保育園での食育の取り組みとは？目的や具体的方法を紹介

1-1健康的な食習慣の形成

保育園における食育の最も重要な目的は、子どもたちが健康的な食習慣を形成することです。
子どもの時期から、正しい食の知識と、楽しみながら食事をする習慣を身に付けることが、健全な成長につながるでしょう。
保育園では、様々な取り組みを通して子どもたちの食育を支援し、給食の時間には、食事のマナーや栄養バランスについて、楽しみながら学べるよう工夫されています。
また、食材の産地や調理過程を具体的に伝えることで、食材への理解を深めています。
さらに、園庭での野菜作りなどの体験活動を通して、食べ物の成長過程に興味をもってもらい、食への関心を高めているでしょう。
これらの取り組みは、単に知識を習得するだけでなく、食事を楽しむ心情を育むことを目的としています。
楽しみながら食事をする習慣は、後のライフスタイルにも大きな影響を及ぼします。
保育園は、子どもの健康的な食習慣の基礎を培う大切な場所なのです。

1-2食への関心と理解の促進

保育園における食育の主な目的は、子どもたちの食への関心と理解を促進することです。
単なる栄養知識の習得だけでなく、食べ物への興味関心を高め、楽しみながら食事ができる習慣を身につけてもらうことが重要です。
具体的な取り組みとしては、給食の時間に、食事のマナーや栄養バランスについて話し合うことから始まります。
食材の産地や調理過程を説明することで、食べ物がどのように作られているのかを理解させ、興味を持たせます。
また、園庭での野菜作りなどの体験活動を通して、食べ物の成長過程に直接触れることで、食への関心をより深めることができます。
さらに、家庭との連携も欠かせません。
保護者に対する栄養指導などを通して、家庭での食事にも良い影響を与えることができます。
子どもたちが楽しみながら食事ができるよう、保育園と家庭が協力して取り組むのが理想的です。
このように、保育園における食育の目的は、単なる知識の習得にとどまらず、子どもたちの食への関心と理解を深めることにあります。
健康的な食習慣の基礎を築くことができるよう、様々な工夫がなされています。

1-3食を通じた心身の発達支援

保育園における食育の重要な目的の1つは、食を通じた子どもの心身の健全な発達を支援することにあります。
適切な栄養摂取と楽しい食事体験は、子どもの成長にとって不可欠です。
保育園では、給食の時間に食事のマナーや栄養バランスについて、子どもたちが楽しみながら学べるよう工夫しています。
また、食材の産地や調理過程を具体的に伝えることで、食への理解を深めてもらっています。
さらに、園庭での野菜作りなどの体験活動を通して、食べ物の成長過程に興味をもってもらい、食への関心を喚起しているでしょう。
これらの取り組みは、単なる知識の習得にとどまらず、食事を楽しむ心情を育むことを目的としています。
楽しみながら食事をする習慣は、心身の健全な発達に大きな影響を及ぼします。
例えば、バランスのとれた食事は、子どもの集中力や体力の向上につながるでしょう。
また、食事を楽しむ心情は、社会性の育成にも寄与します。
友達と一緒に食事をする中で、コミュニケーション能力や協調性を身につけることができるのです。
このように、保育園における食育は、単なる栄養指導にとどまらず、子どもの心身の健全な発達を支援することを目的としているのです。

2-1楽しい食事の時間の設定

保育園における食育の取り組みの中でも重要なのが、子どもたちが楽しみながら食事ができる時間の設定です。
楽しい食事体験は、子どもの健康的な食習慣の形成につながるでしょう。
まず、保育園では給食の時間に、食事のマナーや栄養バランスについて、歌やゲームを取り入れながら、楽しみながら学べるよう工夫しています。
食べ物の色や形、産地などについて話し合うなど、子どもたちの興味関心を引き出すような働きかけを行っています。
また、食事の雰囲気づくりにも配慮しているでしょう。
テーブルを華やかに飾ったり、クラスで協力して盛り付けをしたりと、子どもたちが楽しい気分で食事に臨めるよう工夫しています。
さらに、友達と一緒に会話を交わしながら食事をする時間を大切にしています。
これらの取り組みを通して、子どもたちが食事を楽しむ心情を養うことができるでしょう。
楽しい思い出とともに、バランスの良い食事の大切さを自然と身につけていくのです。
保育園における食育は、単なる知識の習得にとどまらず、心身の健やかな発達を促すことが目的です。
その中核をなすのが、子どもたちが楽しみながら食事できる環境を整備することなのです。

