意外と似てる!焼酎とウイスキーの違いについて
焼酎やウイスキーといえば「大人のお酒」というイメージが強いかもしれません。ではこれらのお酒には、どのような特徴があるのでしょうか。また、焼酎とウイスキーではどんな違いがあるのでしょうか。今回は焼酎とウイスキーの違いについてご紹介します。
- 目次
01焼酎とウイスキーはどうちがう?
焼酎は日本のお酒、ウイスキーはアメリカやヨーロッパのお酒ですが、飲み方はストレートやロック、水割りなど共通点も多いもの。では焼酎とウイスキーはどのような違いがあるのでしょうか。
1-1焼酎とウイスキーはともに蒸留酒
焼酎とウイスキーは飲み方以外にも共通する部分があります。それはともに蒸留酒であるということ。
蒸留酒とは、一度出来上がったお酒を蒸留して、アルコール分を高め、不純物を取り除くお酒の作り方。
焼酎もウイスキーも、蒸留という過程を経ることで、高いアルコール度数と不純物の少ない、すっきりとクリアな味わいが特徴です。
1-2違いを比較するポイント
それでは、焼酎とウイスキーの違いを考えるときには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
焼酎とウイスキーの違いは、大きく三つに分かれています。
まずひとつは原料。ウイスキーの原料となるのは、小麦や大麦、ライ麦、トウモロコシといった穀物です。
一方の焼酎の場合、原料は麦やイモ、米、黒糖、ソバ、酒かす、廃糖蜜など様々なものが使用されます。焼酎は使用される素材によって風味や香りが大きく異なり、その素材の違いも楽しむことができます。
さらに焼酎とウイスキーでは製造の工程と、熟成の方法や目的も異なります。
02麦焼酎とウイスキーの原料
焼酎には様々な種類がありますが、中でも人気の高いのが麦焼酎です。一方、ウイスキーの主な原料も麦。では、麦焼酎とウイスキーの原料ではどのような違いがあるのでしょうか。
2-1主原料は同じ大麦
実は麦焼酎もウイスキーも、主原料となるのは大麦です。ウイスキーにはに「モルトウイスキー」「グレーンウイスキー」などに分類することができますが、大麦麦芽を使用したものがモルトウイスキー、そのほかの素材を使用したものがグレーンウイスキーとされています。
特にモルトウイスキーの場合、原料の大麦は「二条大麦」という品種。この二条大麦は、ビールの原料にもなりますが、焼酎の原料にも使用されます。
2-2焼酎:米とコウジカビも使用
このように、麦焼酎とウイスキーはほとんど同じ原料を用いて作られるもの。しかし焼酎とウイスキーの原料は大きな違いもあります。
というのも、麦はそのままではアルコールに変わることができない存在。そのため、麦がアルコールに変わる手助けをする必要があります。
焼酎の場合、用いられるのが「麹」。大麦に麹菌を繁殖させることで、酵素の力が働き、麦をアルコールに変身させることができるのです。
2-3ウイスキー:発芽した麦=麦芽を用いる
ウイスキーの場合、麦を発芽させた麦芽の状態にすることから製造が始まります。この麦芽が素材のでんぷんを糖に変え、それを酵母が発酵、アルコール分を含んだ原液が生まれます。
03焼酎とウイスキーの製造工程
焼酎もウイスキーも、アルコールを含んだ液体を蒸留することが必要ですが、この蒸留の工程にも違いがあります。
3-1焼酎の場合
焼酎は麹菌が生産した酵素の力でデンプンを糖化、アルコールを含んだ液体が生まれます。
その液体を蒸留することで焼酎が完成しますが、焼酎の場合、種類によって製造の方法は異なります。
焼酎には大きく分けて「連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)」「単式蒸留焼酎(乙類焼酎)」という二種類があります。「連続式蒸留焼酎」の場合、まずは原料から発酵液を作り、その発酵液を連続式蒸留機によって蒸留しますが、「単式蒸留焼酎」の場合、まずは原料に麹菌をつけて麹を作り酵母と発酵、最後に単式蒸留機によって蒸留を行います。
「連続式蒸留焼酎」はほとんどクセのない味わいが特徴。そのため、酎ハイなどのベースとして使用されます。
一方の「単式蒸留焼酎」は、素材の風味が現れるのが特徴です。そのため、米や麦、芋といった原材料により違いがよりはっきりとわかります。
3-2ウイスキーの場合
ウイスキーの場合には、焼酎のようにコウジカビを使用することはありません。麦自体が持つデンプン消化酵素を活かして糖化を行い、アルコールを含んだ原液を作ります。
