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水耕栽培ってなに? 土耕栽培との違いについて

最近人気の高い水耕栽培。手軽でインテリアとしても楽しめることから、趣味として始めている女性の方も増えてきています。ではこの水耕栽培とはどのようなものなのでしょうか。土壌栽培とはどのようなものなのでしょうか。今回は水耕栽培の基本的知識や土耕栽培との違いについてご紹介します。

水耕栽培ってなに? 土耕栽培との違いについて
目次

01水耕栽培とは?

それでは、そもそも水耕栽培とはどのようなものなのでしょうか。

1-1土を使わず水で栽培する方法

水耕栽培とは、簡単に言えば土を使わず、水だけで行う植物の栽培方法です。
土を使わず水だけで栽培できる植物といえば非常に限られているように考えている方もいらっしゃいますが、実際には野菜や果物、花など、多くの植物を栽培することができます。
水耕栽培には、水だけで栽培することができるものもあり、初心者にとっては非常に簡単。
野菜などを育てたい場合、どうしても肥料が必要になりますが、その場合でも水に溶けるタイプの肥料を加えるだけなので、これまで野菜を育てた経験がないという方でも安心して始めることができます。

1-2容器、土台の特徴

水耕栽培は、使用する容器にも特徴があります。
水耕栽培で使われるものはプラスチックのカップやガラス容器などですが、専用のものではなく、家庭にあるもので十分代用ができます。
たとえば、よく使われるのがペットボトル。ペットボトルをカットして水を張るだけ、立派な水耕栽培の容器に変身します。
また、どこの家庭にもあるスポンジに水を含ませて種を植えるだけでも水耕栽培を始めることができます。
もっと本格的に野菜を育てたいという方におすすめなのが水耕栽培専用のキット。
水耕栽培用のキットは、容器や種、液体肥料、栽培用のスポンジなどがセットになっていて、それさえあれば誰でも簡単に水耕栽培を楽しむことができます。
キットの中には、太陽の光の代わりになるLED照明器具がセットになっている場合もあり、室内でも本格的な野菜作りを楽しむことができます。
さらにこだわって野菜を作ってみたいという方におすすめなのがバーミキュライトやハイドロボール。
バーミキュライトやハイドロボールは植物を発芽させて、根や茎を支える「培地」と呼ばれるものの素材で、天然の石や粘度を高温で加工するなどして作られたもの。
バーミキュライトやハイドロボールの特徴は、土を管理する手間が不要で、手軽だということ。さらに土とは違い、微生物や虫がいないため、清潔に植物を育てることができます。
もし室内で水耕栽培を行うときには非常に便利な存在です。

02水耕栽培と土耕栽培の違い

土と水という違いはあるものの、水耕栽培も土耕栽培もあまり違わないのではと考えている方も多いもの。では、水耕栽培と土耕栽培ではどのような違いがあるのでしょうか。

2-1土耕栽培では

土耕栽培の最大の特徴は土を使うということ。そのため、広いスペースが必要になります。もちろんマンションのベランダでプランターなどの容器を使って栽培することもできますが、それでもある程度の大きさと土が必要になります。
また、土を使うということは、植物に合った土壌を用意しなければならないということ。植物は種類によって土の好みが異なります。この土づくりには時間と労力はもちろん、経験や土に関する知識も必要です。
さらに、水耕栽培と土耕栽培の大きな違いが、天候に左右されるかどうかということ。
水耕栽培はほぼ室内で行うため、季節や時間帯による温度の変化はほとんどありません。
しかし、土耕栽培の場合には、季節や天気によって気温が大きく異なります。そのため、水やりなどで気を配ってあげなければ植物を育てることはできません。その他にも、土耕栽培は大雨や強風など、自然の影響を受けやすいもの。急な冷え込みなどによって霜が降りると植物が傷んでしまうこともあり、きちんとした対処が必要になります。
さらに土耕栽培の場合、害虫への対策も必要です。女性の中には虫が苦手という方も少なくありませんが、土を使って植物を育てる場合には、虫と付き合うことがどうしても必要になります。特に大変なのが無農薬で栽培する場合。自分で野菜を作るメリットは、農薬を使わずオーガニックな野菜を作れるということですが、その場合はどうしても害虫対策が必須となります。
ただし、土耕栽培では作ることができる野菜の種類が多いというメリットもあります。水耕栽培ではどうしてもスペースに限りがあるため、根が下に伸びていくダイコンやニンジンといった根菜類や大きく育つ野菜などを育てるのは不可能ですが、土壌栽培ではこれらの野菜も栽培することができます。

