薬膳の効果・効能は？簡単に作れるおすすめスープを紹介

1-1中国伝統医学に基づいた食養療法

中国医学では、食べ物それぞれに性質や効能があると考えられており、体の状態に合わせて食材を組み合わせることで、健康維持や症状改善が期待できるでしょう。
具体的には、体調や体質に合わせて食材を選び、煮込んだスープなどの料理を作ります。
例えば、冷え性の人には生姜や黒ゴマを、貧血気味の人には鶏肉や赤ビーツを使うなど、自分の体質に合わせて工夫します。
また、薬膳料理は手作りでできるのも特徴です。
市販の調味料などは使わず、生薬のような食材を組み合わせることで、体に優しい一品に仕上がります。
煮込むことで、食材の栄養が引き出されるのも薬膳の魅力の1つです。
自分の体調に合わせて薬膳料理を楽しむことで、心身ともに健やかな状態を保つことができます。

1-2体調に合わせて食材や調理法を選ぶ

薬膳の特徴は、まさにその点にあります。
体調や体質に合わせて食材を選び、調理方法も工夫することで、自分に合った料理を作ることができるのです。
手作りでできるのも魅力の1つです。
自分の体調に合わせて食材や調理法を工夫することで、薬膳料理はまさに”自分オリジナル”の健康的な料理になるのです。
心身ともに健やかな状態を保つために、ぜひ手作りの薬膳スープにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
自分に合った一品を見つけることで、健康的な生活が送れるかもしれません。

2-1体を温める効果

中国伝統医学では、身体の冷えは多くの症状の原因と考えられており、体を適度に温めることが大切とされています。
薬膳では、体を温める効果のある食材を積極的に使用します。
例えば、生姜は血行を促進し体を温める効果があるため、冷え性の人に適しています。
また、黒ゴマにも同様の効能があり、体の芯から温まる効果が期待できるでしょう。
さらに、薬膳の料理法にも着目する必要があります。
煮込むことで、食材の持つ性質が引き出されるのが特徴です。
ゆっくりと時間をかけて煮込むことで、ダシがじっくりと染み出し、体を優しく温めてくれます。
このように、薬膳は体の冷えを改善し、体を適度に温めてくれる効果が期待できるでしょう。
冷え性や関節痛、不眠など、体の冷えに関連する症状に悩んでいる人にとって、薬膳は大変有効な選択肢となります。

2-2免疫力アップ効果

中国伝統医学では、免疫力の強化が健康維持の鍵と考えられており、薬膳はその目的に合った食養療法として注目されています。
薬膳には、さまざまな生薬や健康食材が使用されます。
その中には、免疫力を高める効果のある食材が数多く含まれています。
例えば、しいたけやエリンギなどのキノコ類は、ビタミンやミネラルを多く含み、免疫機能を高める効果があります。
また、にんにくやショウガにも同様の働きがあるでしょう。
さらに、薬膳の調理法にも着目する必要があります。
そのため、薬膳スープなどを定期的に摂取することで、継続的な免疫力アップが期待できるのです。
免疫力の低下は、様々な疾病のリスク因子となります。
特に、感染症予防や風邪予防には重要な役割を果たします。そのため、薬膳は健康維持に大変有効な選択肢と言えるでしょう。
手作りの薬膳料理を取り入れることで、自分に合った免疫力アップの効果を実感できるかもしれません。

2-3疲労回復効果

中国伝統医学では、心身のバランスを整えることが疲労回復の鍵とされており、薬膳はその目的に合った食養療法として注目されています。
薬膳では、さまざまな生薬や健康食材が使用されます。
その中には、疲労回復に効果的な成分を含む食材が多数あります。
例えば、人参やクコの実には、ビタミンやミネラルが豊富に含まれており、疲労回復に役立ちます。
また、黒ゴマにはマグネシウムが含まれ、筋肉の疲労を和らげる効果が期待できます。
さらに、薬膳の調理法にも着目する必要があります。
そのため、薬膳スープなどを定期的に摂取することで、継続的な疲労回復が期待できるのです。
現代社会では、過度の ストレスや長時間労働により、慢性的な疲労に悩む人が増えています。
そのような人にとって、薬膳は大変有効な選択肢となります。心身のバランスを整え、持続的な疲労回復を促す薬膳は、健康維持に欠かせない存在と言えるでしょう。

