スパイスといえばテンパリング!基本方法と素材のベストコンビネーションを紹介
スパイス料理の魅力を引き立てる「テンパリング」は、料理に深い味わいと香りを与える重要なテクニックです。正しいテンパリングをマスターすることで、スパイスの持つポテンシャルを最大限に引き出し、家庭料理を一層美味しくすることができます。
スパイスの香りを高める方法として、「テンパリング」というテクニックがあります。スパイスをより楽しむテンパリングとはどのような技法なのでしょうか。今回は初心者でも簡単なテンパリングの方法と、テンパリングのコツについてご紹介します。
- 目次
- 1. テンパリングの基本
- 1-1. テンパリングとは
- 1-2. スパイス選びのポイント
- 1-3. テンパリングに必要な材料と道具
- 2. テンパリングの具体的な方法
- 2-1. スパイスを投入する順番と理由
- 2-2. 温度と時間の調整のコツ
- 2-3. 香りを引き出すための技術
- 3. テンパリングのバリエーション
- 3-1. 人気のスパイスカレーでの応用
- 3-2. ホールスパイスとパウダースパイスの違い
- 3-3. クミンやターメリックの使い方
- 4. 素材との組み合わせ方
- 4-1. 鶏肉とスパイスの相性
- 4-2. タマネギやキャベツを使ったレシピ
- 4-3. 4種のスパイスを使った調理法
- 5. クリエイティブなテンパリング
- 5-1. レモンやハーブを加えた新感覚
- 5-2. 辛さの調整と風味の組み合わせ
- 5-3. 成功するスパイスの調合法
- 6. おいしい料理への仕上げの工程
- 6-1. テンパリング後のスパイスの取り除き方
- 6-2. 仕上げの工夫で変わる風味
- 7. テンパリングとは?
- 7-1. スパイスを油で炒める行為
- 7-2. スパイスの香りを引き立たせる
- 7-3. スパイスの香りを油にうつす
- 8. テンパリングする理由
- 8-1. 風味に厚みがでる
- 8-2. 料理中に香りが飛びにくくなる
- 8-3. 仕上がりの香りに差が出る
- 9. テンパリングしたスパイスを使うタイミング
- 9-1. 最初 香りをたたせて食材にもうつす
- 9-2. 最後 調味液のひとつとして使う
- 10. テンパリングの方法
- 11. まとめ
01テンパリングの基本
1-1テンパリングとは
テンパリングとは、スパイスカレーを作る際にスパイスの香りや風味を引き出すための調理技法です。この過程では、油を熱し、スパイスを加えて軽く炒めることで、スパイスの香りが立ち、料理全体に深い味わいをもたらします。特にクミンシードやマスタードシードなどのホールスパイスが使用されることが多く、これらが油に香りを移すことで、ベースとなる味を作り上げるのです。テンパリングを行うことで、スパイスの持つ風味が最大限に引き出され、料理のクオリティが向上します。
1-1スパイス選びのポイント
スパイス選びは、テンパリングの成功に大きく影響するので、まずは新鮮なスパイスを選ぶことが重要です。古いスパイスは香りが失われているため、風味が薄くなります。また、ホールスパイスを使用することで、香りを最大限に引き出すことができます。さらに、使用するスパイスの種類は料理の種類に応じて選ぶことが大切で、例えば、カレーにはクミンやコリアンダー、ターメリック、チリパウダーなどが一般的です。これらのスパイスを組み合わせることで、独自の風味を楽しむことができます。
1-1テンパリングに必要な材料と道具
テンパリングを行うためには、いくつかの材料と道具が必要です。基本的な材料としては、植物油(サラダ油など)、ホールスパイス(クミンシード、マスタードシード、カルダモンなど)が挙げられます。道具としては、深めの鍋やフライパンが必要です。鍋やフライパンは、スパイスが均一に熱されるように広い面積を持つものを選ぶと良いでしょう。また、木ベラやスパチュラも便利で、スパイスをしっかりと混ぜることができます。これらの材料と道具を適切に用意することで、テンパリングのプロセスがスムーズに進み、より美味しいスパイスカレーが完成するのです。
01テンパリングの具体的な方法
1-1スパイスを投入する順番と理由
