石鹸の種類とは?原料や製法・特徴、洗剤との違い!
石鹸は、私たちの日常生活に欠かせない洗浄アイテムですが、その種類や製法には多様な特徴があります。
また、石鹸と洗剤は似たような役割を果たすものの、使用される原料や作られ方には大きな違いがあり、それぞれの特性を理解することが重要です。
ひとくちに「石鹸」といっても、様々な種類があります。また、石鹸の形も色々。では、これらの石鹸はどのように異なるのでしょうか。今回は石鹸の種類や製法の違いについてご紹介します。
- 目次
- 1. 石鹸の多様な種類と特徴
- 1-1. 用途に応じた石鹸の選び方
- 1-2. 洗顔用、ボディ用、手洗い用の違い
- 1-3. 形状の違いによる石鹸の特性
- 1-4. 固形石鹸、液体石鹸、泡タイプの比較
- 1-5. 原料による石鹸の違い
- 1-6. 動物性油脂と植物性油脂の比較
- 1-7. 鉱物油の特徴とその影響
- 2. 石鹸の成分と製造過程
- 2-1. 石鹸に使用される主な原料
- 2-2. 天然油脂の役割と利点
- 2-3. 苛性ソーダと苛性カリの違い
- 2-4. 石鹸の製造方法
- 2-5. 機械練り石鹸の製造工程
- 2-6. 枠練り石鹸の手作り感と特徴
- 3. 石鹸に含まれる成分の詳細
- 3-1. 石鹸の基本成分とその機能
- 3-2. 石鹸の主成分である脂肪酸塩とは
- 3-3. 添加物の影響
- 3-4. 合成洗剤とは成分が違う
- 3-5. 石鹸と合成洗剤の構成成分比較
- 4. 石鹸と洗剤の成分表示を正しく理解する
- 4-1. 石鹸の成分表示の見方
- 4-2. 石鹸に使用される成分の分類と役割
- 4-3. 合成洗剤の成分表示とその特徴
- 4-4. 界面活性剤の種類とその影響
- 5. 石鹸の製造技術と環境への影響
- 5-1. 環境に配慮した石鹸作り
- 5-2. バイオ分解性の高い成分の使用
- 5-3. 持続可能な原料の選択
- 5-4. 石鹸と合成洗剤の環境負荷の違い
- 5-5. 石鹸の廃棄物と環境への影響
- 5-6. 合成洗剤の排水と自然環境
- 6. 石鹸の種類
- 6-1. 用途別
- 6-2. 形状別
- 7. 原料の違いによる種類
- 7-1. 油脂の違い
- 7-2. 脂肪酸の違い
- 8. 石鹸の製法
- 8-1. 機械練り石鹸
- 8-2. 枠練り石鹸
- 9. 石鹸の原料
- 9-1. 天然油脂
- 9-2. アルカリ
- 10. 合成洗剤の原料
- 10-1. 石油や天然油脂
- 10-2. 複雑な化学合成を経て合成界面活性剤を作り出す
- 11. 石鹸の成分
- 11-1. 主成分
- 11-2. 添加物
- 11-3. 無添加とは
- 12. 石鹸や洗剤の成分表示
- 12-1. 石鹸も界面活性剤
- 12-2. 純石鹸分以外の界面活性剤の含有割合によって分類される
- 13. まとめ
01石鹸の多様な種類と特徴
1-1用途に応じた石鹸の選び方
石鹸は、その用途によって選び方が異なります。 顔、体、手といった使用部位に応じて適切な石鹸を選ぶことが、肌への負担を軽減し、効果的な洗浄が可能となります。 次に、それぞれの用途に適した石鹸について詳しく解説します。
洗顔用、ボディ用、手洗い用の違い
洗顔用石鹸は、顔の皮膚が体に比べて薄く、デリケートであることから、洗浄力が強すぎないマイルドな成分で作られています。 保湿成分が豊富に含まれ、乾燥しやすい顔の肌を守る役割を持ちます。 これに対し、ボディ用石鹸は、広範囲の洗浄を目的としており、体全体をすっきりと洗い上げるために、泡立ちがよく、洗浄力もやや強めです。 また、手洗い用石鹸は、日常的に頻繁に使用されることを考慮して、殺菌や抗菌効果が強化されていることが特徴です。 用途に合わせた石鹸を選ぶことが、肌の健康を保つために重要です。
1-1形状の違いによる石鹸の特性
石鹸は形状によっても特性が異なります。固形、液体、泡タイプといった形状の違いが使用感や使い勝手に影響を与えます。 ここでは、それぞれの形状の石鹸が持つ特性について解説していきます。
固形石鹸、液体石鹸、泡タイプの比較
固形石鹸は、伝統的な形状であり、比較的長持ちし、使用後にしっかり乾かすことでさらに持ちがよくなるのが特徴です。 環境にやさしく、包装も最小限に抑えられることが多いですが、使い勝手の面では液体や泡タイプに劣る場合があります。 一方、液体石鹸は、使用する際に適量を簡単に出せるため、手軽で衛生的です。 また、泡タイプの石鹸は、あらかじめ泡立てられているため、素早く洗浄が可能であり、手軽さを重視する場面で人気があります。 それぞれの形状にはメリットとデメリットがあるため、使用シーンに応じて選ぶことが重要です。
1-1原料による石鹸の違い
石鹸は、その原料によっても種類が異なります。 特に、使用される油脂や脂肪酸の種類は、石鹸の使用感や効果に大きく影響を与えます。 ここでは、動物性油脂、植物性油脂、鉱物油の違いについて詳しく見ていきましょう。
動物性油脂と植物性油脂の比較
動物性油脂を使用した石鹸は、泡立ちが良く、保湿力が高いという特徴があります。 古くから使用されており、牛脂や豚脂がその代表例です。 これに対して、植物性油脂を使用した石鹸は、軽やかな洗い心地で、肌に優しいという利点があります。 ココナッツオイルやオリーブオイルなど、天然由来の成分を使用することで、環境に配慮した選択肢としても人気です。 どちらの油脂も、それぞれの特性に応じて石鹸に違った風合いを与えるため、自分の肌質や好みに応じて選ぶことが推奨されます。
鉱物油の特徴とその影響
鉱物油は、石油由来の原料を使用して作られた石鹸に含まれることがあります。 鉱物油を使用した石鹸は、安価で大量生産が可能な一方で、環境負荷や肌への刺激が懸念されることもあります。 敏感肌の人や自然派志向の消費者にとっては、鉱物油を避けた製品を選ぶことが推奨されます。 鉱物油の使用は、石鹸のコストや使用感に影響を与えるため、購入の際には成分表をよく確認することが重要です。 これらのように、石鹸は用途、形状、原料の違いによってさまざまな特徴を持ちます。 自分に合った石鹸を選ぶためには、こうした違いを理解し、賢く選択することが大切です。
01石鹸の成分と製造過程
1-1石鹸に使用される主な原料
石鹸の品質や特性を決定づける要素の一つが、使用される原料です。 特に油脂とアルカリ性の成分が石鹸の基本となります。 これらの原料は石鹸の硬さや泡立ち、肌へのやさしさに影響を与えるため、選定が非常に重要です。 次に、石鹸作りにおける代表的な原料について掘り下げていきます。
天然油脂の役割と利点
石鹸の製造において、天然油脂は非常に重要な役割を果たします。 天然油脂には、動物性油脂(例:牛脂や豚脂)や植物性油脂(例:ココナッツオイル、オリーブオイル)があります。 動物性油脂は、豊かな泡立ちを生み出し、石鹸に滑らかさを与えます。 一方、植物性油脂は、肌にやさしい洗い心地を提供し、保湿効果が高いのが特徴です。 天然油脂を使用することで、石鹸は化学合成品にはない自然な柔らかさと優しさを持ち、敏感肌や乾燥肌の方にも適した製品を作ることができます。
苛性ソーダと苛性カリの違い
石鹸の製造において、油脂を鹸化させるためにはアルカリ成分が必要です。 苛性ソーダ(NaOH)と苛性カリ(KOH)は、代表的なアルカリ性化合物であり、それぞれ固形石鹸と液体石鹸を作る際に使用されます。 苛性ソーダは、固形石鹸に適しており、硬い石鹸を作り出すことができます。 一方、苛性カリは、より柔らかい液体石鹸やクリーム状の石鹸に適しています。 これらのアルカリ成分の選択によって、石鹸の形状や使用感が変わるため、製造時の配合が非常に重要です。
