食育の必要性とは?食について知っておくべきことを解説
食育とは、食の大切さや健康的な食生活の実践を学ぶ取り組みです。
近年、食生活の乱れやそれに伴う健康問題が深刻化しています。
食育の必要性は、子どもの頃から健全な食習慣を身につけることで、生涯にわたる健康の維持につながるからです。
また、地域の食文化の継承や食品ロスの削減など、社会的な課題への対応にも食育は重要な役割を果たしています。
食育の推進により、一人一人が食の大切さを理解し、健康で豊かな食生活を送ることができるようになります。
「食育」と聞くと、どのようなイメージを抱くでしょうか。多くの人は「食育」イコール「子どもたちに食の重要性を教育すること」と考えるかもしれません。しかし、実はそれは大きな間違い。食育は子どもたちだけでなく、大人やお年寄りなど、すべての世代に必要な知識です。今回は食育の必要性や、食について知っておくべきことについて解説します。
- 目次
- 1. 食育の重要性と目的
- 1-1. 現代社会における食の重要性
- 1-2. 食育の定義と目的
- 2. 食に関する課題とは?
- 2-1. 健康面の課題
- 2-2. 環境面の課題
- 2-3. 食品ロスの問題
- 2-4. 経済・社会面の課題
- 2-5. 食料自給率の低下
- 2-6. 教育面の課題
- 3. 食育の必要性とは?
- 3-1. 健康の観点
- 3-2. 環境の観点
- 3-3. 経済・社会の観点
- 3-4. 教育の観点
- 4. 食育の取り組み事例
- 4-1. 行政レベルの取り組み
- 4-2. 学校における取り組み
- 4-3. 企業・団体の取り組み
- 5. 栄養バランスの重要性とは?
- 5-1. 適切な栄養摂取の重要性
- 5-2. 栄養バランスが健康に及ぼす影響
- 6. 食育の必要性
- 6-1. 食育は子どもからお年寄りまで、全ての人に必要なもの
- 6-2. 食育は特別なことではなく、継続的な習慣づけが重要
- 7. 「こ食」の傾向と影響
- 7-1. 孤食
- 7-2. 個食
- 7-3. 固食
- 7-4. 粉食
- 7-5. 小食
- 7-6. 濃食
- 8. 栄養バランスの重要性
- 8-1. 生活習慣病の子どもが増加している
- 8-2. 食事バランスガイドを取り入れ、「何を」「どれだけ」食べたら良いのかを考えられるようにする
- 9. まとめ
01食育の重要性と目的
・現代社会における食の重要性
・食育の定義と目的
こちらを順にご紹介します。
1-1現代社会における食の重要性
現代社会において、食は私たちの生活の中で重要な役割を果たしています。
食は単なる生存のための手段だけでなく、健康の維持、文化の継承、社会的つながりの醸成など、様々な側面で私たちの生活に深く関わっています。
しかし、近年の食生活の変化により、子どもを中心に偏った食生活や、食に関する知識の低下が問題視されています。
食育は、このような課題に対応するために重要な取り組みとなるでしょう。
食育の目的は、食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身につけ、健康で豊かな生活を送ることができるようにすることです。
具体的には、食の大切さや食べ物の産地、調理方法、栄養素の役割などについて理解を深め、バランスの取れた食事を選択する力を養うことが求められます。
また、食育は、地域の産物を活用し、食文化を大切にする心を育むことにも貢献します。
さらに、家族や地域社会との交流を通じて、食を通じた人々とのつながりを深めることも重要な目的の一つです。
食育の推進は、健康の保持・増進、地域の活性化、心の豊かさの醸成など、様々な面で私たちの生活を豊かにしていくと期待されています。
1-2食育の定義と目的
食育とは、食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践できるようにするための取り組みです。
単に食べることだけでなく、食の大切さや食文化を理解し、適切な食行動を身につけることが目的とされています。
食育の主な目的は以下の4つが挙げられます。
1.食に関する正しい知識と望ましい食習慣の習得
食品の栄養成分、調理方法、適切な食事バランスなど、健康的な食生活を送るために必要な知識を身につけることが目的の一つです。
2.食の大切さや食文化の理解
食を生み出す生産者の努力や、地域の食文化の重要性を理解し、食に対する感謝の心を育むことが目的とされます。
3.心身の健康の保持・増進
適切な食生活の実践により、生活習慣病の予防や肥満の防止などの健康増進につなげることができます。
4.地域社会との関わりの深化
地域の食材や食文化に関心を持ち、生産者や調理者との交流を通じて、地域社会との絆を深めることも目的の一つです。
このように、食育は単なる食の知識の習得にとどまらず、健康、文化、地域社会など、様々な側面において重要な役割を果たしています。
02食に関する課題とは?
