刺繍アドバイザー

刺繍におすすめの生地とは？布の種類や特徴、選び方について解説

記事作成日：2024.12.04

刺繍を始める際、最も重要なポイントの一つは、適した布地を選ぶことです。
布地の種類や特徴によって、刺繍のしやすさや仕上がりが大きく異なります。
初心者にとっては扱いやすく、上級者には細かなデザインが映える布を選ぶことが、作品の完成度を高める秘訣です。
刺繍に必要な基本的なものは針と糸、そして布。そのため、刺繍は誰でも簡単に楽しめますが、それだけにこれらの道具の選び方が重要になります。特に重要になるのが布。今回は刺繍におすすめの生地や布の特徴、選び方などについてご紹介します。

目次

1. 刺繍に最適な布地を選ぶ際のポイント
1-1. 刺繍しやすい布の基本的な特徴
2. 刺繍に適した生地の種類を知る
2-1. 刺繍に向いている綿生地の特徴
2-2. シーチングの利便性とその魅力
2-3. リネンやガーゼの特徴と活用方法
3. 刺繍の種類による生地選びのコツ
3-1. 目数を数えない刺繍に最適な布
3-2. 目数を数える刺繍に必要な布の特徴
4. 刺繍用の布を選ぶ際に気をつけるべきポイント
4-1. 美しく詰まった布目の重要性
4-2. 布の厚みを的確に選択するための指針
4-3. 伸縮性が少ない布を選ぶ理由
5. 刺繍を楽しむためのおすすめ布地リスト
5-1. 初心者向けに適した布地の例
5-2. 上級者におすすめの特別な布
6. 刺繍しやすい布の特徴
7. 刺繍におすすめの生地例
8. 刺繍の種類別おすすめ生地
9. 刺繍する布の選び方と注意点
10. まとめ

01刺繍に最適な布地を選ぶ際のポイント

刺繍は、素材選びが仕上がりに大きく影響する繊細なクラフトです。刺繍する布地の選択は、糸の通り具合や仕上がりの見た目を左右するため、とても重要です。特に、初心者にとっては、どの布が最適か理解することが、スムーズな刺繍体験を可能にします。ここでは、刺繍しやすい布地の基本的な特徴と、選ぶ際に注目すべきポイントについて詳しく見ていきましょう。

1-1刺繍しやすい布の基本的な特徴

刺繍に適した布にはいくつかの特徴があります。図案を簡単に写し取れること、均等な織り目が刺しやすいこと、適切な厚さや伸縮性が少ないことなど、これらの要素が揃う布地は、より楽しく刺繍を進められます。それぞれの特徴が、どのように刺繍に影響するのかを詳しく見ていきましょう。

図案がきれいに写せる布の条件

刺繍を行う際、布に図案を写す工程は重要です。図案を正確に布に転写できるかどうかで、最終的な仕上がりが大きく変わります。図案をきれいに写せる布の条件としては、表面が滑らかで、均一な素材であることが求められます。例えば、綿やシーチングのような布地は、表面がフラットで凹凸が少なく、ペンや転写紙を使って図案をしっかりと写しやすいことが特徴です。また、薄すぎない布を選ぶことで、裏からの透けや摩擦による劣化を防ぐことができます。滑らかな表面と適度な厚みが、正確な図案の転写を可能にし、刺繍の精度を高めます。

均等な織り目がもたらす利便性

刺繍を美しく仕上げるためには、布の織り目が均等であることが大切です。織り目が均等でない布では、糸が不揃いに刺さるため、見た目にムラができやすくなります。均等な織り目は、刺繍の際に目安となり、正確なステッチを容易にする要素の一つです。特にクロスステッチなどの刺繍では、織り目がしっかりとした布を選ぶことが重要です。織り目が均一であると、糸が自然に揃い、ステッチの形が整いやすくなります。また、目数を数える刺繍でも、この均等な織り目が視覚的な道しるべとなり、精密なデザインを描く助けとなります。