1-1石鹸の製造方法
石鹸は、製造方法によってその質感や見た目、使用感に違いが出ます。 大規模に機械で作られる石鹸もあれば、手作業に近い枠練り石鹸もあります。 製造プロセスが異なると、石鹸の硬さや香り、成分の配合に影響を与えるため、それぞれの方法について理解しておくことが大切です。
機械練り石鹸の製造工程
機械練り石鹸は、工業的な大規模生産に適した方法で製造されます。 この製法では、原料が高温で混ぜられ、その後機械によって練り上げられます。 これにより、均一で安定した品質の石鹸が大量に作られるため、コスト面でも優れています。 また、製造過程で香料や着色料などの添加物を均一に配合できるため、見た目や香りが一定で、消費者にとっても扱いやすい製品です。 しかし、一部の天然成分は高温で失われることがあるため、機械練り石鹸はその点で限界もあります。
枠練り石鹸の手作り感と特徴
枠練り石鹸は、伝統的な製法で、手作り感があり、石鹸の成分をできるだけ生かすために、低温でじっくりと時間をかけて作られます。 この方法では、原料を練り込んでから型に流し込み、冷やして固める工程を取ります。 枠練り石鹸は、天然油脂の良さを最大限に引き出し、保湿効果が高いことが特徴です。 また、製造過程での熱が少ないため、ビタミンやエッセンシャルオイルなどの有効成分が残りやすいのも利点です。 ただし、この製法は手間がかかるため、価格が高くなることが一般的です。 これらの製造方法の違いは、石鹸の最終的な品質に直接影響を与えます。 使用感や好みに応じて、機械練り石鹸と枠練り石鹸を使い分けることが推奨されます。
01石鹸に含まれる成分の詳細
1-1石鹸の基本成分とその機能
石鹸の基本成分は、洗浄力の源であり、石鹸の主な機能を支えています。 これらの成分がどのように機能し、どのように石鹸の特徴に影響を与えるのかを理解することで、石鹸選びの際に役立つ知識が得られます。 まずは、石鹸の主成分である脂肪酸塩について詳しく見ていきましょう。
石鹸の主成分である脂肪酸塩とは
石鹸を構成する基本的な要素の一つが「脂肪酸塩」です。 これは、油脂とアルカリが反応してできる物質で、洗浄力の根源です。 脂肪酸塩は、水と油を結びつけ、油脂汚れを浮かせて洗い流す働きを持っています。 具体的には、長鎖脂肪酸が結合したナトリウムやカリウムの塩が使用されており、これにより石鹸は固形や液体の形状を持ちます。 脂肪酸塩が豊富に含まれている石鹸は、泡立ちがよく、油汚れを効果的に除去できます。
添加物の影響
石鹸には、洗浄力や使用感を向上させるために、さまざまな添加物が加えられることがあります。 これらの添加物は、香りを与えたり、保湿成分を加えたり、色をつけたりすることが目的です。 例えば、グリセリンは保湿効果を高め、乾燥肌を防ぐ役割を果たします。 一方、合成香料や合成着色料は、見た目や香りを良くするために使用されますが、敏感肌の方にとっては刺激となる場合もあります。 添加物の種類と量は、石鹸の品質や安全性に大きく影響するため、成分表示を確認することが重要です。
1-1合成洗剤とは成分が違う
石鹸と合成洗剤は、いずれも汚れを落とす役割を担いますが、使用される成分には大きな違いがあります。 合成洗剤は、より強力な洗浄力を発揮する一方で、石鹸とは異なる化学成分を用いて製造されています。 ここでは、石鹸と合成洗剤の成分の違いについて詳しく解説していきます。
石鹸と合成洗剤の構成成分比較
石鹸は、主に天然由来の油脂とアルカリから作られていますが、合成洗剤は石油系化合物をベースに作られることが一般的です。 石鹸に含まれる脂肪酸塩は、自然に分解されやすいという特性を持っており、環境にやさしい製品とされています。 一方、合成洗剤は、強力な界面活性剤を含んでおり、非常に優れた洗浄力を発揮しますが、使用後の排水が環境に及ぼす影響が懸念されています。 さらに、合成洗剤には、石鹸に比べて多くの化学的な添加物が使用されており、長期的に使用する際には注意が必要です。
01石鹸と洗剤の成分表示を正しく理解する
1-1石鹸の成分表示の見方
石鹸の成分表示は、製品の性質を理解し、肌に優しいかどうかや環境への影響を考える際に重要になります。 石鹸は、主に油脂、アルカリ性化合物、添加物などの成分に分類され、それぞれが異なる役割を果たしています。 次に、石鹸に使用される成分を分類し、それぞれの役割について見ていきましょう。
石鹸に使用される成分の分類と役割
石鹸の成分は、大きく分けて主成分である脂肪酸塩、保湿や泡立ちを向上させる添加物、そして香りや色を付けるための着色料や香料に分類されます。 脂肪酸塩 石鹸の洗浄力を支える最も重要な成分であり、油脂とアルカリの反応で生成されます。 これにより、油脂汚れが水と結びついて除去される仕組みが成立します。 保湿成分 グリセリンやアロエエキスなどの成分が含まれることが多く、洗浄後の肌の乾燥を防ぐ役割を果たします。 香料・着色料 香りや見た目を向上させるために使用されるものですが、敏感肌の方はこれらの成分が刺激となる可能性があるため、注意が必要です。 成分表示を見る際には、こうした主要成分が何のために含まれているかを理解し、自分の肌や好みに合った製品を選ぶことが重要です。
1-1合成洗剤の成分表示とその特徴
合成洗剤の成分表示は、石鹸とは異なり、より複雑な化学物質が使用されています。 これらの化学成分は、洗浄力や持続力を高めるために特別に設計されていますが、環境や肌への影響についても考慮する必要があります。 ここでは、合成洗剤における界面活性剤の種類とその影響について詳しく見ていきます。
界面活性剤の種類とその影響
合成洗剤の最も重要な成分の一つが界面活性剤です。 界面活性剤は、水と油を結びつけ、汚れを浮かせて洗い流す働きをします。 界面活性剤は、大きく4つのタイプに分類され、それぞれが異なる特性を持っています。 陰イオン界面活性剤 洗浄力が強く、主に洗濯用洗剤や食器用洗剤に使用されます。 しかし、強力な洗浄力のため、肌に刺激を与える場合があります。 陽イオン界面活性剤 抗菌作用を持ち、柔軟剤やヘアコンディショナーに使用されることが多いですが、洗浄力は比較的弱いです。 非イオン界面活性剤 泡立ちが少なく、洗浄力もマイルドであるため、肌にやさしい洗剤やクレンザーに使用されます。 両性界面活性剤 用途に応じて性質が変わり、洗浄力と肌へのやさしさのバランスが取れているため、シャンプーやボディソープに広く使用されています。 界面活性剤は、洗剤の性能を大きく左右する成分であり、選択する製品の洗浄力や肌への影響を考慮する上で重要なポイントとなります。 成分表示を確認し、どの界面活性剤が使用されているかを理解することで、用途に適した製品を選ぶことが可能です。 石鹸や合成洗剤を選ぶ際には、成分表示をよく確認し、自分の肌質や環境への影響を考慮して選択することが大切です。 それぞれの成分が果たす役割を理解することで、より安全で効果的な製品を手に入れることができるでしょう。
01石鹸の製造技術と環境への影響
1-1環境に配慮した石鹸作り