2-4その他の効果 (気分転換、デトックス効果など)

薬膳にはリフレッシュ効果や気分転換の効果があります。
レモングラスやローズマリーなどの香り成分を含む食材を用いることで、リラックス効果が得られ、心を落ち着かせることができます。
また、パセリやクレソンなどの緑黄色野菜は、ストレス解消にも有効とされています。
さらに、薬膳にはデトックス効果も期待できるでしょう。
生姜やニンニクなどの刺激的な食材には、体内の老廃物を排出する作用があります。
また、海藻類にはミネラルが豊富に含まれており、体内のバランスを整えてくれます。
このように、薬膳には心身ともに良好な状態を維持するための様々な効果が期待できるでしょう。
慢性的なストレスや疲労、体調不良に悩む人にとって、薬膳は大変有効な選択肢となります。

2-5体を温める「温熱性」

中国伝統医学では、体内の陰陽のバランスを整えることが健康維持の鍵とされており、薬膳はその目的に合った食養療法として注目されています。
薬膳に含まれる生薬や健康食材には、様々な温熱性の成分が含まれています。
例えば、生姜やニンニク、唐辛子などは体を内側から温め、血行を促進する作用があります。
また、シナモンやクローブ、クコの実なども同様の効果が期待できるでしょう。
これらの温熱性の成分は、体の冷えを改善し、代謝を高めることができるでしょう。
さらに、ゆっくりと時間をかけて煮込むことで、食材の有効成分が最大限引き出され、持続的な温熱効果が得られるのが特徴です。
そのため、薬膳スープなどを定期的に摂取することで、体の芯から温まり、冷え性の改善や体調管理に役立てることができます。
特に、寒い季節に体の冷えが気になる人にとって、薬膳は大変有効な選択肢となります。

2-6薬膳の効果をアップさせる「平性」

「平性」とは、食材の性質が体内の陰陽を中庸に保つ特性のことを指します。
例えば、体を温める「温熱性」の食材と体を冷やす「寒性」の食材を適切に組み合わせることで、体内の陰陽のバランスを維持することができるでしょう。
このように、薬膳の調理では、各食材の性質を理解し、上手に組み合わせることが重要です。
生姜やニンニクなどの温熱性の食材に、しょうがや大根などの寒性の食材を加えることで、体内の陰陽のバランスを保ち、薬膳の効果をさらに高めることができます。
さらに、調理の工夫も「平性」を保つ上で重要です。
ゆっくりと時間をかけて煮込むことで、食材の性質がより調和し、調味料のバランスも整えられます。
このように、薬膳の「平性」は、体のバランスを整え、薬膳の効果を最大限に引き出す鍵となります。
手作りの薬膳料理を通して、自分に合った「平性」の調整方法を見つけていくことで、更なる健康効果が期待できるでしょう。

2-7体の熱を逃す「寒涼性」

薬膳に含まれる生薬や健康食材には、様々な寒涼性の成分が含まれています。
例えば、キャベツやパセリ、きゅうりなどの青物野菜は体を冷やし、代謝を下げる作用があります。
また、柑橘類やトマト、海藻類なども同様の効果が期待できるでしょう。
これらの寒涼性の成分は、体の過剰な熱を逃がし、体温のコントロールに役立ちます。
特に、夏場や体調が優れない時期に、体の熱を冷ますことで、むくみの解消や疲労の緩和が期待できます。
また、薬膳には生姜やにんにくなどの温熱性の成分も含まれているため、適切な組み合わせで寒涼性と温熱性のバランスを保つことができるでしょう。
これにより、体内の陰陽のバランスが整えられ、自律神経の安定化にもつながります。
手作りの薬膳料理を定期的に摂取することで、自分の体質に合った寒涼性の効果を実感できるでしょう。
夏バテや体調不良に悩む人にとって、薬膳は大変有効な選択肢となります。
ぜひ、薬膳に含まれる寒涼性の食材に注目し、自分に合った活用方法を見つけてみてはいかがでしょうか。