・健康面の課題
・環境面の課題
・食品ロスの問題
・経済・社会面の課題
・食料自給率の低下
・教育面の課題
こちらを順にご紹介します。
2-1健康面の課題
近年、食生活の洋風化や外食の増加などにより、食生活の変化が大きな問題となっています。
食事の偏りや過剰摂取により、生活習慣病のリスクが高まっています。
具体的には、塩分や脂肪分、糖分の過剰摂取が高血圧や糖尿病、肥満などの原因となっているでしょう。
一方で、野菜や果物、穀物の不足から、ビタミンやミネラルの不足も問題となっています。
また、食の安全性の確保も重要な課題です。
食品添加物や残留農薬、食中毒菌の問題など、食の安全性を脅かす要因が後を絶ちません。
これらの食生活の問題を改善するためには、バランスの取れた食事の摂取、適切な食品選択、正しい食習慣の形成が重要です。
個人の努力はもちろんのこと、企業や行政による取り組みも不可欠です。
私たち一人一人が食に関する課題を認識し、健康的な食生活を心がける必要があります。
2-2環境面の課題
食料生産は地球環境に大きな影響を与えています。
農業や畜産業などの食料生産活動は、温室効果ガスの排出、土地や水資源の過剰利用、生物多様性の喪失などの課題を引き起こしています。
特に、肉類の生産は環境負荷が大きく、牛肉の生産には莫大な水資源が必要とされているでしょう。
また、化学肥料や農薬の過剰使用は土壌の劣化を招き、生態系の破壊にもつながっています。
一方で、世界的な人口増加に伴い、食料需要が急速に高まっています。
限りある資源の中で、持続可能な食料生産システムを構築することが喫緊の課題となっているでしょう。
持続可能な食生活を実現するためには、植物性たんぱく質の摂取を増やす、食品ロスの削減、有機農業の推進、地産地消の推進など、多角的な取り組みが必要とされます。
個人レベルでの食生活の見直しから、企業や行政による政策的な対応まで、様々な取り組みが求められています。
食と環境の調和を図ることは、私たちが健康的で持続可能な未来を築く上で重要な課題といえるでしょう。
2-3食品ロスの問題
食品ロスとは、食べられるにもかかわらず捨てられてしまう食品のことを指します。
日本では年間約612万トンもの食品ロスが発生していると推計されており、大きな経済的・環境的な損失となっています。
食品ロスの主な原因としては、過剰な生産や売れ残り、賞味期限切れ、家庭での食べ残しなどが挙げられます。
食品のロスは、そこに投入された労力や水、エネルギーなどの資源の無駄遣いにもつながり、地球温暖化の一因ともなっているでしょう。
一方で、世界には十分な食料がありながら、貧困などの理由で食べられない人々が大勢いるのが現状です。
食品ロスの削減は、食料の有効活用と食料不足の解消につながる重要な課題なのです。
企業による賞味期限の見直しや、家庭での食べ残しの削減、フードバンクなどの食品ロス削減への取り組みが広がっています。
一人一人が食品ロスの問題に関心を持ち、食生活の見直しに努めることが求められています。
持続可能な社会を実現するためには、食品ロスの削減が不可欠な課題だと言えるでしょう。
2-4経済・社会面の課題
食料供給は経済活動の基盤をなすものですが、近年の課題として、食料価格の高騰や格差の問題が挙げられます。
世界的な人口増加や気候変動の影響により、穀物や肉類などの価格が高騰しており、特に開発途上国では深刻な食料不足に見舞われています。
一方で先進国では、安価な輸入食品の普及により、国内の農業が疲弊し、食料安全保障が脅かされているでしょう。
また、経済的な格差により、健康的な食生活が送れない人々も増加しています。
低所得者層ほど、脂肪分の多い加工食品に頼りがちで、生活習慣病のリスクが高まっています。
一方で、食品ロスの問題に見られるように、食料が無駄に捨てられているのも課題です。
食料を有効活用し、すべての人々に適切な食料を提供することが求められています。
食に関する経済・社会問題を解決するには、公平な食料分配、公的支援の拡充、食料ロスの削減など、総合的な取り組みが必要不可欠です。
食を通じた社会的公平性の実現は、持続可能な社会を実現する上でも重要な課題といえます。
2-5食料自給率の低下
食料自給率とは、国内で生産された食料が国内の食料需要に対してどの程度賄えているかを示す指標です。
日本の食料自給率は、1960年代には90%前後だったものの、現在は約38%まで低下しています。
この低下には、いくつかの要因が考えられます。
まず、高度経済成長に伴い国内の食料需要が増大する一方で、農業従事者の減少や農地の減少により、国内の食料生産が追い付いていないことが大きな要因です。
