じ、呼吸に集中することから始めます。

吸う際に胸部が広がる感覚をしっかりと感じ取り、吐く際にはその広がりが自然に戻る感覚を意識します。
この練習を毎日行うことで、呼吸に対する意識が高まり、胸式呼吸がより自然なものとなります。

また、エクササイズの合間にも呼吸に集中する時間を持つことで、呼吸法の効果を最大化することが可能です。

04胸式呼吸と腹式呼吸の目的別使い分け

呼吸法には、胸式呼吸と腹式呼吸の2つの主要な種類があり、それぞれ異なる目的や効果を持っています。
これらの呼吸法を適切に使い分けることで、トレーニングや日常生活において最適な効果を得ることが可能です。

ここでは、胸式呼吸と腹式呼吸のそれぞれがどのような状況で適しているのか、またその効果について詳しく解説していきます。

4-1呼吸法の適用場面と効果的な使い方

胸式呼吸と腹式呼吸は、それぞれ異なる場面で使用されることが多く、その効果も異なります。
どのような場面でどちらの呼吸法が適しているか、具体的な使い方を解説します。

胸式呼吸が適している状況

胸式呼吸は、特に体幹の安定性が求められる場面で有効です。
例えば、ピラティスやヨガの一部のポーズでは、胸部を広げて呼吸を行うことで、背骨のサポートを強化し、姿勢を正しく保てます。

また、強度の高い運動やエクササイズでも、胸式呼吸を用いることで、体内への酸素供給を効率的に行い、筋肉への負荷を軽減することが可能です。
このように、胸式呼吸は集中力や身体の安定が必要な状況に適しています。

腹式呼吸がもたらすリラックス効果

一方、腹式呼吸はリラックス効果をもたらすため、ストレスを感じているときやリラクゼーションを目的としたヨガや瞑想に適しています。
腹式呼吸では、腹部を膨らませるように深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出すことで、副交感神経が刺激され、心拍数が低下し、リラックス状態を促進します。

この呼吸法は、睡眠前のリラックスや、緊張感を和らげる場面でも効果的です。

4-2呼吸法を活かすための目的別選択

呼吸法を正しく使い分けることで、トレーニングや日常生活におけるパフォーマンスを向上させられます。
ここでは、具体的なトレーニング内容や体調に応じた呼吸法の選び方について解説します。

トレーニング内容に応じた呼吸法の選び方

トレーニングの内容によって、適切な呼吸法を選択することが重要です。
例えば、体幹を鍛えるエクササイズでは、胸式呼吸を用いることで体幹の安定性が向上し、より効果的なトレーニングが可能となります。

一方、柔軟性を高めるストレッチやリラクゼーションを目的としたトレーニングでは、腹式呼吸を用いることで、筋肉の緊張をほぐし、柔軟性を向上させられます。
このように、トレーニングの目的に応じて呼吸法を使い分けることが大切です。

体調や精神状態に合わせた呼吸のアプローチ

体調や精神状態に応じた呼吸法の選択も、日常生活の質を高めるために重要です。
疲労感が強いときや体調が優れないときには、腹式呼吸を用いて体をリラックスさせ、回復を促進します。

また、集中力が必要な場面や精神的に不安定なときには、胸式呼吸を行うことで、心を落ち着かせ、集中力を高められます。
状況に応じて呼吸法を選び、自分の体と心の状態に最適なアプローチを取ることが、健康維持やパフォーマンス向上に繋がります。

これらの方法を実践することで、胸式呼吸と腹式呼吸を適切に使い分け、生活の質やトレーニングの効果を最大限に引き出せるでしょう。

05呼吸法をピラティスに統合する方法

ピラティスは、身体と心を統合するエクササイズであり、呼吸法はその中心的な要素です。
適切な呼吸法を実践することで、ピラティスの効果を最大限に引き出せます。

ここでは、呼吸法をどのようにピラティスのエクササイズに組み合わせ、最適化していくかについて詳しく解説します。

5-1呼吸法とエクササイズの組み合わせ

ピラティスのエクササイズは、呼吸法と密接に関連しています。
呼吸のタイミングやリズムをエクササイズに合わせることで、身体の動きがスムーズになり、トレーニングの効果が高まります。