厚さの適切さが刺繍に与える影響

布の厚さも、刺繍のしやすさに大きく関わります。厚すぎる布では、針を通すのに力が必要となり、手が疲れやすくなるため、初心者には難しい場合があります。一方、薄すぎる布では、刺繍が終わった際に形が崩れやすかったり、摩耗しやすかったりすることがあります。適切な厚さの布は、針がスムーズに通り、糸が布の上に美しく広がるため、刺繍全体のバランスを保つことが可能です。例えば、シーチングや中程度の厚みのリネンなどは、刺繍に適した厚さを持ち、初心者から上級者まで幅広い刺繍作品に使いやすいです。

伸縮性の少ない布が刺繍に適する理由

刺繍を行う際に、伸縮性のある布を選ぶと、仕上がりに影響が出やすくなります。伸縮性のある布は、刺繍の途中や完成後に形が変わる可能性があり、デザインが歪んでしまうことがあります。そのため、刺繍には、伸縮性の少ない布を選ぶことが理想的です。特に、図案が複雑である場合や、多くのステッチを使用する場合、伸び縮みの少ない布は、デザインの正確性を保つために必要です。伸縮性のない布を選ぶことで、刺繍のデザインが歪むことなく、長く綺麗に保たれるため、結果として完成度の高い作品を作りやすくなります。刺繍に適した布地を選ぶ際には、これらの特徴をしっかりと把握して、布の質感や構造を確認することが大切です。布の選び方次第で、刺繍の難易度や仕上がりの美しさが大きく変わるため、自分の作る作品に合った布地を選ぶことが重要です。

01刺繍に適した生地の種類を知る

刺繍において、生地選びは作品の出来栄えに直結する重要なポイントです。刺繍に適した生地にはさまざまな種類があり、それぞれの素材によって作り出す刺繍の表情や仕上がりが大きく異なります。ここでは、刺繍に適した生地の代表的な種類について、その特徴や利便性を詳しく解説していきます。

1-1刺繍に向いている綿生地の特徴

綿生地は、刺繍において最も人気が高い素材の一つです。綿の布は、丈夫で扱いやすく、刺繍の針通りも良いため、初心者から上級者まで幅広く使用されています。特に、日常的に使う刺繍作品や実用的なアイテムを作る際には、綿生地が多く選ばれます。

綿生地の耐久性と刺繍の相性

綿生地は非常に耐久性があり、刺繍をする際に何度も針を通しても布が傷みにくい特徴があります。また、刺繍後も耐久性を保ち、長期間にわたって美しい仕上がりを維持できるため、タオルやハンカチなどの日用品に刺繍する際に最適です。さらに、綿は水分の吸収性も高いため、アイロンを使った刺繍図案の転写がしやすい点も魅力です。刺繍をする際には、図案を布に正確に転写することが重要ですが、綿生地はこの工程をスムーズに進められるため、作品の精度が高まります。

綿生地の多様性と用途

綿生地はその多様性も大きな魅力です。綿にはさまざまな厚さや織り方があり、布の種類によって刺繍の仕上がりが異なります。例えば、薄手のコットンは繊細なデザインの刺繍に適しており、布地に対して軽やかなステッチを加えられます。一方で、厚手のコットンは重厚感のある刺繍を表現するのに最適です。用途に応じて綿生地の種類を選ぶことで、作品の幅が広がります。

1-1シーチングの利便性とその魅力

シーチングは、刺繍初心者からプロまで幅広く支持されている生地です。シーチングとは、綿や麻の繊維を用いたシンプルな平織りの生地で、丈夫で扱いやすいという特徴があります。この生地の利便性や魅力について詳しく見ていきましょう。

シーチングの扱いやすさと安定性

シーチングは、刺繍をする際の安定感が抜群です。織り目が比較的均等で、針を通す際に大きな力を必要としないため、長時間の刺繍作業でも手が疲れにくいという利点があります。また、糸が布地にしっかりと固定されるため、ステッチのズレが少なく、正確なデザインを保ちやすいのもポイントです。