環境に優しい石鹸作りには、さまざまな工夫が施されています。 特に、バイオ分解性が高く、自然に優しい成分の使用や、持続可能な原料の選択がポイントとなります。 これらの要素がどのように石鹸の製造に影響し、環境への配慮が行われているのかを詳しく解説します。
バイオ分解性の高い成分の使用
バイオ分解性とは、製品が自然環境に戻る際に、微生物によって分解されやすい性質を指します。 バイオ分解性の高い成分を使用した石鹸は、使用後の排水が自然環境に放出された際に、速やかに分解されるため、環境への負荷が少なくなります。 例えば、天然由来の脂肪酸塩やグリセリンなどが代表的な成分です。 これらの成分は、生態系に悪影響を与えることなく、水質汚染のリスクを低減するため、環境保護の観点から重要な要素とされています。
持続可能な原料の選択
持続可能な原料の選択も、環境に配慮した石鹸作りには欠かせません。 これは、再生可能な資源や環境に優しい栽培方法で得られた原料を使用することを意味します。 例えば、オーガニック栽培された植物性油脂や、パーム油の持続可能な調達を保証する認証制度(RSPO認証)を取得した原料の使用などが挙げられます。 こうした原料の選択は、製品の製造過程における環境負荷を軽減し、将来の資源枯渇を防ぐために重要です。
1-1石鹸と合成洗剤の環境負荷の違い
石鹸と合成洗剤はどちらも洗浄剤として使用されていますが、それぞれが環境に与える影響には大きな違いがあります。 成分や製造過程の違いにより、廃棄物や排水の処理方法が異なり、それが環境負荷の差につながります。 ここでは、石鹸と合成洗剤の環境負荷の違いを具体的に比較していきます。
石鹸の廃棄物と環境への影響
石鹸は、天然由来の成分が多く使用されているため、使用後に廃棄された際、自然界で分解されやすい特徴があります。 特に、バイオ分解性の高い成分が使用されている石鹸は、環境中で速やかに分解され、土壌や水質に対して悪影響を及ぼすリスクが低いとされています。 さらに、石鹸は合成化学物質を使用しないことが多いため、廃棄物として環境に残留することがほとんどありません。 これにより、石鹸は比較的環境に優しい製品といえます。
合成洗剤の排水と自然環境
一方で、合成洗剤は石油由来の化学成分や強力な界面活性剤が使用されているため、使用後の排水が自然環境に与える影響が大きくなることがあります。 合成界面活性剤は、自然界で分解されにくく、長期間残留することがあり、水質汚染や生態系への影響が懸念されています。 特に、排水が河川や海洋に流れ込むと、魚類やその他の生物に悪影響を与える可能性が高いです。 合成洗剤の使用量や排水処理方法には注意が必要であり、環境負荷を軽減するためには、自然由来の洗浄剤の利用を検討することが求められています。 このように、石鹸と合成洗剤の環境への影響には大きな違いがあります。 環境に配慮した選択を行うことで、日常生活における環境保護に貢献できます。
01石鹸の種類
石鹸の種類は、大きく用途と形によって区別することができます。
1-1用途別
石鹸の種類を区別するひとつの目安が用途によって分けること。
まず石鹸の中で多いのが「化粧石鹸」と呼ばれるもの。化粧石鹸とは、身体や顔を洗うための石鹸で、日本の法律では化粧品として扱われていることから化粧石鹸と呼ばれています。
化粧石鹸と同じく、よく見かけるのが「薬用石鹸」。薬用せっけんは、殺菌や消毒を目的にした石鹸で、身体や食器、ふきんなどを殺菌・消毒するために用いられます。なお、この薬用石鹸は法律的には医薬部外品として扱われています。
そのほかの石鹸には、手洗い用の固形石鹸や洗濯機用の粉石鹸といった洗濯用石鹸、食器洗いや食品に使用する台所用石鹸などがあります。
さらに石鹸の中には、ペット用や海外から輸入されたものなど、日本の法律では扱えないものもあります。これらはひとまとめにされて「雑貨石鹸」と呼ばれています。手作りしたハンドメイド石鹸も、この雑貨石鹸に含まれます。
1-2形状別
石鹸を区別するもうひとつの方法が、形によって分けること。
石鹸は製造段階によって使用するアルカリによって、固まりやすさが変化するもの。そのため、出来上がりの形や溶けやすさなども異なります。
石鹸といったとき、まず頭に浮かぶのが固形石鹸。固形石鹸はアルカリに水酸化ナトリウムを使用したもので、ナトリウム石鹸と呼ばれることもあります。このナトリウム石鹸を使いやすいサイズに成型したものが固形石鹸。この固形石鹸の中には業務用の大きなものもあります。
この固形石鹸を一回分として薄く加工した紙石鹸と呼ばれるものも販売されています。
一方、アルカリに水酸化カリウムを使用したカリ石鹸は常温でも柔らかくなるのが特徴。このカリ石鹸に水を加えたものが液体石鹸です。
液体石鹸はハンドソープやボディソープに使用され、ゲル状や泡状の形で使われることもあります。
02原料の違いによる種類
石鹸は形や用途だけでなく、使用する原料によっても大きく異なったものになります。
2-1油脂の違い
石鹸の主成分となるのが動植物の油脂。この油脂にどのようなものを使用するかによって、石鹸の特徴に違いが生まれます。
たとえば、石鹸によく使用されるヤシ油の場合、泡立ちがよく、高い洗浄力が特徴。ただし、乾燥しやすい、刺激が強いといったデメリットがあります。
一方、オリーブオイルを使用する場合、泡立ちはヤシ油に劣りますが、洗浄力は同等。さらに、刺激が低いため、肌に優しい石鹸になります。
もっと肌に優しい石鹸の場合、牛脂が使用されることも。牛脂というと、石鹸の原料というイメージはありませんが、きめ細かい泡が生まれ、さらに人間の皮脂と成分構成が近いため、しっとりとした洗いあがりの石鹸になります。
2-2脂肪酸の違い
石鹸は製法によっては、油脂ではなく脂肪酸を直接反応させるものもあります。その場合、脂肪酸の種類によって石鹸の特徴も異なります。
たとえば、ヤシ油などに含まれるラウリン酸は、冷水でも溶けやすく洗浄力の高い石鹸に。その他、オレイン酸の場合は麻が細かい、パルミチン酸の場合は泡の持続力が長いといったように、それぞれの特性を利用して石鹸が作られます。
03石鹸の製法
石鹸を作るためには様々な方法があり、その方法によってもメリットやデメリットが生まれます。
3-1機械練り石鹸
「機械練り石鹸」とは、文字通り機械で練った石鹸のこと。
この機械練り石鹸の場合、中和法という方法で石鹸が作られます。中和法とは、石鹸に使用する油脂をあらかじめ脂肪酸とグリセリンというふたつの成分に分離させておくのが特徴です。その中から脂肪酸だけを取り出し、アルカリと反応させることで石鹸を作る方法。
そのため、機械練り石鹸の場合には短時間で形のよい石鹸を大量に生産することができます。また、溶けにくいので型崩れしにくく、長期間使えるのが機械練り石鹸の特徴です。
ただし、機械練り石鹸にはいくつかのデメリットがあります。まず、機械練り石鹸の場合添加物が加えられていることが多いということ。特に機械練り石鹸では、添加物が表記されないこともあるのが大きなデメリットです。
というのも機械練り石鹸の場合、あらかじめ油脂に化学物質を添加しておくと、成分表には添加物ではなく「石鹸素地」として表示されるため、パッケージの成分表示からは添加物が入っているかどうかを読み取ることができません。
そのため、天然の石鹸ではなく、合成の界面活性剤が含まれている複合石鹸であるケースも少なくありません。
もちろん、すべての添加物が悪いわけではありませんが、添加物に注意したい、肌荒れしやすいといった人の場合には、機械練り石鹸を使うときには注意したほうがよいかもしれません。