2-2旬の食材の活用

保育園における食育の取り組みの中で、旬の食材の活用は重要な位置を占めています。
季節に合わせた食材の提供は、子どもたちの食への関心を喚起し、健康的な食習慣の形成につながるでしょう。
まず、保育園では季節ごとの旬の食材を積極的に取り入れています。
春には新鮮な野菜、夏には果物、秋には収穫物など、その時期ならではの食材を提供し、これにより、子どもたちは自然の循環を肌で感じ取ることができるでしょう。
また、旬の食材を使った給食では、その食材の特徴や調理方法について、子どもたちに具体的に説明しています。
例えば、りんごの酸味や食感、作り方のポイントなどを紹介し、食への理解を深めてもらっています。
さらに、保育園では子どもたちが旬の食材に触れる機会を設けています。
園庭での野菜作りや、近隣の農場への見学など、実際に食材の生産過程に触れられる体験活動を行っているでしょう。
こうした活動を通して、子どもたちは食べ物の大切さを実感することができます。
このように、保育園では旬の食材を活用し、子どもたちの食への関心を引き出しています。
季節性を意識した食事は、自然の循環を理解する機会にもなります。
さらに、食材の特徴や生産過程について学ぶことで、健康的な食生活の基礎が培われるのです。

2-3簡単な調理活動

保育園における食育の取り組みの中で、簡単な調理活動は子どもたちの食への理解を深める上で重要な役割を果たしています。
まず、保育園では年齢に応じた簡単な調理活動を行っています。
幼児クラスでは、野菜の洗浄や切る、混ぜる、盛り付けなどの調理補助を行い、低年齢児クラスでは、手作りおやつの作成など、より簡単な調理活動に取り組みます。
これらの活動を通して、子どもたちは食材の扱い方や調理の過程を体験的に学ぶことができるでしょう。
例えば、食材を切ったり混ぜたりすることで、食材の性質や変化を直接感じ取ることができます。
また、盛り付けを行うことで、食事の演出の大切さにも気づくのです。
さらに、活動の前後には必ず手洗いを行い、衛生面での配慮を身につけています。
調理後は、できあがった料理を実際に試食することで、自分たちの手作りの喜びを感じることができるでしょう。
このように、保育園では様々な簡単な調理活動を取り入れ、子どもたちの興味関心を引き出しています。
自分で作った料理を食べられる喜びは、食への関心を高める大きなきっかけとなります。
また、調理活動を通じて育まれる協力性や責任感なども、子どもの健やかな成長につながっていくのです。

2-4食べ残しの削減

保育園における食育の取り組みの中で、食べ残しの削減は大変重要な課題です。
子どもたちが残さず食べることができるよう、様々な取り組みが行われています。
まず、給食の量や内容を見直し、子どもたちにちょうど良い量を提供することから始まり、個々の子どもの成長段階や食べる量を把握し、無理なく完食できるよう配慮しています。
また、苦手な食材は少量から提供するなど、段階的に慣れていけるよう工夫しています。
さらに、子どもたちが自ら好きな料理を選べるような工夫も行っているでしょう。
複数の料理の中から選べる「選択給食」の導入や、トッピングを自由に選べるサラダバーの設置など、子どもの主体性を尊重した取り組みも行われています。
そして何より大切なのが、食事の雰囲気づくりです。
教師が楽しそうに食べている姿を見せたり、給食時間を会話を楽しむ時間とするなど、食事を楽しむ心地よい空間を演出することで、子どもたちが進んで食べられるよう支援しています。
また、給食残渣の計量や記録を行い、問題点を把握することも重要です。
子どもたちの残食傾向を分析し、改善策を検討することで、無駄のない効果的な取り組みにつなげています。
このように、保育園では子どもの発達段階に合わせ、様々な工夫を凝らしながら食べ残しの削減に取り組んでいます。
食事を楽しむ雰囲気づくりと、子どもの主体性を尊重する取り組みが、健康的な食習慣の形成に寄与しているのです。