スパイスを投入する順番は、料理の味わいを大きく左右します。一般的には、まずホールスパイスを油でテンパリングし、その後にパウダースパイスを加えるのが基本です。ホールスパイスは油の中で香りを引き出しやすく、風味が際立ちます。次に、パウダースパイスを加えることで、より深い味わいが生まれるのです。この順番で投入することで、スパイスの特性を最大限に活かし、全体のバランスが整ったカレーが完成します。また、スパイスを加えた後は、しっかりと炒めることが重要です。これにより、香りが立ち、スパイスの風味が料理全体に浸透します。
1-1温度と時間の調整のコツ
スパイスの香りを引き出すためには、温度と時間の調整が不可欠です。テンパリングの際は、中火でゆっくりと温めることがポイントといえます。高温すぎるとスパイスが焦げてしまい、苦味が出てしまうため注意が必要です。スパイスを加えた後は、香りが立つまで炒める時間を確保しますが、加熱しすぎないようにすることも大切でしょう。一般的には、ホールスパイスをテンパリングするのは1〜2分、パウダースパイスを加えたらさらに30秒から1分程度が目安です。この時間を守ることで、スパイスの持つ香りと風味をしっかりと引き出すことができます。
1-1香りを引き出すための技術
香りを引き出すための技術にはいくつかのポイントがあります。まず、油の温度を適切に保つことが重要です。油が温まりすぎるとスパイスが焦げてしまうため、温度管理に気を付けましょう。また、スパイスを加える際には、少量ずつ加えることで香りが立ちやすくなります。さらに、スパイスを加えた後は、すぐに混ぜるのではなく、少し待ってからかき混ぜると、香りがより一層引き立ちます。また、焦げ付かないようにするために、鍋の底をかき混ぜることも大切です。これらの技術を駆使することで、スパイスの香りをしっかりと引き出し、豊かな風味の料理に仕上げることができます。
01テンパリングのバリエーション
1-1人気のスパイスカレーでの応用
スパイスカレーは、その多様な風味や香りによってさまざまな料理に応用できます。例えば、インドのバターチキンカレーでは、クリーミーなソースにスパイスが絶妙にマッチし、コクと深みを与えますし、スリランカのカレーでは、ココナッツミルクを使ったマイルドな味わいが特徴で、カレー粉やホールスパイスがその風味を支えています。さらに、ベジタリアン向けのダールカレーでは、レンズ豆とスパイスが合わさって、栄養価の高い一品に仕上がるのです。このように、スパイスカレーは地域や食材によってさまざまなスタイルがあり、それぞれの特徴を生かした応用が楽しめます。
1-1ホールスパイスとパウダースパイスの違い
ホールスパイスとパウダースパイスは、スパイスの形状によって風味や香りの引き出し方が異なります。ホールスパイスは、香りを閉じ込めた状態で保存されているため、使用する際に油でテンパリングすることで、豊かな香りを引き出すことができるのです。一方、パウダースパイスはすでに粉状になっているため、すぐに風味を料理に加えることができますが、香りが飛びやすいという欠点があります。料理によって使い分けることで、より深い味わいを楽しむことができるため、両方を適切に使うことが重要です。
1-1クミンやターメリックの使い方
クミンとターメリックは、スパイスカレーに欠かせない基本的なスパイスです。クミンはその独特の香りとナッツのような風味が特徴で、ホールスパイスとしてテンパリングすることで、さらに風味が引き立ちます。カレーだけでなく、スープや炒め物にも使える万能なスパイスです。一方、ターメリックは鮮やかな黄色を持ち、カレーに色を加えるだけでなく、抗炎症作用があることで知られています。ターメリックは、パウダースパイスとして料理の最後に加えることで、鮮やかな色と風味をプラスすることができます。これらのスパイスを上手に使い分けることで、料理の味わいが一層豊かになります。
01素材との組み合わせ方
1-1鶏肉とスパイスの相性