ここでは、効果的なピラティスの動きと呼吸法のリンクについて説明し、具体的なトレーニングの実践方法を紹介します。

効果的なピラティスの動きと呼吸のリンク

ピラティスの動きと呼吸法をリンクさせることで、エクササイズの効果を最大化できます。
例えば、体幹を安定させるための「ローリング・ライク・ア・ボール」や「ハンドレッド」などのエクササイズでは、呼吸を意識的に取り入れることで、より深い筋肉の活性化が可能です。

動作中に吸う際には身体を伸ばし、吐く際には筋肉を引き締めるように意識します。
このリンクができると、ピラティスの動きがより効果的になり、エクササイズ中の集中力も向上します。

呼吸を意識したトレーニングの実践

呼吸を意識しながらピラティスを行うことは、初心者から上級者まで全てのレベルで重要です。
実際のトレーニングでは、最初に呼吸を整え、エクササイズに入る前に数回深呼吸を行うことで、心身をリラックスさせます。

そして、エクササイズ中は呼吸を止めず、常に呼吸のリズムに合わせて動作を行うように心がけます。
例えば、背骨を伸ばす動作では息を吸い、背骨を丸める動作では息を吐くといった基本的なリズムを意識することで、トレーニングがより効果的になります。

5-2ピラティスにおける呼吸の最適化

呼吸法をピラティスに統合するためには、日々の練習を通じて呼吸法を最適化することが求められます。
適切な呼吸法を習慣化することで、ピラティスの効果が持続し、日常生活にも良い影響を与えられます。

ここでは、呼吸法を習慣化するためのアプローチと、日常生活への応用方法について詳しく解説します。

呼吸法を習慣化するためのアプローチ

呼吸法を習慣化するためには、日常的に呼吸に意識を向けることが重要です。
毎日のピラティスの練習において、呼吸法を常に意識することで、次第に自然と身についていきます。

また、短時間の呼吸エクササイズを日々のルーティンに組み込むことも有効です。
例えば、朝起きた時や寝る前に深呼吸を行う習慣をつけることで、呼吸法がより自然なものとなり、ピラティスのエクササイズ中にも無理なく実践できるようになります。

日常生活への応用と持続的な効果

呼吸法をピラティスに統合することで得られる効果は、エクササイズ中にとどまりません。
日常生活においても、適切な呼吸法を実践することで、ストレスの軽減や集中力の向上が期待できます。

例えば、仕事中に緊張を感じた時には、腹式呼吸でリラックスし、集中力を高めたい時には胸式呼吸を用いるなど、状況に応じて呼吸法を使い分けることで、心身のバランスを保てます。
このように、ピラティスで習得した呼吸法を日常生活に取り入れることで、持続的な健康効果が得られるのです。

これらの方法を実践することで、ピラティスのエクササイズをより効果的にし、日常生活にも良い影響を与えられるでしょう。

01ピラティスの呼吸法とは?

ピラティスでは呼吸が非常に重要と考えられています。それでは、ピラティスの呼吸法の特徴とはどのようなものなのでしょうか。

1-1ピラティスで胸式呼吸

ピラティスで用いられる呼吸は、「胸式呼吸」と呼ばれるものです。胸式呼吸とは、簡単に言えば息を吸うときに胸を膨らませて、反対に息を吐くときには胸を縮める呼吸のやり方。
呼吸法といえば、お腹を膨らませる「腹式呼吸」が有名ですが、ピラティスではこれとは反対の胸式呼吸を用います。