2-5食事マナーの取得

保育園では、子どもたちが食事マナーを身につけられるよう、様々な取り組みが行われています。
まず、食事の前後には必ず手洗いを行い、衛生面での習慣を身につけ、給食の際は、教師が模範となって正しい手洗いの方法を示し、子どもたちに手順を繰り返し指導しています。
次に、食事中の基本的なマナーについても、丁寧に教えています。
例えば、正しい箸の持ち方や、口を開けずに静かに食べるなどの習慣を身につけるよう促しているでしょう。
教師が手本を示しながら、子どもたち一人ひとりの動作を確認し、アドバイスしています。
また、給食時間には会話を楽しむ時間としても活用しているでしょう。
教師が子どもたちと会話を交わしながら、食事を楽しむ姿勢を示しています。
食事中の会話マナーについても、「口いっぱいに食べ物を入れない」「相手の話を聞く」などのポイントを伝えています。
さらに、完食後は自分の位置に食器を返す習慣づくりにも取り組んでいるでしょう。
食事の後片付けを子どもたち自らが行うことで、食事への責任感や協調性も育まれます。
このように、保育園では食事を通して、子どもたちの基本的なマナーを身につけるための様々な取り組みを行っています。
教師が適切な模範を示し、子どもたち一人ひとりの動作を丁寧に指導することで、正しい食事マナーの習得につなげているのです。

2-6食育に関する行事の実施

保育園では、子どもたちの食に対する興味関心を高め、健康的な食習慣を身につけるために、様々な食育に関する行事を実施しています。
まず、年間を通して「給食試食会」を行っています。
保護者が子どもと一緒に給食を試食することで、家庭と園が連携して食育に取り組むことができ、試食会後には、栄養士による献立の説明や、子どもの食事状況に関するアドバイスなども行われているでしょう。
また「食育フェスタ」などのイベントを開催し、親子で楽しく食に関する体験ができるよう工夫しています。
野菜ソムリエによる野菜の話や、料理教室、食材収穫体験など、様々なプログラムを用意し、食の大切さを学べる機会を設けています。
さらに、保育園の畑で野菜を育てる取り組みも行っています。
子どもたちが種まきから収穫まで、野菜の成長を追体験することで、食べ物の生産過程に対する理解が深まり、収穫した野菜は給食に活用し、子どもたちの喜ぶ顔が見られるでしょう。
加えて、絵本の読み聞かせやクッキング保育など、食に関する学習の機会も設けています。
子どもの発達段階に合わせた内容で、食べ物への興味関心を高められるよう工夫しています。
このように、保育園では保護者と協力しながら、様々な食育に関する行事を通して、子どもたちの健康的な食習慣の形成を支援しています。

3-1発達段階に応じた食育実践

保育園における保育士の役割は、発達段階に応じた適切な食育実践を行うことです。
子どもの成長に合わせて、段階的に食への理解を深めていけるよう、細やかなアプローチが求められるでしょう。
乳児期は、食事のリズムづくりが重要となり、授乳や離乳食の進め方、安全な食事環境の確保など、個々の発達に寄り添いながら、楽しく食事ができるよう支援します。
1、2歳児クラスでは、自分で食べる喜びを感じられるよう、食事マナーの基本を丁寧に指導し、箸の持ち方や口を閉じて静かに食べるなど、正しい食習慣を身につけられるよう援助し、3、4歳児クラスでは、さらに食事を通した社会性の育成に取り組み、給食時間を会話の場として活用し、友達と楽しく食べられるよう促します。
5歳児クラスでは、食に関する知識の習得を目指し、給食の献立や、食べ物の産地、栄養価など、食に関する情報を伝え、食を通して自己管理能力も養います。
このように、発達段階に合わせて食育のアプローチを変えていくことが重要です。
保育士は、子どもの興味関心を引き出しながら、楽しみながら食べられる環境づくりに尽力します。
子どもの健やかな成長のために、きめ細やかな食育実践が求められるのです。