3-2枠練り石鹸
機械練り石鹸に対するもうひとつの製法が「枠練り石鹸」と呼ばれるものです。
枠練り石鹸にはいくつかの作り方があります。
まずもっとも伝統的な製造法が釜炊き鹸化法というもの。釜炊き鹸化法はホットプロセス、バッチ法とも呼ばれるもので、釜に入れた原料の油脂とアルカリを加熱しながらかき混ぜて、反応を起こして石鹸を作る方法です。
釜炊き鹸化法には、さらにふたつの種類があり、ひとつが反応によって得られた石鹸ニカワを石鹸素地とグリセリン、不純物に分ける「鹸化塩析法」、もうひとつが、石鹸ニカワを塩析せず、そのまま石鹸として仕上げる「焚き込み法」です。
「鹸化塩析法」の場合、最終的な仕上げをする前に何度も石鹸ニカワを塩水で洗って不純物を取り除くため、純度の高い石鹸を得ることができます。
一方の「焚き込み法」の場合、塩水で洗うことをしないため、出来上がった石鹸には石鹸素地だけでなく、グリセリンや反応しなかった油脂、不純物も残ったまま。
つまり、純度が低い石鹸ということになりますが、これらの不純物が保湿剤の働きをすることもあり、結果的に肌に優しい石鹸になります。
この「焚き込み法」は、家庭で作る場合や、小規模に作られる石鹸の作り方として一般的です。
また、アルカリに苛性カリを使用した石鹸では、液状のまま固まらないため塩水で洗うことができません。そのため、液体石鹸を作る場合には「焚き込み法」が用いられるのが一般的です。
石鹸の作り方には、「冷製法」と呼ばれるものもあります。
「冷製法」は「コールドプロセス」とも呼ばれている作り方で、油脂にアルカリを加えて混ぜたあと、熱を加えない方法です。
「冷製法」では、油脂とアルカリが反応をする熱だけで石鹸ニカワを作る方法で、家庭でも簡単に行うことができます。
この「冷製法」も、石鹸ニカワを塩水で洗わずに仕上げるため、石鹸の純度は高くはありません。
しかし、すでに説明したように、石鹸に残った不純物が肌にとってプラスに働くことも。
そのため、未反応の油脂を多く残すように石鹸を作り、洗浄力をマイルドに仕上げることもあります。
これらの枠練り石鹸は、大量生産はできませんが、無添加の石鹸を作れるという点がメリットですが、機械練り石鹸に比べると、泡立ちがよくない、価格が高くなるというのがデメリットです。
01石鹸の原料
石鹸の原料がどのようなものか説明できる人は少ないかもしれません。実は石鹸は、非常にシンプルな原料で出来ています。
1-1天然油脂
石鹸を作るためにまず欠かせないのが、天然油脂です。天然油脂とは、天然の脂肪酸とグリセリンが結合したもの。
天然油脂というと、ちょっと難しく馴染みのないもののように思えるかもしれませんが、簡単に言えば「油」のことです。
油とひとくちにいっても様々な種類がありますが、石鹸にも様々な油が使われています。たとえば牛脂、豚脂、オリーブオイル、大豆油、パーム核油、綿実油、ココナッツオイルなど。
このように石鹸には動植物から取れる様々な脂が使われています。
といっても、どのような油でもよいというわけではありません。もし適さない油で石鹸を作った場合、溶けにくく、洗浄力が低いものができてしまいます。そのため、石鹸を作るためには、石鹸に適した油を選ぶことが重要になります。
1-2アルカリ
石鹸を作るために必要なもうひとつの原料は「アルカリ」です。このアルカリと油脂が反応を起こすことで、普段使っている石鹸が誕生します。
アルカリには苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)や苛性カリ(水酸化カリウム)などが使われることが一般的。
このアルカリと油脂を組み合わせることにより、石鹸の泡立ち、洗浄力、溶解性、使用感などを調整することができます。
つまり、石鹸を作るときには、油とアルカリの組み合わせを選ぶことが必要です。といっても、油脂とアルカリの組み合わせは無限大にあるため、まずは色やにおいが悪くならないものを選ぶとよいでしょう。
02合成洗剤の原料
スーパーやドラッグストアで販売されているシャンプーやボディソープ、衣類用の洗剤の中には、「合成洗剤」と呼ばれるものもあります。ではこの合成洗剤はどのような原料が使われているのでしょうか。
2-1石油や天然油脂
合成洗剤の基本的な原料となるのは石油です。もともと合成洗剤は第一次世界大戦中、油脂が欠乏したことによって石鹸が作れなくなったとき、石油を原料として開発されたもの。それが第二次大戦後、石油が増産、電気洗濯機が普及したことなどにより、石油による合成洗剤は世界中に広がりました。
合成洗剤の中には、石油だけでなく、天然油脂を加えて作られるものもあります。
2-2複雑な化学合成を経て合成界面活性剤を作り出す
合成洗剤を製造するときは、石油に様々な加工を加えます。このとき、化学的に複雑な合成が行われることから、日本では合成洗剤と呼ばれるようになりました。
合成洗剤は大量生産が可能で値段が安い、安定的に使えるといったメリットがある反面、肌へのダメージが大きく、環境に与える負荷が高いといったデメリットもあります。
03石鹸の成分
石鹸の原料は油脂とアルカリ。その組み合わせで生まれた石鹸にはどんな成分が含まれているのでしょうか。
3-1主成分
石鹸の主成分は脂肪酸とアルカリを反応させたもの。石鹸の最初の原料であることから「石鹸素地」と呼ばれることがあります。
この石鹸素地は、原料が動物性か植物性かなどによって特徴が変わります。
3-2添加物
石鹸には、用途や特徴に応じて、様々な添加物が加えられることがあります。
添加物といえば、なんだか身体に悪いというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、たとえば、石鹸で重視される保湿成分も添加物のひとつ。保湿成分を加えたいときには、グリセリンや蜂蜜、植物性オイルなどが用いられます。
また、石鹸の中には「薬用石鹸」と呼ばれるものもあります。
薬用石鹸には、肌の殺菌を目的にしたものや、肌荒れを防止する目的のものがあり、それに応じて添加物が加えられます。
肌の殺菌を目的にしたものの場合であれば、ベンザルコニウム塩やトリクロサンなどの殺菌剤が、肌荒れ防止を目的にしたものの場合には、肌の炎症を抑える消炎剤が添加されます。
3-3無添加とは
一方、石鹸の中には「無添加」と呼ばれるものもあります。無添加石鹸とは、文字通り「添加物を含んでいない」というもののことですが、実際は同じ無添加でも、様々な種類があります。
たとえば、「完全無添加」の石鹸。完全無添加は、あらゆる添加物を一切含まない石鹸で、純石鹸などが代表的な存在です。
一方、界面活性剤や合成洗剤など化学的な成分を含まない「化学成分無添加」というものもあります。先ほど説明したように、添加物の中には化学物質だけでなく、肌に優しい成分の者も含まれています。
化学成分無添加の石鹸の場合、合成成分は含まず、美容成分や保湿成分が含まれているため、肌トラブルを防ぐことに役立ちます。
04石鹸や洗剤の成分表示
石鹸や洗剤には様々な種類があるため、どれを選んでいいのか分からないという場合があります。そんなときに役立つのが、パッケージなどに記載されている成分表示です。
4-1石鹸も界面活性剤
できるだけ肌にナチュラルなものを選びたいと考えている方の中には、「界面活性剤が含まれているものがいい」と思っている人も多いかもしれません。
しかし、ここでちょっとした注意が必要なのは、そもそも石鹸も界面活性剤だということ。