鶏肉とスパイスの相性は非常に良く、多様な料理でその魅力を引き出すことができます。鶏肉は比較的淡白な味わいを持つため、スパイスの風味をしっかりと吸収し、調理法やスパイスの種類によってさまざまな表情を見せてくれるのです。 まず、クミンやコリアンダーは、鶏肉の旨味を引き立てる基本的なスパイスですね。これらは、鶏肉をマリネする際に使用すると、香りが浸透しやすくなります。また、ターメリックを加えることで、色合いが鮮やかになり、健康効果も期待できるため、特にカレーや煮込み料理に適しているのです。 チリパウダーやガーリックパウダーを加えると、ピリッとした辛さや香ばしさが加わり、食欲をそそります。さらに、ローズマリーやタイムなどのハーブ系スパイスも鶏肉と相性が良く、特にグリルやローストでその香りを楽しむことができるでしょう。 このように、鶏肉は多様なスパイスと組み合わせることで、風味豊かな一皿に仕上げることができるため、料理の幅を広げる素材として非常に優れています。
1-1タマネギやキャベツを使ったレシピ
タマネギやキャベツを使ったレシピをいくつかご紹介します。 1. 鶏肉とタマネギの炒め物 材料 鶏もも肉: 300g タマネギ: 1個 ニンニク: 1片 オリーブオイル: 大さじ1 塩、コショウ: 適量 お好みのスパイス(クミン、パプリカなど) 作り方 鶏肉は一口大に切る。タマネギは薄切り、ニンニクはみじん切りにする。 フライパンにオリーブオイルを熱し、ニンニクを加えて香りが出るまで炒める。 鶏肉を加え、表面が白くなるまで炒める。 タマネギを加え、しんなりするまで炒める。 塩、コショウ、お好みのスパイスで味を調える。 2. キャベツとひき肉のカレー 材料 キャベツ:1/2個(ざく切り) 挽き肉(牛、豚、鶏など):300g タマネギ:1個(みじん切り) にんにく:2片(みじん切り) 生姜:1片(みじん切り) クミンパウダー:小さじ1 コリアンダーパウダー:小さじ1 ターメリックパウダー:1/2小さじ チリパウダー(お好みで):小さじ1/2 塩:適量 油:適量 水:100ml 作り方 鍋に油を熱し、タマネギを加えて透明になるまで炒めたら にんにくと生姜を加えて香りが立つまで炒めます。 挽き肉を加え、全体が均一に火が通るまで炒めましょう。 キャベツを加え、しんなりするまで炒めたら スパイス(クミン、コリアンダー、ターメリック、チリパウダー)を加え、よく混ぜます。 水を加えて蓋をし、中火で10分ほど煮込み、塩で味を調えます。 これらのレシピを試して、タマネギやキャベツの美味しさを引き出してくださいね。
1-14種のスパイスを使った調理法
4種のスパイスを使った調理法について、具体的なレシピをご紹介します。 スパイスカレーのレシピ 材料 鶏肉(または豆腐):300g(一口大にカット) タマネギ:1個(みじん切り) トマト:1個(角切り) にんにく:2片(みじん切り) 生姜:1片(みじん切り) クミンシード:小さじ1 コリアンダーパウダー:小さじ1 ターメリックパウダー:小さじ1/2 チリパウダー(お好みで):小さじ1/2 塩:適量 油:適量 水:200ml フレッシュコリアンダー(飾り用):適量 作り方 鍋に油を熱し、クミンシードを加えて香りが立つまで炒めたら みじん切りのタマネギを加え、透明になるまで中火でじっくり炒めます。 にんにくと生姜を加え、香りが立つまでさらに炒めたら 鶏肉を加え、全体が均一に火が通ったあとにトマトを加え、全体が柔らかくなるまで煮ます。 コリアンダーパウダー、ターメリックパウダー、チリパウダーを加えてよく混ぜたあと 水を加え、中火で10〜15分ほど煮込み、塩で味を調えます。 お好みでフレッシュコリアンダーを飾り、温かいご飯やナンと一緒にサーブします。 このレシピを参考に、4種のスパイスを使った風味豊かなスパイスカレーを楽しんでください。
01クリエイティブなテンパリング
1-1レモンやハーブを加えた新感覚
スパイスカレーにレモンやハーブを加えることで、フレッシュで新しい風味を楽しむことができます。レモンの酸味は、カレーのスパイシーさを和らげ、全体を引き締める効果があるのです。特に、カレーを盛り付ける直前にレモンを絞ると、香りが一層引き立ちます。また、フレッシュなハーブ(例えば、ミントやバジル)を散らすことで、彩りが増すだけでなく、香りの層が加わり、より複雑な味わいを楽しむことができます。このように、レモンやハーブを取り入れることで、従来のカレーとは異なる新感覚の料理に仕上げることができるのです。
1-1辛さの調整と風味の組み合わせ