また、安価な輸入食品の増加により、国内農業の競争力が低下し、国内生産が冷え込んでいるのも背景にあります。
さらに、自然災害の影響や気候変動による生産量の変動など、食料安全保障上の課題も懸念されています。
食料自給率の低下は、食料の安定供給と価格の変動リスクを高める可能性があるでしょう。
特に、有事の際には深刻な事態に陥る恐れがあります。
そのため、国内農業の生産性向上、省力化技術の開発、食料ロスの削減、輸入依存の見直しなど、様々な取り組みが求められています。
食料自給率の向上は、国民の食料安全保障を高める上で重要な課題なのです。
2-6教育面の課題
食生活は健康や環境、さらには地域社会にも大きな影響を及ぼします。
しかし、現代の子供たちの食に関する知識や関心は必ずしも十分とはいえません。
例えば、栄養バランスの偏りや、食品ロスの問題など、食の問題について正しい理解が広がっていません。
さらに、食料生産の仕組みや、地域の食文化、食の安全性などについても、関心が低い傾向にあります。
こうした状況を改善するためには、学校教育の中で食に関する教育の充実が重要です。
児童生徒に対し、食の大切さや、健康的な食生活の実践方法、食料生産の実態など、幅広い知識を身につけさせる必要があります。
また、家庭においても、親が子供に対して食育を行うことが求められ、子供の食習慣は家庭環境に大きく影響されるため、家庭での食に関する適切な指導が欠かせません。
さらに、地域社会全体で食に関する理解を深めていくことも重要です。生産者と消費者の交流の場の提供や、食品ロス削減の取り組みなど、地域ぐるみの食育活動を推進していくことが期待されます。
食に関する教育の充実は、健康的で持続可能な食生活を実現する上で不可欠な課題なのです。
03食育の必要性とは?
・健康の観点
・環境の観点
・経済・社会の観点
・教育の観点
こちらを順にご紹介します。
3-1健康の観点
食生活は私たちの健康に大きな影響を及ぼします。
しかし、現代社会ではインスタント食品の増加や、不規則な食事など、健康的な食生活が必ずしも実践されていないのが現状です。
このため、適切な食育を行い、バランスの良い食事の重要性を理解してもらうことが非常に重要です。
例えば、子供の頃から、栄養素の役割や、旬の食材の活用方法などを学ぶことで、生涯にわたって健康的な食生活を送ることができるようになります。
また、食育を通して、食事と健康の関係性を理解することで、生活習慣病の予防にもつながります。
肥満やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病は、食生活の乱れが主な要因の一つとされています。
食育により、適切な食事量や、塩分・脂肪の取り方など、健康的な食生活のあり方を身につけることができるでしょう。
さらに、食育は食の安全性の理解にも寄与します。
食品添加物や残留農薬などの問題について、正しい知識を持つことで、自身の健康を守ることができるのです。
このように、食育は健康的な生活習慣の形成に大きな役割を果たします。
子供から大人まで、生涯にわたって食育を実践していくことが重要なのです。
3-2環境の観点
食生活は、私たちの健康だけでなく、環境にも大きな影響を及ぼします。
環境に配慮した持続可能な食生活を実現するためには、食育が不可欠です。
例えば、食品ロスの問題は深刻化しています。
食べ残しや賞味期限切れによる食品の廃棄は、食料資源の浪費につながり、食育を通して、食品の買い過ぎ防止や、賢明な保存方法、食べ残しの削減などを学べば、食品ロスを削減できます。
また、フードマイレージの問題もあります。
食材の生産から消費地までの輸送距離が長いと、膨大な CO2排出量となり、地産地消を推進する食育により、環境負荷の小さい食生活を実践することができるでしょう。
さらに、有機農業の重要性についても、食育で理解を深めることが大切です。
化学肥料や農薬に頼らない持続可能な農業は、土壌や生態系の保全に寄与します。
食育を通して、環境に配慮した食材選びの習慣を身につけることができるのです。
このように、食育は私たちの食生活と環境の調和を図る上で、非常に重要な役割を果たします。
持続可能な社会の実現には、食育を通じた環境配慮型の食生活の実践が欠かせません。
3-3経済・社会の観点
食育は、単に個人の健康増進だけでなく、地域経済の活性化や社会的課題の解決にも寄与します。
まず、地域農業の振興に食育は大きな役割を果たします。
地域の食材を活用し、その魅力を発信する食育活動は、地元農産物の消費拡大につながり、これにより、地域農業の活性化や、農家の所得向上にも貢献できるのです。