3-2個人差への配慮

保育園において、保育士には個人差への細やかな配慮が求められます。
子どもたちの食に関する興味関心や、発達段階、家庭環境など、一人ひとりが異なる特性を持っているためです。
まず、アレルギーや宗教的な理由による食事制限のある子どもへの対応が重要です。
アレルギー食の提供や、代替メニューの準備など、安全性の確保が不可欠です。
また、食べ物に対する信仰上の禁忌にも配慮し、保護者との連携を密に取らなければなりません。
次に、偏食傾向のある子どもへの働きかけが重要となり、無理に食べさせるのではなく、楽しみながら徐々に新しい食材に慣れていけるよう、工夫が必要です。
例えば、彩りの良い盛り付けや、食べやすい形状、仲間と一緒に調理するなど、子どもの意欲を引き出す取り組みが効果的です。
さらに、食事への集中力が低い子どもへの対応も求められ、落ち着いて食事に取り組めるよう、食事環境の整備や、会話のタイミングなど、きめ細かなサポートが欠かせません。
加えて、広食傾向の子どもへの配慮も忘れてはいけません。
好奇心旺盛な子どもが、無理せず様々な食材に触れられるよう、保育士は積極的に働きかけることが大切です。
このように、一人ひとりの特性に合わせた細やかな対応が、保育士に求められるのです。
子どもの成長に合わせて、柔軟に対応できる力量が、質の高い食育実践につながっていきます。

3-3保護者への食育支援

保育園における保育士の役割の中でも重要なのが、保護者への食育支援です。
子どもの食生活は家庭環境に大きく影響されるため、保護者との連携を密に取り、一貫した食育を行うことが不可欠となります。
まず、保護者に対して子どもの発達段階に応じた適切な食事指導を行うことが重要です。
乳幼児期は味覚形成の大切な時期であり、保護者に対して離乳食の進め方や、好き嫌いの対処法などを丁寧に伝えていきます。
また、食事マナーの習得やバランスのよい食事の大切さなど、発達段階に合わせた具体的なアドバイスを行うことで、家庭での食育を後押しすることができます。
次に、保護者の食に対する不安や悩みに寄り添うことも重要です。
偏食や、アレルギー、苦手な食べ物など、子どもの個性に合わせた対応を保護者と共に考え、解決策を一緒に見出していきます。
専門家の助言を得ながら、保護者の不安を和らげ、前向きな姿勢を引き出すことが大切です。
さらに、保育園と家庭の食育活動を連携させることで、子どもの食生活の質を高めていくことができるでしょう。
給食の献立や、食事の様子、行事などの情報を保護者に積極的に発信し、家庭での食育につなげていきます。
保護者自身が食への関心を深め、子どもの食行動の変容につながるよう支援することが求められます。
このように、保護者と手を携えながら、一貫した食育を実践することが、保育士に期待される大切な役割なのです。

3-4食育に関する知識の取得

保育士にとって、食育に関する専門知識の習得は欠かせません。
子どもの健全な食生活の形成には、保育士自身が食に関する正しい理解を深めておく必要があるからです。
まず、子どもの発達段階に応じた適切な食事や栄養に関する知識が重要です。
乳幼児期は味覚形成の大切な時期であり、この時期の食事内容は子どもの健康に大きな影響を及ぼします。
離乳食の進め方やアレルギー、好き嫌いの対処法など、子どもの発達に合わせた食事指導ができるよう、保育士は専門的な知識を身につける必要があります。
次に、食育の意義や目的、具体的な実践方法に関する理解も重要です。
単に食事の提供にとどまらず、食への関心を促し、望ましい食習慣を身につけるためには、保育士自身が食育の意義を深く理解しておく必要があります。
また、手作り給食の取り組みや、食事を通じた交流の大切さ、食材の選び方など、食育の具体的な手法についても学ぶ必要があります。
さらに、地域の食文化や食料事情、食品の安全性などに関する知識も不可欠です。
地域の特性に合わせた食育を行うためには、保育士自身が地域の食に関する情報に精通している必要があります。
また、食品の産地や安全性、手作り食の衛生管理など、食の安全性に関する知識も求められます。
このように、保育士には豊富な食育に関する専門知識が求められ、子どもの健やかな成長のために、保育士自身が絶えず学び続ける態度が不可欠なのです。

4-1生涯にわたる健康的な食生活の基礎形成

保育園における食育は、子どもの生涯にわたる健康的な食生活の基礎を形成する上で重要な役割を果たします。
子どもの食習慣は早期に形成され、その後の人生に大きな影響を及ぼすことが知られています。
乳幼児期は味覚や食行動の発達が著しい時期であり、この時期に適切な食育を行うことが、長期的な健康の維持につながるのです。
保育園における食育では、まず、バランスの取れた栄養のある食事を提供することで、子どもの健康的な成長を促します。
味付けや食材の組み合わせ、調理方法など、子どもの発達段階に合わせた工夫がなされ、楽しみながら食事をする習慣が身につくでしょう。
さらに、食事を通して、感謝の気持ちや集団生活のマナーを学ぶ機会が設けられます。
食事を楽しむ心情を育むとともに、食の大切さを理解する力が養われていきます。
また、食育では、食べ物への興味関心を引き出し、食に関する知識を深めることも重要です。
旬の食材を使った調理体験や、野菜作りなどの活動を通して、子どもの食への理解が深まります。
このように、保育園における組織的・計画的な食育は、子どもの健康的な食習慣の形成に大きな役割を果たします。
生涯にわたる健康的な食生活の基礎を培うことで、子どもたちの健全な成長を支えていくのです。