その後、蒸留を行いますが、実はウイスキーも焼酎と同じように「単式蒸留機」「連続式蒸留機」の二種類が用いられます。
ウイスキーの場合、単式蒸留機は「ポットスティール」と呼ばれることもあり、焼酎で使われるものと同じく、原料の風味がしっかり残るのが特徴です。一方、連続式蒸留機の場合には、原料の違いが少ない、クセのないウイスキーを作ることができます。
04焼酎とウイスキーの色と熟成方法
実は焼酎もウイスキーも、蒸留が終わった段階では両方とも無色透明。しかし、製品となったものでははっきりと色の違いが生まれます。では、それぞれの特徴である色は、どの段階で違いが出るのでしょうか。
4-1貯蔵方法の違い
ウイスキーといえば、特徴的な琥珀色。実はウイスキーの琥珀色は、貯蔵している間に生まれます。
というのも、ウイスキーを製造するために欠かせないのが「熟成」という工程。熟成の工程では、ウイスキーはホワイトオーク材の樽に詰めて貯蔵されますが、ウイスキーはその期間に樽から様々な影響を受けます。
あの琥珀色もそのひとつで、熟成の間に、樽に含まれているタンニンがウイスキーに溶けだして、個性的な色が生まれます。
その他にも、熟成の期間を通して、樽から独特の香りがウイスキーに付着、また味わいもマイルドになります。
そのため、ウイスキーの熟成には非常に長い期間が必要。長いものでは、三十年近く熟成が行われることも少なくありません。
また、熟成は樽の状態だけでなく、気温や湿度も大きく影響していますが、実際にどのような変化が起きているのかまだ科学的に未解明の部分も少なくないと言われています。
一方、焼酎は無色透明ですが、これは樽による熟成が行われないから。
といっても、焼酎でも熟成が行われないわけではありません。
しかし、焼酎の熟成が行われるのは、ステンレスやホーローの容器が一般的。そのため、樽のように容器の成分が焼酎に溶け出ることがなく、無色透明の状態が保たれます。
というのも、ウイスキーの熟成が味をマイルドにしたり、樽の香りを移したりといった目的があるのに対して、焼酎の場合、熟成はアルコールに含まれる余分な成分を抜くために行われるもの。
焼酎の中には、長期間の熟成を行うことでウイスキーのように味をマイルドにするものもありますが、その場合でも樽ではなく、かめやタンクが使われるため、色移りが起こらず、はっきりした琥珀色に変化することはありません。
といっても、最近では焼酎の中には、ウイスキーのように長期間オーク材の樽で熟成が行われるものもあり、その場合には琥珀色や、薄い金色のような色に変化することもあります。
ただし、焼酎の着色度は法律的に規制があるため、ウイスキーのようなしっかりとした琥珀色の商品が出回ることはほとんどありません。
05まとめ
焼酎とウイスキーは意外と近い部分も多いお酒です。共通点や違いを知ることで、それぞれの味わいも深くなり、楽しみも増すかもしれませんね。
1-1焼酎とウイスキーはともに蒸留酒
焼酎とウイスキーは飲み方以外にも共通する部分があります。それはともに蒸留酒であるということ。
蒸留酒とは、一度出来上がったお酒を蒸留して、アルコール分を高め、不純物を取り除くお酒の作り方。
焼酎もウイスキーも、蒸留という過程を経ることで、高いアルコール度数と不純物の少ない、すっきりとクリアな味わいが特徴です。
1-2違いを比較するポイント
それでは、焼酎とウイスキーの違いを考えるときには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
焼酎とウイスキーの違いは、大きく三つに分かれています。
まずひとつは原料。ウイスキーの原料となるのは、小麦や大麦、ライ麦、トウモロコシといった穀物です。
一方の焼酎の場合、原料は麦やイモ、米、黒糖、ソバ、酒かす、廃糖蜜など様々なものが使用されます。焼酎は使用される素材によって風味や香りが大きく異なり、その素材の違いも楽しむことができます。
さらに焼酎とウイスキーでは製造の工程と、熟成の方法や目的も異なります。
2-1主原料は同じ大麦
実は麦焼酎もウイスキーも、主原料となるのは大麦です。ウイスキーにはに「モルトウイスキー」「グレーンウイスキー」などに分類することができますが、大麦麦芽を使用したものがモルトウイスキー、そのほかの素材を使用したものがグレーンウイスキーとされています。