3-1生姜入りお味噌汁

生姜入りのお味噌汁は、手軽に作れる薬膳スープのおすすめレシピです。
温熱性の高い生姜を使うことで、体を内側から温めてくれる効果が期待できます。
まずは、生姜を1cm程度の厚さに切り、皮もそのままでOKです。
次に、だし汁を作ります。昆布とかつおぶしを用意し、10分ほど煮出します。
ここで生姜も一緒に煮込むことで、生姜の成分が十分に出ます。
だし汁ができたら、味噌を溶き入れます。白味噌や赤味噌、合わせ味噌など、好みの味噌を選んでください。
最後に、お好みの野菜を加えて5分ほど煮ます。
定番の具材としては、もやし、ほうれん草、豆腐などがおすすめです。
生姜のアクセントと、旨みのある出汁が絶妙にマッチした、温活にぴったりのお味噌汁の出来上がりです。
生姜には血行を促進する作用があるため、体の冷えが気になる人や、冷え性の改善にも効果的です。
手軽に作れる上に、体を温めてくれる薬膳スープなので、ぜひ日々の食事に取り入れてみてください。

3-2人参とにんにくのスープ

人参とにんにくのスープは、簡単に作れる薬膳スープのおすすめレシピです。
温熱性の高い食材を使っているため、体を内側から温めてくれる効果が期待できるでしょう。
まずは、人参をしっかり洗って皮をむき、2cm程度の厚さに切り、にんにくは1片を薄切りにします。
次に、だし汁を作ります。昆布とかつおぶしを用意し、10分ほど煮出し、ここでにんにくも一緒に煮込むことで、にんにくの成分が十分に出ます。
だし汁ができたら、塩こしょうで味付けをします。
好みに応じて、醤油やみりんなどを加えてもOKです。
最後に、切った人参を加えて15分ほど煮ます。
人参がやわらかくなったら完成です。
人参にはビタミンAが豊富で、にんにくには抗菌作用があるため、免疫力アップにも期待できます。
また、温熱性の高い2つの食材を組み合わせることで、体のめぐりを良くし、冷えを改善する効果も期待できるでしょう。

3-3大根とわかめのスープ

大根とわかめのスープは、温かく体を優しく包み込む、ヘルシーな薬膳スープです。
大根は消化が良く、水分と食物繊維が豊富なため、体内の余分な水分を取り除き、老廃物の排出を促します。
わかめには豊富なミネラルが含まれており、血液をサラサラにし、免疫力を高める効果が期待できるでしょう。
このスープを作る際は、まず大根を一口大に切り、わかめを適量加えます。
だしを作り、そこに大根とわかめを煮込みます。
最後に、醤油やみりん、塩などで味付けをすると、体の中から温まる優しい味わいになります。
生姜やニンニクを加えると、さらに身体を温め、代謝を高める効果も期待できるでしょう。
また、豚肉やシイタケなども一緒に煮込むと、より栄養価の高いスープになります。
大根とわかめのスープは、体調管理に役立つ万能な薬膳スープです。