4-2食を通じた心身の健全な発達

保育園における食育は、子どもの心身の健全な発達を促す上で重要な役割を果たします。
まず、食事を通して、子どもの基本的な生活リズムを形成することができます。
規則正しい食事時間の設定や、楽しみながら食べるという習慣の形成は、健やかな成長にとって欠かせません。
また、食事の場では、友人や保育士との交流が深まり、思いやりの心や社会性が育まれます。
共に食事を楽しむ経験を重ねることで、食べ物への関心や感謝の心、マナーなども身につきます。
こうした心の育ちは、子どもの人格形成にも大きな影響を及ぼします。
さらに、食事内容の工夫によって、子どもの健康的な発達を促すこともできるでしょう。
バランスの取れた栄養をしっかりと摂取することで、免疫力の向上や体の調子を整えることができます。
また、食べ物の色や形、香りなどに興味を持たせることで、五感を刺激し、感性を豊かにすることも可能です。
加えて、食に関する体験活動を通して、探究心や創造性、協調性など、様々な能力の育成にもつなげられます。
野菜の栽培や調理実習、地域の食文化の学習など、食を通じた多様な活動は、子どもの可能性を最大限引き出すことができます。
このように、保育園における食育は、子どもの心身の健全な発達を促す上で、きわめて重要な役割を果たすのです。

4-3地域に根ざした食文化の継承

保育園における食育は、地域に根ざした食文化の継承にも大きな役割を果たします。
子どもたちが育つ地域には、その土地ならではの食文化が存在しています。
例えば、伝統的な調理法や、季節に応じた食材の活用、地元の特産物の活用など、地域によって様々な特徴があります。
保育園では、こうした地域の食文化を積極的に取り入れることで、子どもたちがその魅力に触れる機会を設けることができるでしょう。
食事の提供を通して、季節の食材の特徴や、調理方法の由来など、食文化の背景にある知識を伝えていくのです。
また、地域の人々を招いての料理教室の開催や、園児たちによる地元の食材を使った調理実習の実施など、様々な体験活動を通して、子どもたちが地域の食文化に直接触れることができます。
このような取り組みは、子どもたちに地域への愛着と誇りを育むことにもつながるでしょう。
自分たちの育った地域の食文化を学び、その魅力を理解することで、地域に対する理解が深まり、ふるさとへの愛着が醸成されていきます。
さらに、食文化を通した地域との交流は、保護者や地域住民との絆を強めることにもつながります。
食を通じて、地域の人々との対話が生まれ、世代を超えた交流が活性化されていくのです。
このように、保育園における食育は、地域の食文化を次世代に継承していく上で重要な役割を果たすのです。

1-1お腹がすくリズムのもてる子ども

子どもでも大人でも、食事は心を身体の栄養となるものですが、その前提として「お腹がすく」ことが必要になります。お腹がすいていない状態であれば、どのようなものを食べても美味しいとは思えません。さらにお腹がすくということは、言い換えれば生きるための欲求の表出となるものです。つまり社会生活を健全に営む上では、お腹がすくことに安定した生活のリズムを育むことも必要になります。

1-2食べたいもの、好きなものが増える子ども

色々な種類の素材や味付けの食べ物を食べることは、子どもにとって非常に重要な経験になります。同時に、食べたいものや好きなものが増えるということは、子どもが生活の中で様々な食文化と関わり、周囲に対して好奇心と関心を持ち、それを自分なりに受け止められるという心の成長にもつながります。

1-3一緒に食べたい人がいる子ども

食に関する主体的な活動は、他の子どもたちとのかかわりの中で深まり、豊かになるものです。職を通して、ひとりひとりの存在を確認し、他者にかかわる力を育てることも、保育園における食育の目的となります。