スパイスカレーの辛さは、個々の好みによって調整可能です。チリパウダーやカイエンペッパーを使うことで辛さを加える一方で、ココナッツミルクやヨーグルトを加えることでマイルドな印象を与えることができます。辛さを調整する際は、少しずつスパイスを加え、味見をしながら進めることが重要です。また、辛さと相性の良い風味を考えることで、全体のバランスが整います。例えば、甘さを加えるために、パームシュガーや蜂蜜を少量加えると、辛さとのコントラストが楽しめるでしょう。
1-1成功するスパイスの調合法
成功するスパイスの調合法は、スパイスの種類や順番、加熱時間に注意を払うことです。まず、ホールスパイスを油でテンパリングすることで、香りを引き出します。次に、パウダースパイスは料理の途中で加えることで、香りが飛ぶのを防ぎ、風味を最大限に活かしましょう。加熱時間は、スパイスの特性に応じて調整することが重要で、特にパウダースパイスは焦げやすいため、短時間でしっかりと炒めます。これらのポイントを押さえることで、スパイスの持つ風味を引き出し、より美味しいスパイスカレーを作ることができるでしょう。
01おいしい料理への仕上げの工程
1-1テンパリング後のスパイスの取り除き方
テンパリング後のスパイスの取り除き方は、料理の味わいを整えるために重要です。以下に、効果的な方法をいくつかご紹介します。 1. スパイスをそのまま残す ホールスパイスを使用した場合、料理にそのまま残しておくことも一つの方法です。クミンシードやカルダモンなどは、見た目にもおしゃれで、食べる際に香りを楽しむことができます。ただし、食べる人がスパイスを避ける場合があるため、あらかじめその旨を伝えると良いでしょう。 2. スパイスを取り出す 料理を煮込んだ後に、スパイスを取り出す場合は、以下の方法が有効です。 スプーンやフォークを使う: 鍋の中からホールスパイスをスプーンやフォークで取り出します。特に、マスタードシードやローリエなどは取り出しやすいです。 ザルを使う: 煮込み料理の場合、ザルを使ってスパイスを取り除くこともできます。鍋の中身をザルに移し、スパイスを簡単に取り出すことができるのです。 3. スパイスバッグを使用 調理する前にスパイスをガーゼや茶こしの袋に入れておく方法もあります。この「スパイスバッグ」を使用すると、料理が完成した後に簡単に取り出すことができ、スパイスの風味は料理にしっかりと移るのです。 4. フードプロセッサーで混ぜ込む ホールスパイスが気になる場合は、料理が完成した後、フードプロセッサーを使って全体を混ぜ込む方法もあります。これにより、スパイスの風味が均一に広がり、食感も滑らかになります。ただし、スパイスの粒が残っていると、食べる際に気になる場合があるため、注意が必要です。 これらの方法を使って、テンパリング後のスパイスを上手に取り除くことで、味わいを整えたスパイスカレーを楽しんでください。
1-1仕上げの工夫で変わる風味
仕上げの工夫は、料理の風味を大きく変える重要な要素です。まず、フレッシュハーブの活用が挙げられます。バジルやミント、コリアンダーなどの新鮮なハーブを料理の仕上げに加えることで、香りが引き立ち、全体の味わいが一層豊かになるのです。また、見た目にも鮮やかさを加え、料理を引き立てる効果もあります。 次に、酸味の追加が重要です。盛り付けの直前にレモンやライムを絞ることで、爽やかな酸味が加わり、スパイシーな料理に対して味が引き締まります。さらに、サラダやマリネに少量の酢を加えると、酸味が食材の風味を引き立て、全体のバランスが整うでしょう。 トッピングの工夫も風味を変えるポイントです。砕いたナッツやシードを振りかけることで、食感と風味が増し、リッチな味わいになります。また、クリーミーなチーズやサワークリームを加えると、まろやかさが増し、スパイシーさを和らげることができるのです。 最後に、スパイスの再調整も重要ですね。料理が完成した後に少量のスパイスを振りかけることで、風味が増し、香りが立ちます。軽くローストしたスパイスを使うことで香ばしさをプラスし、深い風味を楽しむことができるでしょう。これらの工夫を取り入れることで、料理の風味が劇的に変わり、より魅力的な一皿に仕上げることができます。
01テンパリングとは?