1-2慣れていないと難しい

といっても、胸式呼吸は慣れていないと難しいもの。たとえばリラックスして横になり、自然に呼吸をするとどうしてもお腹が膨らむ腹式呼吸になりがちです。
また、胸式呼吸というと、呼吸が浅くなる、肺にしっかりと空気が吸い込めない、肩に力が入るといった悪いイメージを持っている方も多いはず。
そのため、意識して胸式呼吸をする機会は意外に少なくなり、結果としてどうしても慣れないうちはスムーズに呼吸を行うことが難しくなります。

1-3呼吸はピラティスの基本のひとつ

このように、最初はなかなか難しい胸式呼吸。実際にピラティスのエクササイズに挑戦している方の中でも、胸式呼吸が難しいと感じる方は少なくありません。
ピラティスのエクササイズでは、この胸式呼吸を行いながら、様々なポーズを行っていくため、さらに身体の使い方が複雑になります。また、動きだけに集中すると呼吸が腹式呼吸になったり、呼吸に集中するとどうしても動きがおろそかになったりということも起きてしまいます。
しかし、実は呼吸法はピラティスでは非常に重要と考えられているもの。
そのため、まずピラティスを行うときには、この独特の呼吸法をマスターすることが最初のステップとなります。

02ヨガの呼吸法との違い

ピラティスというと、ヨガに近いエクササイズだと考えている方も多いかもしれません。確かにピラティスとヨガはポーズなど似ている部分も多いものですが、実は根本的に大きく異なっているもの。その大きな違いのひとつが呼吸の方法です。

2-1ピラティス=胸式呼吸

すでに説明した通り、ピラティスでは胸式で呼吸を行います。
これはピラティスの目的とも深いつながりがあります。
ピラティスで重視しているのは、身体の体幹やインナーマッスルを鍛えて、姿勢改善をサポートすること。
そのときに必要なのが交感神経です。
交感神経は身体が活動的な状態になっているときに働く自律神経で、交感神経が優位になっているときには頭が冴えて、身体には緊張感がもたらされ、心身ともに活動的な状態になります。
また、筋肉を鍛えるときに働くのも交感神経。
つまり、体幹やインナーマッスルを鍛えるときには、交感神経が優位になっているのが望ましいともいえますが、ピラティスの呼吸法は胸を膨らませるだけでなく、その周囲の筋肉に刺激を与えるため交感神経が活性化、結果として、筋肉を鍛え、姿勢の改善に最適な環境を作り出します。

2-2ヨガ=腹式呼吸

一方、ヨガで行われるのは腹式呼吸。腹式呼吸は胸式呼吸とは逆に、副交感神経を刺激してリラックス効果をもたらします。
副交感神経は全身の筋肉や神経を休ませる時に働くもので、副交感神経が優位になっているときには身体は休憩モードに入っています。
実は、この状態がヨガにとっては非常に重要。というのも、もともとヨガは現在のようにエクササイズやフィットネスとして用いられるものではなく、仏教をはじめとした宗教の修行の一環である瞑想の方法として取り入れられたもの。
つまり、ヨガで重要なのは瞑想が行いやすいような状態に心身を導くことです。そのため、ヨガでは副交感神経を活性化する腹式呼吸が用いられるようになりました。

03胸式呼吸のやり方

慣れていないうちはなかなか難しい胸式呼吸。胸式呼吸はどのように行えばよいのでしょうか。

3-1呼吸でお腹を膨らませない

胸式呼吸を行うときには、まず呼吸でお腹を膨らませないという点に注意しましょう。
リラックスして呼吸をすると、どうしてもお腹が膨らんでしまうもの。
そのため、胸式呼吸を行うときにはまずお腹に手を当てて、お腹が膨らまないように気を付けましょう。