1-4食事づくり、準備にかかわる子ども

思いやりの気持ちを養うためには、子どもが他の存在に気づくことが重要です。相手を尊重し、困っている人がいれば手助けをするといった体験を重視し、次第に思いやりや他者への優しさを育むことも重要です。

1-5食べものを話題にする子ども

食材や調理について、食べ物への関心を高めるのも食育の目的です。食べ物がどのような過程を経て食卓に並ぶか、食べ物を育て、収穫するといった点にも関心を持たせることが必要になります。

2-1午前中に体をしっかり動かす

楽しく、思い切り身体を動かして遊ぶことで子供はお腹がすいたということを実感するもの。健康に食欲を感じるためには、しっかりと身体を動かして遊ぶことが必要です。また、そのように遊びの経験を重ねることも、食の話題を広げるきっかけになります。

2-2普段の給食以外の特別食（誕生日や行事など）を取り入れる

食事は身体に栄養を取り入れるだけではなく、楽しいもの。それを経験するのが普段の給食以外に提供される特別食です。誕生日の特別食は、自分のときはもちろんのこと、一緒に過ごす友達の誕生日に楽しい感情を抱けるという気持ちを育てるためには非常に重要なもの。
また、ひな祭りなどの行事での特別食は、食の楽しみだけでなく、日本の伝統的な行事や、その時に食べる食事、郷土の特色を学ぶための機会にもなります。

2-3友達や先生と会話しながら楽しく食べる

自分以外の誰かと一緒に食事を食べることは人とのかかわりを広げ、愛情や安心感を育てる礎となるものです。友達や先生とコミュニケーションを取りながら食事を行い、親しい人を増やすことが食生活の充実につながることを子ども自身に気づかせることも重要です。

2-4当番活動として食事の準備のお手伝いをする（盛り付け、食事マナー、片付けなどを学ぶ）

食事には社会活動としての一面もあります。食事の盛り付けなどの準備や後片付けを協力して行うことは、子どもが社会生活を行うための第一歩です。また、食事の際のマナーを教えて、自分だけでなく周囲も気持ちよく食事ができるようにすることも重要な食育となります。

2-5栽培して収穫したものを自分たちで料理して食べる

自然を体験することは、子どもにとっては非常に大切です。特に、野菜を種や苗から育てることで、野菜の季節や形、旬などを知ることにつながります。また、育てたものを収穫し、調理すると、苦手な野菜を克服し、食に感謝する心を育むことが期待できます。

2-6給食を通じて食事の話題を他人と共有する

保育園の給食を通じた食育で重要となるのが、食事の話題を他人と共有するということです。食べることの楽しさはもちろん、自分の好きなものや嫌いなものと、他人の好き嫌いを比較することは、多様な文化や考え方を受け入れるきっかけにもなります。さらに食材がどこから来るのかといった知識と関心を持つことにも役に立つため、一人で食べるのではなく、大勢と食事の話題を共有することは、重要な食育となります。

3-1給食やおやつなど、子どもたちと食事をする場面が多い

保育士や幼稚園教諭は、子どもたちと接する仕事。もちろん食事を一緒にする場面も少なくありません。また、保育園ではおやつなどを提供することもあります。一緒に何かを食べる場面こそ、食育には絶好の機会。子どもたちに食事の楽しさや食への興味を持たせることは、健康な身体づくりだけでなく情操教育にもつながります。
厚生労働省は保育園での食育を「食を営む力を育成すること」としていますが、その際には食育の豊富な知識が必要になります。

3-2子どもたちへの指導の幅が広がる

食育では、子どもの味覚を育てることや、健康な食習慣を身につけることなどが必要となりますが、中でも注意したいことはアレルギーへの対応です。食物アレルギーは場合によっては命に関わることもあるもので、保育士や幼稚園教諭など、子どもを預かる仕事に携わっている人にとって、ぜひ身につけておきたい知識です。特に保育園で預かる乳幼児の場合、まだ子どもが幼いということもあり、アレルギーに対して自覚していないことも少なくありません。アレルギーは生まれつきのものだけでなく、少しずつ体質が変わっていくというケースもあります。
また、食育の知識を身につけていると、毎日の生活の場で子どもたちが積極的に食についての体験を積み重ねさせたり、適切な指導案を計画、実施したりといったことも可能です。つまり、保育士や幼稚園教諭にとって、しっかり食育の知識を身につけていると、指導の幅も広がるということができます。