スパイス本来の香りを引き立てるテンパリング。それではテンパリングとはどのような方法なのでしょうか。
1-1スパイスを油で炒める行為
テンパリングとは、簡単に言えばスパイスを油で炒めるという行為です。ただし、炒めるというと野菜炒めのように、温めた油に食材を投入するといった調理方法を想像しますが、テンパリングは低温の油でゆっくり温めていくテクニック。スパイスは焦げやすいため、高温の油に投入するとすぐに焦げて黒くなり、苦味だけが立ってしまいます。
1-2スパイスの香りを引き立たせる
テンパリングを行うメリットは、スパイスの香りを引き立てるということにあります。どのようなメニューでも、冷たい状態よりも温かい状態の方が香りを感じやすいものですが、これはスパイスも同様で、ゆっくりと温めていくことでスパイス本来の香りを引き立て、嗅覚に感じやすくしてくれるというのがテンパリングの目的のひとつです。
1-3スパイスの香りを油にうつす
スパイスに含まれている香り成分は油溶性。つまり、水には溶けず油には溶けるという性質を持っています。たとえば辛いものを食べたとき、水を飲んでも辛さが収まらないのはこのため。水ではスパイスは溶けないため、辛さを抑えるどころか、かえって口の中で広がってしまいます。
このように、スパイスは油と非常に相性のよいものですが、テンパリングでも同様。テンパリングを行うとスパイスの香りは油に溶けだし、料理全体にいきわたらせることができます。
02テンパリングする理由
では、このテンパリングを行うにはどのような理由があるのでしょうか。
2-1風味に厚みがでる
テンパリングを行う最大の理由は、スパイスの香りをアップさせて風味に厚みを持たせることです。そもそも、スパイスは乾燥させたそのままの状態だと、香りはあまり感じることができません。そのままのスパイスをかじってみれば分かるように、食欲を掻き立てる香りと言うよりも、どちらかと言うと渋みや苦味のほうを強く感じるものです。
しかしテンパリングを行うと、スパイスの香り成分を表に引き出し、同時に苦味や渋みといったものを抑制、結果として料理全体に香りがいきわたり、風味がアップするのです。
2-2料理中に香りが飛びにくくなる
また、テンパリングを行う理由としては、スパイスの香りをしっかり感じられるようにという理由もあります。スパイスは熱を加えると香りが立ち上りますが、実はこのスパイスの香り成分は揮発性。そのため、火を通せば通すほどスパイスの香りは空気中に放散し、時間が経つとほとんど香らなくなってしまうという欠点があります。特にスパイスをパウダー状にしたパウダースパイスの場合にはこの傾向が顕著で、作っているときはいい香りがしてもお皿に盛り付けるとなんだか香りがいまいちということも少なくなりません。
しかし、テンパリングはホールスパイスを使って油に香りを移すテクニック。一度油の膜の中に包まれた香りは、スパイスの状態のときよりも香りが料理にとどまりやすく、結果としていつまでも香りが長持ちします。
2-3仕上がりの香りに差が出る
テンパリングには仕上がりの香りを左右するという役割もあります。テンパリングは仕上げに用いられることもありますが、そこで行われるテンパリングは料理の仕上がりの香りに大きな影響を与えます。
料理が提供されたとき、最初に「美味しそう」と感じるのは、舌ではなく鼻。テンパリングは料理への仕上がりをアップさせ、料理全体の印象を高めてくれます。
03テンパリングしたスパイスを使うタイミング
このようにスパイスの香りを立てるなど、様々な役割があるテンパリングですが、調理中のどのタイミングで行えばよいのでしょうか。
3-1最初 香りをたたせて食材にもうつす
テンパリングを行うとき、料理のベースとしてスパイスの香りを引き立たせたいとき、まず料理の最初に行います。
料理の最初にテンパリングを行うことで、油に香りが移り、スパイスの香りを引き立たせて、料理全体にいきわたらせることができます。また、スパイスの香りが移った油で食材を調理することで、しっかりと食材にもスパイスの香りをつけることができます。
3-2最後 調味液のひとつとして使う
テンパリングには料理の仕上げに行う方法もあります。料理の最初にスパイスをテンパリングした場合、どうしても調理中に香りが飛んでしまうこともありますが、仕上げとして行うテンパリングには、その足りなくなった香りを補うという意味もあります。