界面活性剤とは、水と油を混ぜ合わせる働きのある物質のことで、この働きがなければ汚れを落とすことができません。
4-2純石鹸分以外の界面活性剤の含有割合によって分類される
石鹸も界面活性剤のひとつだとすれば、石鹸選びをするときに何を基準にすればよいのでしょうか。
実は界面活性剤には、石鹸に由来するものと、そうではないものがあります。
つまり、石鹸や洗剤の種類は、純石鹸以外の界面活性剤の含有割合によって分類されるということになります。
このとき、純石鹸以外の界面活性剤を使用していない製品だけが「石鹸」と呼ばれます。
もし、純石鹸以外の界面活性剤が使用されている場合、それらは正確には「石鹸ではない」ということになります。
ここで重要なのが、純石鹸以外の界面活性剤がどれぐらい使用されているかということ。もし、純石鹸以外の界面活性剤が30パーセント以上使用されている場合、それは「複合石鹸」と呼ばれます。
また、純石鹸以外の界面活性剤の使用割合が30パーセントを越えている場合、その製品は「合成洗剤」ということになります。
実はボディソープやシャンプーなど、スーパーやドラッグストアなどで市販されているものの多くがこの「複合石鹸」または「合成洗剤」です。
もちろん、複合石鹸や合成洗剤にもメリットはありますが、お肌にナチュラルなものを使いたい、石鹸にもこだわりたいという場合には、きちんとパッケージの成分表示を確認することが必要といえるでしょう。
なお、台所用洗剤の場合には、界面活性剤の割合が40パーセント以上のものが「合成洗剤」と呼ばれています。
さらに界面活性剤には「陽イオン界面活性剤」「非イオン界面活性剤」などの種類があり、洗濯用の洗剤の場合には酵素や蛍光増白剤、漂白剤といった補助剤が含まれていることもあります。
01まとめ
石鹸の成分や製法には多くの種類があり、それぞれの特徴を理解することで、自分に最適な石鹸を選ぶことができます。
天然由来の成分を使用した石鹸や、用途に応じた石鹸の選び方を知ることで、肌や環境への負担を軽減することが可能です。
また、石鹸と合成洗剤の違いを知ることで、日常生活での選択がより賢明なものになるでしょう。
製品選びの際には成分表示を確認し、環境と肌に優しい選択を心がけましょう。
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講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
あめお 先生
手作り石鹸教室講師
住宅設計・アクセサリーデザインなど幅広い”作る”仕事を経て、日本初の手作り石鹸専門スタジオ「手作り石鹸教室Ciao*soap(チャオソープ)」を2014年に東京都練馬区に開設。
石鹸の原料をより深く理解するために”シニアオイルソムリエ”を取得、スペインでの石鹸作りディプロマも持つ。
教室の受講者数は2023年11月現在で述べ16000名を超える。
現在は、石鹸作り指導の枠を飛び出して、企業へのレシピ提供なども行う。
2022年にスタジオを東京都墨田区へ移転し、「化粧品製造販売業」許可取得。
80,000人以上が受講申し込みしている諒設計アーキテクトラーニングの通信講座
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1-1用途別
石鹸の種類を区別するひとつの目安が用途によって分けること。
まず石鹸の中で多いのが「化粧石鹸」と呼ばれるもの。化粧石鹸とは、身体や顔を洗うための石鹸で、日本の法律では化粧品として扱われていることから化粧石鹸と呼ばれています。
化粧石鹸と同じく、よく見かけるのが「薬用石鹸」。薬用せっけんは、殺菌や消毒を目的にした石鹸で、身体や食器、ふきんなどを殺菌・消毒するために用いられます。なお、この薬用石鹸は法律的には医薬部外品として扱われています。
そのほかの石鹸には、手洗い用の固形石鹸や洗濯機用の粉石鹸といった洗濯用石鹸、食器洗いや食品に使用する台所用石鹸などがあります。
さらに石鹸の中には、ペット用や海外から輸入されたものなど、日本の法律では扱えないものもあります。これらはひとまとめにされて「雑貨石鹸」と呼ばれています。手作りしたハンドメイド石鹸も、この雑貨石鹸に含まれます。
1-2形状別
石鹸を区別するもうひとつの方法が、形によって分けること。
石鹸は製造段階によって使用するアルカリによって、固まりやすさが変化するもの。そのため、出来上がりの形や溶けやすさなども異なります。
石鹸といったとき、まず頭に浮かぶのが固形石鹸。固形石鹸はアルカリに水酸化ナトリウムを使用したもので、ナトリウム石鹸と呼ばれることもあります。このナトリウム石鹸を使いやすいサイズに成型したものが固形石鹸。この固形石鹸の中には業務用の大きなものもあります。
この固形石鹸を一回分として薄く加工した紙石鹸と呼ばれるものも販売されています。
一方、アルカリに水酸化カリウムを使用したカリ石鹸は常温でも柔らかくなるのが特徴。このカリ石鹸に水を加えたものが液体石鹸です。
液体石鹸はハンドソープやボディソープに使用され、ゲル状や泡状の形で使われることもあります。
2-1油脂の違い
石鹸の主成分となるのが動植物の油脂。この油脂にどのようなものを使用するかによって、石鹸の特徴に違いが生まれます。
たとえば、石鹸によく使用されるヤシ油の場合、泡立ちがよく、高い洗浄力が特徴。ただし、乾燥しやすい、刺激が強いといったデメリットがあります。
一方、オリーブオイルを使用する場合、泡立ちはヤシ油に劣りますが、洗浄力は同等。さらに、刺激が低いため、肌に優しい石鹸になります。
もっと肌に優しい石鹸の場合、牛脂が使用されることも。牛脂というと、石鹸の原料というイメージはありませんが、きめ細かい泡が生まれ、さらに人間の皮脂と成分構成が近いため、しっとりとした洗いあがりの石鹸になります。
2-2脂肪酸の違い
石鹸は製法によっては、油脂ではなく脂肪酸を直接反応させるものもあります。その場合、脂肪酸の種類によって石鹸の特徴も異なります。
たとえば、ヤシ油などに含まれるラウリン酸は、冷水でも溶けやすく洗浄力の高い石鹸に。その他、オレイン酸の場合は麻が細かい、パルミチン酸の場合は泡の持続力が長いといったように、それぞれの特性を利用して石鹸が作られます。
03石鹸の製法
石鹸を作るためには様々な方法があり、その方法によってもメリットやデメリットが生まれます。
3-1機械練り石鹸
「機械練り石鹸」とは、文字通り機械で練った石鹸のこと。
この機械練り石鹸の場合、中和法という方法で石鹸が作られます。中和法とは、石鹸に使用する油脂をあらかじめ脂肪酸とグリセリンというふたつの成分に分離させておくのが特徴です。その中から脂肪酸だけを取り出し、アルカリと反応させることで石鹸を作る方法。
そのため、機械練り石鹸の場合には短時間で形のよい石鹸を大量に生産することができます。また、溶けにくいので型崩れしにくく、長期間使えるのが機械練り石鹸の特徴です。
ただし、機械練り石鹸にはいくつかのデメリットがあります。まず、機械練り石鹸の場合添加物が加えられていることが多いということ。特に機械練り石鹸では、添加物が表記されないこともあるのが大きなデメリットです。
というのも機械練り石鹸の場合、あらかじめ油脂に化学物質を添加しておくと、成分表には添加物ではなく「石鹸素地」として表示されるため、パッケージの成分表示からは添加物が入っているかどうかを読み取ることができません。