また、食育を通して、地域の食文化や伝統的な料理を次世代に継承することも可能です。
こうした取り組みは、地域の魅力を高め、観光振興にも役立ちます。地域の経済的発展には、食育が欠かせない要素といえます。
さらに、食育は社会的課題の解決にも寄与します。
例えば、子供の貧困問題では、バランスの取れた食事の提供が重要です。
学校などでの食育活動を通して、子供たちの健全な成長を支援することができます。
また、高齢化社会においては、低栄養予防のための食育が必要不可欠です。
適切な食生活の習得は、健康寿命の延伸につながります。
こうした取り組みは、医療費の抑制にも寄与するのです。
このように、食育は地域経済の発展や、社会的課題の解決に大きな影響を及ぼします。
持続可能な社会の実現には、食育の推進が不可欠なのです。
3-4教育の観点
食育は、子供たちの健全な心身の発達を促す上で、非常に重要な教育的役割を果たします。
まず、食育を通して、子供たちは栄養のバランスや食品の特性など、適切な食生活に関する基本的な知識を身につけることができるでしょう。
これらの知識は、生涯にわたって健康的な食生活を実践するための基盤となります。
また、食育では、食事をする喜びや感謝の心を養うことも目的とされています。
食事の準備から後片付けまで、一連の食に関する活動に参加することで、食に関するリテラシ(食に関する基本的な生活力)が育成され、食事を通して、思いやりの心や協調性も育まれるのです。
さらに、食育には地域や文化の理解を深める効果もあり、地元の食材や郷土料理を学ぶことで、子供たちは地域の歴史や伝統、自然環境への関心を高めることができます。
こうした取り組みは、地域に対する愛着心の醸成にも寄与します。
加えて、食育は児童生徒の学習意欲の向上にも資するでしょう。
給食の調理や試食を通して、食に対する興味関心が喚起され、それが他の教科の学習意欲につながることが期待されます。
このように、食育は子供たちの健康的な心身の発達を促すとともに、様々な教育的効果も期待できる重要な取り組みなのです。
04食育の取り組み事例
・行政レベルの取り組み
・学校における取り組み
・企業・団体の取り組み
こちらを順にご紹介します。
4-1行政レベルの取り組み
地方自治体を中心に、さまざまな食育の取り組みが行われています。
その代表的な事例としては、自治体独自の「食育推進計画」の策定が挙げられるでしょう。
例えば、東京都は2008年に「東京都食育推進計画」を策定し、食育の推進に全庁挙げて取り組んでいます。
この計画では、年齢や生活ステージに応じた食育の推進や、地域の食文化の継承、食品ロス削減などの施策が盛り込まれているでしょう。
また、兵庫県では「地産地消」を重点に置いた食育を展開しています。
地元の食材を活用した学校給食の提供や、生産者と消費者の交流事業など、地域の食資源を活かした取り組みを行っています。
これにより、地域経済の活性化にも寄与しています。
さらに、静岡県では、県民一人ひとりが食育に自発的に取り組めるよう、「しずおか食育ポイント制度」を導入し、日常の食生活の実践に応じてポイントが付与され、ポイントを活用してオリジナルグッズの購入ができるなど、参加者のモチベーション向上につながっているでしょう。
このように、各自治体が地域の実情に応じた食育施策を展開しており、行政の主導的な役割が食育を推進する上で重要になっています。
地域の特色を生かした食育の取り組みは、住民の食に対する関心を高め、健康増進やコミュニティ活性化にもつながっているのです。
4-2学校における取り組み
学校は、児童生徒に対して組織的・継続的に食育を実践できる場として重要な役割を果たしています。
まず、給食を通した取り組みが代表的です。
学校給食では、地場産の食材を活用したり、食事の演出を工夫したりするなど、食への関心を高める取り組みが行われています。
また、給食の時間に栄養指導を行うことで、バランスの取れた食生活の大切さを教育しています。
加えて、授業の中でも食育に関する学習が行われているでしょう。
家庭科の授業では、調理実習を通して調理技術の習得や食文化の理解を深めたり、理科の授業では、食べ物の栄養素や消化吸収のしくみについて学習したりするなど、教科横断的な食育が展開されています。
さらに、学校行事の中にも食育が組み込まれています。
「食育の日」などのイベントを設け、保護者も参加して地域の食文化を学ぶ取り組みを行ったり、農業体験学習を通して食料生産の大切さを理解する取り組みも行われています。
このように、学校は給食、授業、行事など、さまざまな場面で組織的に食育に取り組んでおり、児童生徒の発達段階に応じた系統的な食育教育を実践しているのが特徴です。