シーチングのコストパフォーマンスと汎用性

さらに、シーチングは比較的安価で手に入るため、初心者が練習用に使用するのにも最適です。コストパフォーマンスが高いことから、大量に使用するプロジェクトや、刺繍の練習としても活用できます。また、シーチングは厚みがあり、刺繍が施された部分が目立ちやすいため、ビジュアル的なインパクトを出したい作品にも向いています。シーチングは、刺繍後も洗濯やアイロンが容易にでき、日用品としての耐久性も高いため、日常的に使用される布製品に最適な素材です。例えば、バッグやエプロン、クッションカバーなどの実用的なアイテムに刺繍を施す際には、シーチングの利便性が発揮されます。

1-1リネンやガーゼの特徴と活用方法

リネンやガーゼは、繊細でナチュラルな風合いを持つ素材で、刺繍の表現力を高めるために使われることが多い生地です。これらの生地は、それぞれの特徴に応じた用途があり、作品に独特の質感を与えます。リネンとガーゼの特徴を詳しく見ていきましょう。

リネンの特徴と刺繍での活用

リネンは、麻を原料とした生地で、しっかりとした織り目がありながらも柔らかい手触りが特徴です。リネンは通気性が良く、ナチュラルな風合いが刺繍によく合います。特に、自然素材を活かしたデザインや、シンプルなラインの刺繍にはリネンが適しています。リネンに刺繍を施すと、自然なシワ感や素朴な質感が作品に独特の魅力を加えます。また、リネンは非常に丈夫で、洗濯を繰り返しても形が崩れにくい点も刺繍におすすめです。長期的に使うアイテムや、日常的に触れる布製品にリネンを使用することで、耐久性と美しさを両立させた作品を作り出すことが可能です。

ガーゼの柔らかさと刺繍への影響

ガーゼは非常に柔らかく、軽い風合いを持つ生地です。ガーゼの繊細な構造は、刺繍作品に柔らかさと軽やかさを与えます。特に、ベビー用品や肌に直接触れるアイテムに刺繍を施す際には、ガーゼのふんわりとした質感が好まれます。ただし、ガーゼは伸縮性が高いため、刺繍を行う際には注意が必要です。ガーゼに刺繍をする際には、刺繍枠を使って布地をしっかりと固定し、布が歪まないようにすることが重要です。また、繊細な針と糸を使用して、軽やかなステッチを加えることで、ガーゼの柔らかさを活かした刺繍作品を作り上げられます。リネンやガーゼは、刺繍作品に独特の風合いと質感を与える素材です。用途やデザインに合わせてこれらの生地を選ぶことで、作品に一層の魅力を加えられます。

01刺繍の種類による生地選びのコツ

刺繍を始めるにあたって、生地選びは作品の出来栄えに大きく影響します。刺繍にはさまざまな種類があり、それぞれの技法によって適した生地が異なります。例えば、目数を数えない自由なデザインの刺繍と、目数をしっかりと数えて正確なステッチを施す刺繍では、使用する布に求められる特徴も変わってきます。刺繍の種類に応じた生地選びのポイントについて見ていきましょう。

1-1目数を数えない刺繍に最適な布

目数を数えない刺繍、いわゆるフリースタイル刺繍は、デザインの自由度が高く、複雑な図案や独創的な表現が可能です。このタイプの刺繍には、特定の目数に縛られないため、使用する生地の種類も幅広い選択肢があります。しかし、刺繍の仕上がりを美しくするためには、いくつかのポイントを考慮する必要があります。

生地の柔軟性と刺繍の表現力

目数を数えない刺繍には、柔らかく、適度な厚みを持った生地が向いています。特に、綿やリネンのような自然素材の布地は、針の通りが良く、刺繍糸がしっかりと布に固定されるため、デザインの自由度が高い刺繍に適しています。これらの生地は、図案の複雑さや色彩の鮮やかさを存分に引き出し、刺繍の表現力を高めます。一方で、シルクやサテンのような光沢のある生地は、フリースタイル刺繍の華やかさを一層際立たせる素材です。これらの生地は、特に装飾的な刺繍やアクセサリー、小物のデザインに適しています。滑らかな表面にステッチを施すことで、刺繍全体に高級感が加わり、作品のクオリティが向上します。