特に仕上げに行うテンパリングは、繊細な香りを楽しめることから調味液のひとつとしても使用されます。
この技法はインド料理や中国料理でも一般的なもので、熱くした油を掛けることで、料理の上に乗せたネギなどの薬味から香りを引き出すという意味合いも含まれています。
なお、日本でテンパリングというと、この最終工程でスパイスの香りを引き出した油を掛けるという意味合いで用いられることが多いようです。
04テンパリングの方法
それでは、テンパリングを行うときには、具体的にはどのような点に注意をすればよいのでしょうか。
まず気を付けたいのは、まずフライパンにスパイスと油を入れてから火をつけるということ。すでに述べたようにスパイスは非常に焦げやすいため、熱した油に投入すると香りが引き出される前に焦げてしまうことがあります。
焦げを防ぐという意味では、常に弱火で行うことも重要です。
また、テンパリングを行うときには、スパイスを入れる順番にも注意しましょう。スパイスは植物の実や木の皮、乾燥した葉など様々な種類があり、殻の厚さや大きさもそれぞれ。一度にすべてを投入すると、先に焦げてしまうものもあります。
最初に冷たいフライパンに投入するのは大きくて硬いスパイス。火をつけてしばらくすると、油が温まって来るので、その段階になったら小さいスパイスを投入しましょう。
なお、テンパリングをきちんと行うときには、多めの油を使用するとうまくいきますが、カロリーなどの面からあまり多く油を使いたくないといったときには、小さめのフライパンなどを使うか、フライパンを傾けて片方に油をためて、そこでスパイスのテンパリングを行うとうまく行えます。
インド料理などで仕上げのテンパリングを行う場合には、専用の小さめ、深めのフライパンもありますが、一般の家庭などではなかなか揃えづらいという場合、金属製の中華料理で使用するお玉などを使用してもよいでしょう。お玉は深く、油も溜めやすく、料理の仕上げに用いるときには非常に便利です。ただし、当然のことながらテンパリングは直火に掛けて行うものなので、樹脂製のものや、熱を加えると変質してしまう素材のお玉は使わないようにしましょう。
01まとめ
テンパリングは、スパイス料理の味わいを引き立てる重要なテクニックであり、正しく行うことで料理に深い香りと風味を加えます。基本的なテンパリングの方法を理解し、さまざまな素材とのベストコンビネーションを活用することで、家庭料理を一層美味しく仕上げることができるでしょう。これからは、ぜひテンパリングを取り入れて、スパイスの魅力を存分に楽しんでください。あなたの料理が、より豊かな味わいで満たされること間違いなしです。
- 通信講座の諒設計アーキテクトラーニング編集部
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1-1スパイスを油で炒める行為
テンパリングとは、簡単に言えばスパイスを油で炒めるという行為です。ただし、炒めるというと野菜炒めのように、温めた油に食材を投入するといった調理方法を想像しますが、テンパリングは低温の油でゆっくり温めていくテクニック。スパイスは焦げやすいため、高温の油に投入するとすぐに焦げて黒くなり、苦味だけが立ってしまいます。
1-2スパイスの香りを引き立たせる
テンパリングを行うメリットは、スパイスの香りを引き立てるということにあります。どのようなメニューでも、冷たい状態よりも温かい状態の方が香りを感じやすいものですが、これはスパイスも同様で、ゆっくりと温めていくことでスパイス本来の香りを引き立て、嗅覚に感じやすくしてくれるというのがテンパリングの目的のひとつです。
1-3スパイスの香りを油にうつす
スパイスに含まれている香り成分は油溶性。つまり、水には溶けず油には溶けるという性質を持っています。たとえば辛いものを食べたとき、水を飲んでも辛さが収まらないのはこのため。水ではスパイスは溶けないため、辛さを抑えるどころか、かえって口の中で広がってしまいます。
このように、スパイスは油と非常に相性のよいものですが、テンパリングでも同様。テンパリングを行うとスパイスの香りは油に溶けだし、料理全体にいきわたらせることができます。
2-1風味に厚みがでる
テンパリングを行う最大の理由は、スパイスの香りをアップさせて風味に厚みを持たせることです。そもそも、スパイスは乾燥させたそのままの状態だと、香りはあまり感じることができません。そのままのスパイスをかじってみれば分かるように、食欲を掻き立てる香りと言うよりも、どちらかと言うと渋みや苦味のほうを強く感じるものです。