そのため、天然の石鹸ではなく、合成の界面活性剤が含まれている複合石鹸であるケースも少なくありません。
もちろん、すべての添加物が悪いわけではありませんが、添加物に注意したい、肌荒れしやすいといった人の場合には、機械練り石鹸を使うときには注意したほうがよいかもしれません。
3-2枠練り石鹸
機械練り石鹸に対するもうひとつの製法が「枠練り石鹸」と呼ばれるものです。
枠練り石鹸にはいくつかの作り方があります。
まずもっとも伝統的な製造法が釜炊き鹸化法というもの。釜炊き鹸化法はホットプロセス、バッチ法とも呼ばれるもので、釜に入れた原料の油脂とアルカリを加熱しながらかき混ぜて、反応を起こして石鹸を作る方法です。
釜炊き鹸化法には、さらにふたつの種類があり、ひとつが反応によって得られた石鹸ニカワを石鹸素地とグリセリン、不純物に分ける「鹸化塩析法」、もうひとつが、石鹸ニカワを塩析せず、そのまま石鹸として仕上げる「焚き込み法」です。
「鹸化塩析法」の場合、最終的な仕上げをする前に何度も石鹸ニカワを塩水で洗って不純物を取り除くため、純度の高い石鹸を得ることができます。
一方の「焚き込み法」の場合、塩水で洗うことをしないため、出来上がった石鹸には石鹸素地だけでなく、グリセリンや反応しなかった油脂、不純物も残ったまま。
つまり、純度が低い石鹸ということになりますが、これらの不純物が保湿剤の働きをすることもあり、結果的に肌に優しい石鹸になります。
この「焚き込み法」は、家庭で作る場合や、小規模に作られる石鹸の作り方として一般的です。
また、アルカリに苛性カリを使用した石鹸では、液状のまま固まらないため塩水で洗うことができません。そのため、液体石鹸を作る場合には「焚き込み法」が用いられるのが一般的です。
石鹸の作り方には、「冷製法」と呼ばれるものもあります。
「冷製法」は「コールドプロセス」とも呼ばれている作り方で、油脂にアルカリを加えて混ぜたあと、熱を加えない方法です。
「冷製法」では、油脂とアルカリが反応をする熱だけで石鹸ニカワを作る方法で、家庭でも簡単に行うことができます。
この「冷製法」も、石鹸ニカワを塩水で洗わずに仕上げるため、石鹸の純度は高くはありません。
しかし、すでに説明したように、石鹸に残った不純物が肌にとってプラスに働くことも。
そのため、未反応の油脂を多く残すように石鹸を作り、洗浄力をマイルドに仕上げることもあります。
これらの枠練り石鹸は、大量生産はできませんが、無添加の石鹸を作れるという点がメリットですが、機械練り石鹸に比べると、泡立ちがよくない、価格が高くなるというのがデメリットです。
01石鹸の原料
石鹸の原料がどのようなものか説明できる人は少ないかもしれません。実は石鹸は、非常にシンプルな原料で出来ています。
1-1天然油脂
石鹸を作るためにまず欠かせないのが、天然油脂です。天然油脂とは、天然の脂肪酸とグリセリンが結合したもの。
天然油脂というと、ちょっと難しく馴染みのないもののように思えるかもしれませんが、簡単に言えば「油」のことです。
油とひとくちにいっても様々な種類がありますが、石鹸にも様々な油が使われています。たとえば牛脂、豚脂、オリーブオイル、大豆油、パーム核油、綿実油、ココナッツオイルなど。
このように石鹸には動植物から取れる様々な脂が使われています。
といっても、どのような油でもよいというわけではありません。もし適さない油で石鹸を作った場合、溶けにくく、洗浄力が低いものができてしまいます。そのため、石鹸を作るためには、石鹸に適した油を選ぶことが重要になります。
1-2アルカリ
石鹸を作るために必要なもうひとつの原料は「アルカリ」です。このアルカリと油脂が反応を起こすことで、普段使っている石鹸が誕生します。
アルカリには苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)や苛性カリ(水酸化カリウム)などが使われることが一般的。
このアルカリと油脂を組み合わせることにより、石鹸の泡立ち、洗浄力、溶解性、使用感などを調整することができます。
つまり、石鹸を作るときには、油とアルカリの組み合わせを選ぶことが必要です。といっても、油脂とアルカリの組み合わせは無限大にあるため、まずは色やにおいが悪くならないものを選ぶとよいでしょう。
02合成洗剤の原料
スーパーやドラッグストアで販売されているシャンプーやボディソープ、衣類用の洗剤の中には、「合成洗剤」と呼ばれるものもあります。ではこの合成洗剤はどのような原料が使われているのでしょうか。
2-1石油や天然油脂
合成洗剤の基本的な原料となるのは石油です。もともと合成洗剤は第一次世界大戦中、油脂が欠乏したことによって石鹸が作れなくなったとき、石油を原料として開発されたもの。それが第二次大戦後、石油が増産、電気洗濯機が普及したことなどにより、石油による合成洗剤は世界中に広がりました。
合成洗剤の中には、石油だけでなく、天然油脂を加えて作られるものもあります。
2-2複雑な化学合成を経て合成界面活性剤を作り出す
合成洗剤を製造するときは、石油に様々な加工を加えます。このとき、化学的に複雑な合成が行われることから、日本では合成洗剤と呼ばれるようになりました。
合成洗剤は大量生産が可能で値段が安い、安定的に使えるといったメリットがある反面、肌へのダメージが大きく、環境に与える負荷が高いといったデメリットもあります。
3-1機械練り石鹸
「機械練り石鹸」とは、文字通り機械で練った石鹸のこと。
この機械練り石鹸の場合、中和法という方法で石鹸が作られます。中和法とは、石鹸に使用する油脂をあらかじめ脂肪酸とグリセリンというふたつの成分に分離させておくのが特徴です。その中から脂肪酸だけを取り出し、アルカリと反応させることで石鹸を作る方法。
そのため、機械練り石鹸の場合には短時間で形のよい石鹸を大量に生産することができます。また、溶けにくいので型崩れしにくく、長期間使えるのが機械練り石鹸の特徴です。
ただし、機械練り石鹸にはいくつかのデメリットがあります。まず、機械練り石鹸の場合添加物が加えられていることが多いということ。特に機械練り石鹸では、添加物が表記されないこともあるのが大きなデメリットです。
というのも機械練り石鹸の場合、あらかじめ油脂に化学物質を添加しておくと、成分表には添加物ではなく「石鹸素地」として表示されるため、パッケージの成分表示からは添加物が入っているかどうかを読み取ることができません。
そのため、天然の石鹸ではなく、合成の界面活性剤が含まれている複合石鹸であるケースも少なくありません。
もちろん、すべての添加物が悪いわけではありませんが、添加物に注意したい、肌荒れしやすいといった人の場合には、機械練り石鹸を使うときには注意したほうがよいかもしれません。
3-2枠練り石鹸
機械練り石鹸に対するもうひとつの製法が「枠練り石鹸」と呼ばれるものです。
枠練り石鹸にはいくつかの作り方があります。
まずもっとも伝統的な製造法が釜炊き鹸化法というもの。釜炊き鹸化法はホットプロセス、バッチ法とも呼ばれるもので、釜に入れた原料の油脂とアルカリを加熱しながらかき混ぜて、反応を起こして石鹸を作る方法です。
釜炊き鹸化法には、さらにふたつの種類があり、ひとつが反応によって得られた石鹸ニカワを石鹸素地とグリセリン、不純物に分ける「鹸化塩析法」、もうひとつが、石鹸ニカワを塩析せず、そのまま石鹸として仕上げる「焚き込み法」です。