厚みと刺繍の立体感

フリースタイル刺繍では、布の厚さも重要な要素です。厚手の布地は、糸がしっかりと布に刺さり、立体感のある刺繍を作り出すのに向いています。厚みのある生地を使うことで、サテンステッチやフレンチノットなどの技法がより際立ち、刺繍全体がふっくらと仕上がります。逆に、薄手の布地を使用する場合は、繊細なデザインや軽やかなステッチを施すのに最適です。薄い生地は、軽やかで柔らかな印象を与え、布地と刺繍糸の繊細なコントラストが美しく引き立ちます。

1-1目数を数える刺繍に必要な布の特徴

目数を数える刺繍、例えばクロスステッチやハーダンガー刺繍では、布の目を数えながら正確にステッチを進めていくため、布の選び方が極めて重要です。この種の刺繍には、織り目が均等で、目を数えやすい布が求められます。ここでは、目数を数える刺繍に適した布の特徴について詳しく解説します。

均等な織り目がもたらす利便性

目数を数える刺繍には、織り目が正確で均等な生地が必要です。特に、アイーダ布やリネン、エタミンなどの刺繍専用布がこのタイプの刺繍には適しています。これらの生地は、織り目が大きく、目を数えやすい構造になっているため、正確なステッチを施すことが可能です。アイーダ布は特に初心者におすすめの生地で、布の織り目が大きくはっきりしているため、クロスステッチなどの技法が非常に簡単に行えます。また、アイーダ布にはさまざまな目数（織り目の大きさ）があり、刺繍のデザインに応じて適切なものを選ぶことができます。

リネンの高級感と刺繍の精度

リネンは天然素材のため、布の目が多少不揃いになることがありますが、それがかえって手作り感や温かみを生み出し、作品に高級感を与えます。リネンでの刺繍は、上級者向けとされることが多いですが、丁寧に目を数えながらステッチを進めることで、美しい仕上がりを得られます。リネンは織り目が繊細なため、刺繍作品に奥行きが生まれ、繊細な表現が可能です。また、リネンのしっかりとした質感は、長期間にわたり刺繍を美しい状態で保てるため、大切な作品を作る際には最適な選択肢となります。

刺繍専用布のメリットと選び方

目数を数える刺繍には、刺繍専用の生地を選ぶことが重要です。エタミンやアイーダ布のような専用布は、織り目がしっかりとしており、ステッチの位置を正確に決めやすいため、初心者から上級者まで幅広く使用されています。これらの専用布を選ぶ際には、布の目数（織り目の密度）に注目することが重要です。目数が大きい布は、刺繍のデザインが大きくなり、初心者でも作業がしやすくなります。その反面、目数が細かい布の場合は、より緻密で繊細なデザインを施すことができます。刺繍の種類に応じた生地選びは、作品の仕上がりに大きく影響します。刺繍する技法やデザインに適した布を選ぶことで、作業がスムーズに進み、完成品も美しく仕上がります。それぞれの刺繍スタイルに合った布をしっかりと選び、刺繍の魅力を最大限に引き出しましょう。

01刺繍用の布を選ぶ際に気をつけるべきポイント

刺繍を始める際に、どの布を選ぶかは非常に重要です。布の質や特徴は、刺繍のしやすさや最終的な作品の仕上がりに大きな影響を与えます。刺繍用の布を選ぶ際には、目の詰まり具合、厚み、伸縮性といったポイントに注意することが大切です。これらの要素を考慮することで、刺繍がよりスムーズに進み、完成品も美しく仕上がるでしょう。ここでは、刺繍用布を選ぶ際に注目すべき具体的なポイントを詳しく解説していきます。