3-4鶏肉とにんじんのスープ

鶏肉には、たんぱく質や鉄分、ビタミンB群が豊富に含まれており、体の疲れを癒し、回復を促してくれます。
一方、にんじんにはビタミンA、食物繊維、カロテノイドなどの栄養素が豊富で、体の調子を整えてくれるでしょう。
このスープを作る際は、まず鶏肉を一口大に切り、にんじんは細かく刻み、その後、だしを作り、鶏肉とにんじんを入れて煮込みます。
煮立ったら、醤油やみりん、塩で味付けをします。
生姜やニンニクを加えることで、さらに体を温める効果が期待できるでしょう。
また、ショウガにはお腹の調子を整える効果も期待できるため、体調管理にも役立ちます。
このスープは、体を内側から温めながら、免疫力を高めてくれる優れもののホットスープです。

3-5牛肉と大根のスープ

牛肉には、鉄分やビタミンB12など、血液を作る栄養素が豊富に含まれています。
一方、大根は消化が良く、水分と食物繊維が豊富なため、体内の余分な水分を取り除き、老廃物の排出を促します。
このスープを作る際は、まず牛肉を一口大に切り、大根も一口大の大きさに切り、だしを作り、そこに牛肉と大根を入れて煮込み、煮立ったら、醤油やみりん、塩で味付けをします。
生姜やニンニクを加えると、さらに体を温める効果が期待できるでしょう。
また、ショウガにはお腹の調子を整える効果も期待できるため、体調管理にも役立ちます。
このスープは、寒さに負けない強い体力を養うことができる、まさに冬にぴったりの薬膳スープです。
牛肉と大根のコンビネーションは、体を内側から温めながら、疲れを取り除いてくれます。

3-6その他のおすすめスープ

大根とひじきのスープもおすすめです。
大根には体を冷やす寒性があり、ひじきの塩分がアクセントになり、ここにニンニクやしょうがを加えることで、体を温める作用も期待できます。
さらに、小松菜とえのきのスープも薬膳の定番です。
小松菜の緑黄色野菜と、えのきの食物繊維が体の巡りを良くします。
ニンニクを加えることで、免疫力アップにも期待できます。
どのスープも、手軽に作れて体を温めてくれる効果が期待できるでしょう。
特に、寒い季節に体調管理が難しい時期は、これらの薬膳スープをしっかり取り入れることをおすすめします。

4-1食材の選び方

薬膳スープを作る際のポイントは、食材の選び方にあります。
体を温める効果が期待できる食材を選ぶことが重要です。
まず、温熱性の高い食材として、生姜やにんにく、ごぼう、大根などが挙げられます。
これらの食材には、血行を促進したり体の巡りを良くする作用があります。
一方で、寒性の食材も取り入れると良いでしょう。
小松菜やほうれん草などの緑黄色野菜は、体を冷やす効果があるため、温熱性の食材とうまく組み合わせると相乗効果が期待できます。
また、出汁の取り方にも注意が必要です。
昆布やかつおぶしを使ってダシを取ることで、旨みのある汁ができあがります。
さらに、薬膳の特徴として、塩分控えめ、糖質控えめ、動物性脂肪控えめなどが挙げられます。
そのため、調味料の使い方にも気を付ける必要があるでしょう。
これらのポイントを意識して食材を選べば、体を温める効果が高く、健康的な薬膳スープが作れるはずです。

4-2調理のコツ

適切な調理方法を意識することで、スープの効能をより高めることができます。
まず、大切なのは、食材の組み合わせです。
体を温める効果が高い食材と、体を冷やす効果がある食材を組み合わせると理想的です。
例えば、生姜やニンニクなどの温性の食材と、小松菜やほうれん草などの寒性の食材を一緒に煮込むと良いでしょう。
次に、食材の下ごしらえも重要です。
特に根菜類は、しっかりと洗浄し皮をむくことで、より効果的に体を温めることができます。
また、生姜やニンニクは薄切りにすると、成分が良く出るため効果的です。
調理方法では、ゆっくりと煮込むことがポイントです。
薬膳スープは一気に煮立てるのではなく、じっくりと時間をかけて煮込むことで、食材の旨味や栄養が引き出されます。20-30分程度の煮込みがおすすめです。
塩分は控えめ、砂糖は使わずに、しょうゆやみりんなどで味付けするのがよいでしょう。
これらのコツを意識して調理すれば、体を温める効果が高く、健康的な薬膳スープが仕上がります。