「鹸化塩析法」の場合、最終的な仕上げをする前に何度も石鹸ニカワを塩水で洗って不純物を取り除くため、純度の高い石鹸を得ることができます。
一方の「焚き込み法」の場合、塩水で洗うことをしないため、出来上がった石鹸には石鹸素地だけでなく、グリセリンや反応しなかった油脂、不純物も残ったまま。
つまり、純度が低い石鹸ということになりますが、これらの不純物が保湿剤の働きをすることもあり、結果的に肌に優しい石鹸になります。
この「焚き込み法」は、家庭で作る場合や、小規模に作られる石鹸の作り方として一般的です。
また、アルカリに苛性カリを使用した石鹸では、液状のまま固まらないため塩水で洗うことができません。そのため、液体石鹸を作る場合には「焚き込み法」が用いられるのが一般的です。
石鹸の作り方には、「冷製法」と呼ばれるものもあります。
「冷製法」は「コールドプロセス」とも呼ばれている作り方で、油脂にアルカリを加えて混ぜたあと、熱を加えない方法です。
「冷製法」では、油脂とアルカリが反応をする熱だけで石鹸ニカワを作る方法で、家庭でも簡単に行うことができます。
この「冷製法」も、石鹸ニカワを塩水で洗わずに仕上げるため、石鹸の純度は高くはありません。
しかし、すでに説明したように、石鹸に残った不純物が肌にとってプラスに働くことも。
そのため、未反応の油脂を多く残すように石鹸を作り、洗浄力をマイルドに仕上げることもあります。
これらの枠練り石鹸は、大量生産はできませんが、無添加の石鹸を作れるという点がメリットですが、機械練り石鹸に比べると、泡立ちがよくない、価格が高くなるというのがデメリットです。
1-1天然油脂
石鹸を作るためにまず欠かせないのが、天然油脂です。天然油脂とは、天然の脂肪酸とグリセリンが結合したもの。
天然油脂というと、ちょっと難しく馴染みのないもののように思えるかもしれませんが、簡単に言えば「油」のことです。
油とひとくちにいっても様々な種類がありますが、石鹸にも様々な油が使われています。たとえば牛脂、豚脂、オリーブオイル、大豆油、パーム核油、綿実油、ココナッツオイルなど。
このように石鹸には動植物から取れる様々な脂が使われています。
といっても、どのような油でもよいというわけではありません。もし適さない油で石鹸を作った場合、溶けにくく、洗浄力が低いものができてしまいます。そのため、石鹸を作るためには、石鹸に適した油を選ぶことが重要になります。
1-2アルカリ
石鹸を作るために必要なもうひとつの原料は「アルカリ」です。このアルカリと油脂が反応を起こすことで、普段使っている石鹸が誕生します。
アルカリには苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)や苛性カリ(水酸化カリウム)などが使われることが一般的。
このアルカリと油脂を組み合わせることにより、石鹸の泡立ち、洗浄力、溶解性、使用感などを調整することができます。
つまり、石鹸を作るときには、油とアルカリの組み合わせを選ぶことが必要です。といっても、油脂とアルカリの組み合わせは無限大にあるため、まずは色やにおいが悪くならないものを選ぶとよいでしょう。
02合成洗剤の原料
スーパーやドラッグストアで販売されているシャンプーやボディソープ、衣類用の洗剤の中には、「合成洗剤」と呼ばれるものもあります。ではこの合成洗剤はどのような原料が使われているのでしょうか。
2-1石油や天然油脂
合成洗剤の基本的な原料となるのは石油です。もともと合成洗剤は第一次世界大戦中、油脂が欠乏したことによって石鹸が作れなくなったとき、石油を原料として開発されたもの。それが第二次大戦後、石油が増産、電気洗濯機が普及したことなどにより、石油による合成洗剤は世界中に広がりました。
合成洗剤の中には、石油だけでなく、天然油脂を加えて作られるものもあります。
2-2複雑な化学合成を経て合成界面活性剤を作り出す
合成洗剤を製造するときは、石油に様々な加工を加えます。このとき、化学的に複雑な合成が行われることから、日本では合成洗剤と呼ばれるようになりました。
合成洗剤は大量生産が可能で値段が安い、安定的に使えるといったメリットがある反面、肌へのダメージが大きく、環境に与える負荷が高いといったデメリットもあります。
2-1石油や天然油脂
合成洗剤の基本的な原料となるのは石油です。もともと合成洗剤は第一次世界大戦中、油脂が欠乏したことによって石鹸が作れなくなったとき、石油を原料として開発されたもの。それが第二次大戦後、石油が増産、電気洗濯機が普及したことなどにより、石油による合成洗剤は世界中に広がりました。
合成洗剤の中には、石油だけでなく、天然油脂を加えて作られるものもあります。
2-2複雑な化学合成を経て合成界面活性剤を作り出す
合成洗剤を製造するときは、石油に様々な加工を加えます。このとき、化学的に複雑な合成が行われることから、日本では合成洗剤と呼ばれるようになりました。
合成洗剤は大量生産が可能で値段が安い、安定的に使えるといったメリットがある反面、肌へのダメージが大きく、環境に与える負荷が高いといったデメリットもあります。
03石鹸の成分
石鹸の原料は油脂とアルカリ。その組み合わせで生まれた石鹸にはどんな成分が含まれているのでしょうか。
3-1主成分
石鹸の主成分は脂肪酸とアルカリを反応させたもの。石鹸の最初の原料であることから「石鹸素地」と呼ばれることがあります。
この石鹸素地は、原料が動物性か植物性かなどによって特徴が変わります。
3-2添加物
石鹸には、用途や特徴に応じて、様々な添加物が加えられることがあります。
添加物といえば、なんだか身体に悪いというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、たとえば、石鹸で重視される保湿成分も添加物のひとつ。保湿成分を加えたいときには、グリセリンや蜂蜜、植物性オイルなどが用いられます。
また、石鹸の中には「薬用石鹸」と呼ばれるものもあります。
薬用石鹸には、肌の殺菌を目的にしたものや、肌荒れを防止する目的のものがあり、それに応じて添加物が加えられます。
肌の殺菌を目的にしたものの場合であれば、ベンザルコニウム塩やトリクロサンなどの殺菌剤が、肌荒れ防止を目的にしたものの場合には、肌の炎症を抑える消炎剤が添加されます。
3-3無添加とは
一方、石鹸の中には「無添加」と呼ばれるものもあります。無添加石鹸とは、文字通り「添加物を含んでいない」というもののことですが、実際は同じ無添加でも、様々な種類があります。
たとえば、「完全無添加」の石鹸。完全無添加は、あらゆる添加物を一切含まない石鹸で、純石鹸などが代表的な存在です。
一方、界面活性剤や合成洗剤など化学的な成分を含まない「化学成分無添加」というものもあります。先ほど説明したように、添加物の中には化学物質だけでなく、肌に優しい成分の者も含まれています。
化学成分無添加の石鹸の場合、合成成分は含まず、美容成分や保湿成分が含まれているため、肌トラブルを防ぐことに役立ちます。
04石鹸や洗剤の成分表示
石鹸や洗剤には様々な種類があるため、どれを選んでいいのか分からないという場合があります。そんなときに役立つのが、パッケージなどに記載されている成分表示です。
4-1石鹸も界面活性剤
できるだけ肌にナチュラルなものを選びたいと考えている方の中には、「界面活性剤が含まれているものがいい」と思っている人も多いかもしれません。