1-1美しく詰まった布目の重要性

刺繍をする際に、布目が美しく詰まっているかどうかは、仕上がりのクオリティに大きく関わります。布目の状態が整っていないと、ステッチが不均一になったり、刺繍がずれたりしてしまう原因となることがあります。そのため、選ぶ布の目が均一で、しっかりと詰まっているものを選ぶことが大切です。

均一な織り目がもたらすステッチの正確性

均等に詰まった布目は、刺繍糸が均一に通り、ステッチが揃いやすくなります。特にクロスステッチやハーダンガー刺繍のように、目数を数えて刺す技法では、布目がきちんと揃っていることが、正確なデザインを作り上げるために不可欠です。布の織り目が不規則だと、ステッチが歪んでしまい、仕上がりにムラが出てしまいます。また、均一な布目は、針を通す際に力の加減が一定になり、作業効率が上がる点も魅力です。特に初心者にとっては、織り目がしっかりしている布を選ぶことで、刺繍の練習がスムーズに進み、技術向上に役立ちます。

布の目が詰まりすぎていないことの重要性

過度に布目が詰まっている場合、針を通す際に必要以上に力がかかり、手が疲れやすくなります。また、糸がうまく布に入り込まないため、ステッチがきれいに見えないこともあります。そのため、布目がしっかりしていながらも、適度な隙間を持つ布を選ぶことが理想的です。

1-1布の厚みを的確に選択するための指針

刺繍で使う布の厚みは、刺繍の種類や目的に応じて選ぶ必要があります。厚みが刺繍に適していない布を選ぶと、針が通りにくかったり、完成品が思うような質感にならなかったりすることがあります。布の厚みを適切に選ぶことは、美しい仕上がりを実現するために非常に重要です。

厚みのある布がもたらす安定感

厚手の布は、刺繍がしっかりと固定され、安定感があります。特にサテンステッチやロング＆ショートステッチのような技法では、布にしっかりと刺し込むため、厚みのある布が適しています。刺繍が立体的に見え、ステッチが際立つ仕上がりになるため、装飾的な作品や日常使いのアイテムに最適です。また、厚手の布は耐久性が高く、長期間使用するアイテムに適しています。例えば、刺繍入りのバッグやクッションカバーなどの実用的なアイテムを作る際には、厚みのある布を選ぶことで、刺繍部分がしっかりと保たれ、丈夫な仕上がりになります。

薄手の布が適している場面

一方で、薄手の布は繊細で軽やかな刺繍を施すのに適しています。例えば、細かいデザインのフリースタイル刺繍や、軽やかなステッチを使った作品には、薄手の布が好まれます。薄い布は、布の上で刺繍の糸が美しく広がり、刺繍糸の発色やデザインが引き立ちやすいのが特徴です。ただし、薄手の布を選ぶ際には、布の伸縮性や耐久性にも注意が必要です。薄すぎる布は、刺繍後に形が崩れやすくなる可能性があるため、適度な厚みを持ち、扱いやすいものを選ぶことが重要です。

1-1伸縮性が少ない布を選ぶ理由

伸縮性のある布は、刺繍が終わった後に布が伸び縮みし、ステッチが歪んでしまう可能性があるため、特に初心者には避けるべきです。刺繍がきれいに仕上がり、長持ちするためには、伸縮性の少ない布を選ぶことが推奨されます。

刺繍時の安定感を保つための布選び

伸縮性の少ない布は、刺繍を施す際に布が歪むことがなく、安定した状態で作業を進められます。これにより、ステッチの位置や形がずれることなく、正確なデザインを完成させることが可能です。特にクロスステッチやハーダンガー刺繍のような正確さが求められる技法では、伸縮性のない布を使用することで、美しい仕上がりが期待できます。また、刺繍を施した後も、伸縮性の少ない布は形を保ちやすく、刺繍部分が長持ちします。これにより、洗濯や日常使用による摩耗が少なく、長期間にわたり作品の美しさを維持できるのです。