4-3食べ方のアドバイス

スープの効能を高めるための食べ方のポイントをご紹介します。
まず、大切なのは、ゆっくりと時間をかけて食べることです。
薬膳スープは体を温める作用があるため、ゆっくりと味わいながら食べることが大切です。
それによって、スープの成分が丁寧に体に吸収されていきます。
次に、スープの温度にも注意が必要です。
できるだけ熱めのお湯で作り、熱いうちに飲むことをおすすめします。
温かいうちに飲めば、体を芯から温めることができ、冷めすぎるとその効果が薄れてしまいます。
また、スープに合わせて食べる副菜も重要です。
薬膳スープの効果を最大限引き出すには、ごぼうやにんじん、大根などの根菜類を一緒に食べるのがよいでしょう。
これらの食材にも温性があり、スープとの相乗効果が期待できます。
最後に、適量を心がけることも大切です。
スープは体を温めすぎないよう、1度に過剰に飲みすぎないことが重要です。
これらのポイントを意識して薬膳スープを味わえば、より効果的に体を温めることができるはずです。

1-1基本は不調を防ぐもの

薬膳は美容と健康に効果があると言われています。というのも、薬膳で使用されている食材の中には、漢方薬にも使用されているものがあるから。漢方薬は、植物や動物、鉱物といった自然に存在するものの中で、薬としての効果が高いものを選び、調合したものですが、薬膳でもこれらの生薬を食材として使用、内側から身体の調子を整えてくれます。
また、薬膳は体調を整えて、病気になる前の段階で身体を調整する効果も期待できます。中医学では「未病」という考え方がありますが、これは病気ではないが健康でもないという、病気と健康の間の状態。
この未病の段階で体調を整え、病気になることを防ぎながら身体を健康な状態へと導きます。
そのため、薬膳を普段の生活に取り入れることで、不調を防ぐという効果が期待できます。

1-2薬膳で解消できると言われる症状

では、どのような症状が薬膳で改善できるのでしょうか。薬膳は健康面と美容面のふたつの効果があります。
まず健康面では、冷え性や疲れ対策、滋養強壮、肩こりや腰痛など。特に生活習慣病に対しては効果を発揮します。というのも、薬膳の基本となるのは、身体の中に溜まった余計なものを排出し、身体の力を補うという考え方。現代人は不規則な食生活や偏ったメニュー、コンビニ弁当やファストフードによる塩分や糖分、脂質などが過剰になりがち。それが溜まりすぎたものが糖尿病や高脂血症、高血圧といった生活習慣病ですが、薬膳は食べ過ぎを防ぎながら、体内から不要なものの排出を促し、身体の調子を整えてくれます。
一方の美容面では、むくみや便秘、肌荒れなどにも効果があります。
実はむくみや便秘、肌荒れなども、生活習慣病と同じく、体内に不要な老廃物や水分が溜まってしまったことが原因。薬膳で使用される生薬は、これらの不要な老廃物や水分の排出も促し、すっきりした身体に導いてくれます。
また、薬膳の美容効果としてダイエットが挙げられます。
薬膳は様々な効能を持った食材を組み合わせて料理として提供するものですが、素材や組み合わせによって、内側から体質改善を行うことも可能です。
そもそも薬膳のベースとなっている中医学は、個人の体質や体調を重視し、それを健康な状態へと導くもの。そのため、中医学の理論をベースにした薬膳も、体質の改善に効果を発揮します。太りやすい体質やむくみやすい体質、なかなか体重が落ちないといった場合でも、身体の中から不足している物を補うことで、痩せやすく太りにくい体質へと導いてくれます。