しかしテンパリングを行うと、スパイスの香り成分を表に引き出し、同時に苦味や渋みといったものを抑制、結果として料理全体に香りがいきわたり、風味がアップするのです。
2-2料理中に香りが飛びにくくなる
また、テンパリングを行う理由としては、スパイスの香りをしっかり感じられるようにという理由もあります。スパイスは熱を加えると香りが立ち上りますが、実はこのスパイスの香り成分は揮発性。そのため、火を通せば通すほどスパイスの香りは空気中に放散し、時間が経つとほとんど香らなくなってしまうという欠点があります。特にスパイスをパウダー状にしたパウダースパイスの場合にはこの傾向が顕著で、作っているときはいい香りがしてもお皿に盛り付けるとなんだか香りがいまいちということも少なくなりません。
しかし、テンパリングはホールスパイスを使って油に香りを移すテクニック。一度油の膜の中に包まれた香りは、スパイスの状態のときよりも香りが料理にとどまりやすく、結果としていつまでも香りが長持ちします。
2-3仕上がりの香りに差が出る
テンパリングには仕上がりの香りを左右するという役割もあります。テンパリングは仕上げに用いられることもありますが、そこで行われるテンパリングは料理の仕上がりの香りに大きな影響を与えます。
料理が提供されたとき、最初に「美味しそう」と感じるのは、舌ではなく鼻。テンパリングは料理への仕上がりをアップさせ、料理全体の印象を高めてくれます。
03テンパリングしたスパイスを使うタイミング
このようにスパイスの香りを立てるなど、様々な役割があるテンパリングですが、調理中のどのタイミングで行えばよいのでしょうか。
3-1最初 香りをたたせて食材にもうつす
テンパリングを行うとき、料理のベースとしてスパイスの香りを引き立たせたいとき、まず料理の最初に行います。
料理の最初にテンパリングを行うことで、油に香りが移り、スパイスの香りを引き立たせて、料理全体にいきわたらせることができます。また、スパイスの香りが移った油で食材を調理することで、しっかりと食材にもスパイスの香りをつけることができます。
3-2最後 調味液のひとつとして使う
テンパリングには料理の仕上げに行う方法もあります。料理の最初にスパイスをテンパリングした場合、どうしても調理中に香りが飛んでしまうこともありますが、仕上げとして行うテンパリングには、その足りなくなった香りを補うという意味もあります。
特に仕上げに行うテンパリングは、繊細な香りを楽しめることから調味液のひとつとしても使用されます。
この技法はインド料理や中国料理でも一般的なもので、熱くした油を掛けることで、料理の上に乗せたネギなどの薬味から香りを引き出すという意味合いも含まれています。
なお、日本でテンパリングというと、この最終工程でスパイスの香りを引き出した油を掛けるという意味合いで用いられることが多いようです。
04テンパリングの方法
それでは、テンパリングを行うときには、具体的にはどのような点に注意をすればよいのでしょうか。
まず気を付けたいのは、まずフライパンにスパイスと油を入れてから火をつけるということ。すでに述べたようにスパイスは非常に焦げやすいため、熱した油に投入すると香りが引き出される前に焦げてしまうことがあります。
焦げを防ぐという意味では、常に弱火で行うことも重要です。
また、テンパリングを行うときには、スパイスを入れる順番にも注意しましょう。スパイスは植物の実や木の皮、乾燥した葉など様々な種類があり、殻の厚さや大きさもそれぞれ。一度にすべてを投入すると、先に焦げてしまうものもあります。
最初に冷たいフライパンに投入するのは大きくて硬いスパイス。火をつけてしばらくすると、油が温まって来るので、その段階になったら小さいスパイスを投入しましょう。
なお、テンパリングをきちんと行うときには、多めの油を使用するとうまくいきますが、カロリーなどの面からあまり多く油を使いたくないといったときには、小さめのフライパンなどを使うか、フライパンを傾けて片方に油をためて、そこでスパイスのテンパリングを行うとうまく行えます。