学校における食育は、子どもたちの健全な心身の育成に大きく寄与しているといえます。
4-3企業・団体の取り組み
企業や団体においても、社会的責任の一環として積極的に食育活動に取り組んでいる事例が増えています。
例えば、食品メーカーでは、自社の商品を活用した食育活動を展開しています。
キッコーマンは、醤油の製造工程を見学できるファクトリーツアーを開催したり、レシピ提案やクッキング教室を通して食育を推進しています。
これにより、自社商品への理解を深めるとともに、食の大切さを伝えるという一石二鳥の効果が得られているでしょう。
一方、コンビニエンスストアチェーンでは、健康志向の高まりを受けて、店舗内における食育コーナーの設置や、野菜摂取の提案などに取り組んでいます。
この取り組みは、顧客の健康づくりに貢献するだけでなく、企業ブランドのイメージアップにもつながっています。
さらに、スポーツ団体では、選手の食事管理を通した食育活動に力を入れています。
公益財団法人日本オリンピック委員会は、「スポーツ栄養サポートプログラム」を実施し、選手の健康管理と競技力向上を目指しています。
これにより、スポーツを通した食育の発信にもつながるでしょう。
このように、企業や団体が自社の強みを生かしながら食育活動に取り組むことで、顧客や地域住民への食育の普及、健康増進につなげているのが特徴です。
企業・団体による食育の取り組みは、社会的課題の解決にも寄与していると言えるでしょう。
05栄養バランスの重要性とは?
・適切な栄養摂取の重要性
・栄養バランスが健康に及ぼす影響
こちらを順にご紹介します。
5-1適切な栄養摂取の重要性
栄養バランスとは、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養素を適量で摂取することを意味します。
この栄養バランスが崩れると、身体のさまざまな機能に支障をきたします。
例えば、たんぱく質が不足すると筋肉が衰えたり、ビタミンCが不足するとかぜをひきやすくなったりします。
一方で、脂肪分の取り過ぎは動脈硬化の原因になる可能性があるでしょう。
適切な栄養摂取は、単に健康維持だけでなく、病気の予防にもつながります。
高血圧や糖尿病、がんといった生活習慣病の多くは、食生活の乱れが大きな要因となっています。
バランスの取れた食事を心がけることで、これらの疾患のリスクを下げることができるのです。
さらに、適切な栄養摂取は、心の健康にも好影響を及ぼします。脳の活動を活性化させるビタミンやミネラルを十分に摂取することで、ストレス耐性が高まり、気分の安定にもつながるのです。
このように、適切な栄養バランスを保つことは、身体面、精神面の両方において、健康的な生活を送る上で非常に重要なポイントといえます。
一人一人が日頃の食生活に気をつけ、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
5-2栄養バランスが健康に及ぼす影響
栄養バランスの重要性は、健康維持や疾病予防の観点から非常に大きいと言えます。
まず、栄養バランスが適切であれば、身体の各部位が健全に機能することができます。
たんぱく質は筋肉の構成成分となり、ビタミンやミネラルは代謝の調整や免疫機能の維持に不可欠です。
これらの栄養素がバランス良く摂取されていれば、丈夫な体づくりや、病気に負けにくい体質の維持につながります。
一方で、栄養バランスが崩れると、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があるでしょう。
脂肪分の取り過ぎは動脈硬化を促進し、高血圧や心疾患のリスクを高めます。
また、ビタミンやミネラルの不足は、貧血や骨粗しょう症などの疾病につながるでしょう。
さらに、適切な栄養摂取は、メンタルヘルスの維持にも重要な役割を果たします。
脳の活動を活性化させるビタミンB群やω-3系脂肪酸は、ストレス耐性の向上や気分の安定に寄与します。
つまり、バランスの取れた食事を心がけることで、身体面だけでなく精神面の健康も保つことができるのです。
01食育の必要性
文部科学省が定める「食育基本法」の中で、食育は生きる上で基本である「食」を通じて、健全な食生活を送れるようにするための力を育むこととされています。つまり、食育は子どもたちが食についての知識を深めるだけでなく、国民が健全な食生活を送ることを目的としています。
1-1食育は子どもからお年寄りまで、全ての人に必要なもの