伸縮性のある布を選ぶ際の注意点

一方で、伸縮性のある布を使いたい場合もあります。例えば、ニットやジャージー素材の服に刺繍を施したい場合です。このような布に刺繍をする際には、事前に刺繍用の伸縮性のある接着芯を使用して、布の伸縮を防ぐと良いでしょう。これにより、刺繍のデザインが歪むことなく、美しい仕上がりを保つことが可能です。刺繍用の布を選ぶ際には、伸縮性の少ないものを基本に選びつつ、目的に応じた工夫を取り入れることで、理想的な作品を完成させられます。刺繍に適した布を選ぶ際には、これらのポイントをしっかりと考慮することが重要です。美しく詰まった布目、適切な厚み、そして伸縮性の少ない布を選ぶことで、刺繍の作業がスムーズに進み、仕上がりも美しくなります。作品の目的や刺繍技法に応じた布選びをすることで、刺繍の楽しさが一層広がるでしょう。

01刺繍を楽しむためのおすすめ布地リスト

刺繍を楽しむためには、適した布地を選ぶことが非常に重要です。布地の種類によって刺繍の仕上がりや作業のしやすさが大きく変わるため、目的や技量に応じて最適な布を選ぶことが大切です。ここでは、初心者向けと上級者向けに分けて、刺繍を楽しむためにおすすめの布地を紹介していきます。

1-1初心者向けに適した布地の例

刺繍を始めたばかりの初心者にとっては、扱いやすく、糸の通りやすい布を選ぶことが作業のスムーズさに繋がります。刺繍の練習を重ねることで、次第に手が慣れてきますが、最初は刺繍の技術を習得しやすい布を選ぶことが重要です。

アイーダ布：初心者の強い味方

アイーダ布は、刺繍を始める際に最もよく推奨される布の一つです。特にクロスステッチに適しており、その特徴は織り目が大きく、四角い枠がはっきりしているため、ステッチを行う際に迷うことが少ない点にあります。初心者にとっては、目を数える負担が軽減され、正確なステッチを施しやすくなるため、最初に取り組む布として最適です。アイーダ布には、織り目の密度（目数）にバリエーションがあり、初心者には目数が大きめの布を選ぶと作業がより楽に進みます。例えば、14カウント（1インチあたり14目）のアイーダ布は、クロスステッチをする際に非常に見やすく、初心者でもミスなく刺繍ができます。

シーチング：安価で扱いやすい布

シーチングは、綿素材の平織り布で、手軽に入手できる上、刺繍にも非常に適しています。特に刺繍の練習用として多く使われる理由は、その価格の手頃さと扱いやすさにあります。シーチングはアイーダ布ほど織り目がはっきりしていないものの、目数を数えないフリースタイル刺繍においては非常に役立つ素材です。また、シーチングは柔らかさがありながらも強度があるため、針が通りやすく、刺繍の基本技法を習得するのに最適です。初心者が初めて布に触れる際にも、柔軟に対応できるため、自由に刺繍を楽しむことができます。

綿100%の平織り布：刺繍の練習に最適

初心者が最初に選ぶべき布として、もう一つ推奨されるのが綿100%の平織り布です。この布は、特に刺繍の練習や試作品に使われることが多く、扱いやすいのが特徴です。綿素材は、吸湿性が高く、アイロンがけがしやすいため、刺繍前の準備や仕上げの作業にも便利です。平織りの綿布は、目が詰まっているため、ステッチがしっかりと決まり、刺繍全体のバランスを保ちやすくなります。さらに、色や柄のバリエーションが豊富で、練習用としてだけでなく、実際の作品作りにも広く活用できる点が魅力です。

1-1上級者におすすめの特別な布

刺繍技術が向上してくると、より複雑なデザインやテクニックに挑戦したくなるものです。上級者向けには、繊細なデザインを表現できる高級感のある布や、独特な質感を持つ布が適しています。ここでは、上級者向けにおすすめの布を紹介します。