2-1薬膳で使われる食材は大きく3つに分けられる

薬膳では食材の特徴を大きく三つに分けて考えます。それが「温熱性」「平性」「寒涼性」と呼ばれるものです。

2-2体を温める「温熱性」は血行促進や冷え性改善

「温熱性」とは、身体を温める性質を持った食材のことです。さらに巡りをよくして、身体を元気な状態に導きます。
また、発汗を高め、新陳代謝を促すのも温熱性の食材の特徴。冷えた身体を温めたり、冷え性の改善などには効果がありますが、発熱している場合や、身体が熱すぎる場合などは避けたほうがよいでしょう。また、これらの食材は大量に摂取すると身体のバランスが崩れることがあります。
温熱性の主な食材は、牛肉や羊肉、アジやイワシ、エビ、ウナギ、ナガイモ、カボチャ、タマネギ、ニンニク、ショウガといった物が挙げられます。
調味料では、黒砂糖や酢、味噌、コショウなども温熱性の食材です。
なお、薬膳では飲み物にもそれぞれの性質があると考えますが、温熱性の飲み物はコーヒーや紅茶、酒などが挙げられます。

2-3温熱や寒涼などに影響を与えない「平性」は吸収率や薬膳効果を高める

身体を温めたり冷やしたりする作用がない食材のことを、薬膳では「平性」と呼びます。平性の食材は、偏りが少なく滋養強壮にも効果があり、病後や子どもでも食べられると考えられる食材です。また、吸収率や薬膳効果も高いため、積極的に摂取したい食材です。
平性の食材としては、大豆、卵、鶏肉、サケ、サバ、サンマ、ジャガイモ、サツマイモ、ニンジン、シイタケ、リンゴ、ブドウなどがあります。飲み物では牛乳、調味料ではハチミツなども平性の食材で、薬膳では非常によく用いられます。

2-4熱を体外へ逃がす「寒涼性」は血圧の上昇を抑える

身体に溜まった熱を冷まし、身体から不要な水分を排出したり、消炎の効果などがあるのが寒涼性の食材です。寒涼性の食材には海藻なども含まれているため、便秘解消の効果も期待できます。
ただし、寒涼性の食材を食べるときは身体が冷えすぎないように、温熱性の食材と組み合わせたり、冬の季節に食べ過ぎないようにしたりといった注意が必要です。寒涼性の食材には、豚肉、マグロ、そば、ホウレンソウ、春菊、キュウリ、ナス、トマト、レンコン、スイカ、カキなどが挙げられます。
飲み物では、麦茶や緑茶も寒涼性の食材です。また、調味料では塩、出汁でよく使用される昆布も寒涼性の食材なので、知らず知らずに取りすぎになってしまうこともあるため、注意するとよいでしょう。

3-1目的や体の調子にあわせて多種多様な効果を得られる

薬膳をスープにするメリットは、目的や身体の調子に合わせて多種多様な効果を得られるということ。特に薬膳は身体を温めることが大切と考えますが、スープならそれにぴったりです。
また、スープならベースとなる鶏ガラスープに食材を入れるだけと、料理が苦手な人にも非常に簡単です。
たとえば、冷え性には生姜やネギのスープ。ショウガもネギも身体を温める効果が高い食材で、冷えを解消してくれます。
一方、貧血には黒ゴマやホウレンソウのスープが最適。黒ゴマやホウレンソウには身体の中のエネルギーを補ってくれる働きがあると考えられているため、貧血で悩んでいる人には最適です。
もし疲れ気味な方や身体が重いという場合には、、切り干し大根や干ししいたけのスープが良いでしょう。干した野菜にはデトックス効果があると言われているため、体内の老廃物の排出に効果が期待できます。
さらに干した野菜は旨みが凝縮されているため、塩分を減らすことができるため、塩の取りすぎによるむくみ解消といった効果も期待できます。