食事を食べるという行動は、子どもだけでなくすべての人が行うもの。もちろん、これから健康な身体を作っていく子どもにとっても重要ですが、忙しい毎日を送る上で、つい食生活に関心が失われがちな20代から30代、肥満や生活習慣病が気になり始める40代から50代、そして元気で長生きしなければいけない高齢者など、それぞれの年齢層によって、食に関する問題はそれぞれ異なっています。食育は、それぞれの年齢に必要な食の知識や栄養についての関心を身につけ、健康な一生を送るために必要なものなのです。
1-2食育は特別なことではなく、継続的な習慣づけが重要
育といえば、学校で授業を受けたり、農業体験や調理体験を行ったりといった特別な教育だと考える人も多いかもしれません。しかし、食育は特別なことではありません。
食育は、誰かのために食事を作り、味わうという繰り返しの中で育まれるもの。
というのも食事は勝手にできるわけではありません。食事を食べるには、調理してくれる人、野菜や肉、魚を生産する人、それを流通・販売する人など、様々な人が必要です。普段は意識しない人たちが食に関わっているということを考えることも重要な食育のひとつです。
さらに、食事を食べるときには、「いただきます」「ごちそうさま」といった挨拶や、お箸やお椀の持ち方など、様々なマナーが必要です。これらの正しい食事の食べ方は、一朝一夕の教育で身に付くものではありません。これらは一緒に家族や友人と食卓を囲む中で育てられていくもの。
つまり、食育は授業やイベントのみではなく、毎日の食卓で食事をする中で行われる教育と言えるでしょう。
02「こ食」の傾向と影響
現在、大きな問題となっているのが「こ食」の問題です。「こ食」には様々な種類があり、それらはそれぞれ、毎日の生活に深刻な影響を与える可能性があります。
2-1孤食
「孤食」とは、文字が表すようにひとりで食べる食事です。共働きの家庭が増えたことや、塾通いなどにより、一人で食事を食べる子どもは少なくありません。また、一人暮らしの大学生や高齢者、毎日深夜に帰宅する方なども、ひとりで食事を食べているという方も多いことでしょう。
孤食はひとりだけで食べるため、どうしてもインスタント食品やファストフード、コンビニ弁当に偏りがち。これらは栄養的な問題はもちろん、会話をする相手がいないこともあり、どうしても食事を楽しむということができなくなり、食への関心が薄れがちになります。さらに、マナーを注意してくれる人がいない、コミュニケーションを取れないなどといった問題も含まれています。
2-2個食
「個食」は家族で一緒に食事をしていても、それぞれが別のものを食べるというタイプの食事です。それぞれが別のものを食べるということは食卓の一体感が持てないという以外にも、自分が好きなものしか食べないということになりがちで、生活習慣病や肥満などのリスクが高くなります。さらに、この個食でも食がコミュニケーションや楽しみの場であるということを考えられないため、自分が食べているものにしか関心がなくなるといった問題もあります。
2-3固食
「固食」とは、「固定されている食事」という意味で、自分の好きなものや決まったものしか食べないという食事のことです。この固食は偏ったものしか食べないため、栄養も不足しがち。さらに、他人に関心を払うことができない、自分の要求を通さなければ気が済まないといった性格的な問題を引き起こすこともあります。この固食の場合には、食生活に関心を持てなくなるだけでなく、調理してくれる人や、食材を生産している人など、食に関する想像力が乏しいということも問題点として指摘されています。
2-4粉食
「粉食」はパンやパスタといった、小麦粉を主食とする食生活のことです。パンにはジャムやバター、パスタにはソースが必要となるため、どうしても食事の中に占めるカロリーや脂質の割合が高くなりがち。さらに、どうしてもおかずが肉に偏りがちになるため、魚を上手く食べられない、お箸が使えないといったことにもなりかねません。さらに欧米的な食習慣を続けていることで、日本の伝統的な出汁やうまみといった味を感じる力が衰えることも懸念されています。
2-5小食
「小食」とは、食事の絶対量が少ないという場合です。食べられる量は人それぞれで、食べたくないものを無理に食べさせる必要はありませんが、少なすぎるのも問題。単に食事が食べられないというよりも、食事以外のスナック菓子や炭酸飲料などを食べ過ぎている可能性も考えられます。
2-6濃食
「濃食」は濃い味付けの食事しか食べないというタイプです。濃い味付けの食事の場合、塩分や糖分が多く、生活習慣病の原因となることもあります。また、子どもの頃から濃い味付けの食事に慣れてしまうと、繊細な味わいを感じることができず、薄味のものを美味しくないと判断、一生にわたって濃い味付けを食べ続けなければならないということにもなってしまいます。