特にモルトウイスキーの場合、原料の大麦は「二条大麦」という品種。この二条大麦は、ビールの原料にもなりますが、焼酎の原料にも使用されます。
2-2焼酎:米とコウジカビも使用
このように、麦焼酎とウイスキーはほとんど同じ原料を用いて作られるもの。しかし焼酎とウイスキーの原料は大きな違いもあります。
というのも、麦はそのままではアルコールに変わることができない存在。そのため、麦がアルコールに変わる手助けをする必要があります。
焼酎の場合、用いられるのが「麹」。大麦に麹菌を繁殖させることで、酵素の力が働き、麦をアルコールに変身させることができるのです。
2-3ウイスキー:発芽した麦=麦芽を用いる
ウイスキーの場合、麦を発芽させた麦芽の状態にすることから製造が始まります。この麦芽が素材のでんぷんを糖に変え、それを酵母が発酵、アルコール分を含んだ原液が生まれます。
03焼酎とウイスキーの製造工程
焼酎もウイスキーも、アルコールを含んだ液体を蒸留することが必要ですが、この蒸留の工程にも違いがあります。
3-1焼酎の場合
焼酎は麹菌が生産した酵素の力でデンプンを糖化、アルコールを含んだ液体が生まれます。
その液体を蒸留することで焼酎が完成しますが、焼酎の場合、種類によって製造の方法は異なります。
焼酎には大きく分けて「連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)」「単式蒸留焼酎(乙類焼酎)」という二種類があります。「連続式蒸留焼酎」の場合、まずは原料から発酵液を作り、その発酵液を連続式蒸留機によって蒸留しますが、「単式蒸留焼酎」の場合、まずは原料に麹菌をつけて麹を作り酵母と発酵、最後に単式蒸留機によって蒸留を行います。
「連続式蒸留焼酎」はほとんどクセのない味わいが特徴。そのため、酎ハイなどのベースとして使用されます。
一方の「単式蒸留焼酎」は、素材の風味が現れるのが特徴です。そのため、米や麦、芋といった原材料により違いがよりはっきりとわかります。
3-2ウイスキーの場合
ウイスキーの場合には、焼酎のようにコウジカビを使用することはありません。麦自体が持つデンプン消化酵素を活かして糖化を行い、アルコールを含んだ原液を作ります。
その後、蒸留を行いますが、実はウイスキーも焼酎と同じように「単式蒸留機」「連続式蒸留機」の二種類が用いられます。
ウイスキーの場合、単式蒸留機は「ポットスティール」と呼ばれることもあり、焼酎で使われるものと同じく、原料の風味がしっかり残るのが特徴です。一方、連続式蒸留機の場合には、原料の違いが少ない、クセのないウイスキーを作ることができます。
04焼酎とウイスキーの色と熟成方法
実は焼酎もウイスキーも、蒸留が終わった段階では両方とも無色透明。しかし、製品となったものでははっきりと色の違いが生まれます。では、それぞれの特徴である色は、どの段階で違いが出るのでしょうか。
4-1貯蔵方法の違い
ウイスキーといえば、特徴的な琥珀色。実はウイスキーの琥珀色は、貯蔵している間に生まれます。
というのも、ウイスキーを製造するために欠かせないのが「熟成」という工程。熟成の工程では、ウイスキーはホワイトオーク材の樽に詰めて貯蔵されますが、ウイスキーはその期間に樽から様々な影響を受けます。
あの琥珀色もそのひとつで、熟成の間に、樽に含まれているタンニンがウイスキーに溶けだして、個性的な色が生まれます。
その他にも、熟成の期間を通して、樽から独特の香りがウイスキーに付着、また味わいもマイルドになります。
そのため、ウイスキーの熟成には非常に長い期間が必要。長いものでは、三十年近く熟成が行われることも少なくありません。
また、熟成は樽の状態だけでなく、気温や湿度も大きく影響していますが、実際にどのような変化が起きているのかまだ科学的に未解明の部分も少なくないと言われています。
一方、焼酎は無色透明ですが、これは樽による熟成が行われないから。
といっても、焼酎でも熟成が行われないわけではありません。
しかし、焼酎の熟成が行われるのは、ステンレスやホーローの容器が一般的。そのため、樽のように容器の成分が焼酎に溶け出ることがなく、無色透明の状態が保たれます。
というのも、ウイスキーの熟成が味をマイルドにしたり、樽の香りを移したりといった目的があるのに対して、焼酎の場合、熟成はアルコールに含まれる余分な成分を抜くために行われるもの。