2-2栽培した野菜の特徴

水耕栽培と土耕栽培では、実った野菜の特徴も異なります。
土耕栽培は、土に含まれる栄養や太陽の光をたっぷり吸って育つもの。そのため、多くの野菜では収穫した野菜の味が濃くなります。
特に大きな違いが生まれるのは香りの強い野菜の場合。土耕栽培で育てた香りの強い野菜は、害虫から身を守るため、さらに持っている香りが強くなりますが、水耕栽培では害虫の影響を心配することはありません。そのため、どうしても香りが弱くなってしまうこともあります。
ただし、あまり香りの強い野菜が苦手な人や、野菜独特のえぐみが嫌いという方の場合には、水耕栽培で育てた野菜のほうが好きという場合もあるかもしれません。
また、土耕栽培は自然の影響を受けやすい栽培の方法。そのため畑の環境やその季節の気候によって味が大きく異なります。
もし気温が高すぎたり低すぎたりする場合や、日照時間が不足している場合など、収穫した野菜の質が低下してしまうことも考えられます。

03水耕栽培と植物工場の違い

水耕栽培というと、工場のような環境で野菜を育てているといった状況を思い浮かべる人も多いかもしれません。
では水耕栽培と植物工場ではどのような違いがあるのでしょうか。

3-1植物工場とは

「工場」という名前から、植物工場を工業製品を作るように野菜を栽培する場所と考えている人も少なくありません。
実際の植物工場とは、光や温度、湿度、培養液、養分などを完全に制御して野菜の飼育を行う場所のこと。
植物工場には、完全に外部の環境との遮断を行い、光も人工的なライトを使用して栽培を行う完全制御型、ビニールハウスのような場所で太陽の光を利用、温度の上がりすぎなどを防ぐ太陽光利用型といったものなど、様々なタイプがあります。
中にはすべての条件を管理しているものもありますが、部分的に管理を行っているというところも少なくありません。
そのため、植物工場と呼ばれる場所の中には、水耕栽培だけでなく、土を使って栽培を行うところも。
つまり、植物工場だからといって、すべてが水耕栽培で行われているわけではありません。
植物工場は現在様々な野菜の栽培で利用されていますが、自然の環境に左右されず野菜を安定的に供給できる、病害虫の影響を受けにくく、農薬を使わずに安全性の高い野菜が栽培できるといったメリットも多く、レタスなどの葉物野菜や、ハーブの栽培などに利用されています。

04まとめ

土を使わない水耕栽培には制限もありますが、土を使わないことによる様々なメリットも少なくないもの。特に手軽に植物を育てたい、野菜を作ってみたいという方にはぴったりです。もし新しい趣味を始めたいという方には、ぜひ水耕栽培をおすすめします。

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講座のテキスト、問題集や添削課題と共に、プロの先生によって監修されています。
やまさん
やまさん 先生
NHKテレビ番組「所さん大変ですよ」に出演。
1987年生まれ。栃木県出身。山形大学にて化学学士及び横浜市立大学にて生物修士を取得。
卒業後、大手メーカーの研究開発業務を約10年間経験。
学生時代の生物、化学の知識及びメーカーでの研究開発経験を活かし、水耕栽培を行っています。DFT/NFT水耕栽培装置を試作し、これまでに約50種類程度の野菜の水耕栽培に
成功。NHKテレビ番組「所さん大変ですよ」に出演。
やまさん

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