1-1食育は子どもからお年寄りまで、全ての人に必要なもの
食事を食べるという行動は、子どもだけでなくすべての人が行うもの。もちろん、これから健康な身体を作っていく子どもにとっても重要ですが、忙しい毎日を送る上で、つい食生活に関心が失われがちな20代から30代、肥満や生活習慣病が気になり始める40代から50代、そして元気で長生きしなければいけない高齢者など、それぞれの年齢層によって、食に関する問題はそれぞれ異なっています。食育は、それぞれの年齢に必要な食の知識や栄養についての関心を身につけ、健康な一生を送るために必要なものなのです。
1-2食育は特別なことではなく、継続的な習慣づけが重要
育といえば、学校で授業を受けたり、農業体験や調理体験を行ったりといった特別な教育だと考える人も多いかもしれません。しかし、食育は特別なことではありません。
食育は、誰かのために食事を作り、味わうという繰り返しの中で育まれるもの。
というのも食事は勝手にできるわけではありません。食事を食べるには、調理してくれる人、野菜や肉、魚を生産する人、それを流通・販売する人など、様々な人が必要です。普段は意識しない人たちが食に関わっているということを考えることも重要な食育のひとつです。
さらに、食事を食べるときには、「いただきます」「ごちそうさま」といった挨拶や、お箸やお椀の持ち方など、様々なマナーが必要です。これらの正しい食事の食べ方は、一朝一夕の教育で身に付くものではありません。これらは一緒に家族や友人と食卓を囲む中で育てられていくもの。
つまり、食育は授業やイベントのみではなく、毎日の食卓で食事をする中で行われる教育と言えるでしょう。
2-1孤食
「孤食」とは、文字が表すようにひとりで食べる食事です。共働きの家庭が増えたことや、塾通いなどにより、一人で食事を食べる子どもは少なくありません。また、一人暮らしの大学生や高齢者、毎日深夜に帰宅する方なども、ひとりで食事を食べているという方も多いことでしょう。
孤食はひとりだけで食べるため、どうしてもインスタント食品やファストフード、コンビニ弁当に偏りがち。これらは栄養的な問題はもちろん、会話をする相手がいないこともあり、どうしても食事を楽しむということができなくなり、食への関心が薄れがちになります。さらに、マナーを注意してくれる人がいない、コミュニケーションを取れないなどといった問題も含まれています。
2-2個食
「個食」は家族で一緒に食事をしていても、それぞれが別のものを食べるというタイプの食事です。それぞれが別のものを食べるということは食卓の一体感が持てないという以外にも、自分が好きなものしか食べないということになりがちで、生活習慣病や肥満などのリスクが高くなります。さらに、この個食でも食がコミュニケーションや楽しみの場であるということを考えられないため、自分が食べているものにしか関心がなくなるといった問題もあります。
2-3固食
「固食」とは、「固定されている食事」という意味で、自分の好きなものや決まったものしか食べないという食事のことです。この固食は偏ったものしか食べないため、栄養も不足しがち。さらに、他人に関心を払うことができない、自分の要求を通さなければ気が済まないといった性格的な問題を引き起こすこともあります。この固食の場合には、食生活に関心を持てなくなるだけでなく、調理してくれる人や、食材を生産している人など、食に関する想像力が乏しいということも問題点として指摘されています。
2-4粉食
「粉食」はパンやパスタといった、小麦粉を主食とする食生活のことです。パンにはジャムやバター、パスタにはソースが必要となるため、どうしても食事の中に占めるカロリーや脂質の割合が高くなりがち。さらに、どうしてもおかずが肉に偏りがちになるため、魚を上手く食べられない、お箸が使えないといったことにもなりかねません。さらに欧米的な食習慣を続けていることで、日本の伝統的な出汁やうまみといった味を感じる力が衰えることも懸念されています。
2-5小食
「小食」とは、食事の絶対量が少ないという場合です。食べられる量は人それぞれで、食べたくないものを無理に食べさせる必要はありませんが、少なすぎるのも問題。単に食事が食べられないというよりも、食事以外のスナック菓子や炭酸飲料などを食べ過ぎている可能性も考えられます。
2-6濃食
「濃食」は濃い味付けの食事しか食べないというタイプです。濃い味付けの食事の場合、塩分や糖分が多く、生活習慣病の原因となることもあります。また、子どもの頃から濃い味付けの食事に慣れてしまうと、繊細な味わいを感じることができず、薄味のものを美味しくないと判断、一生にわたって濃い味付けを食べ続けなければならないということにもなってしまいます。