焼酎の中には、長期間の熟成を行うことでウイスキーのように味をマイルドにするものもありますが、その場合でも樽ではなく、かめやタンクが使われるため、色移りが起こらず、はっきりした琥珀色に変化することはありません。
といっても、最近では焼酎の中には、ウイスキーのように長期間オーク材の樽で熟成が行われるものもあり、その場合には琥珀色や、薄い金色のような色に変化することもあります。
ただし、焼酎の着色度は法律的に規制があるため、ウイスキーのようなしっかりとした琥珀色の商品が出回ることはほとんどありません。
05まとめ
焼酎とウイスキーは意外と近い部分も多いお酒です。共通点や違いを知ることで、それぞれの味わいも深くなり、楽しみも増すかもしれませんね。
3-1焼酎の場合
焼酎は麹菌が生産した酵素の力でデンプンを糖化、アルコールを含んだ液体が生まれます。
その液体を蒸留することで焼酎が完成しますが、焼酎の場合、種類によって製造の方法は異なります。
焼酎には大きく分けて「連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)」「単式蒸留焼酎(乙類焼酎)」という二種類があります。「連続式蒸留焼酎」の場合、まずは原料から発酵液を作り、その発酵液を連続式蒸留機によって蒸留しますが、「単式蒸留焼酎」の場合、まずは原料に麹菌をつけて麹を作り酵母と発酵、最後に単式蒸留機によって蒸留を行います。
「連続式蒸留焼酎」はほとんどクセのない味わいが特徴。そのため、酎ハイなどのベースとして使用されます。
一方の「単式蒸留焼酎」は、素材の風味が現れるのが特徴です。そのため、米や麦、芋といった原材料により違いがよりはっきりとわかります。
3-2ウイスキーの場合
ウイスキーの場合には、焼酎のようにコウジカビを使用することはありません。麦自体が持つデンプン消化酵素を活かして糖化を行い、アルコールを含んだ原液を作ります。
その後、蒸留を行いますが、実はウイスキーも焼酎と同じように「単式蒸留機」「連続式蒸留機」の二種類が用いられます。
ウイスキーの場合、単式蒸留機は「ポットスティール」と呼ばれることもあり、焼酎で使われるものと同じく、原料の風味がしっかり残るのが特徴です。一方、連続式蒸留機の場合には、原料の違いが少ない、クセのないウイスキーを作ることができます。
4-1貯蔵方法の違い
ウイスキーといえば、特徴的な琥珀色。実はウイスキーの琥珀色は、貯蔵している間に生まれます。
というのも、ウイスキーを製造するために欠かせないのが「熟成」という工程。熟成の工程では、ウイスキーはホワイトオーク材の樽に詰めて貯蔵されますが、ウイスキーはその期間に樽から様々な影響を受けます。
あの琥珀色もそのひとつで、熟成の間に、樽に含まれているタンニンがウイスキーに溶けだして、個性的な色が生まれます。
その他にも、熟成の期間を通して、樽から独特の香りがウイスキーに付着、また味わいもマイルドになります。
そのため、ウイスキーの熟成には非常に長い期間が必要。長いものでは、三十年近く熟成が行われることも少なくありません。
また、熟成は樽の状態だけでなく、気温や湿度も大きく影響していますが、実際にどのような変化が起きているのかまだ科学的に未解明の部分も少なくないと言われています。
一方、焼酎は無色透明ですが、これは樽による熟成が行われないから。
といっても、焼酎でも熟成が行われないわけではありません。
しかし、焼酎の熟成が行われるのは、ステンレスやホーローの容器が一般的。そのため、樽のように容器の成分が焼酎に溶け出ることがなく、無色透明の状態が保たれます。
というのも、ウイスキーの熟成が味をマイルドにしたり、樽の香りを移したりといった目的があるのに対して、焼酎の場合、熟成はアルコールに含まれる余分な成分を抜くために行われるもの。
焼酎の中には、長期間の熟成を行うことでウイスキーのように味をマイルドにするものもありますが、その場合でも樽ではなく、かめやタンクが使われるため、色移りが起こらず、はっきりした琥珀色に変化することはありません。
といっても、最近では焼酎の中には、ウイスキーのように長期間オーク材の樽で熟成が行われるものもあり、その場合には琥珀色や、薄い金色のような色に変化することもあります。
ただし、焼酎の着色度は法律的に規制があるため、ウイスキーのようなしっかりとした琥珀色の商品が出回ることはほとんどありません。