しかし、ここでちょっとした注意が必要なのは、そもそも石鹸も界面活性剤だということ。
界面活性剤とは、水と油を混ぜ合わせる働きのある物質のことで、この働きがなければ汚れを落とすことができません。
4-2純石鹸分以外の界面活性剤の含有割合によって分類される
石鹸も界面活性剤のひとつだとすれば、石鹸選びをするときに何を基準にすればよいのでしょうか。
実は界面活性剤には、石鹸に由来するものと、そうではないものがあります。
つまり、石鹸や洗剤の種類は、純石鹸以外の界面活性剤の含有割合によって分類されるということになります。
このとき、純石鹸以外の界面活性剤を使用していない製品だけが「石鹸」と呼ばれます。
もし、純石鹸以外の界面活性剤が使用されている場合、それらは正確には「石鹸ではない」ということになります。
ここで重要なのが、純石鹸以外の界面活性剤がどれぐらい使用されているかということ。もし、純石鹸以外の界面活性剤が30パーセント以上使用されている場合、それは「複合石鹸」と呼ばれます。
また、純石鹸以外の界面活性剤の使用割合が30パーセントを越えている場合、その製品は「合成洗剤」ということになります。
実はボディソープやシャンプーなど、スーパーやドラッグストアなどで市販されているものの多くがこの「複合石鹸」または「合成洗剤」です。
もちろん、複合石鹸や合成洗剤にもメリットはありますが、お肌にナチュラルなものを使いたい、石鹸にもこだわりたいという場合には、きちんとパッケージの成分表示を確認することが必要といえるでしょう。
なお、台所用洗剤の場合には、界面活性剤の割合が40パーセント以上のものが「合成洗剤」と呼ばれています。
さらに界面活性剤には「陽イオン界面活性剤」「非イオン界面活性剤」などの種類があり、洗濯用の洗剤の場合には酵素や蛍光増白剤、漂白剤といった補助剤が含まれていることもあります。
01まとめ
石鹸の成分や製法には多くの種類があり、それぞれの特徴を理解することで、自分に最適な石鹸を選ぶことができます。
天然由来の成分を使用した石鹸や、用途に応じた石鹸の選び方を知ることで、肌や環境への負担を軽減することが可能です。
また、石鹸と合成洗剤の違いを知ることで、日常生活での選択がより賢明なものになるでしょう。
製品選びの際には成分表示を確認し、環境と肌に優しい選択を心がけましょう。
3-1主成分
石鹸の主成分は脂肪酸とアルカリを反応させたもの。石鹸の最初の原料であることから「石鹸素地」と呼ばれることがあります。
この石鹸素地は、原料が動物性か植物性かなどによって特徴が変わります。
3-2添加物
石鹸には、用途や特徴に応じて、様々な添加物が加えられることがあります。
添加物といえば、なんだか身体に悪いというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、たとえば、石鹸で重視される保湿成分も添加物のひとつ。保湿成分を加えたいときには、グリセリンや蜂蜜、植物性オイルなどが用いられます。
また、石鹸の中には「薬用石鹸」と呼ばれるものもあります。
薬用石鹸には、肌の殺菌を目的にしたものや、肌荒れを防止する目的のものがあり、それに応じて添加物が加えられます。
肌の殺菌を目的にしたものの場合であれば、ベンザルコニウム塩やトリクロサンなどの殺菌剤が、肌荒れ防止を目的にしたものの場合には、肌の炎症を抑える消炎剤が添加されます。
3-3無添加とは
一方、石鹸の中には「無添加」と呼ばれるものもあります。無添加石鹸とは、文字通り「添加物を含んでいない」というもののことですが、実際は同じ無添加でも、様々な種類があります。
たとえば、「完全無添加」の石鹸。完全無添加は、あらゆる添加物を一切含まない石鹸で、純石鹸などが代表的な存在です。
一方、界面活性剤や合成洗剤など化学的な成分を含まない「化学成分無添加」というものもあります。先ほど説明したように、添加物の中には化学物質だけでなく、肌に優しい成分の者も含まれています。
化学成分無添加の石鹸の場合、合成成分は含まず、美容成分や保湿成分が含まれているため、肌トラブルを防ぐことに役立ちます。
4-1石鹸も界面活性剤
できるだけ肌にナチュラルなものを選びたいと考えている方の中には、「界面活性剤が含まれているものがいい」と思っている人も多いかもしれません。
しかし、ここでちょっとした注意が必要なのは、そもそも石鹸も界面活性剤だということ。
界面活性剤とは、水と油を混ぜ合わせる働きのある物質のことで、この働きがなければ汚れを落とすことができません。
4-2純石鹸分以外の界面活性剤の含有割合によって分類される
石鹸も界面活性剤のひとつだとすれば、石鹸選びをするときに何を基準にすればよいのでしょうか。
実は界面活性剤には、石鹸に由来するものと、そうではないものがあります。
つまり、石鹸や洗剤の種類は、純石鹸以外の界面活性剤の含有割合によって分類されるということになります。
このとき、純石鹸以外の界面活性剤を使用していない製品だけが「石鹸」と呼ばれます。
もし、純石鹸以外の界面活性剤が使用されている場合、それらは正確には「石鹸ではない」ということになります。
ここで重要なのが、純石鹸以外の界面活性剤がどれぐらい使用されているかということ。もし、純石鹸以外の界面活性剤が30パーセント以上使用されている場合、それは「複合石鹸」と呼ばれます。
また、純石鹸以外の界面活性剤の使用割合が30パーセントを越えている場合、その製品は「合成洗剤」ということになります。
実はボディソープやシャンプーなど、スーパーやドラッグストアなどで市販されているものの多くがこの「複合石鹸」または「合成洗剤」です。
もちろん、複合石鹸や合成洗剤にもメリットはありますが、お肌にナチュラルなものを使いたい、石鹸にもこだわりたいという場合には、きちんとパッケージの成分表示を確認することが必要といえるでしょう。
なお、台所用洗剤の場合には、界面活性剤の割合が40パーセント以上のものが「合成洗剤」と呼ばれています。
さらに界面活性剤には「陽イオン界面活性剤」「非イオン界面活性剤」などの種類があり、洗濯用の洗剤の場合には酵素や蛍光増白剤、漂白剤といった補助剤が含まれていることもあります。
01まとめ
この講座は!プロの監修を受けています!
石鹸の原料をより深く理解するために”シニアオイルソムリエ”を取得、スペインでの石鹸作りディプロマも持つ。
教室の受講者数は2023年11月現在で述べ16000名を超える。
現在は、石鹸作り指導の枠を飛び出して、企業へのレシピ提供なども行う。
2022年にスタジオを東京都墨田区へ移転し、「化粧品製造販売業」許可取得。
- 石鹸の泡立ちと洗浄力の関係は?泡立ちの要因や効果的な使用方法!
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- 石鹸と合成洗剤の違いとは?関係性や界面活性剤のメリット・課題!
- 石鹸のPHは肌に影響する?肌の変化やケア方法!
- 石鹸作りに必要な材料や道具とは?服装や保護具!
- 手作り石鹸に着色する方法!素材の選び方やテクニック!
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- 手作り石鹸で使用する苛性ソーダとは?取扱いの注意点!
- 手作り石鹸で失敗する原因とは?対策や成功させるポイント!
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