03栄養バランスの重要性
食事に関しては、「どのように食べるか」というだけでなく、「なにをどれだけ食べるか」ということも重要です。
3-1生活習慣病の子どもが増加している
近年、問題となっているのが子どもの生活習慣病です。生活習慣病は、高血圧や糖尿病など、生活習慣を原因とする病気の総称で、これまでは中高年特有のものとされてきました。しかし、現在では食事の中の糖質や脂質、塩分の割合が高くなり、さらに生活環境の変化もあって運動不足の子どもが増加、その結果、子どもでも生活習慣病を発症するリスクが高まっています。
3-2食事バランスガイドを取り入れ、「何を」「どれだけ」食べたら良いのかを考えられるようにする
もし、自分の子どもが生活習慣病になっているかもと心配になった場合、おすすめしたいのが「食事バランスガイド」の活用です。食事バランスガイドとは、一日に「何を」「どれだけ」食べたらよいのかを考える際の参考として、食事の望ましい組み合わせと量をわかりやすく示したものです。
この食事バランスガイドは一日の食事を、主食、主菜、副菜、乳製品、果物などに分類、それらを組み合わせることで、最適の量を導き出すことができます。従来の「食品成分表」などは、食材を栄養素別に分類し、カロリー計算を行うものでしたが、普段の料理では使いにくく、計算が面倒なこともあります。しかし食事バランスガイドの場合、メニューを選ぶだけなので、誰でも簡単に食事のバランスが良いか悪いかを知ることができます。
04まとめ
食育は、私たちの健康や社会に大きな影響を与える重要な取り組みです。
近年、食生活の乱れによる肥満や生活習慣病の増加、地域の伝統的な食文化の消失、食品ロスの増加など、様々な食に関する課題が深刻化しています。
食育は、子どもの頃から健全な食習慣を身につけ、生涯にわたる健康の保持・増進につながります。
また、地域の食文化を次世代に継承し、食品ロスの削減にも貢献できます。
一人一人が食の大切さを理解し、食を通じた心身の健康づくりや地域の活性化に取り組むことが重要です。
食育の推進により、将来にわたって豊かな食生活を送ることができるようになるでしょう。子どもだけでなく、大人にとっても重要になる食育。問題の多い現代社会で健康な生活を送るためにも、食育についてしっかり学ぶことは重要だと言えそうです。
3-1生活習慣病の子どもが増加している
近年、問題となっているのが子どもの生活習慣病です。生活習慣病は、高血圧や糖尿病など、生活習慣を原因とする病気の総称で、これまでは中高年特有のものとされてきました。しかし、現在では食事の中の糖質や脂質、塩分の割合が高くなり、さらに生活環境の変化もあって運動不足の子どもが増加、その結果、子どもでも生活習慣病を発症するリスクが高まっています。
3-2食事バランスガイドを取り入れ、「何を」「どれだけ」食べたら良いのかを考えられるようにする
もし、自分の子どもが生活習慣病になっているかもと心配になった場合、おすすめしたいのが「食事バランスガイド」の活用です。食事バランスガイドとは、一日に「何を」「どれだけ」食べたらよいのかを考える際の参考として、食事の望ましい組み合わせと量をわかりやすく示したものです。
この食事バランスガイドは一日の食事を、主食、主菜、副菜、乳製品、果物などに分類、それらを組み合わせることで、最適の量を導き出すことができます。従来の「食品成分表」などは、食材を栄養素別に分類し、カロリー計算を行うものでしたが、普段の料理では使いにくく、計算が面倒なこともあります。しかし食事バランスガイドの場合、メニューを選ぶだけなので、誰でも簡単に食事のバランスが良いか悪いかを知ることができます。
近年、食生活の乱れによる肥満や生活習慣病の増加、地域の伝統的な食文化の消失、食品ロスの増加など、様々な食に関する課題が深刻化しています。
食育は、子どもの頃から健全な食習慣を身につけ、生涯にわたる健康の保持・増進につながります。
また、地域の食文化を次世代に継承し、食品ロスの削減にも貢献できます。
一人一人が食の大切さを理解し、食を通じた心身の健康づくりや地域の活性化に取り組むことが重要です。
食育の推進により、将来にわたって豊かな食生活を送ることができるようになるでしょう。子どもだけでなく、大人にとっても重要になる食育。問題の多い現代社会で健康な生活を送るためにも、食育についてしっかり学ぶことは重要だと言えそうです。
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フードアナリストの資格を持つ占い師として、風水や西洋占星術など占いを活用した「ラッキー〇〇」として有名企業の企画の執筆も手掛ける。