インド料理などで仕上げのテンパリングを行う場合には、専用の小さめ、深めのフライパンもありますが、一般の家庭などではなかなか揃えづらいという場合、金属製の中華料理で使用するお玉などを使用してもよいでしょう。お玉は深く、油も溜めやすく、料理の仕上げに用いるときには非常に便利です。ただし、当然のことながらテンパリングは直火に掛けて行うものなので、樹脂製のものや、熱を加えると変質してしまう素材のお玉は使わないようにしましょう。
01まとめ
テンパリングは、スパイス料理の味わいを引き立てる重要なテクニックであり、正しく行うことで料理に深い香りと風味を加えます。基本的なテンパリングの方法を理解し、さまざまな素材とのベストコンビネーションを活用することで、家庭料理を一層美味しく仕上げることができるでしょう。これからは、ぜひテンパリングを取り入れて、スパイスの魅力を存分に楽しんでください。あなたの料理が、より豊かな味わいで満たされること間違いなしです。
3-1最初 香りをたたせて食材にもうつす
テンパリングを行うとき、料理のベースとしてスパイスの香りを引き立たせたいとき、まず料理の最初に行います。
料理の最初にテンパリングを行うことで、油に香りが移り、スパイスの香りを引き立たせて、料理全体にいきわたらせることができます。また、スパイスの香りが移った油で食材を調理することで、しっかりと食材にもスパイスの香りをつけることができます。
3-2最後 調味液のひとつとして使う
テンパリングには料理の仕上げに行う方法もあります。料理の最初にスパイスをテンパリングした場合、どうしても調理中に香りが飛んでしまうこともありますが、仕上げとして行うテンパリングには、その足りなくなった香りを補うという意味もあります。
特に仕上げに行うテンパリングは、繊細な香りを楽しめることから調味液のひとつとしても使用されます。
この技法はインド料理や中国料理でも一般的なもので、熱くした油を掛けることで、料理の上に乗せたネギなどの薬味から香りを引き出すという意味合いも含まれています。
なお、日本でテンパリングというと、この最終工程でスパイスの香りを引き出した油を掛けるという意味合いで用いられることが多いようです。
まず気を付けたいのは、まずフライパンにスパイスと油を入れてから火をつけるということ。すでに述べたようにスパイスは非常に焦げやすいため、熱した油に投入すると香りが引き出される前に焦げてしまうことがあります。
焦げを防ぐという意味では、常に弱火で行うことも重要です。
また、テンパリングを行うときには、スパイスを入れる順番にも注意しましょう。スパイスは植物の実や木の皮、乾燥した葉など様々な種類があり、殻の厚さや大きさもそれぞれ。一度にすべてを投入すると、先に焦げてしまうものもあります。
最初に冷たいフライパンに投入するのは大きくて硬いスパイス。火をつけてしばらくすると、油が温まって来るので、その段階になったら小さいスパイスを投入しましょう。
なお、テンパリングをきちんと行うときには、多めの油を使用するとうまくいきますが、カロリーなどの面からあまり多く油を使いたくないといったときには、小さめのフライパンなどを使うか、フライパンを傾けて片方に油をためて、そこでスパイスのテンパリングを行うとうまく行えます。
インド料理などで仕上げのテンパリングを行う場合には、専用の小さめ、深めのフライパンもありますが、一般の家庭などではなかなか揃えづらいという場合、金属製の中華料理で使用するお玉などを使用してもよいでしょう。お玉は深く、油も溜めやすく、料理の仕上げに用いるときには非常に便利です。ただし、当然のことながらテンパリングは直火に掛けて行うものなので、樹脂製のものや、熱を加えると変質してしまう素材のお玉は使わないようにしましょう。
01まとめ
- 通信講座の諒設計アーキテクトラーニング編集部
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280講座以上の資格取得できる通信講座を運営する諒設計アーキテクトラーニング編集部が運営するコラムです。心理カウンセラー、ドッグトレーナー、リンパケアセラピストなど、実践的で需要の高い資格を提供しており、学習者は自分のペースで学べる柔軟なカリキュラムを受けることができます。専門知識を短期間で習得できるよう設計されており、仕事や趣味に役立つスキルを身につけることが可能です。
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