リネン：繊細な表現ができる高級素材

リネンは、上級者に非常に人気のある布の一つです。麻素材で作られたリネンは、自然な光沢と柔らかな手触りがあり、刺繍を施すと高級感のある仕上がりになります。特に、複雑なデザインや細かいステッチを施す際に、リネンはその美しさを一層引き立てます。リネンは、目数が細かく、布自体が丈夫なため、精密な刺繍技術を駆使しても安定した仕上がりを得ることが可能です。また、リネン特有のナチュラルな風合いが、刺繍作品に奥行きと深みを加え、上級者の技術を最大限に活せます。

オーガンジー：透明感のある独特な仕上がり

オーガンジーは、薄く透明感のある素材で、刺繍に独特の美しさを与えます。特にフラワーデザインや繊細な装飾刺繍に適しており、その透明感が作品全体に軽やかさと上品さをもたらします。オーガンジーの布地は、非常に薄いため刺繍には細かい針や糸を使用し、慎重に作業を進める必要があります。オーガンジーを使った刺繍作品は、布が半透明であるため、デザインがまるで浮いているように見え、視覚的な効果が非常に高いです。この布地は、特別なイベントやインテリア装飾としての刺繍作品に向いており、上級者向けの挑戦的な素材です。

シルク：光沢と滑らかさが刺繍を引き立てる

シルクは、その光沢と滑らかさで知られる高級素材です。刺繍にシルクを使うと、糸の光沢と布の光沢が相まって、非常に上品で豪華な仕上がりになります。シルクの布は柔らかく、滑らかな手触りがあるため、刺繍のステッチが美しく映える素材です。しかし、シルクは扱いが難しく、針や糸の選び方や刺繍する際の手加減に注意が必要です。そのため、シルクに刺繍を施すのは上級者向けと言えるでしょう。シルクは、ウェディングドレスや高級インテリアなど、特別な作品を作る際に使用されることが多く、上級者が技術を駆使して繊細なデザインを表現するのに最適です。刺繍用の布は、その種類によって作品の仕上がりや刺繍の難易度が変わります。初心者は扱いやすい布を選び、刺繍に慣れることから始め、上級者はより高級感のある布や繊細な素材に挑戦することで、刺繍の楽しさと奥深さをさらに味わえるでしょう。

01刺繍しやすい布の特徴

刺繍は針を通して糸で模様をつけていくもの。そのため、針が通ればどのような布でも刺繍を行うことは可能。
しかし初心者の場合には、刺繍しやすい布を選ぶことが重要になります。ではどのような布なら、刺繍がしやすいのでしょうか。
初心者の場合、布を選ぶときに重要なのが厚さと織り。もし厚すぎたり薄すぎたりする布の場合、なかなか上手に刺繍をすることができません。また、織りが均一であることも重要です。
さらに、ストレッチ素材など伸縮しすぎる生地の場合には模様が歪んでしまうことがあります。
その他にも、図案が写しやすいかどうか、目が詰まって揃っているかどうかなどを基準にして布を選ぶとよいでしょう。

02刺繍におすすめの生地例

初心者にとってなかなか難しい布選び。初心者でも簡単に刺繍ができるおすすめの布にはどのようなものがあるのでしょうか。

2-1綿

あらゆる素材の中でももっとも一般的なのが綿ですが、綿は刺繍の布地としても最適です。綿は適度な柔らかさがあるだけでなく、布地が詰まっているため、初心者でも簡単に針を進めることができます。

2-2ツイル

ツイルは綿素材の中でもチノパンなどに使われることが多い布地です。ツイルは布地が斜めになっている綾織りが特徴ですが、こちらも針が刺しやすいため、初心者におすすめです。

2-3シーチング

シーチングは太めの糸で平織りにした布地です。針が通りやすいという特徴がありますが、一番のメリットは価格がリーズナブルだということ。初心者の場合、たくさん刺繍をすることが上達の近道。そのため安い生地を選ぶのも大切になります。