3-2横隔膜を上下させる

しかし、どれだけ注意してもどうしても腹式呼吸になってしまうという方もいらっしゃるかと思います。
そういう方の場合、まず呼吸のシステムを意識することも重要になります。
そもそも、腹式呼吸でも胸式呼吸でも、空気が入るのは肺。なぜ腹式呼吸でお腹が膨らむのかといえば、肺に入った空気が横隔膜を押し下げて、内臓を圧迫するからです。
そのため、胸式呼吸を行うときには横隔膜の動きを意識するのが効果的。まず横隔膜を意識して呼吸を行い、次に横隔膜を動かさずに呼吸してみると、どの部分に空気が入っているのかを意識することができます。

3-3肋骨を動かす

また、胸式呼吸を行うときには、肋骨を意識するという方法もあります。特に胸式呼吸を始めたときには、お腹を動かさないことに注意するあまり、十分な空気が吸いきれないということもあります。しかし、しっかり酸素を補給しなければ、せっかくのピラティスの効果も低下してしまいます。
胸式呼吸でしっかり空気を吸うためにも、肋骨は重要な役割を果たします。
肋骨を意識するときには、まず椅子に座って後ろで手を組んでみましょう。
そこでゆっくりと息を吸い込んでいきますが、そのときには肋骨の前面を開くように肩甲骨を寄せていきます。このとき、顔はやや上に向けておきます。
そうすると、肋骨の前面が開いて、腹式呼吸にならなくても自然に空気が入ってくるはず。
肋骨の前面を開くイメージができたら、次に手を前に組んで軽く背中を曲げて猫背のような姿勢を取ります。その後、背中全体をストレッチするようなイメージで息を吸い込み、吐き出していきます。
すると、肋骨の背面も広げるイメージができます。
さらに、脇腹の部分を手で押さえて、呼吸をしながら軽く身体を曲げていきます。これを左右で繰り返すと、肋骨の前後左右が伸ばされて、簡単に胸式呼吸を行うことができます。

3-4ラジオ体操の深呼吸

もしどうしても胸式呼吸ができないという方におすすめなのが「ラジオ体操」です。ラジオ体操は誰でも一度はやったことがある体操ですが、その中の深呼吸は、胸式呼吸の方法としては理想的。
胸式呼吸が苦手という人は、ラジオ体操の深呼吸を試してみるとしっかりとした呼吸ができます。

04意識するポイント

効果的な胸式呼吸を行うときには、意識したいポイントがあります。

4-1吸った倍の時間をかけて吐き出す

まず必要なのは、吸った倍の時間をかけて空気を吐き出すということ。
肺の中に空気が残ったままでは、十分な呼吸をすることができません。吸うことよりも、吐くことを意識しましょう。

4-2マスターするまで手で確認しながらおこなう

自分では胸式呼吸ができたと思っても、気を抜くと腹式呼吸になってしまうことは少なくありません。
しっかりとマスターできるまで、肋骨やお腹に手を当てて、きちんと呼吸ができているかのチェックを忘れないようにしましょう。

4-3胸式呼吸と腹式呼吸は目的に合った使い分けがポイント

胸式呼吸と腹式呼吸には、それぞれのメリットとデメリットがあります。たとえば、睡眠前に胸式呼吸を行うと、交感神経優位になってしまって逆効果。
胸式呼吸と腹式呼吸は、目的に応じて使い分けましょう。

06まとめ

ピラティスの呼吸法をマスターすることは、エクササイズの効果を最大限に引き出すために非常に重要です。
胸式呼吸と腹式呼吸を適切に使い分けることで、体幹の安定性やリラクゼーションを効果的にサポートできます。

日常生活においても、これらの呼吸法を活用することで、ストレスの軽減や集中力の向上といった持続的な健康効果が期待できるでしょう。
定期的な練習と意識的な呼吸法の実践が、より充実したピラティスの実践に繋がります。

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講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
滝本さやか 先生
ピラティスインストラクター
1981年生まれ。京都出身、福岡在住。金融業界での営業職、音楽業界でのエレクトーンインストラクターを経て、激務の果てに人生初の入院経験をした事を契機として、心身の健康を根本から作ることの大切さを知りピラティスインストラクターの世界へ。

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