2-4リネン、ガーゼ

刺繍の素材としてはリネンやガーゼも人気があります。初心者の場合、リネンやガーゼは生地が薄く、目が粗いため、避けてしまいがちですが、実は接着芯を挟むことで針が刺しやすくなります。

03刺繍の種類別おすすめ生地

生地はどのような刺繍をするかによっても、おすすめのものが変わってきます。

3-1目数を数えない刺繍の場合

ハンガリー刺繍やリボン刺繍といった、目数を数えない生地の場合には、麻や綿など刺繍専用の生地でなくても構いません。
ただし、その場合でも先ほど紹介した刺繍しやすい生地の特徴を忘れないようにしましょう。

3-2目数を数える刺繍の場合

クロスステッチやハーダンガーなど、目数を数える必要がある刺繍の場合には、刺繍専用の生地を使用することがおすすめです。
刺繍専用の生地は目が均等に揃っているため、仕上がりが美しくなるだけでなく、作業も簡単。
やや高価というデメリットはありますが、まだ刺繍に慣れない初心者のうちは、刺繍専用の生地を使ってみることをお勧めします。

04刺繍する布の選び方と注意点

刺繍をするときの布選びはなかなか難しいものですが、いくつかのポイントを押さえるだけで、布選びがぐっと簡単になります。

4-1布目がきれいで詰まっているものがベスト

刺繍をしやすいのは、布目がきれいで目が詰まっている生地です。同じ素材でも、価格によって布目が粗い場合や、目が詰まっていない生地も多いため、値段につられずしっかり自分の目で確かめるとよいでしょう。

4-2布の厚さは適切なものを選ぶ

刺繍にとって布の厚さはなによりも重要です。厚すぎると針を刺すときに疲れてしまい、薄すぎると糸がつったり刺繍の線がぼけてしまうことがあります。
そのため、布の厚さは自分にとって適切なものを選ぶことが重要になります。一番よい方法は、実際に自分の手で触って確かめてみるということ。
生地はネットなどでも購入することができますが、厚さがかかれていても、実際に触ったときの間隔とはずれが生まれてしまいがち。
刺繍に慣れてくるまでは、まず手芸店や刺繍専門店で布地に触れて感覚を養うのがよいでしょう。

4-3ストレッチしないものが刺繍向き

布地の中には、伸び縮みしやすいものとしにくいものがありますが、刺繍に向いているのはあまり伸び縮みしない生地です。
というのも、ストレッチ性の高い素材の場合、刺繍枠に張ったとき、どうしても必要以上に生地が伸びてしまいがち。
そうすると刺繍を終えて枠から外したときに思ったような図案にならないだけでなく、刺繍糸が浮いてしまうことがあります。
さらに伸びやすい生地の場合、針が進めにくいというデメリットも。
そのため、刺繍の布を購入するときは、軽く生地を引っ張って、伸びすぎないものを選びましょう。

01まとめ

刺繍に最適な布地を選ぶことで、作業がスムーズになり、完成度の高い作品が仕上がります。初心者は扱いやすくて丈夫な綿やシーチングを、上級者はリネンやシルクといった高級感のある素材に挑戦することで、刺繍の楽しさが広がります。布地の特性を理解し、刺繍技法やデザインに適した布を選ぶことが、満足のいく作品作りの鍵です。自分のスキルや目的に合った生地を見つけ、刺繍の世界をさらに楽しんでください。

通信講座の諒設計アーキテクトラーニング編集部: 280講座以上の資格取得できる通信講座を運営する諒設計アーキテクトラーニング編集部が運営するコラムです。心理カウンセラー、ドッグトレーナー、リンパケアセラピストなど、実践的で需要の高い資格を提供しており、学習者は自分のペースで学べる柔軟なカリキュラムを受けることができます。専門知識を短期間で習得できるよう設計されており、仕事や趣味に役立つスキルを身につけることが可能です。